日々是遊歩。見て、聞いて、感じて、それを殴り書き。

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行きて帰りし走行記録 PBP2019走行編 Part.3

 ブルベは、準備にも色々手間がかかりますし、実走も疲れますが、アフターブルベも色々大変です。

 私の場合、こうやってレポートを残すのですが……この執筆が、ブルベ以上に疲れます(^^;)。
 書き出しから終わりまで、同じテンションを維持するのも大変ですし、文字数が何万字にもなることもあったりして……。

 今までの最長記録は、2016年の北海道1,200のレポートですが、このPBP2019に関しては、ちょうどコースの半分程度の段階で、掲載画像数が通算100枚に届きそうになっていまして、過去最高を軽く超えそうな勢いです(このPart.3段階で98枚)。
 その画像処理も同時並行で行っているので、本日、PCにも負荷がかかったのか、執筆中に強制終了してしまいました(^^;)。

 文章はこまめにセーブしていたので助かりましたが、画像が10枚ほど、再処理が必要になったり、色々大変なことになっています……。

 ま、とりあえず、勢いで書き上げられたのは、今週はここまで。
 あとはまあ、合間を見てゆっくり書き上げていきますので、皆様、ゆっくりお付き合いくださいませ(^^;)。

 では本題です。
 PBP2019走行編、Part.3をお送りします。

 結局、19日は朝から一日中、向かい風に微妙に押し戻されながらルデアックに到着。
 本当は、もう1時間ほど貯金を作りたかったところですが、コンディションを考えたら上出来でしょう。

 ここでドロップバッグ内の荷物や予備物資等を駆使して、レスト&リカバリータイムです。
 翌日以降、できるだけ快適に、かつ十分な力を残して走れるようにしないといけません。

 私が4年前の、初めての挑戦で到達できたのは、次のPC、カレ・プルゲールまで。
 それを越えて折り返し地点のブレストへ。
 そして、はるか東の遠くになったランブイエまで、無事に走り切る。

 そのためにも、今はしっかり回復に努めましょう。

 というわけで、興味のある皆様は、以下のRead moreをクリックしてください。


1.Ludeac ~ Saint-Nicolas-du-Pelem ~ Carhaix-Plouguer
 ルデアックのドロップバッグポイントは、4年前よりもずっとカオスな状況になっていました。
 以前は番号順に整然とバッグが並んでいた覚えがありますが、今回は大体、同じ番号のドロップバッグが、グループ単位で塊になっている、という感じで、自分のバッグを探し出すのに、結構時間がかかってしまいました。


19081868.jpg
ルデアックのドロップバッグポイント。
利用者が格段に増えたため、
かなりカオスな状況になっていた。


 シャワー用の着替えと、スマホ、ライトなどの充電用のモバイルバッテリー、仮眠時の防寒用の簡易シュラフなどを取り出し、携行糧食を食べながら仮眠所へと向かいます。

 この時、割り当てられたのは、アウトドア用の折りたたみ寝台(コット)。
 台の下でモバイルバッテリー類を充電状態に接続し、ヘルメットを被せて隠して、シャワーへと向かいます。

 シャワー室は、入口で全て装備を解いて(裸になって)シャワールームに入り、天井に固定されたシャワーから落ちるお湯(日本人感覚だと、かなりぬるい)を浴びるという形式でした。
 4年前はペーパータオルを渡された、とのことでしたが、今回は使い捨ての不織布タオルでした。

 ただし、これも水を吸うと少しもろくなり、強く体を擦ると裂けてしまったり、色々あったようです。
 私は体を拭くための装備として、いわゆる冷感タオル(濡らして首にかけたら涼しい、というアレ)を持ち込んでいました。
 吸水性が高いので、普通の体拭きとしてもなかなか優秀でした。

 ちなみに、汚れ物は携帯型の消臭スプレーを十分に吹き付けてからジップロックに封入。
 そのままドロップバッグに格納し、洗濯まで厳重保管です。

 この、ルデアックのシャワー室に行く場合、着替えなどを持ち込むための、エコバッグのような手提げ袋があると便利だと思います(壁のフックに下げておける)。

 時間的に、仮眠所もシャワー室も利用者が多く、あまり長時間占拠するのは気がひける状況でしたが、それでも一通り、全身を洗うくらいはして、清潔な装備に着替えます。

 ここ、ルデアックからブレストまでの往復区間の装備には、ランドヌール宮城ジャージを選択していました。
 4年前にはこのジャージをブレストまで連れて行けなかったので、今回は確実に連れて行ってやろう、と考えてのことです。

 諸々、体の清拭が終わったのが0時頃。
 汚れ物などをドロップバッグに戻し、仮眠所に入って寝ることにします。

 しかし、コットの寝台は、寝転がってすぐは良かったのですが、時間が経つと、簡易シュラフを通しても背中側がスースーと冷たく感じられ、眠りを何度も覚まされます。
 それでも、顔にライトを当てられ、目を覚ました時には、それなりの熟睡感がありました。
 熟睡感があるなら大丈夫。こういう場所でも寝られるようになってしまった自分の図太さがありがたい。

 で、起こされた時間は……時計を見たら、2:30
 おい待て、15分オーバーしてるやん!
 (仮眠所では、時々、こういうことが起きます。皆様はアラーム併用を推奨)

 もしかして、隣の寝台と入れ替わったり、同時刻出発が多数いたりして、時間がずれたのでしょうか?
 慌てて仮眠所を飛び出すと、明け方の強烈な冷気が周囲を覆い尽くしていました。
 横耳に聞いた話では、当たり前のように一桁まで気温は落ちていたようです。

 しかし、日本にいる時と違い、乾燥しているためウェアがすぐ乾くのがありがたいです。
 このおかげで、濡れたウェアに体温をどんどん奪われていく、汗冷えの感覚はありません。
 風さえシャットアウトしてしまえば、寒さにも耐えられるでしょう。

 ドロップバッグに放り込んであったVolvicで麦茶パウダーを溶いたり、トレイルミックスを口に放り込んだりして、出発準備完了。
 2:45頃、往路のルデアックを出発。
 出口でブレスト方向だけでなく、パリ方向に向かう参加者の姿も見えたため、大声で「ブレスト!」と宣言してから、ブレスト方面を示す黄色い矢印方向へとハンドルを切りました。

 WP3、サン・ニコラ・デュ・ペレムまでは43km。
 今までの流れから、おそらく、往路のシークレットはそこになるでしょう。
 まずはそこまでの間に、できるだけ時間を回復できれば。

 明け方に向けて、一段と冷え込みが厳しくなっていく気候の中、4年前には完全に追い込まれ、DNFを決意したこの区間を越えるべく、クランクを踏み込むのでした。


19081869.jpg
WP3、サン・ニコラ・デュ・ペレム
シークレットPC
(20日、5:27チェック)


 やはり、往路のシークレットはサン・ニコラ・デュ・ペレムに置かれていました。
 これは4年前と同じです。

 そして、4年前には朝、明るくなって、次のPC、カレ・プルゲールのクローズ時間でないと到達できなかったのですが、今回は40分の借金で到着……。

 う~ん、成長……したのか?(^^;)

 まあ、とにかく時間を取り返すため、さっさと出発しよう。

 駐輪所で、酒田のこーへーさんと遭遇。
 こーへーさんもすぐ出る、とのことでしたが、借金返済があったので、ここではお先に失礼します(ちょっと薄情だったかも……)。


19081870.jpg
再び空が綺麗な藍色になってきた。
(色補正なしで、この空の色である)
そろそろ日の出を迎える。


 ここからカレ・プルゲールまでは33km。
 前回は、DNFを決意後、撤退のための鉄道駅を目指して走った区間です。

 その時は、結構な田舎道を走ったよな……。
 明るくなってからも、狭くて危険だと思った箇所がいくつかあったので、注意しないと……。


19081871.jpg
と言ってるそばからこれだ。
濃霧で何も見えない。


 サン・ニコラ、カレ・プルゲールの周辺は、確か前回も明け方に濃密な霧に包まれ、見通しが悪くなっていた記憶があります。
 放射冷却が起きた夜から朝にかけてかかる霧、放射霧がこの地域の朝の風物詩なのかもしれません。


19081872.jpg
それにしても霧が濃すぎる。
オートフォーカスが効かないレベルだ。


 この日の朝霧は、ものすごい濃度で周囲を覆い、耐寒装備として身につけていたレインウェアの表面を水滴で覆い尽くし、アイウェアは拭っても拭っても結露し、視界を滲ませてくれました。
 また、薄暗い場所ではライトをつけていても乱反射で道がよく見えず、下りではおもわず減速してしまう場所もあったり、走りづらい、という印象を与えてくれていました。

 4年前の撤退時にミスコースしたポイントを、今回は正しく通過。
 PCの、ほんの数キロ手前だったんだな……。
 あの時は表示を読み間違えてミスコースし、10km以上遠回りしたという、かなり間抜けなことをやったのでした。

 しかし、時間が本当にギリギリだな。
 なんとか間に合うか、ギリギリ落とすか……。

 濃霧の中、スタジアム照明のような明るい光を放つ施設が右前方に見えてきました。
 霧を通して見える向こうに、右に入れ、の矢印の電光表示が点滅しています。どうやらあそこがPCのようです。

 Nグループのクローズは7:00、PCが見えてきたときに時計を見てみたら……げっ、6:57。
 ここで必死にダンシングで加速してPCに飛び込みました。


19081873.jpg
PC5、カレ・プルゲール
(20日、7:05チェック)


 ……5分、オーバーかよ……。

 国内のBRMなら、この時点でサヨウナラです。
 が、PBPは、2つ向こうのPCまでに時間を回復できれば認定対象になる、という特記事項がありますので、5分程度、どうということはありません。

 次のブレストで時間内に戻せばいい。
 というか、戻せるでしょ!

 そのために、ルデアックではろくな補給をせずに出てきていることもあるので、ここで一旦、食事をして、しっかりエネルギーを蓄えることにしたのでした。

 なお、カレ・プルゲールのPCは、全区間でも珍しい、PC到着前後にいやらしい登りがあまりない、平坦な土地にあるPCでした。
 この先、西の方に市街地(その中心街まではしっかり登る)がありますが、そこから外れた位置に、新たに建築された施設を使っているようです。

 間に合わない、と思っても、頑張ってみる価値はありそうですね。

 そういえば、カレ・プルゲールのコントロール入口では、日本人の有志の方が、アルファ米のご飯を提供してくださいました。

 これは本当にありがたかった!
 そろそろ、パンだけでなく、もう少し腹にがっつりたまる物が食べたくなっていたところです。

 そして、日本人にとって、腹にたまる飯、といえば、やはり米。
 これがないと、どうも口寂しいのですよね……。

 五目ご飯とドライカレーのうち、ドライカレーを選択し、ブレスト攻略前の補給としました。
 

19081874.jpg
カレ・プルゲールでの補給。
ドライカレーとポタージュスープに、
ヨーグルト。
ここの料理は、なかなか好評だった。


 補給後、お手洗いを探して施設内を歩いているうちに、ランドヌール宮城スタッフの、酒田のSさんにお会いできました。
 どうやら、ランドヌール宮城チーム、メンバーの体調不良により、かなり遅れをとっている様子です。ブレストでその後をどうするか判断する、とのことでしたが……健闘をお祈りしたいものです。

 また、ここではロングライダーとして有名なばるさんにもほぼ同時にお会いできました(最初、いらっしゃったことに気づいておらず、びっくりしてしまった ^^;)。
 パートナーのサメハルさんが少々、体調を崩しておられるとのことで、やはりブレストで様子を見る、とのことでしたが……。

 慣れない海外のロングライド、ベテランや実力者でも、ちょっとしたボタンの掛け違えでコンディションが乱れてしまうことは良くあります。
 皆様、それぞれに健闘をお祈りしたいところでした。

 ちなみに、ばるさんから「前回はどこまで行ったのでしたっけ?」と聞かれ、即答で「ここです!」と(笑)。
 アバンダンを決めたのは、一つ前のWP&シークレットのサン・ニコラでしたが、撤退のため鉄道駅を目指して、この町までは来たのでした。

 しかし、その時点でブレストのPCもタイムアウトの時間。
 4年前は最終組出走だったので、そこからブレストに向かってもPCは撤収されており、どこかで一泊してパリに戻るしかなかったでしょう。


19081875.jpg
いろいろ準備を整え、
出発準備完了。
コースに復帰する。


 補給などを行っている間に霧は薄くなり、コースは見通しも良くなり、走りやすそうになりました。

 ここから先は、前回のPBPでは到達できなかった区間になります。
 見るものすべて、走る場所のすべてが初体験、ということになり、少なくとも「前回越え」を果たせる、ということもあり、気分が高揚するのを感じますが……。

 冷静に行こうぜ、と、自分自身に言い聞かせて、再びサドルの上に跨ります。


19081876.jpg
出がけに見つけた、
各国の言葉で書かれた歓迎の言葉。

19081877.jpg
もちろん、日本の国旗と、
「ようこそ」の文字もあった。


 地域の皆様が準備してくれた、温かい歓迎の言葉に見送られ、ブレスト方面へと出発します。
 補給等々、行っていたので、PCを出たのは午前8時。
 1時間借金ですが、ブレストまでの約90kmのうちに取り返せるでしょう。

2.Carhaix-Plouguer ~ Brest
 カレ・プルゲールの駅までの道は、以前も通った覚えのある区間がありましたが、それを越えて、市街地中心部へと登り上げる坂に差し掛かると、そこから先はもう、前回は到達できなかった区間です。
 朝の静けさの中にある町並みが、今までの町とは少し違う雰囲気に見えたのでした。


19081878.jpg
まだ目覚めていない静かな町。
この画像を撮ったすぐ背後の交差点が、
カレ・プルゲール駅に繋がる場所。
まさに今、未到達区間に進み始めた。

19081879.jpg
む、コナンの犯人達が逃げている!

……ではなくて、
マネキンを使ったディスプレイ。
なかなかリアルなポージングだ。


 この町も、PBP参加者をこうやって歓迎してくれていたんだな。
 ブレストに無事到達できたら、戻ってくるのは夕方頃になるでしょう。

 その時は、賑やかな町の様子を見ることもできるでしょうか。
 この町の皆様に会うのも、また楽しみになってきました。


19081880.jpg
カレ・プルゲールを出て、
しばらく走ったところ。
何となく、道の雰囲気が変わってきた。


 その後、カレ・プルゲールの町の中心まで登り上げ、市街地の外へと進むと、コースの雰囲気は今までとは少し違うものになりました。

 相変わらず、アップダウンを繰り返し、何度か小さな町を抜けるのは変わらないのですが……。
 コースの周囲の風景が、徐々に、農地や牧草地、という雰囲気から、山岳地、という雰囲気に変わってきています。

 ブレストの手前には、このコース最高峰となる地点があるので、それに向かう登りが始まろうとしているようです。

 「斜度はゆるいし、最高標高と言っても300mだから、すぐ登っちゃうよ」と多くの方は言いますが……坂嫌いでは人後に落ちない私から見たら、どんな雰囲気の道になるのでしょうか?(^^;)


19081881.jpg
徐々に登りが本格化してきた。
軽い登り、にはちょっと見えないぞ(^^;)。


 PBPのコースは、日本の峠のような酷い登りはないよ、とよく言われますが、ここは除外した方が良いですね。
 確かに、斜度自体は5%もないような緩やかな坂ですが、距離は今までの登りとは格が違います。

 ここは、塩尻峠の北面を登るのと同じくらいの覚悟が必要だと、今回登ってみて思いましたよ。


19081882.jpg
長い長い登りが続く。

いやほんと、終わりが見えない。
日本の峠並みに長いよ、これ。


 あまりの長さに、防寒装備として身につけていたレインスーツを途中で外し、体温の上昇を抑えます。
 そういえば、ヴィレンヌを出て以降、ジオラインL.W.長袖を常時着たままですが、全然暑さを感じません。
 もしかして、日中の気温も冷えていますか……?


19081883.jpg
そしてゆるゆると登っていると、
突然、町の中に出た。


 延々続く峠道だと思っていたら、いきなり町の中に出て驚きました。
 町の名前は、標識から見るとHuelgoat。Google先生によると、ユエルゴア、と発音するようです。

 何となく、高原のリゾート、という雰囲気の町並みを走っていくと、突然、右手が開けました。


19081884.jpg
そこには静かな湖面を見せる湖があった。
(20日、9:30頃)

19081885.jpg
まだ朝の凪の時間なのか、
湖面は文字通り、
鏡のように静かで美しかった。


 ここは本当に高原のリゾートなのかもしれません。
 ちょっと調べてみたら、フォレスト・トレッキングなどが楽しめる場所が近くにあり、大小様々な奇岩が作る風景が、とても美しい場所のようです。

 凄いな……こんな場所を通っていくのか……。
 時間制限があることを忘れて、しばらく見入ってしまった風景でした。

 ここで、小径車(バイクフライデー?)に乗った日本人の方と遭遇。
 私より随分前のグループで出発しているので、時間的にはかなり厳しいようですが、ブレストに向けて進む、とのことでした。

 そういえば、私もあまり時間がないのだった(^^;)。
 名残惜しいですが、まだまだ先があるので、先を急ぐことにします。

 ユエルゴアの町を離れ、また緩やかな斜度の道を登っていくと、途中で大幹線道路に行き当たって合流、さらに西を目指します。
 この幹線道路も緩やかな斜度でかなりの距離を登っていく道です。


19081886.jpg
緩やかな斜度で道は登る。
距離的にそろそろ、
コース最高地点に近付いているはずだ。


 そして、この先、しばらくの間は、ブレストから引き返してくる参加者とのすれ違いの区間でもありました。
 同じ日本人参加者から、「頑張ってー!」という声援も飛んできます。
 「頑張りましょう!」という挨拶を返したり、挙手や会釈の挨拶を返したり。

 そして、この区間で仙台のOさんとすれ違い!
 やはり、距離にして約80kmほど先行されていました。

 Oさんは初参加ながら、事前準備にかけた時間とその綿密さは、おそらくトップクラスだったと思います。
 まだまだ元気そうなので、このままゴールまで走っていけるでしょう。

 私も頑張らないとなあ。


19081887.jpg
そして、斜面の向こうに見え始めた。
コース最高地点に立つ電波塔。


 おお、あれが噂に聞く電波塔か!
 あれが見えたということは、この登りももうすぐ終わりなのでしょう。

 そして、コース中の最高標高地点を通過……


19081888.jpg
いや、まだ届かない(笑)。
この電波塔が見えてからが、
また物凄く長かった。


 この電波塔、どんだけの高さがあるのやら(^^;)。
 見え始めてから、近くに到着するまで、緩やかな上り坂ということもあって、ものすごく時間がかかります。

 調べてみたらこの電波塔は、高さ225m。
 現地ではEmetteur de Roc'h Tredudonという名で呼ばれており、テレビ及びラジオの電波中継塔、いわゆるテレビ塔のようです。
 この丘陵地帯は盾を寝かせて置いたような地形で、この電波塔はその地の利を生かし、何十キロという範囲をカバーすることができているようです。
 ここからブレスト市内にも、電波を飛ばしているとか……(以上、仏語Wikiの翻訳より読み取り)。


19081889.jpg
確かに、周辺の見晴らしは最高に良い。
南方、ネスタヴェル地方の湖?が
はっきり見えていた。


 頂上付近、電波塔施設への入口道路付近には、多数のキャンピングカーが並び、チームのサポートかPBP観戦のためなのか、こんな場所になぜ、と言いたくなるほど多数の人が詰め掛けてきています。
 私設エイドも往復路ともに開かれていて、多数の参加者が休憩に立ち寄っている姿が見られました。

 森林限界というわけではないのでしょうが、周囲は灌木や低木が主な植生であるため、見晴らしが非常によく、周囲全体ぐるり一周、絶景に囲まれています。
 ここでは全天球カメラが欲しい、と、素直にそう思ってしまいました。

 そして、PBPのコースを設計した皆様が、ここを通した理由もなんとなくわかります。
 フランスという国は、こんなに広大で、きれいな国なんだぞ、と、このコースから見える祖国の一番良い姿を見せたかったのかもしれません。

 もしそれが狙いだとしたら、ここにいる日本人の約1名には、確実に狙い通りの形で感動していたぞ、と、そうお伝えしたいですね。
 前回、ここに到達できなかったことが、ものすごく悔いの残る事だったのだ、と、今、ここを走りながらそんなことを考えていましたので。

 そして道は電波塔前を抜けると、下りにかかりました。
 幹線道同士のラウンドアバウトを経て、さらに西、ブレスト方面へと進みますが……。


19081890.jpg
そこから見えたのが、
ブルターニュ半島北西部の大展望。
これから向かう地域は、
こんなに広大できれいな場所なのか。


 まったく、ここからの大展望には、いろいろな意味でやられっぱなしでした。
 まだ折り返し点に到達していないのに、物凄いご褒美をもらってしまった気分です。

 しかし、まだ距離的には40kmほど残っています。
 ここからは長い長い下り坂を経て、一気にブレストへ……


19081891.jpg
と思ったのだが、
やはりそう簡単には到達しない。
また幾つかの町を経る、
アップダウンの道が続く。

19081892.jpg
この辺りになると、
行き倒れている参加者の姿が、
普通の風景になっていた。


 まだまだ先は長かった……。
 一旦、ホッとしてしまったからか、ここから先は体感で物凄く長く感じました。

 途中、PBP参加者の歓迎のため、お祭り騒ぎになっている町を幾つか通り抜けます。 
 どこかの町の中で、2015年のオフィシャルDVDの中で、ここの風景を見たな、と思い出した場所がありましたが、さてそれはどこだったか……。

 そしてさらに先に進み、またいくつものアップダウンを抜け、いい加減に往路が終わらないか、と思い始めた頃……。

 GPSの画面を見ると、いつの間にか高速道路らしい大型幹線道に並走するようにコースが設定されている区間となりました。
 この辺りに来ると、距離的には間も無くブレストだ、という雰囲気なのですが、道のアップダウンの頻度と斜度がかなり容赦なくなってきました。

 これを越えたら、斜張橋が見えるだろうか、まだ辿り着かないのだろうか、と、体幹が疲労で強張って、自分の体がドラム缶か何かのように感じられてくるような気分で前進を続けます。
 何度目かのラウンドアバウトを抜ける時、コースはこちらだ、と、公園か何かの入口と思われるようなルートに誘導されます。

 うん? この道で大丈夫なのか?と思って進んだ先に……。
 ついに待ち望んでいた風景が広がりました。


19081893.jpg
ブレストの入口、
プルガステル橋から見た斜張橋。
PBPではブレスト到着を象徴する風景だ。
(20日、12:10頃)

19081894.jpg
このタイミングでにわか雨が来てしまったが、
皆、次々と足を止め、
バイクと風景を同時に入れた記念写真を撮っていた。


 この橋の上に止まった瞬間、雨が落ちてくるという、物凄く悪いタイミングではあったものの、4年前には全く届かなかった場所に到達です。
 さすがに、感極まるものがありました。

 で、なぜか何人かの参加者に、「シャッター押してくれない?」と声をかけられ、カメラマンに徹することになってしまったりも(^^;)。
 とりあえず、数人グループの全員分を撮影とか、ちょっと勘弁して欲しかったぞ、エスパーニャの諸君!(笑)


19081895.jpg
ここはまだブレストの内湾。
この風景の向こうには、
大西洋が広がっている。

19081896.jpg
そして進行方向に広がる、
ブレスト市街地。


 ブルターニュ半島南西の天然の良港。
 第二次大戦中、ドイツ占領下の時代には、ここからUボートが北大西洋へと発信し、連合国の艦船を攻撃して通商網を混乱させる任務に就いていたとか。

 この町もまた、長い歴史のある町です。

 感傷はさておき、現実に立ち返ると、PCのクローズまであと約1時間。
 まだ、市街地走行が残っているので、あまりゆっくりしていられません。

 というわけで、さっさと先に進みます。

 橋を渡った先で一旦海岸線に降りた後、かなり交通量の多い長い坂をグイグイと登っていきます。
 こういう場所は、日本人はかなり得意とする人が多いようで、見える範囲だけでも、西洋人集団をスイスイ追い抜いて進んで行く、Japan反射ベストの背中が見えています。
 約400人という大人数が参加しているだけあって、今回のPBPのコース上では、かなり途切れることなく日本人の姿を見ることができたように思います。

 きつい坂を登りきったところがPCですが……その手前で、ちょっときになるものを見つけてしまいました。


19081897.jpg
トマソンの集合体。


 ……いや、そういう身も蓋もない物ではなくて、本来は何らか、芸術的な意味があって設置されているモニュメントなのでしょう。
 私みたいな俗物が見ると、ネタにしかならないというのが悲しいところです(^^;)。

 バカなことをやっていないで、先を急ぎ……。

 パツッ!

 ……うん?
 前ブレーキを握りこんだ時、何か変な手応えがありました。
 このあと、ブレーキレバーをいっぱいまで握っても、前輪側は満足な制動力が得られなくなります。

 ブレーキアームは、操作に対して全く遅れずに動いていますので、ケーブルが切れたわけではなさそうです。
 しかし、リムを挟む力が弱くなっており、パッドがずるずるスリップして、制動力を発揮できていません。

 幸いにして、ミニVブレーキの制動力は、後輪側だけでもキャリパーブレーキの何倍もしっかりと車体を抑え込んでくれるので、ロードとの混走で制動が遅れるようなことはありませんでしたが……一体何があった?
 ブレストのPCに着いたら、メカニックサービスで見てもらったほうが良いでしょう。


19081898.jpg
PC6、ブレスト
(20日、12:48チェック)


 これにて、往路を終わらせることができました。
 時間としては、30分ほどの貯金となっており、カレ・プルゲールでの遅れは、この段階で取り戻せています……が。

 先ほどの前ブレーキの違和感など、ちょっと心配になる出来事が発生するようになってきました。

 まあ、走行距離は600kmを越え、ここから先は制限時間が緩和されるようになります。
 一度、車体も体もしっかりメンテして、仕切り直したほうが良いでしょう。

 ここは往路の終点ではありますが、復路では始点です。
 そして、こういう往復コースを走る長距離ライドでは、折り返し点などの象徴的なポイントに到達したことで油断が生じ、蓄積疲労の影響もあって、後半に急にコンディションを崩す人が必ず出てきます。

 登山、ハイキングにおいても、頂上に到達するまでよりも、下山中の方がはるかに事故率が高いように、自転車でも同様のことがないように注意する必要があります。

 まあ、とにかく、まずはメカニックサービスでブレーキを見てもらいましょう。
 その後、そろそろペダリングの動きで擦れて痛みを発するようになった尻のケアをして、食事、休憩かな、と、頭の中でプランを組み立て、やるべきことをこなすために駐輪場の奥のメカニックサービスへと向かったのでした。

(続く)



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プロフィール

YO-TA

Author:YO-TA
2018年1月に、東北勤務から再び東京に転勤となりました。
相変わらず、デジカメ片手に、サイクリングやハイキングを楽しんでいます。
突然、突拍子もないことをやらかしますが、それはまあ、ご愛嬌という事で…。

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