日々是遊歩。見て、聞いて、感じて、それを殴り書き。

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インナーウェアの新旧の違いを見てみよう。

 皆様、随分遅ればせながら、ですが、明けましておめでとうございます。

 え〜、予約更新で謹賀新年ネタを仕込んでありましたが、手動更新は今回が初めてです。
 とはいえ、この寒空の中、そんなに趣味で長時間、外を出歩くこともできず、まあ、通勤以外では自転車には乗っていません(既に、新年元旦の0時から、ブルベを走った皆様もいらっしゃいますが……)。

 まあ、たった30分程度の通勤ライドでも、路面凍結が激しいと、市街地でも発進時にホイルスピンするわ、後輪が横滑りするわ、大変な目にあったりしますのでねぇ……。
 (夜間に路面に降りた霜が、そのまま融けずに氷になっている事が多いのだ……。そして、パッと見にはアスファルトと見分けがつかないのが怖い)

 では本題です。
 今回は、アウトドア用のインナーウェアの新旧を比較したら、ウェアの布地などが色々と変化している事が確認されたとともに、色々調べてみると、レイヤリングの考え方も色々と変化しているらしいので、それについてまとめてみましょう。

 アウトドア装備は、自転車用の装備に近しいか、それ以上に保命について先進的な考え方で造られていますので、私は特に、冬用のウェアについては、かなりの物を流用していたりします。

 ところが、一部のウェアは、異様に頑丈であり、かなりの長期にわたって、使用できてしまったりします(^^;)。
 今回、事例として紹介するウェアも、旧型を購入したのは、2000年の一桁年代(正確な年月は失念したが、東京時代に既に数シーズン、使用していた)だったのに、普段着にも使用したりしつつ、現在も現役で使えたりしていますのでね……。

 まあとにかく、今回は約10年単位で時間を経たアウトドア用アンダーウェアがどれくらい変化したのか、について、私が調べた範囲のことをまとめましょう。
 興味のある皆様は、以下のRead moreをクリックしてください。


 さてそれでは、同じメーカーの同じ製品を、約10年の間隔をあけて購入しましたので、新旧を比較してみましょう。

 なお、一応お断りしておきますが、今回の記事は、私が個人的に調べた内容に基づいていますので、もっと先進的な考え方が適用されていたり、大いに誤解しているような点がありましたら、コメントなどでお知らせいただければと思います。


17010901.jpg
左が旧型(2000年一桁年代購入)。
右が新型(2016年12月購入)。


 外観は、パッと見ではほとんど変わりがありません。
 ちなみに、この製品はPhenix製、Outlastアンダーウェアの、Heavy Wt.タイプ(極寒期用)です。
 普段着代わりに着ると、下手なセーターより暖かく、エアコンが効いた室内に入ると、うっすら汗ばむくらい暑くなるレベルの性能を発揮してくれます。

 おそらく、グレード的にはmont-bellのジオラインのEXP.と同じくらいです。

 ちなみに、Outlastという素材は、10年ほど前から市場に出ている、温度調節型の繊維素材です。
 化繊の繊維内に、特殊なゲル状のオイルがカプセルで封入されており、そのオイルが固化←→液化するときの熱の発散・吸収を応用し、ウェアの内部温度を快適に保つ効果を持っています。

 という薀蓄はさておいて、この両者、見た目に同じでも、よく見ると、根本的に異なるコンセプトで作られているのがわかります。

 特によくわかるのが、その布地の構造です。


17010902.jpg
こちらは旧型の布地。
一見して、普通に繊維を織り込んだ、
普通の編み方になっている。

17010903.jpg
こちらは新型の布地。
よく見ると、パイル構造状のセルを、
多数集合させたような布地になっている。


 布地の構造が、旧型は一般的な織り方なのに対して、新型の方はパイル構造状のセルの集合体となっており、布地自体が立体構造を持たされています(mont-bellのジオラインの表面にも、同様の構造が見られる)。

 この新旧の違いは、レイヤリングに求められる機能が変化したことを反映していると思われます。

 旧型のウェアが販売されていた、2000年一桁年代当時は、アウトドア界におけるレイヤリングは、基本的に「汗が乾きやすい素材の衣服を、体温と外気温に応じて重ね着」することでした。
 つまり、単純な枚数調節、が基本的な考え方であり、冬季は多孔質や中空構造の繊維を使った、暖気を多く取り込む構造の化繊繊維を使用したアンダーウェアやミドルウェアを重ね着するのが普通でした。

 現在では、レイヤリングの考え方がさらに高度化し、旧来の「重ね着」による保温に加え、着るレイヤーごとに明確な「役割」を与えることで、効率的に汗を外に発散し、体温調節を容易にするとともに、汗冷えによる生命の危険を最小限にすることが考えられています。

 簡単に説明すると、体には「ベースレイヤー」という、非保水性のメッシュのウェアを着用し、中間着など、汗を吸う素材のウェアを肌から浮かせて空隙を確保する役目を与えます。
 中間着には、「トランスファーレイヤー」として、肌の表面に浮いた汗の滴を速やかに吸い上げ、発散しやすいようにウェアの表層に幕状に広げる役目を持たせます。
 そして、一番外側には「アウターシェル」として、ゴアテックスなどの防水透湿素材を使用したウェアをまとい、風の影響を防ぐとともに、ウェア内部に篭った水蒸気を外部に発散する、という形になります。

 で、新型のこのウェアは、「トランスファー」のレイヤーに相当するため、「表皮に浮いた汗の滴を効果的に吸い上げ、発散しやすいように衣服の表面に幕状に広げる」役目を担います。
 ゆえに、布地の構造から見直され、汗を速やかに吸い上げるため、毛細管現象などの効果を発揮しやすい立体構造を持ったセルを集めた形になっていると思われます。

 この辺り、多くの工業製品や機械のパーツ同様に、ウェアもまた、進化しているのだなあ、と実感されました。

 なお、このOutlastインナーウェア、汗切れも早く、自転車のロングライドでも非常に役立ってくれます。
 また、アウトドア用のウェアを転用する場合には、上記のレイヤリングの考え方を意識して選んでみると、より快適なライドを楽しむことができるかもしれませんので、興味のある皆様は、試してみてください。

蛇足情報
 自転車において、冬のインナーウェアの話題を出す時、同時に話題になるのは、「汗冷え」の問題です。

 簡単に言ってしまえば、運動中は体温が上がって汗をかいても、それがなかなか乾かないと、冬の冷気の中、どんどん冷えて、体温が奪われてしまう、という現象ですね。
 これは自転車に限らず、冬季の運動中には、特に問題になることであり、登山/アウトドアの世界では、生命の危険に直結する現象です。

 で、自転車の場合、私の経験上、汗冷えと言っても、「走行風で冷える場合の汗冷え」と、「停止中に汗が冷えていく際の汗冷え」の、2パターンがあると思われます。

 なお、前者は走行中〜走行直後に、体の前面が冷えることで意識され、後者は特に、停止中に背筋がゾクゾクするような悪寒となって意識されることが多いと思われます。

 この汗冷え対策ですが、私の経験から対策を述べますと……。

 前者の走行風による汗冷えは、アウターシェルを強化したり、腹にボディーウォーマー(平たく言えば、腹巻)などを着用すること。
 または、首元にネックウォーマーなどを装着して、隙間から風の吹き込みを抑えることで対応出来ます。

 後者の、停止中の汗冷えに関しては、可能な限り汗の発散が早いウェアを着用することで対応するしかありません。
 (ちなみに、走行中に背中が冷えるのは、レイヤリングを厚くするしかない ^^;)

 なお、去年の今頃、私はメリノウール至上主義みたいに、事あるごとに、メリノウール最高を叫んでいましたが、一年を経て、考え方が随分変わりました。

 メリノウールは、静止時や低負荷運動時には、強力な保温性を発揮しますが、汗切れが悪いため、飽和も早くなります。
 濡れても冷たくなりにくい事は確かなのですが、濡れたままでいると、さすがに冷えてくる事も多々あります。

 なので、メリノウールを着用するのは、通勤・通学程度の短時間のライドや、途中でこまめにウェアを着替えられるような、ドロップバッグなどを活用出来るライドなら大丈夫かもしれません。
 しかし、長時間、行動を続ける(特に、低温期のオーバーナイト走行などの)場合には、発散性がより高い、化繊系ウェアで装備を固めた方が良いでしょう。

 できれば、アウトドア系のウェアのレイヤリングを参考にした装備を考えた方が良いと思います。
 生命の保持に対し、よりシビアな考え方に基づいているため、色々と参考になる事が多いとおもいます。
 (……とはいえ、ウールインナーは、レーヨンや綿を混紡したインナーよりは、格段に快適でましな結果になるので、それも参考まで記載しておきます)


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プロフィール

YO-TA

Author:YO-TA
2011年7月に東京から仙台に移住。
相変わらず、デジカメ片手に、サイクリングやハイキングを楽しんでいます。
突然、突拍子もないことをやらかしますが、それはまあ、ご愛嬌という事で…。

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