日々是遊歩。見て、聞いて、感じて、それを殴り書き。

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東北ブルベ史上最高難度のコースに挑む。 BRM720宮城600 Part.2

 今回のブルベの反省点を受けて、車体装備も色々と見直す事にしました。

 まず、ホイールについて、リムウォールの摩耗が激しいLightning Alpineは今回で引退させる事にして、WH-6800を新たに導入する事にしました。
 アルテグラグレードのホイールですから、軽量性、剛性、価格などのバランスが高いレベルで整合しています。
 とりあえず、5万円以内の価格で入手可能なホイールの中では、選択肢として魅力的な物になるでしょう。

 そして、corratec号は、コンポそのものを置き換える事に。
 フロントを50-34のコンパクトから、52-39-30のトリプルへ(6650→6700へと交換)。

 アウターの歯数を多くして、平坦路は高速化、そしてインナーを30Tにする事で、坂道はできるだけ軽いギアで楽に走り、しかしできるだけ止まらずに進む、と、そういう方向性で装備を見直す事にします。

 出費が痛いのは確かですが、67アルテで組む事で、シフトケーブルもハンドル内蔵になれば、フロントバッグの使用も簡単になるので、今はsuewの中に突っ込んでいる装備も、前後に分散させて重量バランスを良くする事ができるかもしれませんね。
 とにかく、これからのブルベ挑戦のために出来ることで、金で解決できる事は、予算オーバーにならない限り、色々試してみる事にします。

 では本題です。
 さて、既に一週間が経ってしまった、BRM720宮城600。
 PC2から先の道筋についてのレポートを続けましょう。

 ・・・の、前に。
 前回のレポートで、色々忘れていた事が色々と。

 まず、スタートからPC1までの好調について。
 スタート前、漬物さんの奥様が用意して下さったオニギリを2〜3個、頂いたのですが(美味しゅうございました!)、これが恐らく、燃料として最大限、機能してくれたのでしょう。

 白布温泉街で、レッグカバーの締め付けに我慢ならず、ルーズソックス状態にした時には、筋肉痛のような症状が出ていた事もあり、芍薬甘草湯をぐいっと行ってました。
 おかげで、締め付けに負けた感はすぐに消え、その後も足つりなどには悩まされる事なく、この先を走れたのでした(効くなあ、芍薬甘草湯・・・)。

 白布峠で一旦、仮眠を取った際には、金色メイタン(カフェイン強化型)を補給してから倒れ込みました。
 これは普段、会社でも昼寝をとる際に使っている、寝る前にコーヒーを飲んでから倒れる、という行動を繰り返しただけの事だったりします(先にカフェインを摂取しておく事で、仮眠中にカフェインが全身に回り、覚醒がスムーズになるという)。
 おかげで、なのか、目覚めた後はかなり意識がすっきりと覚醒し、その先のPC2までの間に、20分の貯金を作り、PCで食事をとる程度の余裕は作る事ができたのでした。

 PC2は宇都宮スタートの宇都宮組の皆様と、寒河江スタートの宮城組が共有するPCのため、今までのPC以上に人が多く、賑やかでした。
 とはいえ、寒河江スタート組では最後尾近い私が到着した時点では、宮城組の姿はほとんどなく、宇都宮組の皆様も姿は少なめでした。

 その中に、シクロツーリスト&ランドヌール誌の田村編集長と、サイクルスポーツ誌の取材チームがいらっしゃいました。
 (ま、私は到着が遅過ぎて、取材チームの皆様は出発する所でしたが・・・)

 PC2はレシートチェックでしたが、AJ宇都宮のスタッフの皆様が待機しており、ブルベカードへのチェック記入と、AJ宇都宮名物の、PCシールの貼付けを行って頂きました。
 寒河江スタートと宇都宮スタートが入り乱れるこのPCで、両側からのスタートメンバー合計100名以上の到着を待って待機するのは大変な事でしょうね・・・。

 というか、ここは復路も両側ルートのPCに設定されているので、待機時間は20時間ほどにもなりそうな・・・。
 無連絡DNFとか、そんな事があったら、とんでもない事になるよなあ・・・。

 私が到着するのと入れ替わりくらいに、先程、白布峠で先行した漬物さんが出発。
 私の方は、時間が正午を回っていたので、ここで昼食を・・・と思いましたが、あまり固形物を受け付けなくなっていたので、冷やし素麺とエナジーゼリーを補給。
 貯金がほぼゼロになる時間になったので、次のポイントへと出発する事にしました。

 という所で、本編内容は長いので裏置きします。
 興味のある方は、以下のRead moreをクリックして下さい。

1.往路区間唯一のフラットロードを行く
 PC2からPC3へは、猪苗代湖の北側を回り、会津若松市へと向かいます。
 厳しい山岳コースが続く今回のコースの往路区間では、唯一の平坦コースになります。

 PC2をスタート直後、宇都宮スタートの参加者とすれ違い、挨拶を交わします。
 今回はスライド区間が短かったものの、こうしたエール交換が行えるのは、やはり良いものです。


13072601.jpg
最初に渡った川には、
赤い岩がゴロゴロ転がっていた。
鉄分が多いのだろうか?


 県道7号沿いに乗ると、コースは長い長い下り基調となりました。
 全く漕がなくても、ぐいぐいと速度が伸びて行き、時間の貯金もどんどん積み上げて行く事ができそうです。


13072602.jpg
平坦〜緩やかな下りが続く、
ハイスピードコース。
何もしなくても速度に乗って走れる。


 これならば、随分早い時間に、PC3に辿り着けそうだ、と思いました・・・が・・・。

 高速走行で風を浴び続け、体が冷えたためか、内臓系にトラブルが・・・。
 これはいかん、と、途中の道の駅ばんだいにピットイン。
 いらぬ所でいらぬ時間をとられる事になりましたが、下り基調はまだしばらく続きそうなので、焦らず進む事にします。


13072603.jpg
蛇行する下りの途中で、
会津若松市街地を一望できる場所があった。


 この辺りで時間は14時を回り、夏の日差しが容赦なく照りつけてくるようになりました。
 この時間帯の暑さに苦しんだ参加者も多かったようですが、私は今回、それほど暑さを意識する事はありませんでした。

 ・・・ん?明け方には寒いとか言ってなかったか?(笑)

 会津若松市に入ると、道の下り基調は一段落し、平坦路を走るようになります。


13072604.jpg
何だか、「夏」って感じの風景。
青空と、緑に育った稲。

13072605.jpg
個人的に、夏と聞いて思い浮かべるのは、
青空と水田が作るこんな風景だ。
(逆光で、光線条件は少々厳しい)


 今年、東北地方はいまだに雨がしとしと降り続く、梅雨そのものの気候が続いていますが、ブルベが開催されていた7月20〜21日だけは、見事過ぎる晴天に恵まれました。
 雨であれば、かなり地獄のコースになったと思われる今回、天候には恵まれていましたね・・・。
 (少々、暑過ぎた、と感じた皆様も多かったようですが・・・)

 フラットなコースは、その後、会津若松市の市街地を掠めて通り、広々とした農地の中のPC3へと続きました。

 PC3チェック:14:49

 このPC、色々な方がレポートやツイッターのつぶやきでいわく、「誰もいない」との事・・・。
 私が到着した時にも、参加者はおろか、一般利用客すらいないという状態で、店員さんが総出で商品の入れ替えを行っているという・・・。

 すいませ〜ん、と声をかけてお会計を済ませ、スポーツようかんと赤コーラ(ミニボトル)で補給。
 そしてこの先、大内宿あたりまで補給地点が(自販機すら)ないという話を事前に聞いていたため、ここで一旦、ボトルに残っていたドリンクを飲み干し、水とドリンクを満タンに補充しました。

 ここから先は、二つ目の1,000m級の峠、氷玉峠を越えるルートになります。

2.山岳コース再び

 誰もいないPC3を出発し、氷玉峠へと道を進みます。


13072606.jpg
PC3を出発した直後、
左手の消防施設に併設されていた施設。
火の見櫓?
それともレスキュー訓練用のタワー?


 しばらくは平坦な道をそのまま進みます。
 つかの間の平穏、という訳ではないでしょうが、PC2からここまでの区間は、走っていて気分的に非常にリラックスできた区間でした。

 下り基調〜フラット、風はほとんど感じないほど弱く、久々の夏らしい空の下を走っている、それが色々、良い方向に向いていた感じです。
 白布峠で摂取したカフェインが効いていたのかもしれませんね・・・。


13072607.jpg
さて、それでは山岳コースに向かおう。
ここを大内宿方向に曲がると、
下野街道沿いに阿賀川沿いの
国道121号まで南下するルートになる。

13072608.jpg
県道131号沿いにルートを取ると、
徐々に山が迫ってくる。
峠に向かっている実感が湧いてくる。


 山岳コースに突入といっても、いきなり峠の登りになる訳ではなく、徐々に山里から、山の奥へと入って行く、お決まりのパターンです。


13072609.jpg
しかしここ、
街道筋で色々栄えていた地域なのか、
なかなか立派な建物が多くある。
(門構えを兼ねたらしい土蔵)

手入れされていない建物も多く、
半ば朽ちている物もあるのだけれど、
こういう建物って、
実は物凄く貴重なんだけどなあ・・・。

 
 旧街道が廃れるに伴い、街道を行き交う人々との交易などで栄えていた山村が急速に廃れ、そして過疎化して行くという流れは、時流的には避けられないのかもしれません。
 しかし、かつて栄えていた時期の面影を残す、こういう古民家的な建物が朽ちるに任されているのを見るのは、何となく忍びない気持ちになってしまいます。
 この地域の皆様が生きてきた証な訳ですし・・・。


13072610.jpg
ってな事を考えているうちに、
峠の登りが本格化してきた!


 ここから先は、どんどん山岳地の中へと入って行きます。
 で、事後調査で見たのですが、この先の峠は、会津美里町主催の「時空の路ヒルクライム」のコースにもなっているようで・・・。

 そんなことはつゆ知らず、最初につづら折りで高度を稼いで、あとは尾根筋をトラバースする道だから、そこまで行ってしまえば楽になるはず・・・という思いで登坂を開始します。

 それにしても、このヒルクライムのコースを「時空の路」と名付けた方は、なかなか素晴らしいセンスの持ち主ではないかと思います。

 これまた、事後調査で見つけた情報なのですが、この辺りを通っていた下野街道は、地域の歴史の中で非常に重要な役割を担っていただけでなく、現在も旧街道の痕跡が、この周囲にはかなり良好な保存状態で残っているとの事です。
 ついでに、現在コースとして走っている県道131号も、下野街道があったからこそ、自動車道の時代になってから「県道」指定レベルの峠道として整備されたような背景もあるそうですから・・・新旧の街道が出会う峠、と考えたら、なかなか良いネーミングだと思います。

 話がミスコースしたので元に戻しましょうか・・・。


13072611.jpg
峠の登りで時々出てくる斜度表示。
当たり前のように、7〜8%の表示が続く。


 何だか、白布峠で10%の表示を見慣れてしまったからか、ここで7%とか8%とか言われても、何だか、はいそ〜ですか、という気分でした(^^;)。
 いや、キツい事には変わりがないのですけれど、もう、いちいち、うげ〜、とか、ひえ〜、とか思っていられないというか・・・。
 感覚が麻痺しましたかね(^^;)。


13072612.jpg
しかし、九十九折で一気に高度を稼ぐので、
少し登れば景色はこんなに変わる。

画像中央あたりに白く見えているのが、
さっき走っていた道筋。


 徐々に稜線が近付いてくるのを見て、こりゃ、相当一気に登っているなあ・・・という印象はありましたが、それ以上に辛いのは、足を休めるタイミングが全く掴めないこと。
 どんな峠でも、大体、フラットに近い場所が、所々に現れる物ですが、この氷玉峠は延々登っています。
 勾配が緩やかな所で、5%前後、急勾配区間は7〜8%で、所によって10%が出現、という感じで、ダラダラと嫌らしく登り続けています。

 九十九折が終わると、今度は稜線沿いにだらだら〜っと、氷玉トンネルまで続く登りに変わりますが・・・いやはや、どこまで行けば終わるのか、全く見当がつかないんですけど・・・。


13072613.jpg
前方の稜線の樹林に、
鞍部の切り通しに見える、
スリット状の切れ目があったので撮影したが、
トンネルまではまだまだ遠かった。

そして急勾配表示が・・・(泣)。


 いくつ目かのカーブを曲がると、前方で漬物さんが休憩している姿が見えました。
 シューズも脱いでおり、かなり坂にやられていた様子です。
 一言、二言、言葉を交わし、そのまま先へと進みます。
 バックミラーの中で、再スタートする姿が見えたので、まだ余力はあるのだろう、と判断して前進に注意を向ける事にします。
 (そうでもしないと、こっちが折れそうだった ^^;)


13072614.jpg
しつこく続く登り坂は、
このカーブで尾根を巻き込むように越えて、
フラットに近い道になってから氷玉トンネルへと続く。
ここが事実上の峠の頂上付近。


 このカーブに差し掛かる手前から、道が急カーブで蛇行するようになり、そこに横から林道か作業道のような道が合流、分岐するのが見えていました。
 その分岐の所には、下野街道の説明看板が見られました。どうやらこの辺りで、旧街道と県道が交錯するように走っているようです。

 上画像でも、急カーブを示す赤矢印の先、バックミラーの後ろに看板がありますが、ここも旧街道との交錯地点のようです。
 ここは県道を、尾根を切り通すような形で設置した際に、街道も一緒に削り取ってしまったようで、画像右側の切土斜面には長い階段が設置され、そこにも下野街道の説明看板が建っていました。

 先程から何度も出てきている「下野街道」ですが、これは関山宿から現在も古民家が多数残る大内宿を経て、さらに中山峠を越えて南へ向かうようなルートになっていたそうです。

 今回のブルベのコース上でいえば、旧街道は氷玉峠に向かう九十九折の入口(上の方で、「峠の登り本格化!」として出している画像の付近)で、谷筋方向にまっすぐに進路を取り、その後、急峻な斜面に絡むように高度を上げてきてから、氷玉トンネル手前の、県道蛇行区間あたりで何度か県道と交錯した後、峠を越えて大内宿方面へと下って行ったようです。
 その先では、大内ダム湖の沿道が大きく東にくびれる場所からダム湖の湖底へと進んだ後、大内宿の保護地域内へと至っていたとの記録があるそうです。

 さらにそこから先は、中山峠まで、現道とつかず離れず進み(中山峠に向かって南下を開始した直後の山間部には、石畳が残っているらしい)、中山峠から倉谷集落付近までを、県道とほぼ同じルートで通っていたようです。

 国道や県道の中には、こうした旧街道の線形を後世に伝える物が多くあります。
 地域の歴史を紐解いてみると、峠道には実は面白い話が色々と転がっています。
 だから、私などは同じ自転車乗りの皆様には、「麓からの時間が何分だったから中級者」云々という、単純なタイムトライアルの場としてだけ捉えるのは、やめてほしいなあ、と思うのですよ・・・。
 (関東圏では、自転車乗りによる急速な風紀の乱れが指摘されているヤビツ峠だって、結構、壮絶な歴史とともに開拓された、歴史ある道筋なんですよ・・・?)

 盛大なミスコースから、話を戻しましょうか(笑)。


13072615.jpg
氷玉トンネルに到着。
トンネル内から、
道は下り基調になっている。

13072616.jpg
そのまま大内ダム湖の湖岸まで、
一気にダウンヒル!


 氷玉トンネルの入口手前あたりで、仮眠中のランドヌールの脇を抜けたりしましたが、その気持ちは良くわかります。
 なぜなら、この、氷玉トンネルを抜けた先のダウンヒルで、またも睡魔が襲来してきて、前に進む気力をジリジリと削り取りはじめたからです・・・。

 大内宿のあたりで、観光客の皆様が大量に道路を横断していたので、ここは交通誘導員の方の指示に従い、一時停止。
 そこから少し下った所で、県道131号は右に分岐し、さらにその先、中山峠に向かう登り坂となります。

 ちなみに、睡魔はまだ脳に居座ってくれている訳で・・・。
 ち・・・ちからが・・・はいらない・・・。

 ずるずる失速している間に、左に停車帯が見えたので、いったん休憩する、と告げて、漬物さんには先行して頂きます。
 峠までの距離はどれくらいか、と、スマホを立ち上げようとして、スリープ解除のキーワード打ち込み中に、何度も意識が飛んだりミスタイプしたりするほど、睡魔の進行が進んでいました・・・。

 とりあえず、中山峠自体は、それほど長い登りではなさそうだったので、一旦、両足をペダルから放して、フレームにまたがったまま、ハンドルに突っ伏して意識を飛ばします。
 ほんの2〜3分程度でしょうが、意識がすっ飛んだ感覚があったので、再度登坂を開始します。


13072617.jpg
中山峠の頂上付近で、
何となく気になる線形の道が
県道を横切っていたので一枚撮影。

13072618.jpg
上画像右側の標識を拡大。
(クリックで、オリジナルサイズの切り出しを表示)
あ、これが旧街道そのものだったのか。


 偶然撮影していましたが、この道が旧街道筋だったようです。
 画像で見る限り、アスファルト舗装が入っていますが、これは後世に県道が整備された後に、林業等の振興のために行われた物なのかどうか・・・。
 意外に道幅も広く取られていますから、もしかしたらかなり近世まで現役で、明治大正の頃は馬車道として整備されていたのかもしれませんね。

 しかし、この時はそんな事には気付かず、すぐに始まった蛇行下りを抜けて、国道121号へと進んで行きます。


13072620.jpg
下郷町で国道121号沿いに出た。
西側に山を背負っているので、
対岸よりも夕暮れが早く、
ちょっと不思議な風景を見る。


 睡魔はしつこくまとわりついていて、ここではハンガーノック並に力が出てくれませんでした・・・。
 道路自体も対面通行で狭くなっている事と、そろそろ夕方になり、交通量自体が増している事もあって、少々、危険を感じる場面が増えてきます。


13072621.jpg
ヤバい、ちょっと一息、
と思って止まった場所が、
偶然にもこの場所。


 明治時代まで、ここに下野街道の渡し船があったようです。
 この標識の文面からは、明治11年に英国の女性旅行家がこの船着き場を利用し、その記録を残しているらしいです。
 その後、明治17年に現在の道路が開通した事で、渡し船は廃止されたようで、現在は「舟場前」という地名が残っているのが唯一の痕跡、だとか。
 
 今は道路から河床まで、落差10m以上の深い樹林に覆われているため、川面に船着き場か何かの痕跡があるかどうかは見通せませんでしたが・・・。

 一息ついて、前進を再開します。
 足も軽くなって、速度に乗って・・・という感覚は5分で終了・・・。
 睡魔はしつこく居座ってくれています。

 会津田島付近を通過する際、そういえば、この辺りの福島県の施設には、結構立派な旧館が残っていて・・・なんて事を思い出しましたが、寄り道する時間的な余裕は残念ながら捻出できそうにありませんでした。

 その後も睡魔はしつこく居座ってくれたため、PC4まで10km程度の所まできていましたが、会津田島の市街地を少し離れた所で一旦、コンビニストップ。
 体が求めるままに、トマト成分のドリンクとプリンを補給し、駐車場の片隅でしばらく目を閉じてみますが・・・このコンビニの駐車場、風通しが非常に良くて、夕暮れの、少し冷えてきた風が汗に濡れたジャージを急速に冷却して行く感覚が・・・。

 寝られる状況ではないので、前進を再開します。


13072622.jpg
そして日没。
ここからは谷筋の道という事もあり、
急速に周囲が暗くなって行く。

13072623.jpg
会津鉄道のアーチ橋を潜って、
日光、鬼怒川方面に進路を変更。
ここで方向を間違うと、
新潟方面へ・・・。


 進路はさらに山深い谷間を縫うような道筋となり、急速に人家が少なくなっていきます。
 本当にこんな所にコンビニが・・・?と思いはじめた頃に、前方に明るい光を放つ小さな建物が・・・。

 そこがPC4になるコンビニでした。

 PC4チェック:19:27

 結果的に、貯金はほとんど増やせませんでした。
 睡魔の侵入による減速と、途中のコンビニ休憩が祟ったようです。

 既に夜気が周囲を包み込んでいたので、到着と同時にレインスーツを羽織り、体温低下を防ぎます。
 さすがに山間部だけあって、日が落ちた後の涼しさは、平野部とは比べ物になりません。

 とりあえず、固形物を受け入れるくらいに回復していたのと、空腹だった事もあり、何か腹にたまる物を・・・と思ったのですが・・・。
 弁当の類は全て狩り尽くされた後でした・・・。

 仕方なくカップ焼きそばを購入して、イートインスペースに移動。
 先着していた漬物さんが出発するのを見送り、麺の出来上がりを待ちつつ軽く意識を飛ばしておきます。
 その間に、焼きそばはかなり"のびのび"になっていましたが、腹に収めてしまえば一緒ですので・・・。

 それからボトルにドリンクの補充をしたりして、到着者のうち最後尾からの出発となりました。

 周囲は完全に暗くなり、ここから先はナイトライドです。
 山王峠を越えた先、宇都宮に向かっての最終区間へとスタートしました。

3.ナイトライドへ
 ナイトライドに備えて、いつも通り、EL540 Lowモードと、EL520の2灯体勢に加え、今回は新たにヘルメットに登山用ヘッドランプ、Black Diamond Revoltを装備していました。
 スタート時点で結束バンドで装着していたため、今回は重量変化に悩まされる事もなく、走る事ができました。

 で、結果的な事を先に書いておくと、さすがに登山用のヘッドランプは、最初からエクストリームな用途を想定されている上に、軽量である事も求められる装備だけに、ブルベで使用しても十分な性能を発揮してくれました。
 近年は各社とも、軽量・大光量かつ防滴性能も高い製品を色々と出していますので、探してみれば、ブルベで使用するにも十分な装備となりうる物もあるでしょう。

 ちなみに、Revoltは明るさ的には(私の目には)十分なレベルの光を投げかけ、デリネーターの反射光が、発光しているかのように明るく見えていました。

 ・・・最初の1時間くらいは・・・。

 今回は充電池を使っていたためか、1時間程度で急にストンと明るさが落ち込み、それ以降は低空飛行、という感じになりますが、何とか必要十分な明るさは長く続きます。
 アルカリ乾電池を使ったらどうなるのか、試す必要がありそうですね・・・。
 (これから購入する、というかたは、Stormの方が良いかも・・・、防水性能的にも)

 なにはともあれ、まずは山王峠までの5〜6kmの登りを片付け、あとは下り基調を宇都宮まで行けば、前半が終了です。


13072624.jpg
そして到着、山王峠。
これが今回撮影した最後の画像になった。


 山王峠を越えたことで、栃木県に入りました。
 ここから先は、五十里湖、川治温泉、鬼怒川温泉などを経て、宇都宮CTへと向かう道になります。

 基本、ほとんどが国道121号をトレースするだけなので、道路標識の見落としさえなければ、コースを外れる心配も少ないでしょう。
 川治温泉あたりから市街地走行になるので、細かい道筋をミスしないかが心配ですが・・・。

 山王トンネルを抜けた所で、反対側からチラチラと、小さなライトの明かりが登ってくるのが見えました。
 最初はオートバイかと思いましたが、その割にエンジン音が全く聞こえないので変だなあ、と思っていたら、どうやら自転車ツーリストだったようです。

 おつかれさまー!と声をかけましたが、相手の姿は闇に紛れていて、よく見えませんでした。
 しかし、別の方向に向かうとはいえ、同じ自転車に乗って頑張っている仲間がいるという実感が持てたのは、大きな励みになります。

 ここから先、国道121号沿いは外灯がない区間も多い上に、路面が荒れていて、車輪が弾かれる場所も多くあります。
 山深い区間に入ると、本当にライトの光芒の範囲外は何も見えない、なんて場所も多くありましたが、こんな場所でパンク修理は、とんでもない罰ゲームになりそうです。

 ま、こんな場所でも、日光名物の走り屋仕様の車が、ぶぉんぶぉん鳴らして通ってくれるので、暗闇の雰囲気がぶち壊しだったりした瞬間もある訳ですが・・・。

 途中、右への分岐を間違えずにクリアし、何度か温泉街を抜けると、暗闇の中、右前方が大きく開ける感覚がありました。
 どうやら無事、五十里湖に到達したようです。

 暗闇ゾーンを無事に抜けて、この先は観光温泉街を通るので、明るい道も多くなるだろう、と、ホッとした瞬間に・・・再び、睡魔が到来・・・。
 なんというか、峠の下りだったり、フッと気を抜いた瞬間だったり、とにかく、最も嫌らしいタイミングで攻めてきやがりますね、コイツは・・・。

 フラフラしつつも前進を続けると、カーブの先に時折、自動車とは異なる、ほのかな赤いテールランプの光が見え隠れするようになりました。
 日塩有料道路との交差点で信号待ち中に、後ろに追いつく事ができました。
 市街地走行はどうやら、二人で走る事になりそうです。

 交差点で二人、しばらくぼけーっと待ち惚けていましたが・・・ふと、あまりに赤信号が長い事に気付いて周囲を見回すと、押しボタンが・・・。
 ポチッと押して、青になったのを確認後、蛇行する道を下って鬼怒川温泉方面へ。

 行きがかり上、私が先行する形になってしまいましたが、この時点で私の頭はほとんど機能していませんでした。

 この先、普段だったらどう考えても間違わない、という所での、細かいミスコースを連発して、後ろから「違うよ、こっちだよ!」と引き戻される事を繰り返します。
 先導役として、これほど役に立たない奴も珍しいでしょう(^^;)。
 鬼怒川公園駅前付近から、鬼怒川温泉までの間だけでも、4〜5回ほどはミスコースしかかったんじゃないでしょうか?

 この辺りは温泉街であり、夜でも明るいためか、道端で倒れるように寝ているランドヌールの姿が見られるようになっていました。
 私も、駅前のベンチや公園の東屋が手招きしているのを感じましたが、何とか振り切って前進を続けます。

 しかし、睡魔でふらつく頭を何とかしないと、この先、危険を伴いそうです。
 鬼怒川温泉を抜けた先で、曲がりどころの目印にしていたコンビニが前方に現れたので、「コンビニに寄ります」と宣言して離脱。
 ここで「強強打破」を投入するとともに、何かで読んだ覚えのある、眠気覚まし法の、「練乳一気食い」を試してみる事に・・・。

 練乳が効いたかどうかはともかくとして、体が甘い物を求めていたのは確かであり、チューブ一本を吸い尽くすのに、そんなに時間はかからなかったというのが何というべきか・・・(カロリー収支の帳尻が合わない気がするぞ ^^;)。

 当初計画では、日が変わる前に宇都宮CTに到着している予定でしたが、このコンビニストップの時点で、22時。
 残距離は30kmほどですが、睡魔のために力が出ない体では、ギリギリ、日が変わるまでに到着できるかどうか、という所でしょう。

 というか、タイムアウトまでにも間に合うのか・・・?

 間に合わないまでも、宇都宮に到着できれば、駅周辺で仮眠もできるし、翌朝、脱出もし易い。
 とにかく、前進しなければ話が終わらないから・・・という、半ば根性だけで前進を再開します。

 前進を再開してまもなく、轟工業団地入口交差点を左折するのですが、そこで先程までご一緒だった参加者が直進しかかっていたので、「左でーす!」と声をかけて曲がります。
 バックミラーの中に、明るいライトが追随してくるのを確認し、暗闇の道をさらに進んでいきました。

 ・・・しかし、眠い。
 さっき、眠気覚ましのドリンクを入れたのに、全く効いていません。
 というか、効きはじめるまでのタイムラグが、まだ続いているという感じで・・・。

 「眠いので、コースはそちらでも確認して下さい」
 と、呼びかけつつ、靄のかかった頭の中でコースを再度、思い浮かべます。

 次の曲がりどころは、右前にコンビニが見える場所・・・と、それをキーワードにして前進を続けます。
 微妙なアップダウンを何度か越えて、ふと顔を上げると、前方の交差点、右側に明るい場所があります。

 あ、コンビニだ。
 そう思った私は、反射的にハンドルを切って左に曲がっていました・・・。

 そこから先は、日光に続く道のイメージそのままの、見事な杉並木の間を進む道になりました。
 ごく緩やかとはいえ下り基調で、軽く足を回すだけでも速度に乗っていくので、あ〜、これは楽だなあ・・・と、何も考えずに滑走していったのですが・・・。

 徐々に眠気覚ましドリンクが効いてきたようで、杉並木の間に見える標識の標示が、何か変な事に気付きます。

 何かがおかしい。何がおかしい?
 と、次の瞬間に目に飛び込んできたのが、国道119号のオニギリ標識。
 スパッと頭の霞が吹っ飛びました。

 少し速度を緩めて後続の方に車体を寄せて、「国道119号なんて、コースにありましたっけ?」と尋ねてみます。
 後続の方は、キューシートとコマ図をフロントバッグのマップケースに入れて、それを見ながら走っていたのを見ていたので、そちらで確認が取れる、と思ったのですが・・・。
 「ん〜、ちょっとわかんない」
 え?これはマズい事態だぞ・・・。

 直感でヤバい状況だ、と思ったので、「止まって確認しましょう!」と声をかけて、道端に車体を寄せます。
 ジャージの背中側に入れていたキューシートを引っ張り出し、コースを辿ると・・・やはり国道119号はコース上に設定されていません。
 どこで間違ったのだ?と、宇都宮からの道を逆に辿ると・・・。

 曲がりどころの目印が、「セブンイレブン」になっていました。
 さっき曲がった交差点のコンビニは・・・「ミニストップ」だよ!

 ミスコースだっ!
 しかも、睡魔で朦朧とした頭で、下り基調に任せて、物凄い距離を走ってきているし!

 ここに来て強強打破の効果が発現したようで、今までの思考状況からは信じられない勢いで、頭の中でリカバリープランが組み上がります。
 スマホの地図上で見る限り、素直に引き返してミニストップの角を曲がるのが、もっとも早いリカバリーになりそうです。
 「引き返しましょう!」
 そう声をかけてハンドルを切り返そうとしますが、同行者の方は、これをまっすぐ行っても国道293には出られるから・・・と、ちょっと思考が朦朧としておられる様子。

 それではコースを外れてしまい、認定にならないから、と言い残して、私はさっさと引き返しにかかります。
 少々、薄情な気もしましたが、先に誰かが行動を起こせば、それがきっかけになるだろう、という思いがありました。

 バックミラーの中に、ライトの光が追随してくるのを確認し、スピードを上げ・・・ますが、後続の方はどうやら疲れておられるようで、こちらが速度を上げると、差が大きく開いてしまいます。
 こちらはカフェインドリンクと練乳補給の効果が出ているのか、あまり気になりませんでしたが、この道筋は登り基調なのでした・・・。

 差を大きく開け過ぎないように速度を調整しつつ前進を続けます。
 しばらく走ると鬱蒼とした杉並木が復活し、それを通り抜けると左前方に、見覚えのあるコンビニが現れました。
 ここで左折すれば、コースに復帰です。

 しばらくまっすぐ進むと、路面の色が変わった・・・と思った次の瞬間、物凄い振動に車体が揺すられました。
 工事中の砂利道区間に、まともに突っ込んでしまったのでした。
 サドル下の大容量サドルバッグが急激に左右に振られ、急激に車体が不安定になるのを、無理矢理押さえ込んで停車。

 危なかったなぁ〜、と思って振り返ると・・・あれ?後続の方がついてきていません。 
 工事中の場所を押し歩行で通過しつつ、後ろをうかがいましたが、現れる気配はありません・・・が、つい先程まで普通に走っていたので、自分の意思で離脱したのだろう、と考えて、前進を再開します。

 日光宇都宮道路の盛土築堤を潜ったら、すぐ先にセブンイレブンが現れました。
 ここを左折するのが正規コースでした。
 そのまま、ゴルフ場の間を抜けるアップダウンなどのルートを抜けると、一気に道は下りにかかりました。

 やがて道路標識に、国道293号の案内が現れます。
 国道を右折し、最初の信号を右折。道は農地の中の暗闇の中に進んでいます。
 と、ほのかな小さな光が明滅しているのは、ヘイケボタルでしょうか・・・。

 道の突き当たりで、左折方向に「鶴カントリー」の案内が出ます。
 このまま、この案内通りに進めば・・・。

 暗闇の中、ちょっとした登りを過ぎ、一旦平坦に近い道になりましたが・・・ライトの中に、突然、急斜度で立ち上がる路面が現れます。
 うげっ、という思いが出た瞬間、その勾配に車体が差し掛かります。
 一気にインナーローまで追い込まれ、さらには直登も厳しいために、進路をジグザグに取らなければ・・・。

 こ、これが・・・これが噂に聞く、鶴カントリー坂・・・。
 宇都宮ブルベ名物の、ゴール直前のトドメの坂と有名なそれを初めて体験した訳ですが・・・。

 逆側スタートだったら、600km走った最後にこれがあるとか・・・軽く絶望できるんですけど・・・(^^;)。

 そして突き当たった赤石ダムへの登坂路を登り、宇都宮サイクリングターミナルへの案内標識に従い、ダムの堰堤を渡ります。
 ちょうど、楽山さんが出発される所で、堰堤上ですれ違いました。

 堰堤の突き当たりで、右に行くのか左に行くのかを迷いましたが、何とか正しい方に登り上げたようで、無事、到着しました。

 PC5チェック:00:17

 日が変わる前に到達する目標は果たせませんでしたが、タイムアウトはせずに辿り着けました。
 本当はここで仮眠したかったのですが、どうやら館内には入れない様子・・・。

 ちなみに、サイコンの距離表示を見ると、ミスコースしていたのは約16kmほど(笑)。
 いや〜、随分ド派手にミスったな〜。

 それにしても、こんな時間まで参加者の到着を待って待機しているとは、AJ宇都宮のスタッフの皆様には本当に頭が下がる思いです。
 3交代制?でローテーションを組んでいたらしいのですが、それでもこの後、宇都宮組のゴールまで待機が続くと考えたら・・・。

 しばらくテントで休憩させて頂き、スナック菓子とコーラを頂きます。
 休憩している間に漬物さんも到着。
 途中、足湯とコインランドリーで休憩を取っておられた様子です。

 寒河江スタート組のうち、走行を続けている人はあと一名。
 途中で私とご一緒した方のみとなっていました。

 しばらく休憩後、漬物さんが出発するのと同時に私も出発。
 ・・・と、それと入れ替わりに、最終走者がPCに到着。ギリギリ、時間内に到着しました。

 あとはこの先、どこかで休憩なり仮眠なりを取った上で、寒河江までの道を進む・・・。

 漬物さんは、国道296号に復帰してすぐの場所にあった、道の駅ろまんちっく村で仮眠するとの事でしたが、私はまだ、強強打破の力が効いていたので、この間にできるだけ先に進もうと考えて、コース上に復帰します。
 真っ暗な中、時折現れるアップダウンを越えながら、ゆるゆると登り基調となる道を進んでいきます。

 この日は雲がかかっていたため、宇都宮の町灯りを雲が反射して、空は黄色っぽいオレンジ色に光り、月は雲をとおしてぼんやりと輝いていました。
 星は全く見えません。
 そういえば、星を見たのは、スタート前の未明の駐車場で、夏の大三角を見たくらいだったのでは・・・?

 そんな思いを胸に、中里原交差点を左折して北上。
 突き当たりの県道を右折すると、標識に「道の駅やいた」という案内が現れます。
 そういえば、そこで仮眠しようとしている人が多い、という話をPC5で聞いたな、と思い、そこまでは進んでみよう、という気分になります。

 Y字の分岐を、標識およびキューシートに従い、左に道を取ります。
 道の駅、の表示が出たのであれば、そこまでの距離もそれほどではない・・・と思っていましたが・・・。

 ここから先は、小さな峠のような地形を何度も抜けなければならなかった上に、途中の道路際には、どう見ても不法投棄としか思えない、家電製品や家具などが積み上げられた場所もあったりして・・・。
 しかも、最初に道の駅方向の表示が出た後は、その後の行き先表示も残距離も、相当距離を走った後でなければ出てきません。

 このブルベ参加前に、有川浩氏の「県庁おもてなし課」を読んだばかりだったためか、とにかくこの道筋は問題だらけに感じました。
 ちょうど、物語内で、観光施設への道筋としての問題点として指摘されていた部分が、そのまま、この道には当てはまった気がします。

 道の駅などの施設は、ドライブなどで、ふと休憩や、ちょっとトイレに、等の用途で利用する事も多い施設でもあります。
 そんな施設への到達案内として、あまりに不親切で、いつになったら着くのか、本当にこの道で合っているのかが全くわからない上に、不法投棄の山を見せられるとか、不安材料の上乗せがそのまま放置されているとか・・・。

 カーナビ使えばいいじゃん、とか単純に考える皆様は、道路を走っているのは自動車だけでなく、オートバイや自転車など、ナビの搭載がまずない車両もいるという事に対し、ちゃんと考えるべきですね。
 (大体、案内表示が出たら近くにあるだろう、とは誰もが考える事だし、そんなに近そうな場所まで、いちいち目的地設定をするかどうかもあわせて考えるといい。ここではないどこかに目的地が設定されていたら、いちいち変更するか、という事も含めて)
 特に、矢板周辺の観光業界、あるいは観光誘致を考えている地元の皆様は、ちょっと真剣に考えるべき問題ですよ、これ・・・。

 そんなもわっとした事を考えながら走っていると、県道30号への交差点で、超久々に「道の駅やいた」への案内標識が出現しました。
 最初にその案内表示を見てから、10km近く。
 自動車の人でも、ちょっと立ち寄ってみよう気分であったなら、とっくに方向転換しているでしょうし、トイレに立ち寄るつもりだった皆様であれば、限界近くなって大変な事になっているかもしれない距離です。
 (いや〜、やっぱり考えた方がいいよ、あの標識配置は・・・)

 そして、道の駅へは、さらにここから約2km北上しないといけないとか、トイレが限界に達していた人には、追い打ちのトドメでしかないでしょうね・・・。

 とまあ、そんな事を考えてしまったのは、例によって睡魔が復活して、今度こそ、かなりヤバい状況に追い込まれていた事も影響しています(^^;)。
 あとどれくらいの距離なのか、少なくともそれだけでもわかっていれば、到達時間の予測も立てられて、行動計画もたて易かったというのに・・・。

 まあそれでも何とか、到着の目処が立ったので良いとしましょう。
 途中、水田の中を通る道路脇を、白いふさふさの毛に包まれた動物が逃げていくのが見えました(恐らく、テンだと思うけれど、まだ冬毛?)。

 そのまま、県道30号を北上していくと、前方右手に、なんだか良い感じの雰囲気で柔らかめにライトアップされたウッドデッキ等が見えます。
 その駐車場入り口に、「道の駅やいた」の文字が見えました。

 ようやく着いたか、この場所に・・・。
 仮眠だ仮眠、寝るぞー!という変な気合とともに駐車場に飛び込みます。
 先行到着していた皆様が手を振り、「お疲れ様!」の声とともに迎えてくださいました(ホントに疲れたよ・・・)。

 今回のブルベが400だったら、ここで仮眠を考えず、走り続けたでしょう。
 400であれば、この時点でゴールまでの残距離は80km未満。それなら、完全徹夜で走ってもなんとかなると思われます。

 ただし、今回の距離は600km。残距離は280km以上(コーストータルで305kmだった)です。
 睡魔も暴れ回っており、さすがにブレーキがかかりました。

 到着時、先行していた4人くらいのグループがちょうど出発する所で、入れ替わりのように私がベンチに倒れ込みます。
 時間は2時10分ごろだったでしょうか?(記憶はかなり曖昧)

 次のPCまでの距離とクローズの時間を確認し、30分は寝られそうだ、という当たりをつけると、電池節約のため機内モードに設定していたスマホを通常モードに直し、アラームを設定し・・・と、この一連の動作中に、何度も意識が飛んで、スマホを取り落としそうになってハッと目覚めることを繰り返します。
 結果的に、アラーム設定という簡単な操作に5分もかかってしまい、アラーム設定時間は25分後です、という表示を見て、ゴロリとベンチに横になったのが、最後の記憶でした・・・。

4.そしてDNF
 何か寒いな、と思ってうっすら目を開けると、一面に雲が出て白く染まった空が目に入りました。

 ・・・明るい?
 え?

 気分的には飛び起きたい所ですが、ものすごく緩慢にしか動けない体を無理やり動かして、耳元に置いておいたスマホを取り上げます。

 時間は4:10分。
 PC6のクローズは4:16分で、ここからの距離は23kmほどありますから・・・。

 ・・・終わったぁ~。
 ・・・今回の挑戦、ここで終ったぁ~。

 スマホの画面に、アラームが鳴ったことを示すアイコンは出ていません。
 実はウチのスマホ、時計&アラームアプリが時々、というか結構な頻度でバグり、毎朝の目覚しも、鳴ったり鳴らなかったり、という事が良くあります。
 ゆえに、自宅&白布峠では腕時計のアラームを併用して寝ていたのですが・・・ここではその対処を忘れていました。
 そして、こんなタイミングでバグが発動してアラームが鳴らないとか、いったい、どういう・・・。

 何となく、終わったという実感がないまま、いくつかのツイートとリプライ返しを行いつつも、意識は何度か眠りの中に落ちていくのを感じます。
 ツイート&リプライが一段落したら、またまた寝込んでいたようで、時間はいつの間にか5時半ごろになっていました。

 いい加減、連絡しないとだめだ、と思い、宮城側本部に、PC6でタイムアウトした件を連絡します。
 翌日の仕事を考えて、ここからは仙台に戻ることを告げましたが・・・実は、寒河江に応援に向かった方が良かったのでしょうね、本当は(^^;)。
 一方で、その日は北山形駅で信号トラブルが発生し、電車のダイヤが混乱しまくって、宮城側DNF組が寒河江になかなか帰れない、という事態が発生していたりもした訳なのですが・・・。
 (そして仙山線は現在も山形まで動いていない。おいおい、9月までには復旧するよね?大丈夫ですよね?お願いしますから・・・)

 とにかく、矢板駅からは那須塩原駅に出た方が仙台には近かったのですが、汗と塩と何だかわからないものに包まれた体のまま帰るのはアレだったので、宇都宮駅近くの健康ランドで汗を流してから帰る事にして、矢板駅から宇都宮へ移動。
 このとき、電車が人身事故かなにかのトラブルで遅れており、宇都宮への到着が想定よりずっと遅れてしまいました・・・。

5.ブルベはおうちに帰るまで!
 宇都宮駅から歩ける範囲内に健康ランドがある事は、事前の調査でわかっていたので、駅からは輪行袋を担いだまま、徒歩でそこまで移動。

 到着したのが9:30頃でしたが、入館手続きは10:00からという事で・・・。
 あれ?24時間365日営業というのは・・・?
 どういう事?と思いましたが、まあ、ロビーで待って良いとの事でしたので、そのまま半分死んだように眠りながら受付開始待ち。

 受付を済ませると、そのまま風呂場に直行しましたが・・・。

 電車で移動中、立ったまま寝る。
 ロビーで待ちながら寝る。
 風呂の洗い場で寝る。
 湯船に浸かったまま寝る。
 ミストサウナで寝る(これ、非常に危険!)。
 浮き風呂のジャグジーで寝る(これ、非常に気持ちよかった!)。
 風呂上がりに仮眠室で寝る。
 マッサージを受けている間にも寝る。
 食事中にも寝る(赤ちゃんかよ!)。

 という訳で、寝て、寝て、寝て、また寝て、さらに寝まくったという状況でした。
 結果的に、健康ランドを出たのが昼過ぎ。
 新幹線に乗ったのは夕方近くで、仙台に到着したのは、そろそろ日没が近付きつつある時間でした(もちろん、車内で爆睡。仙台終点のやまびこで良かったよ・・・)。

 その後は地下鉄に乗り換えて、輪行袋を担いだまま自宅まで徒歩で帰還。
 今回のチャレンジはこれで完全に終了でした。


 とにかく今回は、寝不足のまま挑んだのがあまりにも無茶でしたね。
 それがなければ完走できたか、と言われると、それはまた別の問題ですが、少なくとも寝過ごしDNFというみっともない事態だけは避けられたのではないか・・・という気がします。

 それにしても、もう走らなくて良い、となったあとの、とにかく寝て、寝て、寝て・・・の睡眠の連鎖には参りました。
 自宅に戻ってから、軽くシャワーを浴びたら、翌朝まで寝倒しましたからね・・・(そして早出で出張。どんだけスパルタやねん、と)。

 とにかく、早朝から深夜を越えて、翌日の夜に至るまで、各PCなどで待機頂いたAJ宇都宮スタッフの皆様には、大変お世話になりました。
 また、たった一人で寒河江PCに詰めていたランドヌール宮城の鈴木代表には、大変ご迷惑をおかけしました・・・。
 
 なお、今回、このブルベがDNFになった事で、今年のSR取得は厳しくなってしまいました・・・。
 取れる方は、あっさり取ってしまうSRですが、どうやら私には困難を伴う関門のようです・・・。

 次回のブルベは、BRM913宮城1000。
 今の状況で、本当に出走して良いのかどうか・・・。

 とにかく、今の段階で、装備面で出来ることはやったと思いますので、八月の間に、色々走り込みを続けたいと思います。


 ついでに・・・。

 現在、BRM921千葉600にも、エントリーしようかと考えています。
 1000の翌週に600というのは、ちょっとオカシイとしか思えないスケジュールですが、SR取得に残された手段としては、それしかないという・・・。

 もちろん、エントリー&出走するかどうかは、ギリギリまで考えるつもりですし、もし出走したとしても、「ダメもと」です。

 とにかく、楽しめるだけ楽しむ。
 苦行になったら、諦める。

 その気持ちで走ってみる事にします。

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コメント
お疲れ様でした
宮城(宇都宮)600のコースは、本当のHENTAIさんだけが完走できる魔境コースだと思うんですよね。

それを当たり前のように挑戦するYO-TAさんは、もう魔境の人に間違いありません。だってこれから2週間で1600km走ろうとしているのですから。

思えば去年の宮城200で初めてお会いしたときはお互いにまだ初々しい正常人でした。それが今やもう・・・。

本当に勇気あるGoodチャレンジでした。
2013/07/28(日) 22:27 | URL | KOMA #-[ コメントの編集]
Re: お疲れ様でした
KOMAさん、ありがとうございます。

いやいや、今年の走行本数と認定距離数でいえば、KOMAさんの方がずっと上な訳で・・・。
今週末は北海道600ですね。
北の大地を堪能してきて下さい!

秋の連戦は、一応考えてはいますが、実行するかどうかはまだ未定です。
夏の間にどこまで走り込めるかで、ちょっと考えようかと・・・。
2013/07/28(日) 23:22 | URL | YO-TA #-[ コメントの編集]
No title
お疲れ様でしたー!
いつもながらに詳細なレポート、ありがとうございます。
楽しくというか悶々しながらというか、読ませていただきました。いや本当、キツかったですね。もう二度と出ないぞと心に固く誓いながら来年の装備を考えて入る今日この頃でございます。

600の走行とスタッフ業務の両立は、正直無理だと思うですよ。
それこそ真のHENTAIさんを超越しないことには…。

921千葉600はまたもや裏磐梯ですよ。
私もエントリーしようとしてましたが、今回は見合わせます。とにもかくにも300、400を確実に走ってから改めてチャレンジしますよー。
2013/07/29(月) 12:13 | URL | 漬物 #-[ コメントの編集]
No title
改めてお疲れ様でした。

私も以前(登山系ですが)睡眠不足のまま強行して、散々な目に遭った事が有ります。
連鎖的に体調が崩れて行きとても辛い内容でした。

でも意外にそういうケースは戒めとして記憶しているものです。
私も性格的に一回痛い目見ないと覚えないタイプ(笑)なのですが、睡眠不足侮れない、と今回また再認識しました。

駆動部を大幅に差し替えられるとの事なので、その辺のノウハウや効果も興味あります。

宮城1000は可能な限り体調を万全にして頑張って下さい。
あ~、確か夜スタートでしたっけ!?ぐぬぬ・・・
2013/07/29(月) 14:01 | URL | うにょん #GCA3nAmE[ コメントの編集]
Re: No title
漬物さん、お疲れ様でした!
キツかったですね~、今回のコースは。
寝坊DNFという新たな技を覚えてしまいました(^^;)。

921千葉600、改めてカレンダーを見たら、
ちょっと簡単に「出る」とは言えない状況になっていることに気付きました・・・。
ちょっと考え直す必要がありそうです。
2013/07/29(月) 18:31 | URL | YO-TA #-[ コメントの編集]
Re: No title
うにょんさん、改めて完走、おめでとうございます!

睡眠不足で行動し、痛い目を見た経験は、私も色々あったのですけれどね・・・(^^;)。
序盤のPC1までがそれほどしんどくなかったので、すっかり忘れていた気がします。
1000は夜スタートですね。
人間は寝だめができないので、その日はできるだけ疲労をためないように注意するしか・・・。

トリプル化が吉と出るか凶と出るか・・・。
実は、ノーマルクランクを使うのが初めてだったりするので(←おい)、
本当に高速化に貢献するのか、ちょっと疑わしくなってきました(^^;)。

うにょんさんは、ぜひ、リカンベントでブルベ参加を!
宮城だと、ほとんどがロード、ランドナー系の自転車なので、
大いに注目されると思いますよ!
(昨年の300でタンデムが走っていたときの注目度と来たら・・・)
2013/07/29(月) 18:36 | URL | YO-TA #-[ コメントの編集]
こちらまで睡魔がうつってきます
YO-TAさん、PC4から大内宿の氷玉トンエル先のダムの蛇澤のところからイザベラロードで市野沢峠、沢伝いに下りまほろば街道へ続く古ロード、なかなか良さです。真謝であんな峠道を昔の人たちは旅をしたんですね。
それにしても終始睡魔君との闘いだったようで、読んでるこちらも幻覚や幻聴を覚えました(笑)
その先の宇都宮までの下り区間はとても気持ちよく走れたのですが時間帯と体調次第ではこうなってしまうんですね。痛恨のミスコースが痛かったですね。
仮眠は道の駅やいたの誘惑があったのですが、PC6でのタイムアウトが4時台と厳しいので道の駅那須塩原まで進みました。結果的にそれが完走へと繋がった気がします。
1000は今回の600と比べるとほぼ平坦ですのでYO-TAさんなら楽勝じゃないでしょうか?
十和田奥入瀬の景色を楽しんできてください。
2013/07/30(火) 08:57 | URL | ちゃりけん #4A9T8td.[ コメントの編集]
Re: こちらまで睡魔がうつってきます
ちゃりけんさん、ありがとうございます。

いや~、眠かったです(笑)。
道の駅やいたに到着する頃には、カフェインドリンクの効果も切れて、反動でさらに強烈な睡魔が来ていたので、本当にしんどかったですね。
ああいうドリンク剤は、「元気の前借り」だというのが良く分かりました。
今回は、PC6まで行った方が、結果的にその先は楽だったかもしれません。
スケジューリングに失敗しました(^^;)。

イザベラロード、少し調べたら、今回通った下野街道界隈もそうなんですね。
名前の由来になったイザベラ・バードさん、今回のレポートに出ている、渡し船に乗った英国の女性旅行家の人だったようです。
昔の人は、徒歩や馬車でこの峠を越えたのですから、大変な旅路だったでしょうね・・・。

1000はとにかく、マイペースで進めるところまで行くつもりです。
三陸海岸~弘前までのアップダウン~山岳コースを何とかクリアすれば、完走も見えるかと。
2013/07/30(火) 12:48 | URL | YO-TA #-[ コメントの編集]
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プロフィール

YO-TA

Author:YO-TA
2011年7月に東京から仙台に移住。
相変わらず、デジカメ片手に、サイクリングやハイキングを楽しんでいます。
突然、突拍子もないことをやらかしますが、それはまあ、ご愛嬌という事で…。

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