日々是遊歩。見て、聞いて、感じて、それを殴り書き。

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落胆。

「あなたは、今までに、自転車競技でのパフォーマンス向上のために、ドーピングという手段を用いましたか?」
「イエス」
「様々な薬物の使用、例えば、テストステロン、コルチゾン、ヒト成長ホルモンなどを使用しましたか?」
「イエス」
「・・・Yes or Noで。あなたのツール7連覇の期間中も、何らかのドーピングを行っていましたか?」
「イエス」
「あなたの見解を聞かせて欲しい。ドーピングを行わずに、ツール・ド・フランスの7連覇は成し遂げられたか?」
「無理だったと思う」

 以上、私が見たニュース映像の一部に差し挟まれていた、インタビュー部分の会話になります。

 インタビューを受けていたのは、ランス・アームストロング。
 1999年から2005年までの7年間の間、ツール・ド・フランスの総合優勝を果たし、前人未到のツール7連覇の記録を保持していた、偉大な王者とも言われていた自転車選手でした・・・が。

 冒頭に書いた通り、2013年1月18日(日本時間)に、米国で放送されたインタビュー番組内で、自らその期間中におけるドーピングを認めました。

2013/1/26 追記
 当初、この記事を書いた際には、後半部分も本文に表示されるようにしていましたが、ネガティブな内容の文面が続くので、裏置きする事にしました。
 以下、興味のある方は、Read moreをクリックして下さい。


 これまでも、彼の周囲ではドーピング疑惑が浮かんでは消え、消えては浮かび、そして昨年、最終的にUSADAにクロ判定を受けて、UCIからも追放処分を受けていたのですが、それでも彼は、一貫してドーピングの事実を否定してきました。

 が、ここに来て一転、今までの発言からは真逆の方向に話は転換し、全てのドーピングを認める発言を行ったのです・・・。

 当初は係争中の裁判の司法取引か、何らかの政治的な意図があっての事、なども考えられていましたが・・・それにしても、禁止薬物に自己輸血に、さらにはドーピング検査回避対策に至るまで、全てをチームぐるみで組織的に行っていたなんて・・・。
 しかし、癌から生還して、その後に獲得したツール7連覇という偉業は、この騒動がなければ、自転車ロードレース界において、伝説的な偉業として後世に伝えられたであろう事は、疑いようがなかった訳で・・・。

 私は彼の現役時代の姿を知りませんし、別に崇拝者という訳でもありません。
 しかし、彼が得た栄冠は、実はドーピングという不正行為により得た物であった、と聞けば・・・そりゃ、残念ですよ。
 私レベルの人間でさえ知っている有名選手であれば、なおさらです。

 一方で、ランスの現役時代を知っている皆様の中には、「ドーピングしたからといって、急にスーパーマンになれる訳じゃない。だからランスは今も偉大だ」とか、「あの時代は誰だってドーピングしてたから、別にいいじゃん」的な事を言っている皆様もいらっしゃいますが、それは間違った見解だと思います。
 そんな事を言っている人達は、「あの人はいつも飲酒運転をしているけど、重大事故は起こしていないから問題ない」「他にも飲酒運転している奴はいっぱいいるから、いちいち裁かなくて良い」と言っているのと同じです。
 そんな事で、本当に秩序が守られるとでも?絶対に違いますよね。

 確かに、彼が厳しいトレーニングを行っていた事は事実でしょう。
 しかし、それが「不正行為」を正当化する免罪符になるはずがありません。だって、プロのスポーツ選手なら、厳しいトレーニングで体を鍛えるのは当たり前の話であり、クリーンな体で打ち込んでいた選手だって多数いる中で、不正を行った事実は消えません。
 そして、その行為がルールに違反しているからには、失格の裁定を受け、追放されても文句を言う権利は認められないのは当然です。それは誰であっても同じ事です。
 現に、今までも名だたるスター選手達の中に、ドーピング疑惑がもととなり、悲しい末路を辿った人達が多数、いる訳ですから。

 それにしても、サイクルロードレースの世界は、次から次へと、ほぼ毎年必ずと言って良いほど、繰り返しドーピングによる処分や、栄冠剥奪の話が出ては消える事が恒例になっていますが、本当にUCIのアンチドーピングプログラムは機能しているのでしょうか?
 今回の、ランス・アームストロングがドーピングを認める会見の場では、UCIも道連れにするような話が暴露されるのではないか、という憶測も流れていました。

 本来であれば、そんな憶測が流れる事自体が異常事態なわけですが、そんな風聞を信じたくなるくらい、乱れた状態が常態化しているのも、また事実です。
 これ以上、ロードレースの世界自体が信頼を失ってしまわないためにも、ここで全てをリセットする必要があるのかもしれません。

 そして、今回の件では、一つだけ、評価できる点があったと思います。
 それは、どれほど素晴らしい、前人未到の偉業を達成した人物であっても、それを不正な手段により得たのであれば、いずれこんな形で全てを失う、という事を、全世界に知らしめた事です。

 願わくば、これが過去から現在まで続く、スポーツ競技界の薬物汚染の負の連鎖を断ち切る端緒とならん事を!


2013/1/19 追記
 Oprah and Lance Armstrong Part.2の全世界ストリーミング配信を見て。

 まあ、英語力が格段にヨワヨワなので、話の内容はほとんどわかりませんでした。
 ただし、過去の自分のドーピング否定談話のVTRを見るときに、苦い顔をしていた事。そして、話が家族(母親と子供の事だったらしい)に及ぶと、感情を抑えられなくなっていた事。
 この部分に、ランス・アームストロングという人物の人間味を感じました。

 逆に言えば、その他の部分は、何かしらの抑制が働いていると感じられる内容で、「まだ何かを隠しているな?」という猜疑心を払拭するような内容ではなかったとも感じました。
 何やら色々喧伝されている、UCIの陰謀や何や、という話は、私には興味の範囲外なのでどうでも良い事ですが、私がこの番組を見て強く感じたのは・・・。

 事実上、「あらゆるスポーツ界からの永久追放」と同じ状態にあるという、他のドーピング発覚選手と比較して、格段に厳しい措置を何とか緩和してもらおう、という意図でした。

 つまり、他の事では生計を立てる術はないから、その部分だけでも何とかしてくれないか、という事だったように思います。
 しかしまあ、それが本当だったら、母国語圏外の人間にまで見透かされているようなパフォーマンスで、USADAが動くとは思えませんが・・・。

 そして、もっともっと裏の話というか、語るべきだったと思った事もあります。
 なぜ組織的なドーピングが蔓延していたのか、それを避ける術はなかったのか、UCIのアンチ・ドーピングプログラムは本当に有効なのか、何より、もう二度とこんな穢れた栄冠を抱く人間が出ないために、何をすべきなのか。
 ドーピング経験者であり、「もう一度、生まれ変わるチャンスをもらったと考えている」とまで言うなら、そこに踏み込むべきだったと思います。

 落胆しました。
 こんな、自叙伝的な内容を女々しく語るだけの事に、時間を費やして欲しくなかった。
 引き際も、堂々たる王者であって欲しかったですよ。


2013/1/23 追記

 アームストロングの光と影を映画に 米パラマウントなどが伝記の映画化権を獲得
 →http://cyclist.sanspo.com/44606

 なんじゃこりゃ!

 こんな企画、昨日の今日で動けるものではないですから・・・。
 先日の告白番組は、この映画のプロモーション含み?
 (栄光~挫折に至るまでの記録をつづった書籍も企画されているらしい)

 だとしたら、落胆度、極限まで上昇。

 っつーか。

 この映画の関係者全員、地獄に墜ちろ!

 ガン撲滅運動などでの功績は評価する部分もある(ただし、ツール7連覇のヒーローとしての顔を利用して、だったのが引っ掛かる所ではある)けれど、やっぱり駄目だ。
 落胆なんてレベルじゃ語れない。

 もう、世界の表舞台から消えてくれ、ランス・アームストロング!
 静かに暮らせるくらいの蓄財はあるだろ。お願いだから、これ以上、落胆させないでくれ・・・。


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YO-TA

Author:YO-TA
2011年7月に東京から仙台に移住。
相変わらず、デジカメ片手に、サイクリングやハイキングを楽しんでいます。
突然、突拍子もないことをやらかしますが、それはまあ、ご愛嬌という事で…。

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