日々是遊歩。見て、聞いて、感じて、それを殴り書き。

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今年初めての酷暑ライド BRM531神奈川600km興津 Part.3

 今週末は、全国的に雨のようですね〜。

 そんな雨の日ですが、全国的に色々なブルベが開催予定のようです(^ω^;)。

 通常の自転車イベントとは違って、ブルベは余程酷い天候でもない限り開催されるのは、皆様もご存知の通りです。
 いやしかし、雨となると走行中の危険度が増しますので、コースの攻略難度によっては、DNSを選択するのも大人の判断、自己完結した自転車乗りの姿ではあるのですが・・・。

 なぜか私の目が届く範囲では、撤退線をどこまでギリギリにできるかのチキンレースがはじまっているような気がするのは、どういう事なのでしょう?
 (皆様、くれぐれも一線を越えないように、注意して下さいね!)

 では本題です。
 BRM531神奈川600km興津の参加レポート、Part.3をお送りします。

 前回は猛暑の中、天竜川沿いを溯上して、スタートから200kmの地点に至った所までをお送りしました。
 普通に考えて、自転車でこれだけの距離を走るのも頭がおかしいと言われるのに、まだ1/3しか走っていないという事実・・・。

 しかも、これから向かうのは、序盤の最大の山にして、コース中の最高標高地点の新野峠です。
 さらに、次のPCに至るまでに、ほぼ確実に日没が訪れようともしています。

 長い長い道のりは、これからさらに困難な道となるのか、それとも、案外楽にクリアできてしまうのか・・・。

 興味のある皆様は、以下のRead moreをクリックして下さい。

 ・・・と、ここで今回のリザルトが出ていたので、ナナメ読みしてみました。
 今回のブルベ、エントリーしていたのは130人近くにもなっていたようです。
 実際に出走したのが120人くらいで、完走は100人前後。

 いやあ、これだけ走っていたのなら、あちこちで参加者同士、顔を合わせる訳だよなぁ(ホント、今回は600なのに、あちこちで沢山の参加者と顔を合わせるのが不思議だった)。
 宮城ブルベは、300以上だとこの半分も走っていないから、何時間も全くの一人旅というのも普通だったりする訳です(^^;)。
 一人旅耐性は鍛えられるよなぁ〜。


1.新野峠を越えて
 中設楽の交差点から北へ、国道151号を進みます。
 ここから先のコースは、大和金トンネルを頂点とする軽い山越えをした後、今回のコースの最高標高地点である新野峠を越えて飯田市のPC3へと続きます。

 ・・・と、簡単に書きましたが、同じコースを去年、走ったという人がコース上で私にいわく、「ここからが一番きつい場所ですから!」との事でした。
 この先、PC3までの区間で心を折られると、飯田、伊那あたりでDNFを考えてしまうとかなんとか・・・。

 私が事前に確認したコースプロファイルでは、新野峠は急激に屹立するような峠ではなく、長距離を登る嫌な坂、というイメージがありました。
 今までの約200kmが、ド平坦な海岸~なだらかな勾配の丘陵地~河川沿い程度しか走っていない事と、季節外れの猛暑と日射しに焼かれて、通常より体力も削られているであろう事を考えると、少々厄介な道になるのは間違いないでしょう。

 そして新設楽トンネルを過ぎ、大きな蛇行を越えて道が山林内に突入すると、一気に斜度が上がる本格的な登坂が始まりました。

 きつくなってきたな、と思いはじめて少し進むと、カーブの先の対向車線側にある駐車帯で、一人の参加者が座り込んで休憩中でした。
 近付いてみると、先程、自販機前で「飲みたいドリンクが無いんですよね~」と言っていた方です。
 先程、自販機前では補給が足りないかもしれない、という事を話しておられましたが、大丈夫だったのでしょうか・・・?

 さらに先に進むと、今度は足をマッサージしながら止まっている人が。
 「塩飴、ありますけど、舐めますか?」
 そばに車体を寄せてそう尋ねると、トップチューブバッグから塩の瓶を取り出し、「大丈夫です!」というお答えが。

 その時は私もあまり考えずに通過してしまいましたが、自宅に戻ってから気になって、瓶のデザインの記憶をもとにあたってみると、その時持っておられたのは家庭用の食卓塩であったような・・・。
 食卓塩(食塩)も塩分ではありますが、塩化ナトリウムが99%とか、ほとんどナトリウム塩しか含まれていないため、実は足つりなどの電解質不足の解消には、あまり役に立たない事が多いのですよね・・・。
 (カルシウム、マグネシウム、カリウムも同時に含まれているのが理想とよく言われる)

 なお、同じ理由で、塩飴などの電解質系サプリを選ぶ時も、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどの含有量をちゃんと見て選ばないと、買ったはいいけど役に立たない、なんて事になりかねないので、ご注意を・・・。
 (塩飴系で言えば、スポーツ用品店、ドラッグストア等で売っている物の中にも、塩化ナトリウム以外、あまり含まれていない物があったりするので注意が必要)

 蛇行する道を進んで行くうちに、2, 3人の参加者を追い越しました。
 最近、自分では登坂に全く自信が持てないのに、「結構登れる」「実は速い」と言われることが多くなっているのは・・・ま、気のせいでしょう、多分(仙台の泉ヶ岳、いまだ30分を切れず)。
 それに、ブルベで求められる力は、何百キロも続く道筋の中でも、安定して速度を維持する粘り強さですからね・・・。


14053147.jpg
大和金トンネルは、
コンクリートの内壁の内側に、
さらに金属の支保工が巻かれていた。
(手ブレ酷くて失礼)

地下水も結構出ていたので、
ちょっとヤバいトンネルなのかも・・・。


 大和金トンネルを通過。
 ここから一旦、谷沿いの道まで下った後、新野峠までの最後の登りにかかります。

 川沿いの集落の中の道を、じりじりとした斜度で、ほぼ休みなく登らされて行く訳で、これが結構、キツいです。
 激坂に喘ぐような峠ではなく、いつ終わるのかわからないダラダラ登りを登る感じ・・・と言えば、イメージが伝わるでしょうか。

 17時半ごろ、道の駅とは気付かなかった、ドライブイン的な施設(道の駅 豊根グリーンポート宮嶋)でドリンク休憩を取ります。
 ちなみに、この日は私の到着時点で、売店には「準備中」の札がかかっていたので、ここはドライブインで、今日は休業日なんだとばかり思っていたのでした・・・(ちなみに、この道の駅の営業時間は、17時までだったらしい)。

 なお、ここで休憩中、オープンカウチのような場所で同じく休憩していた参加者が、バイク乗りの方に「沢山、自転車が走っているけど、皆さん、どこからどこに向かっているの?」という感じで声をかけられていました。
 そして、どうやら正直にお答えしたらしく、悲鳴のような驚きの声が上がっていました(笑)。
 私だったら・・・とりあえず、伊那か塩尻で仮眠(または一泊)して、明日静岡に帰るんですよ、程度に答えたかな(^^;)。
 (嘘じゃないですよね。まあ、それでも一般の皆様には信じられない距離でしょうけれど・・・)

 10分ほど休憩してから、再度、コースに戻ります。
 事前に調べていた峠の頂上までの距離と、サイコンの記録を突き合わせると、あと10km程度のはずなのですが、延々と緩勾配の坂を上ってきていると、その距離感もだんだん逆の形で麻痺してきます。

 実際、ここから10kmの道のりが、最後のトドメの如くしんどかったのでした・・・。


14053148.jpg
勾配はそれほどでもないと感じるが、
こんな風に直線でどこまでも続くとか、
心を折りにくる要素が多々あるのが憎い。

14053149.jpg
バックミラーに映る夕日が眩しかったので、
ちょっと振り返って撮ってみた。
・・・という口実で、足つき休憩・・・。

14053150.jpg
この橋の上で、
標高1,000mに到達した。
峠の頂上まで、
標高差であと80mほど(泣)。

標識が逆光で見えなかったので、
補正してみようとしたが、
絵が破綻しそうだったので諦めた。


 同じくらいの時間帯に登っている皆様の中には、クライマーの如く軽々と坂を登って行くような人はなく、皆、止まりそうな速度で、実際、途中で何度も足をつき、息を整えてから前進を繰り返していました。
 私も何度も足をつき、フロントのトリプルローギア(30T)を解禁し、歩くのとどちらが速いか、という速度で登坂を続けます。

 やがて、同じ目線にまで稜線の高さが降りてきて、久々にアウターギアが使えるほどの斜度になったかと思ったら・・・。


14053151.jpg
新野峠、頂上に到達した。
時間は18:15頃。


 やっと新野峠に到着しました。
 体感時間で、物凄く長い時間をかけた気分でした(実際には中設楽交差点から、大休止込みで2時間程度)。

 すでに到着していた方や、私の直後に到着した方などが、少し広く取られた路肩上で休憩したり、装備を変更したり、とにかくこの先を進むための準備をしています。
 ここを越えれば長野県。コース上では3つ目の県に突入です。

 そうそう、レポートに書くのを忘れていましたが、この新野峠までの約37kmほどの区間は、愛知県なのでした。
 愛知県内の滞在時間は、約5時間程度。
 それでもこのコースを走ったことで、私が轍の跡を残した都道府県に、新たに愛知県が加わりました(さあ、次はどこになる?)。

 頂上の風景の写真を何枚か撮影し息を整え、体感気温をちょっと意識してみます。
 周囲では、長い下りに備えてウインドブレーカーを着用している皆様の姿があったりしますが・・・。

 最後に見た気温表示は、まだ20℃くらいだったはず。
 ならば、このままダウンヒルをしたところで、それほど冷えに神経質になるような寒さではありません。

 カメラを収納し、後方の安全を確認すると、「あと45kmで次のPC!」という謎の気合いを残して、長い長いダウンヒルに突入したのでした。

2.ナイトライドに突入
 ダウンヒルを開始してすぐに、登りでかいた汗がジャージの表面で冷えて、体に一度、ぶるっと震えが走ります。
 その震えが止まらないようであれば、上に何かを羽織る所ですが、この時は特に問題なかったので、そのままダウンヒルを継続しました・・・が。


14053152.jpg
売木村方面に向かう県道との分岐に、
街道の追分石や庚申塔が、
そのまま残った塚があった。
何となく、
ロータリーのようになっている。


 そのまま通過しそうになりましたが、思わず止まって撮影してしまいました。
 国道と県道の交差点という事は、古道が出会う場所であった可能性もある訳ですが、残念な事に碑文は風化が激しくて、ほとんど読めませんでした。
 (ただし、こうやって残されているという事は、それなりの文化遺産的価値があるという事・・・だと思うが、どうなのだろう?)
 この先、新野集落にある阿南町の歴史民俗資料館を見れば、何かわかる事があるのかもしれませんが、ブルベ中に立寄るには長居しそうで心配なことと、そもそも開館時間外である可能性も高いので、今回はスルーに決定です。

 一通り画像を収めたらダウンヒルを再開しましたが、この先で若葉印の自動車に追い付いてしまい、その速度にあわせて下ったため、そんなに時間と距離を回復する形にはなりませんでした。
 下りきったあたりに、道の駅信州新野千石平がありましたが、ここは既に建物の明かりが消えていたのでスルーです。

 そのまま、新野の集落内を通りぬけると・・・ううわっ、ちょっと待てっ!というレベルでの急降下ダウンヒルが始まりました。
 飯田市に入る前に、一旦下って、またしばらくアップダウンを繰り返すことは認識していましたが、こんなに一気に下るの?それって、登り返しが嫌な事にならない?

 という心配をよそに、急勾配の長い下りは続きます。
 時折、グルービング工法によるレコード溝が掘られているカーブもあったりして、またトラウマ減速を迫られたりもしているうちに、エアロポジションで下ってきた参加者にスパッと抜き去られました。
 レコード溝の道を、よくあんなに飛ばして下れるなあ・・・。

 右に左にカーブし、ぐるりとループする場所もあったり、超長スパンでカーブしながら山を貫くトンネルを抜けたりした後、川向こう、ロックシェッドかスノーシェッドか、とにかく洞門を被った登り坂を、テールランプが点々と連なって登る姿が見えます。
 最後尾のジャージと自転車は、先程、私を追い越して行った参加者らしい所を見ると、どうやら先行者に追い付いたようです。

 そして・・・。
 今まで、全く前方に気配を感じなかった先行者に追い付いたという事は、この坂の斜度は侮れないものであるという事でもあるんだろうな、という想定で、坂にとりつきます。


14053153.jpg
ええ・・・。
実に侮れない斜度の坂でした。


 この先のアップダウンが、恐らく、前半戦で最も厳しい区間になったと思います。
 何と言っても、コース最高標高地点をクリアし、猛烈なダウンヒルを通過して、気分的にホッとした直後に突入するのが、初見の人間には非常によろしくない(泣)。
 コースプロファイルの高低差グラフに、ゴジラの背中のような不穏なギザギザが見えていたのは確かですし、それなりに覚悟もしていましたが、それにしても、ここまで酷いのか、なんぢゃこりゃ、という言葉が頭の中でグルグルまわります。

 とにかく、扇状地や河岸段丘や、近年「断層」だと明らかになった天竜川と並行して走る崖面だとか、そういう場所を抜けるため、登って下って登って下ってを延々と繰り返します。
 実際にはアップ&ダウン、なのでしょうが、体感では「アップ」の区間の方が延々続いているようにしか感じられません。
 また登りか、続いてまた登りか、おいまた登るのか、・・・いつまで登るんじゃこらー!と、精神汚染が進行していくのも実感できます。

 そして、時間は日没時間の19時をまわり、徐々に残照もなくなってきます。
 信号待ちのタイミングでヘルメット尾灯を点灯させ、いつでもナイトライドに入れるように備えます。

 そういえば、阿南町を通過中だったか、どなたかが引き返してくるのとすれ違ったのですが、あれは一体、どうされたのでしょうか・・・?
 (こちらは登り、あちらは下りだったので、気付いてから通過までが一瞬で、事態が良くわからなかった)
 何となく覚えているコース状況から場所を割り出すと、天竜川を渡った先に恩田駅がある辺りと思われるので、もしかしたらDNFされる方だったのかな?
 (ここで心が折れる気持ちは、何となくわかる気がする・・・)

 その後、飯田市南部のバイパス道路を抜けている間に周囲は完全に暗くなりました。
 バイパスの突き当りから、また登るんかい!と毒づきつつ国道151号本線に復帰します。

 その先も、少々悲鳴を上げたくなるようなアップダウンを越え、狭い幅員の道路と市街地内の交通量に少々危険な思いをしつつ走って行くと、高架橋を潜った先から引き返してくる参加者数名の姿が見えました。
 ごく短距離ながらの折り返し区間を経て、やっと、という思いで到着しました。

 PC3チェック:20:36


14053154.jpg
PC3は人の入れ替わりが早く、
店頭には参加者の姿が少なかった。


 当初想定の到着予想時刻と比較すると、3時間ほど先行する形になっていました。
 ・・・おや?
 PC2の段階では2時間先行でしたから、あれだけの峠とアップダウンを越えてなお、時間を稼いだ事になります。

 また、この時間であれば、市内の飲食店で食事もできるかも・・・。
 と思いましたが、もっと遅く到着する、と考えていたことから、地元の店は全くチェックしていません(^^;)。
 仕方なく、コンビニパスタを、残り僅かになっていたドリンク(お茶と水)とともに補給し、ボトルに新しい水とお茶を補給しました。

 しかし、どこか別の店で食事をするか、できるだけ先に進んで仮眠時間を確保しようというのか、到着してすぐに出発するパターンで行動している皆様がほとんどなため、PCだというのに、経路上の一般コンビニのように参加者の姿が少ないです。
 また、何人かの方は、コース方向とは逆の、飯田駅方面へと出発して行くという・・・(食事に行くのかと思って声がけせずにいたら、数分後にかなりの高速で戻ってきた人もいて・・・)。

 出発準備を終わらせる頃に、artsさんが到着されたので、御挨拶。
 しかし、本当に出発しようとしていた所だったので、そのまま先行させていただきました。

 が、出発直後に右足のレッグカバーがずれてきて、ひざ下でルーズソックスになる事案が発生・・・。
 ルーズソックスのおっさんが自転車で走ってるとか、確実に通報されるような状況だったので、国道153号本線に合流する高谷交差点で自歩道が広くなっていたので、車体を乗り上げてカバーを修正します。


14053155.jpg
その時道路外で見つけた、
馬頭観音の碑。
ここが街道であった事を示す証拠だ。

怪我の功名とも、
転んでもただでは起きない奴とも言う。


 表面に掘られている文字は、夜の暗がりの中ではよく見えませんでしたが、PC上で確認したら、「馬頭観世音」の文字が読み取れました。
 馬頭観音は、江戸期以降、街道を行き交う馬の供養のために建立された経緯があることから、この道筋は江戸期には馬車運搬による交易が行われていたと考えられます。
 本当に色々な遺物、遺構が残っている道ですね。

 それはさておき、前進を再開します。
 ここからは国道153号沿いに伊那市を抜け、善知鳥峠を越えて塩尻市街地へと向かうコースになっています。

 そういえば、かなりの数の参加者が、伊那あたりでビジネスホテルを取って、そこで仮眠する計画を立てていたのでしたのでしたっけ・・・。
 私はこの時、仮眠場所なども全く決めずに臨んでおり、現地の状況で仮眠場所などを決めようと考えていました。


14053156.jpg
伊那市街地を通過。
暫定的に、ここで仮眠する皆様より
数時間先行する形になった。


 夜間になって、自動車の交通量がガクッと減った事もあり、余計な思考に脳容量を当てる余裕も出てきたことから、少々、この後の戦略を練っておく事にします。
 とりあえず、走行を継続するか、仮眠場所を探すか、それを判断する目安を考えないといけません。

 そこで考えたのが、Flecheで夜間走行パターンとしていた、約30km走った時点で補給と休憩を入れるという、あのパターンを適用する事です。
 ちょうど、PC3~4の間は124.4kmの開きがあるので、3~4回、そのシークエンスを繰り返せば、次のPCに到着できる計算になります。

 また、この走行パターンであれば、大体、2~3時間程度ごとに休憩を取る形になるので、その時点での疲労や睡魔の侵攻度合いによって、仮眠場所を決める事も可能になるでしょう。
 まあ、問題は30kmの区切りが、とんでもない山の中に当たったりした場合ですが、そういう場合は塩尻市まで抜けてしまえば良い(その先は去年の興津400で走っているので、大体の雰囲気がわかる)ので、別段大きな問題にはならないと思われます。


14053157.jpg
辰野町で、ちょっと気になった分岐。
(手ぶれが酷いけど ^^;)
右に行けば天竜川沿いに諏訪湖。
直進すれば善知鳥峠を抜けて塩尻。

静岡以来、ずっと付かず離れずにきた天竜川と、
ここで一時お別れになる。


 0時頃、飯田からの2回目の30kmシークエンスで立ち寄ったコンビニでは、参加者が暗がりで仮眠中でした。
 そろそろ気温が20℃を下回り始めたので、ジャージの下に春用の薄手の長袖アンダーを着て、レインウェアをいつでも羽織れるように、サドルバッグのドローコードに縛り付ける形でスタンバイします。

 次の30kmシークエンスで、善知鳥峠を越えて塩尻市内に入ることは確実であったため、ここで改めて戦略を練ります。
 私の今までの経験上、早朝出発のブルベでは、行動時間が24時間を越え、次の朝の午前中、気温が高くなる時間を迎えると、一気に睡魔にやられて失速することが多い傾向にあります。

 また、翌日の天気予報では、甲府盆地は正午過ぎくらいから本当に猛暑になるとの予報が出ていました。
 私のペース配分予測的に、甲府盆地方面に到達するのは、ちょうどその猛暑の時間になる可能性が高く、それ以降、暑さにやられて失速する可能性も高いでしょう。

 反面、現在はまだ寒さを感じるような気温ではなく、どちらかと言えば走り易い涼しさです。
 距離的に、あと100kmほど走れば信州健康ランドに至れる事もありますから、もうこうなったら、オールナイトライドで一気に距離を稼ぐべきじゃないか?

 そう考えると、何だか吹っ切れました。
 夜明けまであと4時間。それまでにPC4に至り、6時頃には健康ランドで入浴と仮眠開始!

 それを当面の目標に、先を急ぐことにします。

 善知鳥峠への登りは、しかし、本当にこの道で合ってるの?と、何度も止まりたくなるような道でした。
 月齢2.3という、ほぼ新月の夜間走行で、あまり周囲の景色を確認できない事もあり、あまり峠らしくない峠道に、戸惑いの方が先行します。

 これが昼間であったら、周囲の山の稜線との高低差等から、ちゃんと高度を稼いでいるとか、そういう判断も出来たのでしょうが、新月でほとんど何も見えないとなると、自分の夜目の利く範囲だけが頼りです。
 ただし、正面の、山と山の切れ目から黄緑色の光が漏れているのは、明らかに大規模な都市空間がある事を表しています。
 あれが多分、塩尻~松本の明りなのだろう、と信じて、緩勾配で真っすぐに続く道を進んで行きます。

 小野駅を過ぎた先で、道路の左側に反射ベストの反射光がチラリと見えたことから、先行者がそこにいるとわかります。どうやら、道は間違えていないようです。
 目立つようにライトをわざと大きく振ってから接近し、「お疲れでーす!」と声をかけて通り過ぎると、GPSかキューシートを覗きこんでいたらしいその人も、私の後に続くように出発するのが、バックミラーの中のライトの動きで察せられました。

 小野駅を過ぎ、民家の並びが切れてから、体感時間でほんのわずかな時間の後、道は下りに転じました。
 こんなに早く峠を越えるとは思えないので、さて、登り返しに備えるか、と構えていましたが、登り返しは全く来ません。

 ・・・あれ?
 まさか、さっきのあれが峠の頂上だったの?
 とか何とか考える暇もなく、ダウンヒルの勢いはどんどん増していくので、車体制御に専念せざるを得ません。


14053158.jpg
その後、とてもあっさりと、
塩尻市街地に至った。


 塩尻市中心街って、実走感覚でも峠からこんなに近かったのか(^^;)。
 地図上で線を追うだけではわからない事だらけですね。

 塩尻駅の地下を潜った先でパトカーとすれ違いましたが、乗っていた2人の警察官の方が、あからさまに呆れた顔でこちらを見るのがわかりました。
 うは~、こりゃまた職質されるのかなぁ・・・と思いましたが、どうやらスルーされたようです・・・。

 その後、国道19号に出る交差点では、感応式に気付かずに、しばらくぼーっと信号を待つという間抜けをやらかし・・・。
 その間に追い付かれた後続の方に、サラダ街道入口の交差点のボタンを押しながら、「さっきはこれに気付かず、間抜けな事をした」と軽く愚痴を入れたりして、塩尻市街地は通過になりました。
 30kmにはまだ近い段階でしたが、ひと区切り入れようと思い、サラダ街道に入ってすぐのコンビニで補給を入れます。

 時間は午前2時頃。
 PC4まで残すところ、40kmほどになっていました。

3.モルゲンロートの道を行く
 日本アルプスサラダ街道付近のコースは、昨年、興津400で走っている部分と被る区間があるので、ルートは大体わかります。
 序盤に河岸段丘や川筋を越えるアップダウンが何度かあるものの、大型店が集まったカーブを越えて北上ルートに入ると、ほぼフラットな道筋になって行きます(実際には、微妙に登っているので、巡航速度を上げ難かったりする)。

 PC4までは約40kmほど、と、サイコンの表示で確かめてから、再スタートを切ります。
 この先、周囲は広大な農地である区間が多いため、向かい風を受けると厄介ですが、今回は序盤の西進コースで追い風、その後は横風に転じました。

 見通しの良い区間に出ると、遠くの緩やかなカーブの先にある家屋の壁が、強力な光で照らされているのが遠目にわかります。
 先ほどの自主休憩中に、2~3人の参加者がコンビニ前を通過して行きましたが、どうやらその先行者のライトのようです。

 夜なので、正確な距離はわかりませんが、感覚的に、数百メートルは先にいるように見えます。
 ・・・あまり人のことは言えないかもしれませんが、皆様、どんだけ強力なライトを使っているんでしょう?(^^;)
 (ただ、フロントライトに比べて、テールランプの光はあまり遠くまで光が飛ばない気がする。ちなみに、Fibre Flare系は、近距離では目立つものの、かなり近付かないと視認できず、遠くからは普通のテールランプの光の方が、レンズの集光効果があるためか、視認性が高く感じる)

 そして走行距離が400km近くなってきて、そろそろ体にもガタが出始めていました。
 足の方はまだ問題ありませんが、気になり始めたのは、レーパンのパッドの擦れの方です。

 この日は、昨年から100km程度のライドに使用している、Rericのビブを使用していたのですが、この製品はパッドが臀部から内股、前に至るまで、パールイズミ製品より広い範囲を覆うようになっています。
 特に、内股部分の横幅が広い(厚手のパッドが臀部~会陰部をカバーし、薄手のパッドが太腿の1/3くらいをカバーする構造)ため、私の体では、足の付け根のところが少々窮屈になっています。

 このため、パッドが体にピタッとつくように着用すると、パッドが下から押されて内股の奥にぐっ、とせり上がって、尻の谷を押し開くように密着してきます(@私の体の場合)。
 その結果、特に会陰部周辺で、普段は衣服が触れない場所や、着圧がそれほど強くない部位にまで、びしっとパッドが張り付く感じになり、刺激に慣れていないその部分が擦れ、徐々に痛みを発してきたという・・・。

 そういえば前夜祭で、パッドの擦れによる尻の痛みは、刺激に負けて傷ついた皮膚の表面で、雑菌の繁殖が起きることが原因ではないか、という話題が出ていました。
 なるほど、それが原因なら、擦れてしまって痛みを発し始めた後はワセリンやシャモアクリームではなく、オロナイン(殺菌成分主体の軟膏)の方が効く、と言われることがあるのも納得です。

 しかし、現象的に納得したからと言って、それで今の自分の症状が和らぐ訳がなく、時間とともに痛みが増すその部位を庇うため、ダンシングを多用したりしてみます。
 しかし、ビブの構造上、ダンシング中もパッドが痛みを発している部分にぴっちり押しつけられた状態なので、空中でも体の動きに合わせてぐりぐり押されるだけで、痛みがグイグイ増していくという悪循環になっていたりするのが・・・。

 徐々に激痛になって行くそれに耐えつつ、前進を続けますが、これはちょっとウェア選択を間違ったのか?と、後悔の念が湧きあがってきます。


14053164.jpg
やがて東の空が白み始めた。
これは肉眼で何となく稜線がわかるくらいの頃に、
デジカメの自動増感に頼って撮影。

14053159.jpg
安曇野スケッチロードに入る頃には、
東の空がはっきり白んできていた。


 安曇野スケッチロードを北進し、乳川、という、変わった名前の川沿いの区間に入ると、空がだんだん、黒から藍色に変化してきました。
 私は、この夜明けの空の色の変化が大好きで、それが見たくてブルベ中にナイトライド~早朝ライドを強行している時もあるくらいです(笑)。

 これは恐らく、私が初めて参加したブルベが、AJ西東京の夜スタート200だった影響もあるでしょう。
 あの時は籠坂峠で夜明けを迎え、朝焼けの赤色に染まる富士山の姿に感動した覚えがあります。
 あれから色々な地域を走り、そしてサドルの上で日の出を迎えてきましたが、本当に飽きることのない風景ですね。


14053160.jpg
まもなく稜線上に太陽が顔を出す。
肉眼では乳川と高瀬川の川面に、
夜明けの空の光が反射して、
地面に光の帯が走っているように見えていた。


 それにしても、この「乳川」という名前は、この川の源流が火山帯にある事を考えると、昔は火山灰で白く濁った水が流れていたことが由来だったりするのでしょうか?
 連休中に走った、秋田県能代市にある米代川(河口部の別名、能代川)も、昔日に火山灰が流れ込み、米のとぎ汁のように白い水が流れていたことが川の名前の由来になったようですから、同じような由来であってくれたら面白い話だと思うのですが。

 そして高瀬川を渡ると、すぐ目の前にコンビニがありました。
 そこがPC4でした。

 PC4チェック:03:59

 よし、PC3出発時の想定通りに到着だ!
 さすがに夜明けの空気は冷えていて・・・といっても、12℃前後なので、寒いというほどではありません(@仙台感覚)。
 多分、ウインドブレーカーもいらない、という程度ではありますが、あまり体を冷やしては内臓へのダメージが出るので、ここではカップスープを補給しました。

 そして、スープを飲んだら、仮眠時間を確保するため、すぐに松本方面へと出発するつもりでした(この頃、Twitterには伊那付近で行動を再開した、朝メシを食った、という呟きが多数、流れていた)。


14053161.jpg
補給中に空が徐々に明るくなり、
北アルプスが姿を現した。


 藍色の空をバックにすると、北アルプスの白い山嶺は良く目立ちます。
 この時、PC前にいたのは、私以外には高瀬川を渡る寸前で追い越した女性の参加者の方と、少し後に到着した男性二人組の参加者の方だけで、この4人でこの景色を独占する形でした(その後、女性参加者の方はすぐに出発して行った)。

 PCに残った二人組の皆様と言葉を交わすと、どうやら途中で仮眠後、ここまで来ているとの事。
 すごい速さだなあ・・・私は、これから仮眠予定だというのに・・・(^^;)。

 とにかく、今から出発すれば、コース上、約430km地点にある信州健康ランドには、スタートから24時間程度で到達できそうです。
 そこでひと風呂浴びて仮眠を取り、コースに復帰すれば、後半もかなり楽に走れるようになるでしょう。

 ここからの戦略は、24時間ぶっ続け走行~ぎりぎりまで仮眠のパターン、つまり、信州健康ランドで仮眠して朝9時に再スタートし、下り基調の170kmを13時間で走る、という物にアップデートする形になります。
 そうと決まれば、なるべく早くに到達して、なるべく早く、寝てしまおう。

 こちらの補給が終わったので、その場にいた皆様とは互いにエールを交換し、PC4を出発します。
 ここから先は、以前、東京-糸魚川ファストラン(当時は糸魚川街道経由で、ホテル糸魚川に抜けていた)を走った時に、逆方向へと走って行ったルートです。

 あの時は、じりじりと登る道にイライラしながら走りましたが、今回はその道を韮崎まで逆走です。


14053162.jpg
逆走という事は、
下り基調になるという事だ。
人も車も少ない道を、
一気に駆け抜ける。

14053163.jpg
途中、振り返ると、
北アルプスがモルゲンロートに染まっていた。
東の山脈の上に昇った太陽が、
今は高山の頂上だけを照らしている。


 途中、道の駅いけだでお手洗いに寄りましたが、その後も下り基調が続いたため、体感時間ではあっという間に国道19号に到達しました。
 ここから先は、19号沿いに松本市街地を経て、塩尻市に入ってすぐの健康ランドを目指します。

 時間的に、交通量が増える前に松本市街地を抜けられそうです。

 松本市内の道路交通事情に関しては、(地元の皆様には申し訳ありませんが)悪いイメージしかありません。
 初めてこの町を自転車で走ったのが、東京-糸魚川ファストランの時であり、その時に、いわゆる「松本走り」の自動車が、目の前で自転車をはね飛ばした上に、罵声を浴びせてきたのを見せられましたからね・・・。

 まあ、早朝で自動車交通が少ない時間には、「車が少ないから」と油断して無茶してくるドライバーがいるかもしれませんから、そこは注意が必要ですが、数が少なくなるという事は、相対的にリスクは低減される状態になるでしょう。

 国道19号を南下して行くと、意外にも登りの区間が結構出てきてから松本市街地に至りました。
 ファストランで走った時は、松本から先は、ずっと登っていると思っていたのですが・・・(人の記憶はいい加減な物だ ^^;)。
 そして、ありがたい事に、松本市中心街の自動車交通量はかなり少ない状況で、いわゆる「松本走り」に出会う事もなく、通過できました。

 やがて、前方に塩尻市の境界標識と、塩尻北I.C.への案内標識が見えました。
 信州健康ランドは、塩尻市に入ってすぐの場所であるため、そこで想定通りに横道に逸れて、裏道を辿って健康ランドへと向かいました。

 健康ランド到着は、5:50頃。
 ちょうど、ここを出発するという人とすれ違いで、私が入る事になりますが、どうも会話を横で聞いていると、これからPC4を目指すような話をしていたような・・・?

 ちなみに、5月31日から6月1日にかけては、AJ神奈川の興津600とともに、AJ静岡のアルプス600もこの辺りを走っていたようで、ここ、信州健康ランドは、両方のコースからの利用者があったようです。
 そういえば、あの時、健康ランドですれ違った方々は、どちらのコースの参加者だったのだろう・・・?

 まあとにかく、6時前に到着できたのは、今後を考えると非常に良い状態です。

 チェックインを済ませると、早速、ひと風呂浴びて気分をすっきりさせます。
 圧迫と擦れで痛みを発していた尻がしみるのではないかと思いましたが、意外にもそれは大丈夫でした。

 さっぱりした気分で仮眠場所を探すと、コミックルームに寝られそうなマットスペースがあったので、最少音量でアラームをセットしたスマホを耳元に置いて目を閉じます。
 顔を覆うのに、バスタオルを持ってくれば良かったな、と思いましたが、もう立ち上がるのが面倒だったので、瞼が落ちるにまかせました。

 目を覚ました後、走る距離は約170km。
 昨日よりも、さらに猛烈な暑気の中とはいえ、下り基調なので、負担は少ないと思いたいものです・・・。


(続く)



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YO-TA

Author:YO-TA
2011年7月に東京から仙台に移住。
相変わらず、デジカメ片手に、サイクリングやハイキングを楽しんでいます。
突然、突拍子もないことをやらかしますが、それはまあ、ご愛嬌という事で…。

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