日々是遊歩。見て、聞いて、感じて、それを殴り書き。

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あこがれの空の下を PBP2015参加記録 実走編 Part.2

 え~、既に、多くの皆様のPBPレポートで、「PCの飯がまずい」という情報があふれ返っていますね(^^;)。

 私も会社の同僚に、ライド中の食事の事を聞かれたら、チェックポイントで食えるのだが、あまり美味しくなかった、と答えているのが実際のところだったりして・・・。
 (で、「フランス料理なんだろ?」というお約束の反応が来るのだが、フランス人が、毎日あんなレストランのようなフルコースを食ってると思う方がどうかしている。それなら、日本人は毎日、日本食=懐石料理や、凄い高級食材を使用した料亭食を食ってる、というのと同じじゃないか)

 しかしまあ、フランスのシェフの皆様の名誉のために言っておくと、こと、日本人の味覚に関しては、日本の飯が、(たとえファストフードや、その辺の定食屋さんであっても)上質過ぎる、というのが、一つの悲劇なのでしょうねえ・・・(^^;)。
 まあ、その味を出すために、物凄い量の砂糖と塩と化学調味料が(以下略)なのも、皆様、ご存じのとおりなわけですが。

 とはいえ、「一味足せば、十分食べられる」という感じの物が多かったのも、また事実です。
 世界中から集まる6,000人のランドヌールに食事を提供すべく頑張っているフランスのシェフの皆様のためにも、単に「不味い」という情報だけではなくて、「それを美味しく食べるためのひと工夫」の情報も、同時に収集して頂けると助かります。
 (私の場合、次回はこぶ茶の粉末か味の素、あるいはスープの素などを持ち込めば、かなり改善されるのではないかと考えている)

 では本題です。
 PBP2015レポート、実走編のPart.2をお送りします。

 スタートから、PC1までの220kmは、12時間以内にクリア。
 ペースとしては悪くありません。

 PC1でトイレを済まし、軽く補給を入ながら、今後の走行計画について話し合います。
 私自身は、全然問題ないだろう、と考えていたのですが、いきなり「もう出発していないと危険な時間だ」という話になって、唖然とします。

 今後の走行を考えた場合、ルデアックまでにできるだけ貯金を貯めて、そこで可能な限り仮眠時間をとってからブレストへ向かうのが、PBP完走の定石パターンだ、との事です。
 しかし、私はどちらかと言うと、貯金を貯める走り方よりも、コンスタントに仮眠を取ったり、眠い時に寝たいだけ寝るという、行き当たりばったり型の方が、楽に走れると言うか・・・。
 (そんな訳で、あまり厳密な走行計画など、全く考えていなかった ^^;)

 しかし・・・まあ、私が睡魔にやられてグデグデだったり、女性参加者に押し売りエスコートをして、時間をかけたりしていたからなあ・・・と、ちょっと罪悪感も感じていたり・・・。

 何にしても、ちょっとこの先、どうなるんだ?と、今頃になって少々、焦りはじめたのでした・・・。

 という訳で、本編部分は例によって長文なので、裏置きします。
 興味のある皆様は、以下のRead moreをクリックして下さい。


1.PC1出発、睡魔の残滓との戦い
 ヴィレンヌのPCで軽い食事をとり、今後の走行スケジュールについて話し合いました。
 既に、当初の計画からは30分ほどの遅れをとっているとの事で、今後、ルデアック辺りで十分な仮眠を取る事を考えたら、すぐにでも出発した方が良い、という事でしたが・・・。

 この時、まだ貯金が2時間ほどあったので、私としては、正直な話、1時間ほど寝てから出たい、という所でした・・・。
 しかし、PBP経験者のSさんの計画より遅れている、という所がやはり気になったので、これから明るくなるし、睡魔も飛んでくれるだろう、と考えて、出発する事にしました。


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ヴィレンヌを出発する。

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朝霧の中を進む。


 日が昇ると同時に、周囲に立ち籠めていた寒気は急速になくなり、気温も高くなってきます。

 日がある時間は暑く、日が落ちると寒い。
 夏と冬が一日の間に同居しているような、そんな気候の中を走っています。
 話には聞いていましたが、実際に体験すると、その厳しさは圧倒的でした。

 PCでストップしている間に、ウールインナーは全て脱いで、夏装備に切り替えていたため、直接的な暑さの影響はない・・・と思いたいですが・・・。

 最初の集落に差し掛かった所で、全く無意識の状態で、前輪を右の歩道の縁石にハスらせてしまいました。
 反射的にハンドルを切りつつ、パニック気味にブレーキをかけると、ジャックナイフに入ってしまい・・・ですが、何とかビンディングを外して歩道に無事、着地できました。
 もう一度やれ、と言われてもできない、ほぼ反射神経だけのアクロバットです。

 それにしても、危ない危ない。どうやら、マイクロスリープに入っていたようです。

 幸いにして、ホイールへのダメージはなく、体もうまく着地したので問題ありません。
 先程、PCで一時間寝てから出たい、と考えていた要因には、この、しつこく居座っていた睡魔の影響があったのでした(体が重くて動かない事に、自覚症状があった)。
 時差ボケなのか、渡航の疲労がまだ抜けていない事が原因なのか、それとも、本番前日に眠れなかった事なのか・・・何にしても、自分の体のコンディションが上向いて来ない事が強く意識されます。

 再び、5分間仮眠する事にして、歩道上に退避し、民家の塀に背を預けます。
 今度は意識の瞬断を感じられたので、きちんと眠れたようです。
 ならば多分大丈夫だ、と、自分を叱咤して先に進みます。


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気を取り直して再度出発。


 天気は晴天となり、時間が経つとともにぐんぐん、体感気温が高くなっています。
 ヴィレンヌのPCの前後は、他の区間と比較してもアップダウンがきつい場所で、日本の軽めの峠越えのような道が何度も繰り返されます。

 関東圏でいえば、大垂水峠。
 東北地方でいえば、池月スタートでいきなりR457号を栗原に抜ける、あの二段峠のような登りが何度も現れます。


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道は珍しく、
峠越えに似た斜度と長さの道に変わる。
ここで睡魔が再び爆発した。


 またも睡魔が強く体を支配するようになりました。
 出力が上がらず、前進する力が湧いてきません。

 Sさんとともに、一度、長めに寝よう、という事になったため、もう、なりふり構わず、脇道への入口の草むらにゴロリと横になって目を閉じます。
 遠くに、通過して行く参加者達のチェーンの駆動音等が響いている中、意識が飛んで・・・そして目が覚めると、20分が経過していました。
 (ちゃりけんさんをお待たせしてしまった・・・)

 この段階で、もはや当初のプラン通りの走行は無理となったため、あとはトータルでタイムアウトにならなければいい、という感覚で走る事にします。

 ただし、この段階ではまだ、ちゃりけんさん、Sさん、私の全員がそれぞれ、どこかで歯車が狂っている状態に、それぞれがあまり気付いていなかった気がします。


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2日目は見事に晴れた。
体感の暑さは、
熱中症の危険性を感じるレベルだ。

15083006.jpg
中世から抜け出してきたような
町の中を走る。


 2日目は、天気に関しては申し分のない良い天気でした。
 これだけ見事に晴れ渡ると、逆に熱中症が心配になるレベルです。

 日射しが強く照りつけますが、町中を抜けて、農耕地に入ると、ほとんど日影が存在しないため、まともに陽光を浴びながら走る事になります。
 コース周辺は代わり映えのしない麦畑や牧草地の中のアップダウンであり、少々、視覚的には飽きてきました。


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途中、参加者の集まるバーで、
コーラとアイス休憩を取る。
とにかく、暑い!

15083008.jpg
ここは川沿いに町が広がっており、
なかなか素晴らしい景観の場所だった。


 なお、このバーを出発しようとしたら、私は話し好きらしいご夫人に捕まってしまい、日本人なの?PBPを走っているの?パリからここまで、何キロくらいなの?と、矢継ぎ早に質問されます。
 (ちなみに仏語だったので、多分、そうなんだろう、というニュアンス判断。こちらからはカタコト英語で返していたが、ほとんど通じていなかったと思う)

 最後の、「パリからの距離」だけは、多分これでいいだろう、と、サイコンを距離表示にして見せると・・・思った通りの答えだったようで、非常に驚いておられました。
 ただしまあ、こんな体の小さい東洋人が、そんな距離を走るなんて、という感じの、なんだかズレた方向性に感じたのは、なんというか・・・(^^;)。
 (ちなみに、そのご夫人は私より小柄。旦那様は、いわゆる西洋人体型だったが・・・)

 とにかく、そんなこんなで5分ほど捕まってしまってから、観戦中の皆様の声援を背に受けながら出発。
 すぐ先にあった、キツめの勾配の登りで皆様に追いついたので、「オバチャンに捕まって、酷い目にあいましたよ・・・」と愚痴っておきました・・・。

2.炎天下の道~それぞれの不調
 良い天気に恵まれた結果、この日は暑い道が続きます。

 日本であれば、自販機で冷たいドリンクを補充しながら走れるのですが、ここ、フランスではそういう訳には行きません。
 通過する町に、バーや私設エイドを見かけたら、水やコーラを求めて停車せざるを得ない状況が続きます。
 あとから通過時間のラップを見てみた所、結果的に、移動速度と距離は、初日の夜と比べても、あまり伸びていませんでした。

 なお、この日は、今年のツール・ド・フランスでコースとなっていた区間を通ったためか、沿道には様々なオブジェや応援のメッセージ、路面のペイント等、色々な物を見ながらの走行になりました。


15083009.jpg
巨大な自転車オブジェ。
休憩したバーの前にあった。

15083010.jpg
マイヨジョーヌ以下、
それを追いかける選手達や、
カメラバイクのオブジェ。
最後尾のチームカーで、
何か凄い事が起きている。

15083011.jpg
肩越しに撮影、
沿道の自転車オブジェ。

15083012.jpg
ツール向けのオブジェだけでなく、
PBP参加者への激励メッセージもある。
ブレストまで340km。

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何個目かの町に差し掛かり、
教会を越える。


 あと、確かこの区間のどこかで、路面に三叉の槍の絵柄がそのまま残っていました。
 あれ、もしかして、「悪魔おじさん、まもなく登場!」のマークだったんでしょうか!?
 (だとしたら嬉し過ぎるっ!!本物だよ、本物!!)
 いやあ、本当に、あのツールと同じ舞台を走っていたんだなあ・・・。


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フジュールのコントロール近く。
フランスの市街地には、
こういう自転車レーンがあるので、
そこを走る。


 正午過ぎには着くかと思っていたPC2フジュールには、結局、14時頃に到着しました。

 車体を停めた場所が、コントロールポイントから少し遠かったため、チェックをもらうために、かなりの距離を歩かされましたが、とりあえず無事にスタンプをもらいます。
 その後、少し遅めのランチを取りますが・・・暑さで少しやられていたのか、オムレツとラザニアを買ったものの、オムレツはそれなりに腹に入って行きましたが、ラザニアは胃が受け付けませんでした。
 そのかわり、メロンの切り身があったので、それにかぶりついて水分とミネラルの補給を・・・と考えますが、どの程度、効果があったでしょうか。

 車体の所に戻ってから、日本から持ち込んでいた水飴グミをぱくついて、足りていない炭水化物に代わる糖分の補給とします(頼むぞ、麦芽糖)。
 しかし、それでもまだ、体にずっしりと疲労が残っているようでしたので、Sさんとともに、芝生に横になって休む事に。

 40分ほど仮眠してから、出発準備を整えます。
 ちなみに、私とSさんが仮眠中、ちゃりけんさんは仮眠できず、ずっと待っていたのだとか・・・。
 この時間になってきて、少しずつ、パックの足並みが乱れてきたのかもしれません。
 (普段、一緒に走っている訳ではないので、足をあわせて走るのが、そろそろ苦しくなっていたのかもしれない・・・)

 次はそれほど距離を置かず(60km弱)にPC3のタンテニアックに到着できますので、できるだけサクッと終わらせて、その先(PC3から約80km)のルデアックまで行きたい所です。
 ルデアックまで行けば、各自のドロップバッグがあります。
 補給食に着替えがあり、時間が許せば、もっとゆっくり仮眠する事もできます。

 何より、序盤の450km、約1/3の終わり、という区切りにもなり、精神的にも楽になれるでしょうから、走行プランを練り直す事もできるはずです。

 それぞれに出走準備を整えて、再度、コースに戻ります。


15083015.jpg
フジュール市内を抜けて、
タンテニアックを目指す。


 タンテニアック、ルデアックは、先人の皆様のPBPレポートを見ても、色々なドラマが起きている場所でした。
 ここで体調不良に襲われたり、それまで不調だった体が持ち直したり・・・。
 また、ルデアックは日本人参加者のドロップバッグポイントである事から、ここでの休憩をうまく使う事で、ブレストまでの道が開けてきます。

 私は、フジュールでの仮眠がうまく行ったのか、フジュールから先の道筋については、あまり苦しまずに進めました。
 というか、この区間の走行中が、今回のPBPの走行中、最も様々な事を楽しんでいた時間になるかもしれません。


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もう何度目になるのか、
数えるのも諦めた、
教会の脇を抜ける。

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タンデムで参加のご夫婦に出会った。
人生を楽しんでおられるようで、
何とも羨ましい。


 この時間帯になると、なぜかベロモービルやタンデムが追い越して行く姿を多く見るようになりました。
 タンデムは、見た目に大きいため、高速走行に向いていないのかと思いきや、エンジンパワーが2人分という事もあり、かなりの速度でカッ飛んで行きます。
 そしてベロモービルは、その流線型のボディにより空気抵抗が極限まで削られているのか、特に下り坂において、異次元の加速(自動車を追い越す勢い)を見せて、一瞬で視界から消えて行きます。


15083018.jpg
スタート地点に並んでいた、
ベロモービル。
10台ほどが参加していただろうか?


 あのベロモービルには、追い越されても何ら悔しさを感じなかったのは、何故なのだろう・・・?
 (そもそも、設計思想が全く異なる乗り物だから、という気がするな・・・)

 ちなみに、あれだけ見事なカウルを持っていたら、雨にも濡れる事なく、快適なのだろうな、と思いきや、雨天時にあの中では、下からの水の跳ね上げで、とても悲惨な事になっているらしいです・・・。

 そして・・・この区間を走行中、最後尾についていたSさんが遅れ気味になる場面が多くなりました。
 もともと、登りで差が開く事が多かったのですが、下りの間に追いついてくるか、そのまま追い越しかねない勢いで走っていた事を考えると、明らかに走りがおかしい、と感じられる状態です。

 しばらく待ってみると、どうも胸焼けが酷くて、力が出ない、との事です。
 先に行って欲しい、との事でしたが、今回の宮城勢の中では唯一のPBP経験者である事から、今回の参加に際して、色々とお世話をして頂いていた事もあって、そんなに簡単に先に進む気にはなれません。
 とにかく、タンテニアックまでは一緒に行く事にして、ちゃりけんさんを先頭に、私が殿について、前進を続けます。


15083019.jpg
途中で一旦停止した場所。
Rigole de Boulet
Espace naturel.
(自然区域、らしい)

15083020.jpg
こんな感じの枯れ川があった。
落ち着いた雰囲気の場所で、
気ままな旅の途中であれば、
川沿いをMTBで
どこまでも走ってみたい場所である。


 Sさんは10分ほど仮眠すると、少し体調は上向いたようで、次のPCまでの残り10kmほどの道を走りはじめます。
 私はその後ろについて進みますが・・・今度は、少しスタートで出遅れただけ、と思っていたちゃりけんさんが、ついて来ない・・・。

 かといって、体調不良のSさんを一人で先行させる訳にも行かず、また、一旦止まって、今の勢いを削ぐのも駄目だろう、と対応に迷っているうちに、そのままタンテニアックまで到着しました。
 時間は19時頃。思った以上にかかってしまいましたが、これは仕方がないでしょう。

 遅れていたちゃりけんさんは、パンク修理に手間取ったとの事です(2Wayリムのホイールのため、タイヤの脱着が大変だったそうだ)。
 このPBP期間中、ちゃりけんさんはどうもパンク神に取り憑かれていたようで、ベロドロームの車検時、順番待ちで並んでいる間に車体を倒してしまったその時に、タイヤサイドにホチキスの針が刺さるなど、「何で?」と思うほどの不運に見舞われていました・・・。


15083021.jpg
タンテニアックでの食事。

少々、暑さでやられたのか、
味が受け付けなかったのか、
これだけの量を食べるのも、
かなり苦労した。


 タンテニアックでSさんはパックから離脱し、マイペースで進むことにするとの事でした。
 前回のPBPも完走しているだけに、走り方は熟知しているだろう、という事で、ここからは、ちゃりけんさんと私が先行する形で走る事にしますが・・・。


15083022.jpg
タンテニアックを出発し、
ブレスト方面へハンドルを切る。
ここは復路でも通る場所だ。

15083023.jpg
そして、日が西に傾いてきた。


 太陽は進行方向、つまり西へと大きく傾いています。
 時間は現地時間の20時をまわり、2度目の夜が近付いていました。


(続く)



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プロフィール

YO-TA

Author:YO-TA
2011年7月に東京から仙台に移住。
相変わらず、デジカメ片手に、サイクリングやハイキングを楽しんでいます。
突然、突拍子もないことをやらかしますが、それはまあ、ご愛嬌という事で…。

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