日々是遊歩。見て、聞いて、感じて、それを殴り書き。

07月≪ 2017年08月 ≫09月

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

再びの東北一周への挑戦 2015 BRM919宮城1000km Part.5

 なぁんだか、最近、夜が急に冷え込んできているんですけれど・・・。

 まあ、冷え込むと言っても、ワイシャツにスーツの上着なしだと、少しずつ厳しくなってきた、という程度なのですが、つい最近までクールビズで余裕だった事を考えたら、グンと涼しくなりましたね。

 週末のブルベで、特に400以上の距離で東北まで走ってくる皆様。
 夜間の冷え込みには、十分に注意して下さい!
 (山間部は、普通に一桁に落ちますよ・・・)

 では本題です。
 宮城1000レポートのPart.5をお送りします。

 弘前まで到着し、2年前の自分を越えました。
 しかし、ここから先の距離域は、一気に走り切るブルベという枠の中だけでなく、何日かに分けて走るツーリングでも到達したことがない、未知の距離域です。

 その、未知の距離域が、残り400kmも続く・・・。

 普段の、疲れのない体でスタートするなら、24〜25時間くらいで走れる距離ですが、現在の、疲労が蓄積した体では、どこまで進めるのでしょうか・・・。

 そして、ここから先は、3度目のナイトライドです。
 これまで、短時間の仮眠を積み重ねる事で乗り切ってきましたが、3日連続となるのも、初めての経験です。

 未知の領域に進んだ先で、一体、どんな事が起きていたのか・・・。

 興味のある皆様は、以下のRead moreをクリックして下さい。
 

1.PC7弘前~PC8秋田(そして未知の距離域へ)
 PC7に到着し、前回の自分を無事、越える事ができたわけですが・・・。

 この時点で、既に大小様々なトラブルが発生していたのは、仕方がない事でしょうか・・・?

 まず、サイコンの距離計が完全に狂っていました。
 キューシートやGPSのトリップメーターに対し、この時点で30km近いずれが発生。
 これは、まあ、一番の原因は、序盤も序盤の関山峠の段階で、スタート前にサイコンのリセットを忘れていた事に気付いて、20kmほど走った地点でままよ、とリセットした結果だったりします。

 で、当初はちょうど20kmのずれになっていたので、距離計算も楽だったのですが、深夜の自販機ストップ後等に再始動させるのを忘れたまま走っていた事などが重なった結果、ズレばどんどん大きくなり、現在時点で約30km、正確にはこの時点で、32.7kmほどのズレが発生していました。
 ・・・もう、何やってんだか・・・。

 おかげでサイコンの距離計はほぼ、あてにすることはできず、GPSの画面に表示された縮尺スケールと目算を頼りに、色々な場所への距離を推定しながら走っている状態でした。
 (最終的に、サイコンを全く無視するようになった結果、ゴールした時点で、距離計のズレは、60kmほどまで広がっていた。我ながら酷い ^^;)

 また、両足の膝と足首に、軽い痺れに似た感覚が出ていましたが、まあ、まだ痛みはなかったので、走れなくなるほどではありません。

 それよりも、両手の掌の痺れが、かなり酷くなりつつありました。
 この日、私はロングライド用という触れ込みの、パールイズミ製のメガグローブを装着していましたが、500kmを越えたくらいの時点で、掌底部のパッドが圧縮が続いた影響か、潰れて柔軟性が失われており、振動や衝撃がまともに響くようになっていました。
 もちろん、持ち方や握るポジションを変える事で、軽減を図ったのですが、この先の道路の路面の荒れ具合などを考えたら、焼け石に水、という状況でしたね・・・。

 とにかく、色々なトラブルと、どう付き合うかが、これから先のコース上で求められる対処になりそうです。

 ちなみに、浸水してしまったヘッデンですが、物は試し、と、ティッシュを詰めて一日放置してから電池を入れたら、問題なく動作するようになりました。
 うん、単純な構造で良かった・・・けれど、何で浸水したのか、原因が分からないので、今後の使用がちょっと心配だったりします・・・。

 さて、弘前のPCでは、花巻や石ヶ戸でもお会いした岩手のYさんが応援に駆け付けてくださっていました。
 とにかく、Yさんはこのブルベ中、ほぼすべてのPCでお会いしていた気がします。
 (さすがに、久慈と五戸ではお会いしなかった気がするけれど、深夜早朝であまり頭が働いていなかったし、本当はお会いしていたり・・・???)

 Yさんは今回は、体調に色々あったようで、しばらく激しい運動は出来ない状態だったため、断念したとの事ですが・・・。

 PCでお会いして、色々お話を聞いていると、とにかく、「今からでも走りたい!」「参加したかった!」のオーラが、全身から迸っているかのような雰囲気が・・・(^^;)。
 おかげで、PC到着までの間に、「はぁ、やめようかな~」と、いう考えがチラッとでも心の中に出てきても、このオーラを間近で受けたら、「すみません、ごめんなさい、走ります!」という気分に・・・。
 それは冗談ですが(笑)、やはり応援いただいて、とても心強かったのは事実です(これは本当に!)。

 そして、さすがに後半に入ると、大体、PCで顔を合わせる人が固定されてくるようで(笑)、宮城組ではひさぼさんやI君など、いつも一緒に走っている皆様とご一緒できたのは、精神的に非常に助かりましたね・・・。

 さらに、この弘前のPCでは、地元のサイクリストであるamagamaさんに、飛び込みで応援と差し入れを頂いてしまいました!
 これは本当にうれしかったですね!
 林檎チーズケーキ、美味しかったです!
 (注:ブルベのルール上、PCでは第三者の援助やサポートを受けても問題はない。その他の場所では、商店等、適切な対価を支払ってサービスを受けられる施設を利用するのは問題ないが、第三者による援助は受けられない)

 ここから先は、制限時間は緩和され、休息時間を多目にとっても巻き返しがしやすくなります。
 実際、今回のコースは、五戸までは1時間あたりの移動距離が15.1km程度でなければ間に合わない計算でしたが、五戸~弘前間は約13km、弘前~秋田間は、11.5~12km程度でも、クローズには間に合う計算です。
 (各PCとも、クローズ時間に出発し、クローズまでに間に合わせるという前提での計算)

 なお、ちょっとした罠で、最終区間(PC9~ゴール)については、総距離が1,000kmを少し上回るため、1時間あたりの移動距離は13kmでないと間に合わない計算になるという・・・(^^;)。
 ま、今は考えるまい(^^;)(^^;)(^^;)。

 それにしても、この段階で少々困った事に、私の体は、空腹は感じているのに食が進まない・・・という、ちょっと嫌な状況になっていました。
 それなら、液体の方でエネルギーを補給・・・と思っても、クエン酸の刺激がきついのか、既にコーラも受け付けなくなっていたので、他の炭酸飲料に切り替えたりしたのですが、いまいち体に染み透っていく気がしません。

 まあ、さすがに長距離になったし、昼間は暑かったので、その影響もあったのか・・・と考えて、これから涼しく(寒く?)なる時間帯の、どこかのタイミングで体調も復活するだろう、と考えて、コースに出発しました。

 そういえば、ブルベで600kmを越えた距離を走るのは、初めての経験だったりします。
 1,000kmを越えるコースに出たとしても、大体、600km前後でDNFしていることが多かったですからね(^^;)。
 (PBPも、コース外走を含めても540km程度しか走っていない。「しか」と言える数字かどうかはともかく ^^;)

 とにかく、未知なる距離ではありますが、制限時間にはかなりの猶予があります。
 現在段階で、約130kmを12時間で走れば良いのですから・・・体が本調子であれば、4時間ほど寝ても大丈夫そうです。

 ただし、ここから先は未知の距離、未知の負荷がかかる領域でもありますから、体が動くうちに、できるだけ先に進んだ方が良い、と考えて、弘前市街地を脱出し、国道7号沿いに大館市方向へと進みます。


15091973.jpg
夕暮れ迫る弘前を出発。
秋田県へと南下を開始する。


 7号に合流した辺りで周囲は暗くなり、3度目のナイトライドが始まりました。
 ちなみに、弘前でスタッフ間の連絡を確認したところ、どうやら大館は雨が降っているようでした。
 夜に雨とか、できれば勘弁してほしい展開だな・・・大館に着く頃には、上がっていてくれるとありがたいんだが・・・とか、現在進行形で降られているはずの先行組の皆様の事を他人事のように考えつつ、前進を続けると・・・。

 大鰐温泉を過ぎて、碇ヶ関に至ったくらいで、路面は完全にウェットになり、このライド中に何度目か、ドロヨケを装備してきた判断力を褒めてやりたくなりました・・・。

 そして、暗くなって結構時間がたつので、そろそろ来るな、と思っていたのですが・・・本当に来ると案外ウザいものです。
 ええ、もちろん、睡魔の事です。

 矢立峠に向かう坂の勾配はそれほどではありませんが、睡魔を抱えたまま走り続けるのは危険でしょう。
 道の駅矢立峠の標識が出たので、そこで少し仮眠することにして、峠の頂上に至ります。


15091974.jpg
改めて、秋田県入り。
道の駅は、峠を越えたすぐだった。


 この矢立峠は、ずいぶん昔から交通の要衝として存在していたようで、国境の設定から近世まで、様々な伝説、講談、小話に至るまで、多くの話題に事欠かない場所です。
 特に近世の明治時代に入ってからは、会津の大内宿やアイヌ訪問を記した「日本奥地紀行」などで有名な英国の女性旅行家、イザベラ・バード女子は、明治新道開通後のこの峠の印象を、「日本で今まで見たどの峠よりも、私はこの峠を褒め称えたい」という言葉で著しています。

 現代の矢立峠は、峠の頂上付近に温泉付きの道の駅があり、乗り物の快適度も上がっていることから、イザベラ・バード女子は一体、なんと表現するでしょうか・・・。

 ともあれ、私は少々体の方が限界に近かったので、道の駅のお手洗い兼インフォメーションコーナーのベンチに腰を下ろし、30分ほど目を閉じます。
 スマホのアラームで現実に引き戻されると、別の参加者の方が仮眠中だったので、なるべく音をたてないように注意しつつ、出発します。

 外は雨上がりの濃密な湿気に包まれ、夜の闇が完全に周囲を支配するようになったことから、気温もグッと下がりました。
 キャンピングカーで乗り付けているオートキャンパーのご夫婦から、今夜は反射ベストを着た自転車の人を沢山見るけれど、どこへ行くのか?と聞かれました。
 夜の間に秋田市まで行って、明日、山形県まで行く予定だ、と答えると、同じ旅族として感じるところがあったのか、「体が丈夫だったら、そんな旅に挑戦するのに!うらやましい!」という反応が返ってきました。

 うん・・・初めてだな、羨ましがられたのは・・・(^^;)。
 (奥様が喘息のため、激しい運動ができないらしく、キャンピングカーで全国を旅しているらしかった)

 この先は、ついさっきまで雨が降っていて、滑るかもしれないから気をつけて、との言葉にお礼を言ってから、レインウェアを装備し、グンと冷え込んだ峠の下りへと漕ぎ出します。

 そういえば、北東北地区に入って以来、夜の冷え込みが本当に厳しかったですね(気温が、普通に一桁まで落ちていた)。
 防寒装備は、PBPと同じレベルで固めており、最初は少々、大袈裟だったかな?と思っていましたが、ここに来て、ちゃんと備えていて良かった、としみじみ思うようになりました。

 しかし・・・秋田県に入ってからの国道7号は、青森県内のそれと比べ、急に路面が悪くなりました。

 道路の左端を走っていると、ほぼ休みなく荒れたアスファルトの凹凸につかまり、ガコンガコン、と車体が揺られます。
 あまりに酷い状態のため、下り基調なのに、それほど速度を上げて走れません。

 それだけでなく、どれだけ派手な大穴があいているのか、ガツン!と物凄い衝撃とともに車体が揺さぶられ、フロントバッグがライト台座を下から突き上げ、GPSの向きが強制的に変えられてしまった時もありました。

 あまりのガタガタっぷりに、このラインを外して少し内側を走りたいと思っても、センター黄線の対面通行で、一桁番号国道の交通量がありますから、ラインを右に寄せるのは自殺行為です。
 雨上がりの夜道、明るいLEDライトを装備しているとはいえ、限られた視界の中ですから、本当に不意打ちでガツン、と、何度も強い衝撃を受け続けることとなりました。

 この悪路走行のストレスもあったのか、この辺りから、私の体には今までのブルベではなかった障害、胃痛が出始めました。
 胃痛、というか、胃と食道の間辺りが特にじわじわと痛んで、時に内側から焼きごてでも当てられているような感じで、じわ~っと痛みが広がる感覚があります。

 昨日の昼くらいから、コーラを受け付けなかったわけだよ・・・。
 こんな胃に刺激物を入れたら、それこそ悶絶する痛みになるでしょうから、体が防御反応を示していたのでしょうからね・・・。

 とにかく、ガコンガコンと体を突き上げられながら、シクシクと痛む胃の嫌な存在感を意識させられつつの走行になりました。
 しかし、国道7号は、曲がりなりにも、国交省直轄管理の重要路線沿いですから、すぐにコンビニやドラッグストアが現れるでしょう。
 そこに飛び込んで、胃薬を入手できれば楽になるはずだ・・・と、それだけに望みをつないで走り続けますが・・・。

 結果的に、それから1時間近く、コンビニもドラッグストアもありませんでした(^^;)。
 次にコンビニを見つけたのは、大館市街地が近付いた、大館北IC付近に至った頃です。

 この頃になると、落とし穴に落とされるように、不意に襲ってくるガコン、という衝撃にも諦めの境地に至っていました。
 ホイールにダメージがなければ、とか、リム打ちパンクしなければいいが、とか、そんな感覚も失せてしまいます。
 (秋田県の全域にわたって、国道7号の舗装状況は悪かった。管理する皆様も、いろいろ大変だとは思いますが、もうちょっと路面補修に力を入れて頂けませんかね・・・)

 とにかく、コンビニの明かりに吸い寄せられるように停車し、医薬品コーナーに向かいます。
 有名な銘柄の薬があったので、まずはこれを・・・と購入して、一回分を飲んでみました。
 飲んだ直後は、胃痛がサアッと引いて行く気がして、この先も進めそうだ、という感じになります。

 店外に出ると、北海道のよしださんが出発準備中でした。
 舗装が酷かったですね、と声をかけると、かなり酷い目にあったなあ、というようなお話をされていました。

 少し休憩してから、大館市街地へと進みます。
 次、右折するポイントは、頭上でX字にクロスする歩道橋がある交差点・・・と頭の中でランドマークを思い浮かべながら進むと、案外あっさりとそこに至ってしまいました。

 そして大館市街地走行中に・・・ぐおお、またも睡魔が来やがった・・・。
 短時間の仮眠を積み重ねるだけで進んでくること3晩。さすがに体が悲鳴を上げ始めています。

 意識が消失するほどの酷さになる前に、何とか対応を・・・。
 しかし、カフェイン剤などの、胃に負担をかける物を使うのは、今の胃の状況では無理だろうから・・・。

 道端に、パーゴラ風の屋根だけがかかったバス停が見えました。
 そこに、一脚のベンチがあります。
 市街地の真ん中で、ちょっと目立つ場所なので、こんな場所ではどうかと思いつつも、体はここで休め、と言わんばかりに、ズシン、と急に重さを増して行きます。

 時刻表を見て、既にこの日の運行が終わっていることを確認し、目立たないようにライトもテールランプも消して自転車を置くと、バス停のベンチに横になりました。

 30分後、アラームで覚醒する前に、近所の商店への物品搬入の音で目が覚めました。
 その作業の合間にも、お店のご主人らしい人が、何なんだ、この人・・・という感じで見ているのがわかります。
 うん・・・やっぱり、もうちょっと場所を考えるべきだったな・・・(^^;)。

 いそいそと装備を整えると、再度コースへと漕ぎ出します。
 すぐ先で、7号が渋滞しており、完全に道路が詰まっています。
 少し進むと、「自転車は歩道を通って!」と、交通整理中の警察官に言われました。

 事情を尋ねると、現在、路線上で交通事故が起きて、現場検証中だとの事です。
 自動車も作業の合間に数台ずつ、何とか通している状態なので、軽車両通行可の区間でもあるから、自転車は歩道を徐行で通って欲しいとの事でした。

 ここは素直に交通整理に従い、歩道を徐行で通る事にします。
 しばらく進むと、赤色の回転灯が多数、光る交差点に出ました。
 派手に破壊された事故車の姿は見えなかったので、もしかしたら自動車と通行人の事故だったのでしょうか?

 ただし、私が通りかかった時には、既に実況見分も終わりかけの状況で、規制も解除されそうでした。
 渋滞している車両が一気に通る時に車道にいるのは危険かと考え、交通量が落ち着くまで、自歩道上を徐行しつつ進むことにします。

 一度おさまったと思った胃痛は、この辺りで再発の兆しがありました。

 ・・・しつこいなこいつは・・・。
 ブルベ中に、大田胃酸やガスター10等を持ち歩いている人が多いのは、こんな胃痛に備えてのことだったのか・・・と、わが身に災難が降りかかって初めて、理解できました。

 やがて交通量も落ち着いてきたので車道に復帰しました。
 その直後に国道105号の分岐が現れたので、コースどおり南下を開始しますが、ここでまたも睡魔が復活しました。

 なんだかこんな感じで、御鼻部山の下りからここまで、本調子が出せません。
 肉体的にも、疲労がピークになっているのでしょうか。

 時間はまだ余裕がありそうなので、寝られる場所を探しながら前進すると、コイン精米所がありました。
 入口は開いているようですので、建物の裏に車体をとめ、精米所に入ると、電子音声で「営業時間は終了しています、利用できません」と注意されてしまいます。

 まあ、終了しているなら、本来の用途で利用するお客様は来ないってことだよな・・・。
 ならば、ご迷惑にはならないか、と、壁際に置いてあった丸椅子に腰掛け、壁の角に体を預けて目を閉じると・・・。

 「営業時間は終了しています、利用できません」

 それは確かに大事なことだが、今、2回言わなくていい(^^;)。

 とりあえず、時間差で2回、アナウンスを繰り返したら、プログラム的には完結したようで、機械は沈黙。
 私の意識も、遠くへと飛んで行きました。

 気付いたら、1時間が過ぎていました。
 30分後にかけていたアラームにも気付かず、眠っていたようです。

 時間は午前2時頃。
 あてにならない距離計からの計算で、秋田のPCまでの距離は、約60km前後だと思われましたが・・・GPSの画面で見ると、相当に広い範囲を表示させないと、そこまで至らないぞ・・・?

 どちらにしても、クローズまで約4時間。
 PCまでの残り距離は60km。

 時間移動距離が15~20kmと考えると、まあ、まだ何とかオンタイムで走っているな、と考えるとともに、この先は仮眠をとる時間は、あまり取れそうにない事も意識せざるを得ません。
 この先は、できるだけノンストップで進もう、と、丸椅子から立ち上がると・・・。

 「営業時間は終了しています、利用できません」×2回

 機械はプログラムに忠実だね、本当に(^^;)。
 (センサーの感応範囲に入った瞬間、これだよ)

 精米所の外に出ると、周囲は濃霧に包まれていました。

 いつの間に、こんなに濃い霧がかかったのだろうか・・・と、思いつつも、前進を再開しますが、とにかく霧が濃くて、遠くの信号や、交差点や橋を照らすナトリウム灯以外が真っ白です。
 後方から自動車が接近してきて、私の存在に気付いてか、ハイビームにライトを切り替えた時、不意に目の前に自転車があらわれ、思わずブレーキを握ってしまいましたが・・・それは霧に映った、自分の影でした(いや、びっくりしたなあ・・・)。

 ブロッケン現象に似た状態、と、今の冷静な頭なら即座に理解できますが、それにしても、自分の目の前、数メートルの範囲で、カーテンやスクリーンになるほど濃密な霧がかかっていなければ、こんな現象には出会えませんからね・・・。

 ちなみに、自分の車体のライトは、車体の前方10mくらいの範囲で、半球形の白いドーム状の反射光になっており、前が見づらくてしょうがありません(^^;)。
 こういう時は、照射点が低い、ハブライトが欲しくなりました・・・。

 とにかく、国道150号を南下し、突き当たった先で国道285号に折れて、上小阿仁村へと抜ける急斜面の峠道に至ります。
 峠道に入ると、川沿いを離れたためか霧は薄くなり、視界は回復しました。

 この辺りまで来た時には、疲労でかなり限界に近かったのか、厳しい斜度の登坂という、自分の身に起きていることなのに、他人事のように感じている自分がいました。
 急勾配の坂に喘いでいるのは自分なのに、この人、何やっているんだろ?本当に大変だな~、という、変な感じで受け止めています。

 この峠越えの登りの途中、給水したのち、ボトルをボトルケージに収納し損ねて落してしまいました。
 ボトルは、急な道を後方へと、ゴロゴロと転がり落ちて行きます。

 うん、こんな所で片方のボトルを無くすなんて、これから先の給水が大変だよね・・・この人、この先、どうするのかな・・・でも仕方がないよね・・・。

 って、んなわきゃねーだろっ!

 急に覚醒した意識とともに、転がっていくボトルを追いかけ、足と前輪で止めた直後に、腹の底から響くような溜息が出ました。
 いったいどういう心理状態だったのやら。
 とにかく、危険な兆候だったことには間違いないでしょう。

 こんな精神状態になったのも、ブルベ中では初めてです。いったい、どうなってしまったのやら・・・。
 もはや、体にかかる負荷を、受け止めて処理することが追い付かなくなったので、自分のことではない、誰かの身に起きたことだと転化することで、無意識に精神の安定を図っていたのでしょうか?

 気を取り直して、上小阿仁村の中心部を抜け、五城目町方面へと向かいます。
 この先、いくつかのトンネルを越えて五城目町を抜ければ、PCまではすぐ・・・のはずですが、GPSの画面では、先ほどの仮眠明けに見た時と比較して、ほとんど残距離が減っていないように見えます。
 現在地がずれている訳でもなければ、地図表示がおかしいわけでもないのに、なぜだろうか・・・。

 と、GPSを弄っているとき、前輪に軽くコツン、という衝撃が来たと思ったら、思いきり左の歩道上に投げ出されていました。
 すぐ後ろに追い付いていた参加者の方から、「大丈夫ですか!」と声がかかり、あ、落車したのか、と理解するまで、1秒ほど時間がかかりました。

 前輪が転石で跳ねた先が歩道の縁石で、そのままハスって倒れてしまったようです。

 パッと見た限り、車体には大きなダメージはないようです。
 体の方は、地面に落下した時に打ち付けた、左の肘が痛いな、と思って触ってみたら、レインスーツに見事に大穴があいていました・・・。

 私の落車につきあって止まって頂いて、車体の様子を見て頂いた後続の方にお礼を言い、少し休んで行くから、と、先行して頂きます。
 どうやら、注意力も散漫になっているんだな・・・。

 少々考えた後、ここでメイタンチャージの黒を補給します。
 カフェイン配合の補給食ですので、うまく使えば、集中力の維持に使えると考えていますが、以前はこれよりカフェインが増強された金色パッケージを摂取した結果、リバウンドでグダグダになった事もあり、あまり頼りたくなかったのですが・・・。

 しかし、今の状況を考えると、背に腹はかえられません。
 補給後、再度登坂を続行し、五城目町との間のトンネル群を抜けて下りに入ります。


15091975.jpg
五城目町、秋田市方面に続く峠道。
いくつかのトンネルを抜けて、
先に進んで行く。


 そして、峠を越えた後で、お約束の睡魔到来(黒メイタン、敗北!)。
 この、下り坂になると睡魔が侵攻してくる体質は、本当に何とかならないものなのでしょうか?

 危なくなってきた、と思ったら、すぐに道路脇に車体を止めますが、歩道の縁石(道路と歩道の間を仕切るだけの縁石。歩道が高くなっていなかった)に足をつこうとして空振りする時もあったりするなど、できればすぐにでも仮眠した方が良さそうな時もありました(そういう時は、歩道上でハンドルに突っ伏して数分、寝たけれど・・・)。

 まあ・・・足をついた縁石が固定されていなくて、ゴロンと転がったのは・・・私の疲労の影響は関係ないよね?(^^;)

 五城目の中心街を過ぎてしばらく走ると、どこか見覚えのある場所に出ました。

 そこは、国道7号との交差点でした。
 ここは以前、個人ツーリングで秋田市を出発し、青森県の国道101号経由で青森市まで走った時に、コースとクロスする方向に通った交差点でした。

 そうか、それならもう、八郎潟の東側に来ている筈だ。それなら、PCまでも近いはず・・・と思ってGPSの画面を立ち上げると・・・思った以上に遠くまでコースは続いています。
 画面上の目算で、確実に50km以上はありそうです。

 ・・・嘘だろ?

 時計を確認すると、既に時間は4:30頃。
 あと一時間半で、これだけの距離を走れるのか?


15091976.jpg
時間は既に薄明の時。
秋田のPCへと急ぐ!


 とにかく、今は進むしかない!
 まっすぐ進めばいいのだから、ミスコースの心配はないはずだ、と、GPSの画面縮尺を、このパートの終点と現在地までの全てが表示できる程度に調節して、前進を再開します。

 残り時間が心配だったため、この時点で、出せるだけの力を込めて前進を続けます。
 気持は焦りますが、GPSの画面の中の、自分の位置を示すマークは、遅々として進む気配がありません。

 右手を見ると、八郎潟のさらに向こうの男鹿半島の山地が見えていますので、秋田市の北部に近付いていることは間違いないはずなのですが・・・。

 ジリジリした気分で走っていると、不意にハンドルからピーッという音が響き、GPSの画面にバッテリー警告が表示されました。
 スタートから約56時間が経過した今、リチウム乾電池で稼動してきたGPSが、ついに電池切れになったようです。
 eTrexシリーズは、このバッテリー警告が出ると、数分で電源が落ちる傾向がある、と聞いていました。

 今、ここでGPSが停止するのは痛い。
 しかし、電池交換の時間があるなら、前進したい・・・。

 意を決して、歩道に乗り上げて電池交換を優先しました。
 電源を入れて、機械が立ちあがっている途中ですぐに走りだし、走りながら地図表示に切り替えて先を進むと、すぐに道は突き当りのT字路になり、国道7号に復帰しました。
 
 7号に合流して右折すると、すぐ、目の前にコンビニが・・・ん?なんだか見覚えがあるぞ?
 この、壁に「ドライブイン」の文字があるのは・・・?

 間違いない、PC8秋田に設定されているコンビニでした。
 何度もストリートビューで確認し、実際に個人ツーリングで逆走して行く時にも、この建物の姿を確認していますので、間違うはずがありません。
 (勢いで通過しかけて、ギリギリで立ち寄ったのだけれど ^^;)

 しかし、GPS上では、まだまだコースが続くんだけれど?と思ってもう一度、画面をよく見直すと・・・。
 終点付近に、にかほ市とか、由利本荘市などの地名が出ています。

 ・・・PC9の遊佐まで含めたルートになってるじゃん・・・。

 ここで思い出しましたが、GPSに取り込むGPXファイルは、ルートラボ上で、キューシート(4枚分割)のそれぞれに合わせる形で作成していたのでした。
 キューシートは、大体、経由するPCが3箇所ごとに切れるように設定されていたので、現在走行中のキューシートの3枚目については、五戸を出発後、奥入瀬の石ヶ戸休憩所(写真チェック)を含んで、石ヶ戸、弘前、秋田の3箇所で切った、と記憶違いをしていたのでした・・・。

 しかし、実際にはこの時参照していたGPXファイルは、遊佐までのコースも含むものだったのでした・・・。
 (そりゃ、遊佐はあと100kmほど向こうなのだから、ここでコースが終わるわけないよ・・・)

 ・・・途中から本気で焦って走ってきて、思いっきり損したじゃないか!
 まあ、クローズまでに間に合ったから、別にいいんだけどね・・・。
 (逆に、近いと思って遠かったよりは、ずっとましだ・・・)

 とにかく、チェックに行きましょう。

PC8チェック:05:18(795.5km)

 この区間は、全行程を通じて、最も睡魔に苦しみ、最も体感で長く感じた区間でした。

 そして、途中で緊張と焦りからか、すっかり忘れていましたが、無事にPCに着いた、と安心したと同時に胃痛が一気に再発です。
 ここからさらに苦しむのは嫌なので、先程あまり効かなかった胃薬とは違う銘柄の胃薬を購入し、のんでみますが・・・のんだ直後は少しましになるものの、まだシクシクと痛みがぶり返してきます。

 ・・・おのれ、この胃痛め・・・。

 こんな腹具合なので、補給は大きめのクルトンが大量に入ったカップスープと、ブルベ終盤でいつも食べたくなる味噌汁を選んで補給します。
 温かいスープと、味噌汁の塩味が、体に染みわたるような気分でした。

 さあ、残る距離は200kmほど。
 一回のブルベに相当するので、これを1ブルベ、なんて呼ぶこともある距離域です。
 ゴールまでの制限時間は、18時間ほどありますので、楽勝の距離・・・のはずなのですが・・・?

2.PC8秋田~PC9遊佐(そして山形への帰還)

15091977.jpg
最終日の日の出は、
秋田のPCで迎えた。


 秋田のPC8には、やはり、岩手のYさんの姿がありました。
 一緒にコースを走っている訳ではありません(この時は、車で先回りされていた)が、なんだか参加者の一人になっているような感覚があったりします(^^;)。
 そして、五戸辺りからコース上で何度も前後して走るようになっていた、ひさぼさんがいらっしゃいました。
 休憩している間に、I君も元気に登場です。

 それぞれがそれぞれで、コース上で苦しんだり、楽しんだりしている様子を報告し合います。
 私は、レインウェアに穴をあけてしまいましたが、「そろそろ新型が出回るタイミングだから、新調する口実ができたぜ!」という、見事なまでの「ブルベ脳」的な発言をしていた覚えがあります(^^;)。

 ちなみに、左肘の皮膚はウェアとの擦れで火傷状になっていたので、水で軽く洗ってから、傷パワーパッドを貼り付けておくことにしました。
 ウェアとの擦れで痛まないので、一石二鳥です。

 色々とやっているうちに、時間はPCのクローズに近付きました。
 あと数名が後ろにいるようですが、恐らく、今、このPCにいる人達から後ろの全員が、最後尾のギリギリ隊になるのでしょう。

 秋田で仮眠等で停車している皆様も、そろそろ、行動を開始する時間です。
 PCにいる皆様も、それぞれ補給を終わらせると、順次、コースへと復帰して行きます。

 私も、朝日に照らされてオレンジ色に染まった道を、秋田市街地方面へと出発しました。

 この先の道は、以前、個人ツーリングで逆方向に走っているので、ある程度、勝手がわかります。
 秋田市街地付近までは、いわゆる郊外のバイパス道路の雰囲気であり、郊外型店舗が軒を連ねる場所を通って行きます。
 そして、秋田市の中心街に近付くと、秋田港付近を通るため、港湾の産業道路の雰囲気が近い場所を抜けていく形になります。
 コースはそこで市街地には入らず、海岸側へと抜けて、7号バイパスを南下する形になっています。


15091989.jpg
朝日に照らされた国道7号を南下。


 当初の目論見では、まだ暗いうちに秋田市に到着し、健康ランド等で体を流して、さっぱりしてから先に進むつもりでしたが、どうやらそんな時間は取れなさそうです。
 3日目の夜に、思った以上に何度も足をとめて仮眠したため、もはや入浴などの時間はとれなくなっていました。

 自分の体が、汗臭いを通り越している感じがしますが、今日一日走れば良いだけだから、と開き直って先に進みます。

 港湾の産業道路の雰囲気が強くなってきた7号から、さらに海岸方向に進路を変更して7号バイパスへと進路をとります。
 高速道路じゃないよね?と言いたくなるほど見事なバイパス道路(軽車両通行禁止の標識がないか、何度も確認してしまった ^^;)に合流し、さらに南下を続けます・・・が。

 股ずれがちょっと悲鳴を上げ始めたので、最初に現れた「もしもしピット」に入り、ワセリン軟膏を塗り直す事にしました。
 ここで止まった「もしもしピット」は、道路脇の駐車帯のような物ではなく、本線から分離した駐車場のようなスペースでした。

 隅の方に車体をとめて、擦れた部位にワセリン軟膏を塗り込みます。
 坐骨の周囲の皮膚が擦れ、熱を持っています。恐らく、ゴール後、翌朝までにカサブタ状になって脱皮することになるのでしょう。

 メントールの刺激で、またしばらく股間が大変な事態になりそうですが、これをやっておかないと、もっとひどい事になりそうですから、我慢です。

 一通りぬり終わってから、ちょっと休憩、と腰を落ち着けたら・・・瞬時に30分ほどの時間が経っていました。
 また眠ってしまっていたようです。

 この「睡魔」という厄介なもの。
 今回のコース上では、昼間、明るい日差しを浴びて行動中ならば大丈夫でしたが、昼間でも休憩で座ったときや、夕方以降、太陽が沈んでしまったりする時には、瞬時に意識を刈り取って行きやがります。

 寝たので楽になったかな、と、コースに復帰すると、今度は空腹が・・・。
 PCではカップスープと味噌汁という、液体が主体の補給しかしていないので、吸収も早かったようです。

 この先、道の駅岩城が近くにあるはずです。
 順調に進めば、軽食コーナーが開くくらいには到着できるだろうと考えて、ほとんど高速道路なみに自動車がかっ飛んでいくバイパスを進みます。

 それにしても、この国道7号バイパス。
 ただ走る、というだけならば、これほどスムーズに走れる道もないですね・・・。

 とにかく、自動車目線ではありますが、可能な限りスムーズに通行できるように、緩やかなカーブと、比較的穏やかなアップダウンの繰り返しになっています。
 もちろん、自動車目線なわけですから、自転車で走る時には、比較的緩やかとはいえ、アップダウンが繰り返される事は、覚悟しないといけないのですがね・・・。


15091978.jpg
道の駅岩城に到着。
まだ朝早い段階なのに、
かなり混雑していた。

15091979.jpg
宮城ブルベの恒例で、
太平洋は見えないけれど、
日本海はばっちり見えるという・・・。


 軽食コーナーで揚げ餅を買って、腹の足しにします。
 ちなみに、胃痛はまた続いているので、消化に良いように、ご飯ものを避けたという背景があったりします・・・。

 この道の駅で、九州からの遠征参加の方と、何度目かに出会いました。
 花巻のPCで、遠征参加のあれこれについて話を聞かせて頂き、その後、道の駅で休憩中にお会いすることが多い気がします。

 2, 3言、挨拶をかわし、私はお先にコースに復帰します。


15091980.jpg
追い風の助けも借りて、
海岸沿いを一気に南下して行く。

15091981.jpg
その後、あっけなく由利本荘を通過。


 この、本庄大橋にどうも見覚えがあるなあ、と思ったら・・・この橋を渡った南にあったルートインに、仕事で来た時に泊まった事があるのを思い出しました。
 こういう場所を通過すると、妙に馴染みのある場所に思えてくるのが不思議です。


15091982.jpg
そして、秋田と言えばこれ、
ババヘラアイス。
ここの「ババ」さんは、
チューリップのつぼみのように、
アイスの形を作ってくれた。


 時間的に余裕があると、色々、楽しみたくなってしまうものです(^^;)。
 まあ、この日は暑かったので、ちょうど良かったと言うのもありますが。

 バイパスは、さらににかほ市方面へと続いて行きますが、この時は風が追い風だったのか、それとも周囲を走る車の流れに合わせて、体がそういう走りに徹していたのか、何だかタイムトライアルでもやっているかのように、グイグイと前に進んで行くような走りになっていました。
 あっという間に町を過ぎ、あっという間にアップダウンを越えて、あっという間に次の町に至ります(個人の主観。もちろん、それなりに時間はかかっている ^^;)。

 かなり良いペースで、秋田県の海岸沿いの最南端、にかほ市に到達します。


15091983.jpg
にかほ市域で、
急に車が渋滞し始めた。
この先の道の駅への入り待ち渋滞かと思ったら、
象潟駅前付近まで4kmほど繋がっていた。


 道の駅象潟を過ぎてすぐ、鳥海高原400のPCにもなっているコンビニ前を抜けます。
 物凄く、馴染みのある地域まで帰ってきたことが実感されるようになりました。

 いつもなら、鳥海高原に向けて登り返す交差点や、鳥海ブルーラインから下って来る交差点などを横目に見て、さらに南下を続けます。
 そう言えば、当初のコース構想段階では、ここで鳥海ブルーラインを登る設定にしようか、という案もあったらしく、今度、1000を開催するなら、そうしてみよう、という話がチラッと出たりもしたのですが・・・。

 ギリギリ隊の皆様にその話をしたところ、全員、光の消えた目で、「やめてください死んでしまいます」と言っていたのが印象的でした。
 なお、そんなコースだったら、私も走るのは勘弁ですね・・・(^^;)。


15091984.jpg
にかほ市街地を抜けて、
県境へと向かう。
地形が荒々しくなり、
これまでより激しいアップダウンになる。

15091985.jpg
鳥海山は、
頂上が雲の中だった。

15091986.jpg
そして、ついに山形県に帰ってきた。


 帰ってきた、という表現が本当にしっくりきた瞬間でした。
 ほぼ、900kmに渡る道のりを経て、東の県境を脱出してから、北の県境から再度戻ってくる・・・。
 3日かけた長い旅は、もうすぐ最終段階を迎えます。


15091987.jpg
そうか、いつもはこの橋の上を、
死んだ目をしながら通過し、
標高1,050mまで登って行くんだな。


 鳥海高原400では、皆が死ぬ気でアタックを開始するオーバーブリッジの下を抜けると、PC9はもう、距離的にも、気分的にも目の前です。

 ・・・が。

 そのままPCに行くのも、あまり芸がないですから、ちょっと寄り道して、豪華なランチと洒落込みましょう!

 という訳で、PCの数百m手前で、道の駅鳥海に入ります。
 この季節ですから、そろそろ、イクラが旬を迎えているはずです。

 シルバーウィーク中ですから、混雑しているのは当たり前。
 しかし、1,000kmも走って、すべてコンビニ飯というのも、あまりにも味気ないではないですか!


15091988.jpg
なので食う!
道の駅鳥海のまぐろイクラ丼!


 ・・・え~、この時点で、胃痛は全く治まっていません。
 というか、本当にひどい状況になっていて、空腹の状態で補給の事とか、自販機ストップの事とか、とにかく、腹に物を入れる事に繋がる事を考えるだけで、胃が動くためなのか、食道の方まで酸っぱい物がこみ上げてきて、ジクジクと痛みを発する状態になっていました。

 でも、食う!
 意地でも、食う!
 わさびとがりが、強烈に胃に効いたけれど、大量の水でごまかす!

 食事か苦行かわからぬ昼食を終わらせてから、PC9にチェックです。

PC9チェック:13:16(895.5km)

 最後のPCに到達しました。
 ここは最上川300の折り返し地点にして、鳥海高原400では、鳥海山へのアタックに備えて、多くの皆様が自主補給に立ち寄る前線基地のような場所です。

 宮城ブルベを走っている皆様の間では、「遊佐のいつものコンビニ」で通じると思います。

 それくらい、馴染みのある場所に戻ってきました。
 そして、ここから先のコースは、基本、最上川300の逆回しです。
 何度も走って、何度も苦しんで、何度も完走の喜びを噛み締めたコースが、ファイナルエタップとなりました。

 残りはたったの116km。

 ・・・いや、たったの、という距離じゃないぞ、というツッコミが大量に来たと思いますが、この時、このPCにいた参加者の口からは、ナチュラルに「あとはたった100kmだから!」という言葉が出ていました。

 もう、完全に距離感が壊れています(^^;)。

 そして・・・壊れていったのは距離感だけではない事が、最後の最後の区間で、色々と明らかになってくるのです・・・。


(続く)



関連記事
コメント
No title
よくたべれましたねwww
鳥海高原通るよりその状態でそのご飯を食べる方が「しんでしまいます」ですよ…
2015/10/07(水) 13:39 | URL | 漬物 #mQop/nM.[ コメントの編集]
Re: No title
漬物さん、ありがとうございます。

あ~、この時は、胃痛が激しいのに、妙に重い食事になった事を、かなり後悔しながら食べていましたね(^^;)。

でも、1,000km走って、結局、全部コンビニ飯とか、あまりにも・・・じゃないですか!
という訳で、どうやら私の裏スキル、「変な所で発揮される根性」が発動したようで・・・。
2015/10/07(水) 17:55 | URL | YO-TA #-[ コメントの編集]
コメントの投稿
【Font & Icon】
管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

YO-TA

Author:YO-TA
2011年7月に東京から仙台に移住。
相変わらず、デジカメ片手に、サイクリングやハイキングを楽しんでいます。
突然、突拍子もないことをやらかしますが、それはまあ、ご愛嬌という事で…。

Twitterでつぶやき中
最近の記事
最近のコメント
カテゴリー
月別アーカイブ
最近のトラックバック
ブログ内検索
RSSフィード
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
雨雲レーダー
リンク