日々是遊歩。見て、聞いて、感じて、それを殴り書き。

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スタッフ活動裏話:BRM822宮城400km羽前陸前周回 コース試走結果 後編

 さて、そろそろフランス遠征が近付いてきました。

 現在、最後の物資調達を色々と行っている所ですが、駆け込みで色々、通販で購入しているため、土曜の午前中だけで荷物待ちが4つも5つもあるとか、ちょっとおかしな状況になっていたりします(^^;)。
 ていうか、もっと早く準備しておけと・・・。

 そして今になって、GPSを買っておけば良かった!という後悔の念がわいてきていたり・・・。

 というのも、PBPのコース、距離が長いだけでなく、フランスの地形や道路接続の特徴等を私が理解していないため、全然、覚えられないのですよ(^^;)。
 日本のブルベのコースだったら、600kmでも地図を見ているうちに頭に入ってしまうのですが・・・。
 (興津600で、ハンドル周りにキューシートもコマ図もGPSもつけずに走っていたら、どうやってコースを確認しているか聞かれ、頭の中に記憶してる、と言ったら、ひっくり返るほどの勢いで驚かれた ^^;)

 そんな訳で、急遽、スマホにGPX Viewerをインストールして、運営が配布しているGPSデータをぶち込んで行く事にしました・・・。
 フリーウェアなのですが、Google Mapと連動したマップ表示だけでなく、高低差のプロファイル表示など、意外に多くの機能が揃っていて、現地で何かあった時に、非常に役立ちそうです。

 まあ、こんな利器に頼らずに走れるなら、それに越した事はないのですけれどね・・・(現地では、矢印を見落とさないように注意しないと・・・)。

 では本題です。
 8/22に開催予定の、BRM822宮城400km羽前陸前周回のコース試走レポート、後編をお送りします。

 とはいえ、前編に続いて、攻略情報というよりは、走行中二色々感じた事(泣き言ともいう)を中心にした内容になります。
 また、後半はナイトライドの時間を含みますので、画像は少なめになります・・・(キューシートの各地点の交差点くらいしか撮ってないという、何と正しい試走感・・・ ^^;)。

 そんな内容ではありますが、興味があると言う皆様は、以下のRead moreをクリックして下さい・・・。


PC4~PC5 陸前の国へ
 大休止を入れた後、PC4を出発しました。
 走り出してすぐに、向かい風が強烈に吹き付けてきて、速度が全く上がらない事に気付かされます。

 一つ、トンネルを抜けて、国道108号を左折。
 鬼首(おにこうべ)峠からの吹き下ろしは、まともに正面から吹き付けてくるようになり、見事なまでに、庄内平野後半の再現となってしまいました。


15072635.jpg
それより、
前方の空が禍々しくて・・・。


 強風に乗って、冷たい雫がパラパラと体に降り注いできます。
 青沢峠の時は、うまい具合にかわせた雨雲ですが、どうやら今度はかわせそうにありません。

 そして、徐々に、体に当たる雨滴の量は増えて行きます。

 あ~、これは本降りに捕まるのも、時間の問題か・・・。
 レインスーツは・・・フロントバッグだな、と装備の所在を確認します。

 あとは、どのタイミングでレインスーツを身に纏うか、ですが・・・。
 この季節、あまり早くに身に纏うと、暑さで参ってしまいますから、タイミングが非常に難しい所です。

 まだ対向車のウインドウやボンネットに雨の痕跡は見られません。
 と、いう事は、降雨圏にはまだそれほど接近していない事を表しています。

 とりあえず、これ以上、雨が強くなって、地面がウェットになったら、レインスーツを装着するようにしよう、と決めて前進を続けますが・・・。
 明らかに薄暗くなって行く周囲の状況。
 日の入りまでまだまだ時間がある事を考えたら、山間部といえどもおかしい事に気付かされます。

 17:30頃、ついに雨脚は本降りと呼べるほどに強まり、アイウェアが一気に水滴で覆われました。
 近くにあった、ドライブインのような建物の軒下に逃れて、レイン装備を装着する事にしました。

 フロントバッグからレインスーツのジャケットだけを取り出して、身に纏い、ベンチレーションを開いた上で少し軒下から外に出ると・・・。

 あれ?
 やんでるぞ?

 着たらやむ、という、ブルベのマーフィーの法則をそのまま再現したように思えましたが・・・。
 それなら、脱いだら降るんだろう?と、そのまま前進を再開します。


15072636.jpg
その通りで、
雨はすぐに復活した。
レインスーツの表面で雨粒が跳ね、
路面は一気にウェットになる。


 どうだコノヤロー!よみ勝ったぞ!と、誰に向かってかは知りませんが、そう自慢したい気分です。
 レインスーツは、ニクワックスを塗ったばかりの、モンベルのゴアテックスですから、防水性能は折り紙付きです。

 このまま、快適な雨天ライドを続けてやりましょう。


15072637.jpg
所々、工事で片側通行になっていた。
道路の拡幅や、
歩道整備など、色々。


 所々で道路が片側交互通行になっていました。
 新しく橋が接続すると思われる場所は、工事用信号の先が長い登坂になるので、信号が変わりかけていたら、無理をせずに止まりましょう。
 (反対側が青になっても、通り抜けられない可能性が高い)

 雨は休まず降り続いています。
 途中でXバンドレーダーを見た所、鬼首峠から鳴子ダム湖(荒雄湖)の上流側までの狭い範囲だけ、雨が降っているようでした。

 おかげで、峠に続く道路上で、温度計が表示する数字は、高い場所に進めば進むほど低くなって行きます。


15072638.jpg
国交省の除雪ステーションを過ぎると、
人が定住している場所はなくなる。
ここが文明限界点だ。


 鬼首道路は、スタート直後に通った六十里越街道とは対極的な形の道路です。
 六十里越街道は、歴史的な街道に沿って作られた道でしたが、仙秋鬼首道路は近代の土木技術の粋を集めて整備された高規格道路です。

 東北地方の、ここまで山深い地域を通る道路の中には、冬期には積雪が深くて通行できないために閉鎖され、春の雪融け(下手すりゃ夏)まで開かれない道もあったりします。
 しかし、この仙秋鬼首道路は、旧国道108号が積雪期に封鎖されていたのに対して、通年通行が可能となるように整備されています。

 そんな風に対処するため、除雪などの体勢を整えるだけでなく、道路構造そのものから、冬期の安全性を考えて整備されている訳ですから、いわんや夏期をや、という訳で、そのまま峠を目指します。


15072639.jpg
かもしか橋の上から対岸を見たら、
旧国道108号のスノーシェッドが、
崖に沿うように続いていた。


 旧国道108号は、現在は仙秋サンラインとして観光道路のように扱われています。
 が、悪天候の時などには閉鎖されてしまうので、ドライブやツーリング計画を考える際には注意が必要です。
 (この日も、秋田側のゲートは閉じていた)

 まあ、現在はより安全性の高い現道が通っていますので、わざわざ「そこを走る事」を目的としない限り、通行する人はいないと思いますが・・・。

 そして、それほどの劇坂がない峠道を延々進んで、仙秋鬼首トンネルに到着しました。


15072640.jpg
到着した。
仙秋鬼首道路の最高地点、
仙秋鬼首トンネル。


 さあ、この山岳地帯の最初のクライマックス、仙秋鬼首トンネルに到着しました。
 時間は18:30頃。明るいうちに、陸前の国こと、宮城県に入れそうです。

 路上の温度計は、最終的に18℃を示していました。
 雄勝でも27℃はありましたから、雨とはいえ、かなり涼しい気候になっています。

 一旦、ここまで登ってきて疲れた息を整えてから、延長3,500mを越える超長大トンネルの暗黒の中に飛び込んで行きました。


15072641.jpg
長い長いトンネルの中を行く。
カント勾配がついており、
途中までは延々、
緩やかな坂を登る。

15072642.jpg
暗黒空間の中で県境越え。
陸前の国に入った。


 県境を越えると、カント勾配のためにトンネル内は下り基調になりますが、冷気が滞留しているので、身震いが出るほど寒くなってきます。
 外の気温が18℃だったはずですが、それより低いのでは・・・?
 まあ、3.5kmもあるトンネルですから、外界よりも冷え込んでいる可能性は高いですね(走行時、注意!)。

 カント勾配の下りを維持したままトンネルは終了し、そのまま、宮城側の下りに入ります。

 仙秋鬼首トンネルを出ると、一旦、橋を渡って、またすぐに次のトンネルに接続することを何度も繰り返します。
 これも、近代の土木技術の粋を集めた結果、生まれた構造で、従来はトンネル部分の尾根(山)を大きく切り開いた土で谷を埋め、強引に平らな土地を作って道路を造成したのですが、ここではそんな大きな自然破壊を行わないよう、谷は橋で越え、尾根はトンネルで抜いて、地形の改変範囲を最小限に抑えるように考えられています。

 こうした、自然環境への影響を最低限にできるように配慮した道路は「エコロード」と呼ばれていますが、ここはまさに、その考え方に沿って整備された道路です。
 宮城側の除雪ステーションの1kmほど手前(道路左側)には、そんな事を説明する看板がいくつか立った駐車場がありましたが・・・。


15072643.jpg
「エコロード」たる施設の一部。
側溝に落下した小動物が、
脱出できるように設けられたスロープ。

なお、小動物がそれと認識して利用するかは、
いまいち不明らしく・・・。


 六十里越街道のような歴史的な街道筋と比べると、無機的で無味乾燥な印象も強いですが、効率的な交通の確保にはこれ以上ないレベルで適した道筋を、下り基調に任せて進んで行きます。
 秋田側で降っていた雨は、宮城に抜けたら小降りになりましたが、橋の継ぎ手等で滑りそうなので、速度はあまり上げられません。

 トンネル、橋梁、トンネル、橋梁を繰り返しているうちに、周囲は急速に暗くなってきます。
 ここから鳴子ダム堰堤付近までは、外輪山の中を走るため、平野部と比べて日没が早まります。また、深い樹林の中を走る場所もあるため、驚くほどあっけなく、スポン、と暗くなってしまいました。
 (雨上がりの曇り空だったことも影響していると思う)

 除雪ステーションを通過し、連続するカーブを抜けると、道は深い林間を走る未改良区間へと突入します。

 普段からよく走っている道ではあるものの、それは「明るい時間帯」である場合がほとんどであり、暗くなってからここを走るのは初めてです。
 鬼首集落までは路面が結構荒れているので、対向車や追い越し車両のライトも利用して、行く先の路面を透かし見るようにしながら進みます。

 外輪山の中に入ると、アップダウンを繰り返しながら標高を落として行く下り基調になりますが・・・ここ、確かに下り基調ではあるのですが、一旦、「ダウン」で下った後の登り返しが結構きつく、結果的に一度下る前と、あまり変わらない高さまで登っている、なんて事が普通だったりします・・・。
 何度目かのきつい登り返しの後、急に視界が明るくなって、鬼首地区に入りました。久々に自販機の明かりを見た気がします。

 さて、ここからはさらに深い森林地帯を縫って、鳴子ダムだ・・・と思いましたが・・・。

 ここにきて、西の外輪山を越えて吹き付けてくる風が、暴風になって右から叩きつけて来るようになりました。
 木々が大きく揺れていたところから、風速は10m近くあったことは間違いないでしょう。

 いきなりゴオッと吹き付けてくるので、車体が左に押し倒されそうになったり、ハンドルがふらついてまっすぐ走れない時があったり・・・。
 道路には色々なゴミや落枝が散らばり、頭上で枝が折れる音がベキボキと響く時もあったりして、軽く恐怖を感じたりもしました(実際、路上を滑ってきた落枝をまともに踏んでしまった。よくパンクしなかったものだと思う)。

 荒尾湖畔公園近くまで行くと、地形的に風が通りにくくなったのか、横風の影響はなくなりました。
 それでも、周囲の木々がザワザワと鳴っているので、風が完全におさまった訳ではないようです。
 ただ、西風というのは、今後のルートを考えたら、追い風になってくれそうな気がしますが・・・。


15072644.jpg
多分、花渕山バイパス接続部付近。
夜間も信号整理で片側通行。

私の試走時には、
途中に誘導員がいたので大丈夫だったが、
他のスタッフが試走した時には、
信号無視車両が対向から突っ込んできたらしい。
(道路が狭くて逃げ場がない。こえーな、おい)


 鳴子ダム周辺は、試走当日が雨上がりの曇りだったこともあって、本当に真っ暗でした。
 時折、右手の樹林の間から、鳴子ダム堰堤と、その周囲の外灯が湖面に映える所が見え隠れしています。

 それを見ながら、結構キツいアップダウンを抜けます。
 荒雄湖岸は外灯も少なく、樹林も深い事から、ライトはVOLT 700を選択。
 オールナイトモードではさすがに暗かったので、ノーマルモードで、できるだけ広い範囲を照らすようにして視界を確保していました。

 ダム堰堤付近で道路幅員が急激に狭まり、その先、鳴子温泉までの急降下がはじまります。

 そういえば、荒尾湖岸に出てからは、路面は確かにウェットでしたが、もう雨は落ちてきません。
 この先、低標高域の走行になるので、鳴子ダムから先、勢いよく坂を下って行くと、国道47号に交差する手前にコンビニがあるので、そこでレインスーツを外すことにします。

 鳴子温泉に近い場所だけあって、コンビニ前はまだ多くの人で賑わっていました。
 ここでレインスーツを外し、47号を東進するコースに乗ります。相変わらずの追い風の下り基調が気持ちいい!

 池月までは、体感時間であっという間でした。
 到着時刻は、20:53。
 ここからは、本当に普段から頻繁に走っているエリアなので、ミスコースの心配は一切ありません。
 また、コースの難易度もわかっている訳ですが・・・。

 一番の問題として、「ここから自宅までの所要時間も、あまりにも明らかである」という点があったりします(^^;)。

 ・・・ここから、松島経由で寒河江って、自宅までの3倍は遠いよな・・・。

 いやいや、待て待て、何を考えているんだ!
 帰巣本能に従うのはまだ早いぞ!

 まあしかし、宮城県北地方に在住の皆様は、この先、ゴールまでの区間で、自宅と、ゴールまでの距離の差を思い浮かべ、何度もこう考えると思います。

 「何でこんなコースを引いたんだよ!」

PC5~PC6 陸前のフラット区間
 ここから先、国道457号を経て松島方面へと向かう区間は、普段、鳴子峡・鳴子温泉から帰宅する時のルートそのままだったりします。
 もちろん、暗くなってから走った事も何度かあるので、もはや勝手知ったる何とやら、です。

 先月のフラット栗駒石巻600に参加された皆様は、あの時の逆向きに走る、と言えば、大体、雰囲気はお分かり頂けるでしょう。

 何度も走っていて、勝手知ったる道なので、はいはい、いつもの通りね、という気分で走っていたため、ここは特に感想がないですね(^^;)。
 ごく短い区間だけ国道4号を通った後、県道3号へと左折すると、その先はほぼフラットな道が松島まで続きます。

 最初は川沿いの水田地帯を行きます。
 この辺りから、大郷町付近の水田地帯を走行中に、ライトの光の範囲外を、仄かな光がすうっと筋を引いて飛ぶ時がありました。
 恐らく、ヘイケボタルの光です。
 場所によっては、夏の終り頃まで成虫が飛んでいますので、運が良ければ出会えるかもしれません。

 しかし、本当に仄かな光であることと、そこそこ車通りの多い場所なので、自動車のライトに照らされていると、その光も紛れてしまうかもしれませんね・・・。

 そして、この道も、松島方向に向かう時によく使うルートだったりします。
 ついでに、この区間に入ると、ド平坦の直線路に近い事もあり、少々退屈してきてしまい・・・。
 毎度お馴染みの睡魔が到来。
 松島まではすぐだとわかっていますが、わかっているからこそ、一息入れるつもりで、道の駅おおさとに入り、ベンチに横になって10分ほど仮眠・・・。

 この季節の道の駅は、野戦病院ですか?と言いたくなるほど、キャンピングカーや車中泊の皆様で一杯なのですが、この道の駅はそれなりに駐車場が広いので、場所を選べば静かに仮眠できるかと思います。
 (ただし、ベンチの数は少ないので、早い者勝ちだったりする)


15072645.jpg
県道3号から県道9号に繋がり、
県道8号の松島方面に折れる。
だいたいまっすぐ走れば、
だいたい正解を引く。


 仮眠明けに、少々頭に霧がかかっている気分でしたが、良く寝た、と言い聞かせてコースに復帰。
 県道8号に折れてから、国道45号の手前で、少し複雑に曲がる区間があるものの、概ね素直に前進すれば、最終PCに到着です。

 松島のPCへの到着時間は、日が変わって0:10頃。
 一大観光地の松島も、さすがにこの時間は観光客の姿も見えず、静かです。

 さて、残るは利府町の中心街を経て、仙台市街地の横断と、関山峠越えです。
 フラット栗駒石巻600の参加者の皆様からは、ダメ押しの一撃だった、と言われた、信号峠区間です。
 このコースでは、できるだけストレスが少ない道筋で仙台市街地へと向かう・・・はずですが、さてどうなることでしょうか?

PC6~ゴール そして周回の終わりへ
 松島のPCを出発し、国道45号沿いを南下します。
 フラット栗駒石巻600では、ひどい混雑に巻き込まれた松島海岸地区も、さすがに深夜は交通量もそんなに多くなく、快適に走れますが、トラックの通過が結構あるので、あまりフラフラしないように注意が必要です。

 前日の昼前に日本海を見ましたので、遊覧船乗り場辺りで一旦、駐車場に入り、太平洋を見ておきます。


15072646.jpg
真っ暗だけどね(^^;)。
説明されないと、
これが海だとわからないよね(^^;)。


 松島から先のルートは、フラット栗駒石巻600とは異なり、松島海岸駅の所の交差点を右折し、内陸へと回ります。
 普段、渋滞が激しく、交通量も多い国道45号の裏道として使う事が多い道です。

 仙石線のガードをくぐって反対側に出ると、いきなり待っているのが、最大斜度8%の坂です。

 おいこら、このタイミングで激坂かよ!
 と思われるかもしれませんが、45号の複数回のトンネル通過+アップダウンに比べたら、楽な道なんですから・・・(個人的な評価 ^^;)。
 なお、この坂の途中で振り返ると、昼間であれば、海に浮かぶ松島の島々を見事に遠望することができますので、お勧めです(そんな余裕もない上に、真っ暗な時間帯ではそもそも見えないと思うが・・・)。

 三陸自動車道の松島海岸ICまで、軽快なダウンヒルを楽しんだ後、県道8号を利府方向に左折し、仙台平野の中心地へと向かいます。

 この先、実は少し誤算がありまして・・・。

 信号峠をできるだけ回避するためのルート取り(距離的にはフラット600と変わらない)として、利府町方向にコースを設定したのですが、実際には信号峠の状況は、フラット600で通った塩釜方面とあまり変わらなかったという・・・。
 夜中1時過ぎなのに、律儀に青赤黄色に光る信号を見て、「うお、こっちもダメだったんかい!」という悲鳴を上げる、怪しい自転車乗りが一人・・・。

 そのまま、県道8号をトレースして利府町を抜け、七北田川を渡ると、仙台の中心街に突入して行きます。

 ・・・の、前に・・・。

 七北田川を渡る手前で、ここを右折したら、30分で自宅だな~、なんてぼんやり考えている、怪しい自転車乗りが一名いたことは、まあ、忘れてください。


15072647.jpg
仙台市の中心街。
丑の刻だってのに、
人も車も自転車も多い。


 さすがに東北地方随一の大都市にして、東北六県の人口の一割が住む町、仙台は、色々な意味で「大都市」です。
 この「大都市」のニュアンスの中には・・・まあ、色々、含むものもありまして・・・(車の運転が荒いとか、人の飛び出しが多いとか、逆走無灯火自転車がいるとか・・・)。

 キューシートの注意事項に、「都市部特有の危険に注意」と書きましたが、まあ本当に、色々気をつけて頂ければと思います。


15072648.jpg
北四番町交差点。
この辺りが仙台の官庁街で、
ここを左折した勾当台公園近くに、
仙台市の道路元標がある。


 う~ん、この辺り、普段の自転車通勤で通る場所だよな~。
 ここから職場まで、10分もかからないな~、それに、ここを右折したら、20分で自宅だよな~。
 と、性懲りもなく泣き言を垂れる馬鹿野郎の悲哀は余所に、東北大学付属病院を過ぎると、徐々に車通りはまばらになり、静かな道に変化して行きます。

 それにしても、この仙台市街地の信号は・・・ひとつに引っかかったら、その先、連続ですべての信号にひっかかります。
 青になったのと同時に、ダンシングで加速してみますが結果は変わりません。
 走り始めて、速度に乗ってきて、さあ巡航に入ろうか、と思った瞬間に赤になるので、緊急停止・・・。

 そんな事を繰り返しているうちに、気分的にうんざりした感じになってきて、あ、これは集中力が切れたな、と、自分でもわかるような状態になってきました・・・。

 おかげで、キューシートのポインドごとに標識やランドマーク等のチェックまたは写真撮影を行っていたのが、この先は撮影失念ポイントが多くなってきます。
 これはダメだ、どこかで気持ちをリセットしないと・・・。

 この先、仙台市街地をほぼ横断した場所にある折立交差点は、右左折の矢印が変則的に出る交差点です。
 二段階右折で信号待ちをする時は、自歩道上に待機することをお勧めします(直進より先に、左折矢印が出る。そして左折レーンは、4車線中、左側2車線分)。
 折立交差点を右折後、愛子(あやし)方面を抜けて、最後の難関、関山峠へと向かいます。

 ここから先、どのように進むのが一番良いかなと、チラッと考えて・・・。
 関山峠の宮城側は、暗くて狭い道沿いのブラインドカーブが多く続くので、集中力の切れた今の状態ではまずい気がします。
 また、しつこく睡魔が復活してきたこともあるので、どこかで再度、仮眠を入れて、明るくなる頃に峠を越えようと考え、途中のコンビニで補給がてら、裏手でフェンスに体を預け、30分ほど仮眠してから、国道48号区間へと進みました。


15072649.jpg
やがて夜が明け始める。
熊ヶ根駅前の、
峠越え前の最後のコンビニ付近。

15072650.jpg
・・・なんか怖いぞ・・・。


 熊ヶ根のコンビニで、最後の補給を入れて前進を再開します。
 計算上、作並温泉でライトが要らないほど明るくなれば、安全に峠越えをできるという腹積もりです。


15072651.jpg
作並温泉街に入る。
狙い通り、明るくなってきた。

15072652.jpg
関山峠への登り。
完全に明るくなった。


 狙い通り、作並温泉に到達した時点で、そろそろライトがなくても十分な明るさになってきました。
 そして、関山峠への登りも、最終段階に入ってきます。

 しかし、この峠の宮城側の登りは、長い上に単調で、だんだん飽きてくる・・・。

 そんな道筋なので、例によって睡魔が大復活です。
 意識を持って行かれるほどではありませんが、全身にだるさのような、嫌な感覚がまとわりつき、登坂の力を奪ってくれます。

 ううう、早くトンネルよ現れろ、と念じつつ登坂を続けていると、川向うにこんな物が立っているのが見えました。


15072653.jpg
「坂下境目御番所跡」
の標柱とともに設置された、
「関山新道開鑿殉難之地」の碑。


 この関山峠は、明治時代に近代的な道路が建設されましたが、その際に、色々と大きな事故が起きています。
 中でも悲惨だったのが、この、「殉難之地」の碑の辺りで起きたという、火薬爆発事故だったと言われています。

 その事故は、トンネル掘削のために使われる予定だった火薬の集積場で、火薬運搬の人夫が火気厳禁を無視して喫煙した結果、その火が引火して集積されていた全火薬類が爆発。
 23人にも上る死者と重傷者8名を出す大参事だったとのことです。

 明治時代の当時は、まだダイナマイトが高級品であったことが招いた悲劇と言われているようですが・・・普通に考えて、火薬集積場で煙草を吸う(当時は今のような紙巻煙草でなく、煙管を使っていたはず・・・)とか、自殺行為以外の何物でもないと思うのですが・・・。
 非喫煙者の私にはわかりませんが、そうまでして吸いたい物なんですかね、あれ・・・?


15072654.jpg
この爆発事故の慰霊碑は、
山形県側にもある。
当時としては、
かなりの大事故だったのだろう。
(まあ、現代でも間違いなく大事故だよな・・・)


 ここまで大きな犠牲を払ってまで開通させた関山峠ですが、旧道は勾配が急で道は狭く、しかもカーブが多い道で、自動車の時代になった昭和初期頃には、交通事故が多発する危険な道路になってしまいました(一家ほぼ全滅なんていう痛ましい事故もあったらしい)。
 その結果、峠の頂上の旧道トンネルでは、全国各地によくある、「乗せたはずの人が消えてしまい、シートに人型の濡れた跡があった」系の怪談の原形となる幽霊騒動まで起きてしまいました。

 結果、安全な交通を確保するために現在の関山トンネルが建設され、今に至っています。
 なお、旧道は現在、完全に廃道化しているため、徒歩で踏破するのも危険を伴うそうですので、近付かない方が良いでしょうね。

 さて、話を戻しまして・・・。

 関山峠は、早朝のため、軽く身震いが出るほど冷え込んでいました。
 関山トンネルを抜けて、勢いよく山形方面へとダウンヒルを開始します。

 一定間隔で現れるアスファルトの継手を越えるゴトン、ゴトンという衝撃を体に感じつつ走っていると・・・。
 徐々に、下腹部に、質の悪い痛みが・・・。

 汗で濡れたままのジャージで、夏らしからぬ低温になっていた峠から勢いよく下ったため、内臓が悲鳴を上げたようでした。

 関山大滝の所にあるドライブインの駐車場に公衆便所があったので、緊急ピットインして事なきを得ました・・・。

 その後はしつこく付きまとう睡魔を払おうと、途中の自販機で缶コーヒーを飲んだりしつつ、国道13号に折れて天童市街地に至ります。


15072655.jpg
跨線橋から見た空。
24時間前は雨模様だったが、
この日は見事に晴れ渡っていた。


 天童〜寒河江間の約10km程度を走っている間に、空はみるみるうちに晴れ渡ってきて、朝6時にして、既に暑さで汗が噴き出しはじめました。
 ただでさえ、前日から走りっ放しで汗が乾く暇もなく、全身がヌルヌルの変な物に包まれているというのに、こんなタイミングでダメ押しを受けるとは・・・。


15072656.jpg
という訳で、
毎度お馴染みの
鉄分
フルーツライナー左沢線。

15072657.jpg
最終ポイント。
この標識の交差点を左折し、
高速を潜った先の駐車場に入る。


 前日の午後以降に、自分が手で触れた物のほとんどが、体を覆う正体不明の粘液と同じ、何かわからぬヌルヌルの物で覆われているのを感じつつ、ゴールに辿り着きました。


15072658.jpg
ゴール記録。
現在、最上川ふるさと総合公園の
第二駐車場の一番奥で
ゴール受付を予定している。


 24時間35分。
 まあまあのタイムだったでしょうか?

 途中、今までの400と比較すると、随分ゆったりと仮眠を取って、キューシートのポイントごとに標識画像を撮影して、六十里越街道では景色の良い場所を選んで撮影をしたり、クラックにタイヤを落として遊んでみたり・・・。
 これだけ色々な事をやって、普段の400km走行時とあまり変わらない時間でゴールできたという事は、今回のコース、実はかなり高速で展開する可能性がありますね・・・。

 まあ、とにかく、何はともあれ無事にゴールしたので・・・。

 風呂だ!

 ゴール受付から自転車で5分もかからない場所にある温泉、「ゆ〜チェリー」は、午前6時から営業しています。
 このコース、恐らく20〜24時間くらいで走り切る人がボリュームゾーンになると思いますので、ゴール後に汗を流すにはちょうど良いかもしれませんね。

 かくいう私は、先程も書いた通り、全身、汗のネバネバ状態だったので、もちろんそのまま、ゆ〜チェリーに向かう事にします(というか、池月辺りからは、それを楽しみに走っていた ^^;)。

 ゆっくりと風呂に入り、たっぷりマッサージチェアで全身を痛めつけ、寒河江を出たのは10時くらいだったでしょうか?
 路上の気温表示は、既に30℃を上回り、とんでもない猛暑になっていました。

 ・・・スタートが一日早くて良かったよ・・・。
 この酷暑の中、400kmを走ることになったら、とんでもなくしんどい思いをしたでしょうね・・・。

 雨にはじまり、平野部の猛暑に峠の雨、朝の峠の冷え込みと、様々な天候変化を受けましたが、命の危険を感じるほどの暑さはなかったな・・・(最後を除いて)。

 まあそれよりも、「自分で引いたコースを完走できないスタッフ」という微妙な評価を返上できたので、良しとしましょうか!

最後に全体の総括を
 という訳で、これが今回、全体を通して試走した感想のレポートになります。
 あまり攻略の参考にはならないかもしれませんが、とにかく、南東北の、様々な地域の様々な表情を見ながら走る、とても面白いコースになったと自負しています。

 また、地形的にそれほど急勾配、急傾斜となる箇所は通らず、比較的平坦な区間が長いため、恐らく、日が変わらないうちにゴールしてしまう人が出るくらい、高速で展開するコースになると思います。

 実は、コースを発表した直後から、東北のランドヌールの皆様には、序盤の六十里越街道の立ち上がりっぷりに、「どこが楽なコースなんじゃ!」と突っ込まれまくっていたのですが(^^;)、実際に走ってみて思いました。

 このコースは、初めて400kmを走る、という皆様をはじめ、超長距離ブルベに挑戦したい、という皆様の登竜門的な位置付けにできるのではないかな、と。

 何より、一日程度の時間の間に、日本海と太平洋、東西両方向の海を、自走で見に行くなんて、この南東北でしかできない事ですからね!
 そういう意味でも、楽しめるコースになるのではないかと思います。

 ・・・ただし、このコースは六十里越街道の冬季閉鎖期間が非常に長いため、走行できる時期が限られるのが難点なのですよね・・・。
 (解放されるのは例年、6月末頃。そして、11月頃には閉鎖になってしまう)
 今年も、真夏に開催となったのは、7月まで試走を含めて走れない(しかし、7月中は600の日程が被る)事が大きな要因だったりします。

 ちょうどお盆明け頃の、年間でも最も暑くなる時期だけに、皆様、熱中症には十分、気をつけて走って頂ければと思います。
 なお、途中の峠越え区間(六十里越街道、青沢峠、鬼首道路、関山峠)には、それぞれ自販機すらない区間が、最長で20kmほどありますので、余裕を持った補給計画を立てて頂けますように・・・。

 来年も開催する場合、秋開催で、各峠の紅葉の入りくらいのシーズンに走るようにしたら、もっと楽しめるかな・・・?


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プロフィール

YO-TA

Author:YO-TA
2011年7月に東京から仙台に移住。
相変わらず、デジカメ片手に、サイクリングやハイキングを楽しんでいます。
突然、突拍子もないことをやらかしますが、それはまあ、ご愛嬌という事で…。

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