日々是遊歩。見て、聞いて、感じて、それを殴り書き。

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自転車本の感想。「ブルベのすべて」を読んで

 本日は健康診断でした。

 つまり、空きっ腹にバリウムを補給して、硬い寝台の上でブタがジタバタ無様に舞い踊る、という苦行の時間を過ごしたわけです(注:恣意的な表現の使用あり ^^;)。

 その結果(速報値)ですが……今年は4月以降もなぜか多忙が続いており、あまり自転車に乗れていないので、かなり悪くなっているんだろうなあ……と思っていましたが、意外にも横ばい傾向でした。

 よっしゃ!
 それなら、ラーメンこってり大盛りでも行けるな!

 ……なんて考えると、レッドゾーンに転落しますので、自重します……。

 では本題です。
 ブルベを走る皆様の間で、現在話題になっている本があります。

 タイトルが、もうド直球で痺れます。
 何を書きたかったか、それだけで分かりますからね。



17052201.jpg
「ブルベのすべて」
スモール出版社より出版された、
文庫サイズの書籍。
出版社の名前のイメージとは異なり、
350ページオーバーの、
とてもボリュームのある本(笑)。


 著者の鈴木さんとは、直接の面識は……あるような、ないような(^^;)。
 遠征時に同じブルベを走っていた時が何度かあったようですが、ご挨拶などをする機会は得られていません。
 (そもそも、とても速く走る方であり、ペースが違い過ぎて、ご一緒する機会がまずない。ギリギリ隊である私は、特に ^^;)

 とはいえ、今思えば、去年(2016年)に開催された、AJ神奈川さんの興津600反時計回りで、最終PC(御前崎)で声をかわした方が、鈴木さんであったような……?
 (井出マヤさんの到着をお待ちしている様子だったが、ツイッターにDNF報告が入ってきたので、それをお伝えした覚えがある)

 まあ、こんな感じで、全国のライダー同士で、ゆるい繋がり(知り合いの知り合いが、知り合いだった、という感じ)があるのが、ブルベの世界の特徴でもあります(笑)。

 ちなみに、私がブルベの世界を知ったのは、米津一成さんの名著、「自転車で遠くへ行きたい」でした。
 同年代の方の中には、少なからず、同じ経緯だった、という方が多いのではないかと思います(^^;)。

 そして最近、宮城でも20代の若者がブルベにエントリーしてくることが多くなりました。
 最近の傾向を見ると、アニメ化もされた漫画作品である「ろんぐらいだぁす!」の影響が大きいのかもしれません。
 いやまあ、少なくとも何名か、漫画やアニメの影響でブルベに入ってきた人を知っていたり……(笑)。

 とにかく、そんな「ブルベ」について書かれたこの本を読んで、色々と思ったこと、感じたこと、考えたことがありました。
 一部、ネガティブな話題も含みますが、興味がある皆様は、以下のRead moreをクリックしてください。



 さて、それでは折り畳み表示が入ったという事は、毎度ながらの長文になります(笑)。
 今回もテキストオンリーで読み辛いと思いますが、皆様、どうかご容赦を。

 この本の内容に関しては、「すべて」と銘打つにふさわしく、ブルベのルールからエントリー方法、実走上の注意点に至るまで、「実際に走っている人ならでは」の視点からの情報が満載です。
 著者の鈴木さんは、私よりブルベ歴が長く、私よりずっと強いライダーなので、私がヘロヘロになった経験で考えた文章よりも、しっかりとまとまっている(&説得力がある)と思います。

 既にブルベを走っている皆様は、「あるある」話の宝庫として。
 これからブルベをはじめたい、という皆様は、今後踏み入れる世界の雰囲気を知る手がかりとして、とても良い参考書になってくれると思います。
 (いや、何だか「あぶない世界」に引き込もうとしているような文面になってしまったが、あながち間違っていない気もするのが怖い ^^;)

 とはいえ、私が読んで感じたのは、この本の内容が最も「響く」のは、ブルベ(に限らず、自転車のロングライド)の世界に入ってきて、今、まさに初心者からのステップアップを考えている皆様ではないか、ということでした。

 本書の中でも語られているとおり、「ブルベ」とは「ランドネ(トレッキングなど、少し文明のサポートを外れた旅、というイメージ)」であることから、とにかく奥が深いというかなんというか。
 例えば、旅行の楽しみ方が「人ぞれぞれ」であるように、ブルベにも、ライダーの数だけ楽しみ方が存在するわけです。
 この本は、そんな「自分だけの楽しみ方」を見つけるためのテキストになるのではないか、という事を感じました。

 自分の過去を思い出すと、初心者で駆け出しの頃は、多くのベテランの皆様から、ノウハウ等を教えて頂きました。
 ……しかし、そのすべてが自分の役に立ったのか、と言えば、そうでもない部分も多くあったりして……。

 それはつまり、ベテランの皆様の持つノウハウは、皆様の個々の能力と趣向と経験量に応じて得たノウハウであって、私個人の能力と趣向と経験量に合致するかと言えば、それほど「ぴったり合う」という物は、なかったりしたのですよね……。
 (アドバイスに従って改善したつもりが、余計悪くなった、なんて事もあります。そういう試行錯誤が、今も続いていますし、それが楽しいのです)

 そして、本書には、著者の鈴木さんが得たノウハウを軸に、色々な皆様が「こうしている」というノウハウが豊富に紹介されています。
 ここから色々なエッセンスを取捨選択し、自分なりのノウハウを作っていくと、物凄く楽しめると思います。

 要するに、この本は「ブルベを楽しむための第一歩」として捉え、この本で得た情報やノウハウをベースに、自分なりの「ブルベのスタイル」を確立すると、とても楽しいブルベライフが送れるのではないか、と私は思うのです。

 ここまで読んで、「ブルベのすべて」という本なのに、内容的にはスタートライン程度なの?と思われる皆様も多いと思いますが……。
 著者の鈴木さんも、本書の中やブログ等で触れているとおり、ブルベに関しては、本当の「すべて」は、とても一冊の本に収まるものではないと思いますよ。

 ブルベの世界は、参加する人、個々人によって楽しみ方が異なり、そして、年々、新しい情報が上書きされています。
 つまり、常に変化し続けている世界なので、「まとめ」といっても、基礎の部分(というか、考え方の方向性を示す内容)になるのは仕方がないのと同時に、情報の陳腐化等を最小限にするため、必要なことだと思います。

 以前、ブルベを走る人の間で話題になった雑誌(というかムック?)の「ランドヌール」も、今読み返すと、基礎情報以外は陳腐化していたりします(特に装備関係はその傾向が著しい)。
 新しい情報を取り入れて、どのように活かすか考えて、実践し、検証して、改善する。
 社会人なら、一度は聞いた事があるであろう、「PDCAサイクル」を続けて行くのが、ある意味でブルベの醍醐味ですからね。

 なので、本書の中でも触れられていますが、「最近、ブルベの事が商業媒体でも取り上げられた結果、装備が画一化してきている」という部分は、私も少し残念に思う部分ではあります。
 以前は確かに、「こんなライトの積み方、ありなの?」とか、「こんなパーツ、初めて見た!」なんていう、純粋な驚きがあったりしましたのでね……。

 かといって、私みたいに、自転車のフレームをオーダーするレベルで改善するとか、そこまで発想がぶっ飛んでしまうのは、それはそれでどうなんだ、という気分でもありますが……(^^;)。
 わざわざ700Cツーリング車をオーダーメイドするとか、こんなのはあまり参考にしない方が良いかもですね。
 (ロードバイクでバイクパッキングするのは、F1マシンにキャンプ用品一式をくくりつけて旅するような、物凄い違和感を感じるようになったのが大きな理由。長時間、ロードのポジションで乗り続けることに、体の適応限界を感じた事も、理由としては同じくらいに大きいけれど)

 それにしても、今、ブルベを走っている私の感覚では、「これがすべてだ!」という掴みがない「ブルベ」の世界を題材に、よくここまでコンパクトにまとめたなあ、というのが、読後に強く感じたことです。

 いやはや、凄い労力だったと思いますよ……。
 私が同じことをやれ、と言われたら、長文癖があるだけに、多分、京極夏彦さん越えのページ数になった上に、内容は破綻していたと思います(こんなニッチなジャンルでそんな本、誰が買うんだよ ^^;)。


 さて、それでは、ブルベの中ではネガティブな部分として語られることが多い、「仮眠」について。

 この本でも、記述内容としては、非常にご苦労されただろうな、という雰囲気が伝わってきます(著者の鈴木さんのブログをあわせて読むと、商業ラインに乗る書籍に書くのは、本当に難しかっただろうと思う)。

 この仮眠について、ベテランの皆様からは、「道端で寝たら通報された」とか、「眠くなったから、その辺で寝た」とか、そういう類の武勇伝がよく出てきます。
 しかし、注意していただきたいのですが、ベテランの皆様がそういう体験をしていた時期のブルベは、非常に少数で開催されており、無茶な事をしても参加者の絶対数が少ないがゆえに、社会的に目立たなかったという背景があることを、十分に理解していただきたいと思います。

 近年はブルベ参加者が増加傾向であり、反射ベストとか、「わざわざ目立つ物を身につけて走っている集団」ですから、周囲の皆様の目につかない方がおかしい状況になってきています。

 そんな状況で、昔と同じ感覚で行動してしまったらどうなるか……。
 周囲から、「何だあいつら、非常識な!」という感覚を持たれてしまったら、そこからジワジワと、ネガティブな方向に話が進んでしまってもおかしくないでしょう。

 そんなわけで、仮眠場所については、個人的にはこの本にあるとおり、複数の場所を事前に調べておき、場合によって使い分けるようにするのは、基本中の基本だと思います。
 ビジネスホテルは、当日の飛び込み需要に対応するため、電話やネット予約等の当日枠が確保されている場合もありますので、当日午後の状況から、大体その日に到着できそうな範囲のホテルを検索する程度でも、何とかなる場合が多いです(これは地域や時期によるかもしれない)。
 道の駅も、できるだけ24時間開放された休憩所が設置されている場所を、事前に調べておくようにすると良いでしょう(ただし、行ってみたら「仮眠禁止」だったりするので、その場合の対応も考えておこう)。

 私もよく、「今日のプランは行き当たりばったり」などと言いながら走っていますが、この場合の「行き当たりばったり」は、「いくつか調べてある施設のうち、どこを仮眠に使うかは状況次第」という意味です。
 無計画で、眠くなったら路肩で寝ればいい、なんて事を考えているわけではないことを、ご理解ください。

 そして今後、若い皆様がベテランの武勇伝を聞く時は、仮眠場所に限らず、色々な事が、「参加者数が本当に少なく、世間から目立たなかった時代の話が含まれる」という冷静な視点を意識しながら聞いていただければと思います。
 特に、酒の席になると、皆様、場を盛り上げるために、盛大に「盛る」場合もありますのでね(ここ、自戒も込めておきます。そういう話で盛り上がるのが、とても楽しいのは確かなのですが ^^;)。

 なお、ブルベ人口の増加の件で、一例を挙げますと……。
 東北地区(宮城ブルベの場合)ですが、私がこちらに来た2011〜2012年当時は、長距離域である400〜600kmの参加者なんて、10人が普通、20人いれば多い、という場合がほとんどでした。
 それが、今では大体30〜40人が普通。攻略難度が低い設定の場合、もっと多くなります。

 比較的ブルベ人口が少ない東北ブロックで、これだけ参加者数が増加しているのですから、人口が集中している三大都市圏の状況は、ちょっと考えたくありません。
 人数が増えると、それだけ「悪い方向の問題」が発生してくるのも、また事実ですので……。

 自転車関係の話題としては、関東圏では特に最近、ヤビツ峠に関するネガティブな話を良く聞きますが、あれなんて、「人数が増えたことによる弊害」の典型的なパターンですよね。
 これ、東北にいる私の耳にまで届いている(つまり、全国発信レベルになっている)という事は、地域社会の怒りの度合いは、激昂なんてレベルでも収まらないほどに高まっていると考えた方が良いです。
 ハインリッヒの法則ではないですが、ここに来るまでの間に、何度も小さな兆候があり、何度も修正の機会があったはずなのですが……。
 (ブルベは、"自己完結した大人の遊び"であることを前提にしているので、あんな事態になるのは本当に恥ずかしい話。今は、そうならない、と信じているのだけれど……)

 とにかく、現在の状況を考えると、ブルベ人口は全国的に増加傾向にあるので、「非常識な行動をとるごく一部の人の姿が、参加者の絶対数が増えている分、人目につきやすくなっている」ということ。
 そして、誰かの目についた場合、「SNSなど、誰もがリアルタイムで(ポジティブ、ネガティブを問わず)情報発信が可能なため、さらに耳目を集めやすい土壌がある」こと。
 また、悪意というか、「目立ちたい」とか「炎上させてやる」という意識で情報発信する人達は、「何の罪悪感もなく、盛大に内容を盛って煽る」ことも、加えて意識していただければと思います。


 あと、これは東北地区特有の話題になるかもしれませんが……。

 宮城ブルベの場合、参加者の多くが、車に自転車を積んでスタート地点に来るため、中にはスタート地点で車中泊している、という皆様も多いと思われます。
 これについては、私の過去の経験から呼びかけるとしたら、「前夜は、自宅やホテルでちゃんと寝た方がいいですよ」という一言ですね。
 (現在、私は100%、前夜は宿をとっています。スタッフとして入る場合でも)

 車中泊していた時期のDNF率がやたら高かった(つまり、疲れが取れていなかったのだと思う)事もありますが、「職質」を受けちゃった事もありましたのでね……。

 この時は、スタート地点周辺で車上荒らしが横行していたため、警察官がパトロールに回っていたらしい(ゴール受付中にも、警察官の訪問を受けた)のですが、これが近隣住民からの通報による出動だったりしたら、後々に禍根を残していた可能性もあります。
 そんなことの原因になるのは、「自己完結した大人」としては恥ずかしいですよね……。

 とにかく、ブルベを知らない皆様から、「非常識だ!」と指をさされないように考えて行動していただければ、と思います。

 そして、やはり最後に書きたくなります。

 「おうちに帰るまでがブルベです!」

 皆様、次回のブルベでも、笑顔でお会いしましょう!


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コメント
職質なう
アレはびっくりしましたねw
2017/05/23(火) 14:35 | URL | 漬物 #-[ コメントの編集]
Re: 職質なう
漬物さん、コメントありがとうございます。

あの事件(?)は、本当にびっくりしましたね(笑)。
しかも、それからしばらくは、恒例行事だったというのも、また何というわ。

今となっては笑い話ですが、参加者人数が増えた今、シャレにならない事態にならないよう、注意していきたいと考えています。
2017/05/23(火) 19:28 | URL | YO-TA #-[ コメントの編集]
No title
こんにちはー。レビューありがとうございます。
こちら、書評としてBlogに転載(というか一部引用)させていただいてよろしいでしょうか?もちろんリンク貼ります。

正直言えばもう少しどこでも(道の駅とかね)寝てOKになると嬉しいのですが、治安の問題もあって難しいですよね。
2017/05/24(水) 16:05 | URL | zuccha #JalddpaA[ コメントの編集]
Re: No title
zucchaさん、コメントありがとうございます!

引用については、まったく問題ありません。
たくさんの皆様が感想を上げていらっしゃるようなので、皆様がどのように感じたのかも、あわせて読んでみたいですね!

いやしかし、本当に、贅沢を言わせていただくと、全ての道の駅に、高速のサービスエリアのような、24時間開放のインフォメーションセンターがあると、ありがたいと思いますね。
まあ、特殊事情ですし、小声でボソッとしか言えませんが……(^^;)。
2017/05/24(水) 18:01 | URL | YO-TA #-[ コメントの編集]
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Author:YO-TA
2011年7月に東京から仙台に移住。
相変わらず、デジカメ片手に、サイクリングやハイキングを楽しんでいます。
突然、突拍子もないことをやらかしますが、それはまあ、ご愛嬌という事で…。

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