日々是遊歩。見て、聞いて、感じて、それを殴り書き。

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半分スタッフ活動記録 BRM718宮城600kmフラット栗駒石巻(一部除く)

 はぁ、夏の大遠征を前に、またまた本業の雲行きが怪しくなってきました。

 まあ、何があっても海外遠征をやめる気は全くありません。
 クビになろうが、かまうものか!(←いや、少しはかまえよ ^^;)

 まあ、国内遠征ならまだしも、4年に一度のビッグイベントを放棄しろとは、さすがにウチの会社でも言わないとは思いますが・・・。
 その時はその時で、腹だけは決めておきましょうかね。

 では本題です。
 今回も、600kmのブルベですが、短編レポートになります。
 なぜかというと・・・。

 それは、ブルベ本番前日の、7月17日(金)の朝。
 東京の拠点からかかってきた、一本の電話で全てがひっくり返りました。

 「火曜日に提出を求められている資料に、事前チェックででっかい×を付けられた!すまんが連休中、力を貸してくれ!」

 ・・・はい?
 明日から二日間、日常を離れた空間(文字どおりの意味で)にDiveする所なんですが?

 「土曜の午前中に、何とか問題を切り分けて、午後にメールで一報を入れる。それを見て、翌日以降に対応すべき専門部分の作業指示が欲しい。月曜日には、東京に関係者全員、集合してミーティングと最終確認だ!」

 人の話を聞けぇっ!

 かくして、私は社会人なのか会社人なのか、はたまた社畜と呼ばれる身にありがちな騒ぎに巻き込まれたのか・・・。
 今まで、色々と準備をしてきて、鳥海高原400での失敗からの捲土重来、と考えていたフラット600なのですが、前日の朝、というタイミングで、全行程の走行は不可能となってしまいました・・・。
 (既に会場入り用のレンタカーとか、三連休分、手配してあって、その日の夕方、受け取り予定になっていたというね。そして、自宅玄関に、積み込みセットが既にスタンバってるというね・・・)

 一応、スタッフのメーリングリストにはDNS宣言を出して、最後尾をお勝手走行しようかと考えている旨を連絡してありましたが、当日朝、はいこれ、とブルベカードを手渡され・・・。
 ま、確かに、参加者とお勝手人が絡むと、あまり良くない事になりますから、計画的離脱が前提とはいえ、参加者の一人として走った方が良いでしょうね・・・(実はちょっとうれしかった ^^;)。

 そんなわけで、今回は結論を先にいえば、土曜日午後には仕事対応に入ることを考え、SP1、栗駒山荘を越えて、厳美渓から平泉200&物見山300の逆回りコースでの帰還、というプランでの走行となりました。
 最終的な走行距離は、約150kmという事で、コース全体の1/4にしかなりませんでしたね・・・(PBPに向けた調整という意味合いも考えていたのだが、これでは不完全燃焼ですよねぇ・・・)。

 それでは、既に結果も明らかな今回のブルベレポート。
 興味のある皆様は、以下のRead moreをクリックして下さい。


 開催当日の朝、スタート地点に集まったのは、約50人の参加者でした。
 宮城開催の600としては、最高人数の出走です。

 スタート地点に集まった参加者の数を見て、思わず、「多いな~」という呟きが漏れるほどです。
 宮城開催の600なんて、20人いたら多いと驚いていたくらいなのですが・・・。

 そして今回は、関東方面からの遠征参加の皆様が多かったのも、特徴的でした。
 伝え聞く話では、秋の1000にエントリーできなかった皆様が、そのかわりに、という事で、この600に流れていたらしく・・・。
 開催日が三連休だった事もあって、休みが取り易かった、という方もいらっしゃいました。

 さて、受付が終わって、知り合いの皆様にも挨拶です。
 この日は、装着テストも兼ねて、Audax JapanのPBP2015記念ジャージ+反射ベストという、誰がどう見ても「逃げ場なし」という装備でした(^^;)。
 ・・・まさか、この服装の人間が、途中で計画的撤退とかね・・・。

 スタート地点で周囲から聞こえる会話の多くは、「実はフラットじゃないんだろ?」「キツいコースなんだって?」という・・・。
 うん、まあ、その辺は、一つ前の「予習編」で詳しく触れているので、ご覧になって頂ければ・・・(実際走ってみて、皆様、いかがお感じだったでしょうか?)。

 ブリーフィング後、車検係になって、出走される皆様の車体を間近で見させて頂きます。
 さすがに600kmを走ろうという皆様の装備は、色々と工夫がされています。
 これをじっくり見られるのは、スタッフの役得ですね・・・。

 そんなこんなが終了し、あらかたの皆様が出発された後、5:00ちょうどになるのを待って、私もほぼ最後尾からスタートしました。


15071801.jpg
池月スタート名物、
走行開始10分後の峠越え。


 宮城ブルベではお馴染み、池月スタート北上コース名物の、開始10分後の峠越えです。
 地元の皆様は、さすがにもう慣れているでしょうが、遠征組らしい皆様の間からは、「いきなりフラットじゃねえ!」という悲鳴が・・・(^^;)。


15071802.jpg
鳥海高原400に続き、
濃霧の中のスタート。

しかし、序盤が霧雨だったのは、
それほど体温上昇がなく、
正直、助かった。


 何度か尾根を越えた後、いつもならば、細倉方向へと右折する道を直進し、栗駒山方面へと北上を続けます。
 道は谷沿いに緩やかに高度を上げて行きます。


15071803.jpg
花山ダム湖にて、
旧道橋と新道橋の交差。


 花山湖を過ぎると、周囲は山岳の雰囲気が強くなっていきます。
 道は時折、急斜面になったりしつつ、一迫川沿いを上流へと向かいます。
 周囲は崩落が起き易い地質らしく、荒々しい崩落痕がむき出しの場所などもありました。


15071804.jpg
前方、ごくわずかに青空が。
栗駒山は晴れているのだろうか?


 この段階で、進行方向の空の一部に、雲が切れて青空が見える時がありました。
 コース序盤は、昨秋のコース紹介でも書いた通り、「雲の低い薄曇り」であれば、周囲の風景が幻想的になって良いのですが、これはその通りの天気なのか、ちょっと良すぎる方向に転ぶのか・・・。

 とりあえず、低標高域は霧雨でウェアが完全にずぶ濡れになるという、ちょいと不快指数高めの天候でしたが・・・(^^;)。


15071805.jpg
温湯温泉に到着。

ここは古来、花山越えの御境番所として、
仙台藩の北の出入り口だった。


 温湯温泉の隣には、旧仙台藩の番所跡が残っています。
 ここは、かつて、花山峠を越える旅人をあらためる番所として、国境の守りの重要拠点でした。

 この日、ここを通ったランドヌール的には、この先の厳しい登りに備えて、ドリンク補給が可能な最終ポイントになっていたりします。

 私は、まだ全くドリンクには手をつけていなかったので通過しましたが、休憩とドリンク補給を終わらせた参加者の方が、次々、コースに復帰されてくる姿が見えていました。

 そして、この温湯温泉の少し手前で、リカンベントで参加されていた方が、道路脇に停車している所に出会いました。
 ここに来るまでの間だけでも、何度も小高いコブのような尾根を越えてきましたので、リカンベントには厳しい条件だったと思います。

 コースはこの温湯温泉を越えると、湯浜峠、花山峠を越えて、栗駒山荘へと続く、厳しい山岳コースに変化します。


15071806.jpg
まずは最初の九十九折に取り付く。
この段階は、まだ序の口だ。

15071807.jpg
クネクネと3往復くらいした後、
一旦直線区間に変化した後、
「七曲がり」という標識が出ていた。


 この辺りで、先行していたちゃりけんさんに追いつき、ご挨拶。
 一ヶ月ほど、自転車に乗る機会がなかった、との事で、いつになく登坂に苦しんでおられる様子でした。

 七曲がりの所で少し先行して前進します。
 七曲がり、というからには、ヘアピンカーブは7回あるのでしょう。
 先月の鳥海高原の12回よりは短いな、と思ってカウントして行くと・・・6回で終わったぞ、おい(^^;)。

 帰宅後、地図で確認してみたら、どうやら、「七曲がり」の標識のあったカーブが一つ目のカーブになるようです。
 ・・・そこはまだ導入だと思って、スルーしていたじゃないか・・・。
 (もう一度、カウントしに行け、とかナシね ^^;)


15071808.jpg
七曲がりを過ぎると、
周囲はスギの人工林から、
ブナを主体とした林相に変わった。


 標高が高くて涼しいためか、下界ではそろそろ、ミンミンゼミの声も聞こえはじめているこの時期に、ここではエゾハルゼミが大合唱していました。
 ヒグラシの声にも似たその鳴き声に包まれながら、斜度がグイグイ増して行く坂を登り続けます。

 ギアはもう、「左手の封印」こと、フロントのトリプルインナー(30Tリング)をとっくに解禁済みです。
 (この日は、厳しく長いアップダウンへの対応を考えて、車重の軽いニールプライド・アリーゼではなく、フロントトリプルのコラテックで参加していた)

 湯浜峠までは、まともに尾根道を登り上げて行きます。
 時折、下りの区間も出てきたりしますが、すぐに登りに転じてしまい、あまり休む暇がありません。


15071809.jpg
大きなリュックを背負った参加者の方。
本当かどうかわからないが、
キャンプ用品一式を背負っているのだとか・・・。

後半、仮眠場所が少ないため、
キャンプする事も考えていたらしい。

15071810.jpg
そして到着、湯浜峠。
見事に霧の中だった。


 花山峠の手前、5kmの所にある湯浜峠に到着しました。
 一つ目の厳しい登りの区間が終了、という事もあり、ここで記念写真を撮っている皆様もいらっしゃいましたね。

 私の方はというと、記念写真を撮ったり、通過して行く参加者の方に、「次の峠は5km先で~す!」というメンタル攻撃を加えたりしていた訳ですが・・・(^^;)。
 「そんな情報はいらねぇ~!」という悲鳴が聞こえましたが、狙い通りだったと言っておきましょう(黒笑)。


15071811.jpg
湯浜峠付近は、
この日の天候の中では、
最も濃密な霧に包まれていた。

峠の先の下り坂で、
危険を感じて停車してしまった場所。
視界は10mに届いていないと思う。


 湯浜峠付近は、濃密な霧に覆われており、勢いよく下ることに、少々危険を感じられる天候でした。
 なるべく静かに下って行くと・・・霧に包まれた道路を、白っぽいモコモコした何かが・・・。

 近付いて行くと・・・モコモコの正体は、テンでした。
 霧で周囲が見え辛かったのか、随分間近に近付くまで気付かれなかったようで、物凄く慌てた様子で、道路脇の茂みに飛び込んでしまいました。


15071812.jpg
しかし、少し標高が下がると、
霧は消えてしまった。
どうやら、
空が晴れて来ている様子だ。

15071813.jpg
花山峠を越えた。
だが、登りはここからが本番だ。


 花山峠を越えて、秋田県に入りました。
 そして、斜面は気流の裏に入ったのか、雲が急激に薄くなってきました。
 道は下りに入り・・・と思ったら、すぐに登り返して、また下って・・・を繰り返し始めます。

 何度目かの下りの途中、ポリタンクを持った人が道路を横断する姿が見え、「何だ?」と不思議に思いましたが、右手に勢いよく噴出する湧水が見えて納得しました。
 道中の所々に手書きの標識が出ていましたが、これが栗駒神水のようでした。

 2本のボトルのうち、片方がかなり少なくなっていたので、下りの勢いを無理に殺して停車し、水をくむことにします。
 一応、すぐ脇にあった水質評価の表示を見て、直接飲用可能である事を確認した上でボトルに水を追加します。

 水を汲んでいる間、冷えた湧水が体に飛び散ったのが、冷たくて気持ち良かった・・・。

 栗駒神水を出発し、また微妙なアップダウンを繰り返す道を進みます。
 この辺り、国土地理院の地理院地図などで見ると、急峻な地形の中に、部分的に出来上がったバルコニーのような地形になっていて、登るも、下るも、いまいちはっきりとした「斜面」として現れない場所になっています。
 とにかく、アップダウンの繰り返しでじりじりと標高を稼いでいくのですが・・・正直、登るなら登るで、スパッと登って欲しいなあ・・・。


15071813b
でも激坂はやめて(真顔)。


 時折、2ケタ%な標識が出ましたが、さほど長くは続かず、微妙な斜度の登りに変化します。
 途中、何箇所か、工事で片側通行になっている場所を抜け、勢いよく下り始めてすぐに、正面にトンネルが見えてきます。

 下りの勢いで、そのまま直進したい所ですが・・・直進すると、コースを大きく離れて、湯沢、横手方面へと降りてしまうのでぐっと我慢してブレーキを握ります。
 前後から車が来ていない事を確認してから一関方面へと右折し、再び上り勾配の道へと突入します。


15071814.jpg
標高が高くなっていくため、
絶景度もどんどん上がっていく。

下に見える道が、
湯沢・横手方面に続く道。


 この辺りから、急に体から力が抜けたような、変な感覚に陥りました。
 この感覚は・・・過去の失敗経験から、ハンガーノックに落ちる1~2時間前に、第一段階の予兆として現れる体調変化だな、と、推察されました。

 今回のブルベ、実は朝の準備がバタバタしてしまって、事前補給がチョコチップ入りのスティックパン2本だけだったので、いい加減、エネルギーが切れかけてきたのでしょう。
 また、PBP参加経験を持つ皆様からよく言われる、「100kmほど無補給で走る訓練」(まったく補給しないのではなく、手持ちの補給食等で対応し、コンビニや自販機で止まらないように走る訓練)を意識していたため、途中での補給をほとんど何もしていません(水分補給と、塩飴を舐めていた程度)。

 本当は、最近重宝している水飴グミを齧れれば良かったのですが、車に置き忘れてきたという・・・(痛恨事!)。

 え?
 無補給と言いつつ、栗駒神水に止まってなかったかって?
 ああ、ほら、そこはPBPでも、「お勝手給水所」があちこちにできるらしいので、水くらいは・・・(言い訳)。

 そんなわけで、複数種持っていた塩飴のうち、砂糖多めの物を口に放り込んで、意図的に力を抜いて登坂を再開します。
 何度目かの片側通行の信号待ちの間にちゃりけんさんが追い付いてきたので、暑い、きつい、と愚痴をこぼし合いながら前進します。

 しばらくご一緒したものの、途中にあった神社の所でちゃりけんさんは一時休憩されるとの事で、また微妙に先行させて頂くことになりましたが・・・。
 見晴らしの良い場所で写真撮影中、後ろから、「うお~!」とか、「やられた~!」とかいう声が聞こえたので振り返ってみたら、オーディナリーにまたがるKさんが颯爽と激坂を登って来る姿が!!

 急いで走行を再開するも、あっさりと抜き去られてしまいました・・・。
 自転車の速度は、車種よりも、乗り手の性能に依存する、というのは、スポーツ自転車に乗っていれば、レース、ロングライド等のどのような現場でも痛感させられる事ですが・・・こうもあっさりひっくり返されると・・・(^^;)。


15071815.jpg
颯爽と去って行くオーディナリー。
あっという間に差がついた(^^;)。


 ちなみに、今はオーディナリーでブルベを走っておられるKさんですが、ロードでブルベに参加された場合、宮城で最速級のリザルトを叩き出す方なので、エンジン性能は最高級品だったりします(^^;)。
 (下から25%以内常連の私が、比べられるものじゃないですね・・・)

 まあ、いつもの展開か、と開き直って先を進むと、カクン、と道が下りに転じた先に、これがありました。


15071816.jpg
須川湖。
火山活動でできた窪地に、
水がたまってできたそうだ。


 以前、車で来た時には、まだ早朝の時間だったため霧に覆われて、とても幻想的な風景になっていた場所です。
 霧が晴れた明るい日差しの中でも、澄んだ水が光の散乱で青く映える、とても奇麗な場所でした。

 思わず駐車場に車体を寄せて、何枚か写真を撮影してしまいます。
 こんな奇麗な湖ですが・・・実は酸性が強すぎるため、魚は全く住んでいないそうです。
 火山湖にはありがちな話ですが、これだけ周囲に植物が多いと、ちょっと不思議に感じますね。

 そして、吹きつける風の中に、まだ何とか僅かに涼気が残っている気がしますが、随分と暑くなってきました。
 スタートからしばらくの間、下界が霧雨で炎天下を走らずに済んだのは、かなり幸運だったかもしれません。

 予定時間を少し過ぎているので、さっさと進むか、と進行方向に車体を向けると、最も上に突き出したピーク上に建物が見えました。
 あそこが栗駒山荘だな、とあたりをつけて、下り~平坦~登り基調になる道を進んで行きます。


15071817.jpg
コース左手に広がるイワカガミ湿原。
高層湿原らしい雰囲気だ。


 標高1,000mというと、関東地方の皆様には、奥多摩の風張峠くらいの標高だ、と言えば、大体、イメージがつかめるかと思いますが、そこと同じ標高だと考えると、周囲の風景や植生が大きく異なる事に驚かれたことでしょう。
 いかにも高原の風景、という雰囲気の中を進んで行くと、正面に栗駒山荘の姿が見えてきました。


15071818.jpg
栗駒山荘まであと少し。
最後の登坂に入る。


 最後のピークの登りに取り付くと、前方でここだよ~!と手を振っている人影が見えました。

 ああ、漬物さん・・・じゃないよな、今日は走ってるし・・・。
 スタッフの顔触れと、シルエットを脳内照合しますが、どうも該当する人がいないような・・・。

 近づいて行って、驚きました。
 ひさぼさんじゃないですか!

 宮城ブルベ常連の方で、昨年、AJ宇都宮さんと共催の600を完走しているランドヌールです。
 カメラを構えた姿を見て、思わず、見栄張りダンシングで最後の100mほどを登坂してしまいました。

 ・・・無駄に体力を消耗しただけでしたが・・・(^^;)。
 (速さはシッティングに毛が生えた程度だ:笑)

 とにもかくにも、これでSP1到着でした。

 SP1チェック:8:47

 基準完走ペース(15.2km/h)であった場合、8:37頃に到着の予定でしたから、想定からは10分遅れという事になるでしょうか。
 まあ、最初から、9時頃到着を想定していたので、それよりは十分、早く到着したとも言えますが・・・。


15071819.jpg
とにかく登ってきたぞ。
途中離脱前提なので、
装備が軽め(^^;)。


 ちなみに、今回のブルベで初の600完走に燃える漬物さんは、30分前に通過して行ったとの事でした。
 (後に厳美渓でツイッターを開いたら、遠征で参加していたがんちょさんとご一緒に、既にPC1に到着していた。速っ!)

 こんな厳しいコースなのに、凄いペースだな・・・。
 現在、毎日片道20kmの自転車通勤を行っているそうですが、その成果があらわれているのでしょうか?

 まぁ~、こちらはこれで、計画的離脱前の目的地に到着してしまった事もあるので、ゆっくりいきましょう。
 塩味が強めのせんべいが、滅茶苦茶に美味く感じるなど、軽くミネラル不足なのかと思うような状況を感じつつ、ここから先は下り基調だから、と、先に進むことにします。

 休憩中に、同じくPBPに出走するKさん、Tさんのお二人が到着されたので、挨拶を交わしてから、あと少しだけ残っている登りを通過します。


15071821.jpg
そしてピークを越えて、
岩手県に入った。


 一応、これで、今回のコースで通過する県、すべてを通った事になります(^^;)。
 距離はまあ、お察しですけどね・・・。

 ピークを越えて、東側斜面を遠望できるようになると、そこには思わぬご褒美が待っていました。


15071822.jpg
眼下に広がる雲海。
谷の上空をすっぽり覆う規模だった。


 これが目に入った時、思わず、「うっわ、すっげぇー!」と言葉に出して叫んでしまいました。
 先月の鳥海山といい、今年ブルベで走る山々は、何とも素晴らしいご褒美を準備していてくれたものですね。

 思わず足をとめて、写真撮影です。
 その横を、何人かの参加者が追い越して行きますが、あまり気になりません。
私としては、この時点でもう先を急ぐ旅ではなくなっているので、方向性は、「楽しむ」方向に大きく切り替わっています。

 さあ、あの雲下へとダウンヒルしていきましょう!


15071823.jpg
一気に下って、
雲の下へと近付いてきた。


 実際、下る場所と方向によっては、本当に雲の中へとダイブしているような気分になってきます。
 某有名ゲームのセリフのもじりで、本当はリアルタイムでツイッターに流したかった一言(実際は電波状態が悪く、下界に戻ってからツイートを流した)である、<< Time to dive into the misty forest !! >> は、このダウンヒル開始前に、思わず口から洩れた一言だったりもします。

 そのまま勢いよく坂を下り・・・たかったのですが、クロモリフレームの車体に乗った参加者の方とともに、途中で路線バスに追い付いてしまい、しばらくはバスの速度に合わせて走る事になってしまいました・・・。
 (次に撮影で止まった際にバスは先行して行き、その後は追い付かなかった)


15071824.jpg
途中、絶景ポイントを見つけては止まる。
もともと崩落帯ではあるけれど、
ここまでド派手にあちこちが崩れているのは、
生で見ると大迫力だった。

15071825.jpg
ちなみに、絶景ポイントはほぼ例外なく、
大規模な崩落が発生して、
樹木がなくなっている場所だった。


 標高が下がって行くにつれて、周囲の樹木の背丈がどんどん高くなり、森林限界近くから、ブナが主体となった樹林帯へと周囲の姿は変わっていきます。
 途中、勢いよく湧水が飛び出している場所や、その湧水を自由に汲めるように整備された場所などを通過しつつ、緑のトンネル、という言葉そのままの道筋を下って行きました。


15071826.jpg
見事な緑のトンネル。
霧雨が上がってすぐのためか、
妙に鮮やかな緑が広がっていた。


 SP1からPC1の間は、キューシートでも曲がり所がたった一か所のみ、という一本道をひたすら進みます。
 下り基調、とは言うものの、下りっ放しではなく、時々、思い出したように登り区間も現れたりするので侮れません。

 下りの斜度が緩やかになり、谷が広がった、と思い始めたら、これが右手に現れました。


15071827.jpg
旧祭畤大橋震災遺構。
(祭畤:まつるべ、と読む)


 2008年の岩手・宮城内陸地震で発生した、国道の落橋災害の現場が、当時の状態のまま、保存されている物です。
 岩手・宮城内陸地震は、東日本大震災に発展した海溝地震である東北地方太平洋沖地震の3年前に、内陸を震源として発生した大地震でした。

 この地震の時は、山間部に大規模な土砂災害が発生し、この旧祭畤大橋も落橋して、いくつかの集落が孤立する事態になっていました。
 (幸いにして、この旧祭畤大橋の落橋時には橋の通行者はなく、人的被害はなかったとのこと)

 なお、旧祭畤大橋は昭和53年に竣工した橋で、比較的新しい国道橋だったことから、地震で簡単に落ちるとは考えられず、当初は、当時騒がれていた構造計算偽造や手抜き工事等の疑いも囁かれましたが・・・。

 徹底した調査が行われた結果、実際の落橋原因は、地震に伴う地滑りの影響で、谷の幅が最大11mも狭くなったことという、関係者がそろって「想定できるわけねーだろ、そんな事態!」と悲鳴を上げたくなるような内容だったことが明らかになっています。

 まぁ・・・さすがに、そんな事が起きたのでは、どんなに頑丈な橋でも、落ちますよね・・・。


15071828.jpg
しかし、旧道橋が落ちたというのに、
少し上流にあった旧旧道橋は落ちていない。
(地滑りの範囲外だったらしい)

現在の道路橋は、
この旧旧道の真上辺りにある。
(なお、旧旧道橋には接近不能だ)


 旧道の橋は落ちても、旧旧道の橋は大丈夫だったのは、先人の地形を読む見識が確かだったのか、単に技術的に長大橋をかけられずにここに設置しただけなのか・・・。
 まあ、「塞翁が馬」な話はさておき、先に進むことにしましょう。


15071829.jpg
ぐーんと飛ばして、
道の駅厳美渓付近。


 今回の計画的脱出ポイントに到達してしまいました。

 時間は10:25分ごろ。
 平泉200や、物見山300で通る時は、2時間以上早い時間に通るため、静まり返っているのですが、今日のこの時間では、さすがにたくさんの方が立ち寄っていました。

 いつもは開いていない店を横目に通過しているので、今日は名物の餅料理を食べてから帰る事にするか、とレストランに行くと・・・開店は10:30。
 ・・・微妙に早かった・・・。

 軽く売店などを流してからレストランに戻り、餅料理をパクついている所を、通過チェックを終わらせたスタッフに見つかったのは内緒です・・・(^^;)。

 さて、当面の目的は果たしたので、ここからは計画的撤退で、平泉200、物見山300のコースを逆走して池月を目指します。
 単純に、4号に出てから南下して47号に流れれば、平坦な場所を通って行くのはわかっているのですが、少々遠回りです。
 なので、今回はまともに最短距離を、アップダウンを越えながら進むことにしました。


15071830.jpg
今回、道中で沢山見たヤマユリ。
群生している場所では、
甘い匂いがぷんぷん漂っていた。

15071831.jpg
このコースも最後まで、
登って下ってを繰り返す。


 普段の逆走コースなので、辛さは同じくらいかと思っていましたが、予想は外れて、かなり楽な思いをしました(^^;)。

 思いっきり長距離を下っている場所は、同じ高さまで長距離で登るということで、緩斜面になっており。
 ぐっと一気に登る場所は、気持ちの良い・・・を通り越して、ちょっと怖い急降下になっている場所もあったりして・・・。

 そして、いつもは栗駒山方面に向かって、平坦に見える長いユルユル登りを行く場所は、下り基調なため、追い風に押されているのではないかと思うほど、快調に走れる道になっていました。


15071832.jpg
そして定点観測ポイント(笑)。
ここは東日本大震災で崩れた場所。

15071833.jpg
くりはら田園鉄道の廃線脇を通る。
ここ、サイクルロードや遊歩道として整備すると、
面白いと思うのだけどなあ・・・。


 細倉に到達したあたりで時間は正午になり、蒸し暑さが強烈に響いてきました。
できるだけ無補給で行きたかったのですが、たまらず自販機ストップし、水とお茶を購入します。
 あえてスポーツドリンクは買わず、塩飴などから塩分を補給することにして前進を続けます。


15071834.jpg
そして、旅の円環は閉じた・・・。

朝一番に画像正面の道を、
左から右に通過し、
栗駒山荘に向かった。
ここを左折して池月へと向かう。


 スタート地点に到着したのは、14時頃。
 スマホを開くと、早速、会社から「はよ来い」コールが入っていたので、それから先は仕事場に直行して、修羅場対応に入りました。

 まあしかし、シャワーも浴びていなかったので、頬杖をつくと、顔の表面に塩の層が出来ていて、ジャリっという音とともに、白い粉がパラパラと落ちたり・・・。
 約150km程度しか走っていなかった私でも、消耗度はそれなりにありましたから、そのまま走り続けた皆様の体の負担はいかほどであったか・・・。

 とにかく、サバイバルなブルベになったのは、間違いなさそうです。

 その夜、とりあえず一旦自宅に戻り、ブルベ用具を片づけてシャワーを浴びた後、PC4へと陣中見舞いに行くことにしました。
 先頭集団が通過した直後くらいに到着できるだろう、という想定通り、海岸を北上中に、数人の参加者とすれ違いつつ、PC4へ。
 雨の中を走ってきた人が多かったようですが、まだ元気を残している人が多かったような気がします。

 ・・・まあ、後半組の到着時間頃になると、コンビニの駐車場に、人間のホイル焼きが並ぶという、いつものブルベな風景が広がったのですが・・・。

 初完走に燃える漬物さんは、体調が悪い、胃が痛い、と言いつつ、レッドブルを飲むという、「そんな補給で大丈夫か?」と、フラグを立てたくなる補給をしておられたり・・・(何気に、内臓への刺激が強いからね、あれ・・・)。
 ちなみに、接近してくる車体が漬物さんだった、という事は、走行中にシートポストに装着されたダイナパックが揺れる、カタカタという音が響き渡っていたのでわかったのでした(笑)。

 しかし、ここに至るまでの間に、かなりの数の皆様がDNFを選択していたようで、PCで何となく到着者の数を数えていましたが、「あれ?少なくないか?」という感じになっていました。
 この時、雨と想定外の低温にやられてしまっていた参加者も多かったようです。

 PCのクローズ時間が過ぎて、明るくなってきた頃、PC4を離れ、途中、日陰になっていた道の駅の駐車場でグウスカ寝てから、また仕事へ・・・。

 夕方、その日の対応を終わらせた後は、仙台市街地を横断した先のPC5へと向かいましたが・・・。
 ここに到達した皆様は、昨夜、まだ元気だったあの顔はどこに行ったの?と聞きたくなるくらい、憔悴していたのが印象的でした。

 本当に一日の間に、何があったのやら・・・。
 って、まあ、大体想像はできるのですが(^^;)。

 いつもなら、終盤のPCに辿り着いた皆様の、疲れていながらもまだ前に進もうとしている目の光を見て、「ああ、一緒に走りたいなぁ」と羨ましく思うのですが、この日はさすがに、そんな感想は出て来なかったですね・・・。
 自分が走っていたとしても、走り切れたかどうか、正直、自信がありません。
 (どなただったかに、「いいな〜、タイミング良くトラブルが転がり込んで」と言われたりもしたな ^^;)

 そして、この時、届いていたDNFリストの中に、オーディナリーのKさんの名前があって、驚きました。
 今まで、どんなに厳しいコースでも、一度もDNFした事がなかったのに、今回はメカトラで走行を断念したそうです・・・(後に、懇親会でとても悔しそうに話をされていた)。

 その後、ちゃりけんさんが、今までのブルベでは見た事もないくらいに憔悴した姿で現れたり、到着するなり、へたり込んでしまう参加者の方もいたり・・・。
 漬物さん、遠征参加のがんちょさんも、無事・・・なのか、少々まずい状況なのか、判断に迷う顔色で到着しました。

 漬物さんのご自宅は、このPC5から本当に近い場所らしく、「帰ろうかな〜、どうしようかな〜」と口では言っておられましたが、この時、まだ目の光は残っていました。
 がんちょさんと並んで出発する背中を、多分大丈夫だろうな、という思いで見送りましたが、無理をなさらないか、それだけは少々、心配でしたね・・・。

 その後、次々とフラフラの体で到着する皆様を出迎え、そして、見送ります。

 「この先は、もうフラットですよね」
 「え〜と、まず最初に2kmくらい、みやぎ台という場所まで行く区間があって・・・」
 「あの、"台"って、まさか・・・?」
 「はい、台地の"台"ですね・・・。そして、その先は宮床ダムというダムがあって・・・」
 「登るのね・・・」
 「まあ、太平洋に向かって、進行方向に直行するように何本もの川が地面を削ってますから、どうしてもデコボコになりますね」

 という余計なコースガイドをしつつも、「この先は、コンビニも自販機も結構あちこちにありますから、補給も休憩も普通にできますよ!」と、明るい材料も提供しておきます。

 迷走気味に走る国道457号の、水田のど真ん中でわかり辛い曲がり角も、「車が国道沿いに流れるので、その方向に合わせて進んで下さい。わからなければ、頭上の標識を見落とさないように!」とアドバイスして送り出します。

 そして、PCクローズの時間が過ぎて10分ほど待ちましたが、その後、到着する参加者の姿はなかったので、コース沿いを辿ってゴールへと移動します(後で知ったが、タイムアウトで走行中の方がいらっしゃったらしい・・・)。

 コース沿いに走って行くと、当然、先程、出発して行った皆様が走行中であり、その右側を追い越して行くのですが、中にはかなりフラフラになっているように見える方もいらっしゃったりして、心の中でガンバレ、ガンバレ、のエールを飛ばしながらの運転になりました。

 ゴール地点に到着したのは、19時の少し前。
 まだギリギリ、明るさが残っているくらいの時間であり、次々と、ヘロヘロになった皆様がゴールしてきました。

 最終走者は、既に懇親会がはじまった後のゴールでした。
 私は翌日には東京に集合がかかっていたため、ノンアルコールかつ途中退場という日程で、あまり皆様とお話しできなかったのが残念です。

 とにかく、今回は急な事態の発生のため、少々、不完全燃焼な結果でしたが、まあ、暑気順化にはなったかな、という事で考えておきましょう。
 PBPの調整は、今後の試走などで行う事にします。


 それにしても、今回のブルベは、開催日の気候の影響もあって、かなりサバイバルな状況になっていたようです。
 コースプロファイルと、コロコロ変わる気象の状態から、2012年開催の宮城1000の縮小版、とかいう話も聞こえてきたような・・・?

 なお、スタッフの間では、現段階での宮城ブルベの集大成だった、という話も出るくらい、開催して良かった、と思えるブルベになりました。
 今回は本当に、無事に完走した皆様も、惜しくもDNFになった皆様も、素晴らしいチャレンジだったと思います。

 参加された皆様、そして、開催に色々な形でご助力いただいた皆様、本当にありがとうございました!
 DNSだった皆様も、また別の機会に、是非、宮城ブルベを走りにきて下さい!


 さて、次の宮城ブルベは・・・ついに、私がデザインしたコース、羽前陸前周回400ですね。
 私が仙台に着任直後、太平洋から日本海まで200kmだ、なんてことに気付いてしまったがために生まれたコースです(^^;)。

 自分でデザインし、色々な方のご意見を頂いて手直しし、そして最終チェックを受けて実際の開催に至る・・・。
 少々、ではないレベルで、感慨深い思いがあります。

 が・・・残念なことに、本番はフランス遠征に日程がかぶっている!(ぐはぁ!)
 昨年夏の事前確認試走でDNFやらかし、ついに開催にこぎつけた本番当日は国内不在とか、どんだけネタ出し体質なんだよ、私は!(^^;)

 とにかく、近々、コース確認で認定外も含めて試走しますので、その結果はまた、色々な形でご報告しましょう。


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コメント
お疲れ様でした
お疲れ様です。
急なお仕事で計画的DNFとはさぞかし心残りだったと思います。

名前を挙げていただきましてありがとうございます。
応援の名の下にお勝手撮影スタッフしていました。

YO-TAさん撮影の昨年の宮城600ゴールシーンみたいな
素敵な写真を目指し頑張ってみましたが、到底及びませんでした・・・。

しかし、頑張っているランドヌールの姿をみることができて色々と心に来るものがありました。次の400Km頑張ってみようと思います。





2015/07/25(土) 00:07 | URL | ひさぼ #-[ コメントの編集]
Re: お疲れ様でした
ひさぼさん、コメントありがとうございます。

飛び入り応援、ありがとうございました!
御番所公園では、ひさぼさんの応援に力づけられた、という参加者の皆様も多かったようですよ!

昨年の600のゴールシーンは、自分でもどうやって撮れたのか、理解できない一枚です(^^;)。
多分、狙って撮れないからこそ、「奇跡の一枚」になったのだと思います。
(もう一度やれと言われても、無理ですね・・・ ^^;)

羽前陸前周回400、我ながら面白いコースになったと思います。
時期的に、物凄く暑い一日になると思いますので、熱中症に気をつけてください!
2015/07/27(月) 13:04 | URL | YO-TA #-[ コメントの編集]
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プロフィール

YO-TA

Author:YO-TA
2011年7月に東京から仙台に移住。
相変わらず、デジカメ片手に、サイクリングやハイキングを楽しんでいます。
突然、突拍子もないことをやらかしますが、それはまあ、ご愛嬌という事で…。

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