日々是遊歩。見て、聞いて、感じて、それを殴り書き。

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天は我らを祝福せり!2012BRM602青葉200十和田(その3)

 今週末は宮城400のブルベなのですが・・・。

 いまだ、足にはダメージが少し残っています(いつもより、通勤中の坂登りや、階段昇降がキツい)。
 コースの予習も、今までのブルベほど念入りにやっている訳ではありません。

 その上に、週末の宮城&山形の天気は、どうやら崩れる方向に向いているようで・・・。

 どうやら、苦しい試練になりそうな、そんな気がしてきました・・・(大丈夫かな?)。

 ここまでのブルベは、全て完走で終わっています。
 しかしまあ、さすがにそんなにトントン拍子に事が運ぶとは思っていないので、今回の400は、無理せず、ヤバいと思ったら即、DNFすることを肝に命じておきましょう。

 では本題です。
 ヴェロクラブ・ランドヌール青葉主催のブルベ、BRM602青葉200十和田。
 コース中の景観ポイントの一つ、奥入瀬渓流で思わぬほど(いや、半ば想定通りという話もあるか? ^^;)時間をとられてしまいましたが、コースはまだ半分も来ていません。

 レポート中の現在地、石ヶ戸休憩所は、スタートから95kmほどの地点で、奥入瀬渓流の中間点付近です。
 ここには、軽食を提供する土産物店と、自然環境などを解説するビジターセンターのような施設が併設されています。


12060401.jpg
石ヶ戸休憩所。
沢山の人が散策の途中に立ち寄り、
休憩していた。


 こういう場所をうまく使わないと、補給地点にはかなり困る事になるのが、今回のコースの攻略難度を引き上げています。
 いや、実際には補給地点はそこそこあるのですが、地元の個人商店であったり、ドライブイン的な施設であったり、という場合が多く、独特の嗅覚がないとそれに気付くのは難しいです。
 さらには国立公園区域内であるため、近年の景観保全の見地から、派手な商標看板がことごとく排されているため、いつもはシンボルカラーで真っ赤や真っ青な自販機でさえも、ダークブラウンの景観同化色に塗られていたりして、発見にはそれなりの注意力が必要とされます。
 (とはいえ、日本人の一般的感覚で自販機のある場所、つまり、人が集まる施設の周辺には、ちゃんと自販機の一つくらいは設置されているので、そういう感覚を駆使すれば、ドリンクくらいは簡単に入手できる。まあ、補給ポイントが少ないブルベは、宮城ブルベで慣れている、と考えたら、案外大丈夫だった)

 で、石ヶ戸休憩所は、こういう場所にあるこういう施設なので、ドライブ中の自動車や観光バスが入れ替わり立ち替わりに立ち寄り、その度に沢山の人達が流れ込み、そして出て行く事を繰り返します。
 見方を変えれば、観光バスや自動車だと、こういう場所でもない限り、車を止めてゆっくり周囲を散策する事ができない訳です。

 こんな気持ちの良い道を行くのに、そんな事では勿体ない。
 やはり、奥入瀬の散策は自転車か徒歩を選ぶべきであり、その中でも、時間をかけてじっくり見るならば徒歩。
 サクサク効率よく回るなら、自転車でしょう。

 ちなみに、奥入瀬渓流を走っている間、随分沢山の電動アシストママチャリを見かけましたが、これはどうやら、レンタルサイクルとして提供されているものらしいです。

 なるほど、私達のような自転車乗りなら、多少の坂は気にせず登って来てしまうか、「坂を登らせろや、ゴルラァァァァ!」という人種まで混じっていますから、絶賛放置しても無問題ですが、一般の皆様に、数キロメートルも続く登り坂、というのは、絶壁と同義。
 こういう場所で、電動アシスト付の車体のレンタルとは、これはなかなかのアイデアです。
 下で借り、登り基調の片道だけバッテリーが持てば、帰りはそんなに漕がなくても帰れますから、そんなに大容量バッテリーの車体を揃えなくとも大丈夫そうですし、なかなか理にかなった商売なのかもしれません。

 まあ、ブルベ的には、電動アシスト付の車体はレギュレーション違反になりますけどね(^^;)。

 それはさておき、この休憩所で私は早目に食事をしようと思い、11:00頃、車体を止めて、売店へ。
 まあ、こういう場所のメニューなので、麺類が主体なのは仕方がない訳で、チャーシューメンの食券を買って・・・まあ、それなりの時間を待たされてから、やっと食事にありつけました。
 その後、ついでに自販機でドリンク補充をしようとしたら・・・押すボタンを間違え、緑茶を買ってしまったという・・・。

 仕方なく、スポーツドリンクを買い直し、お茶は・・・そういえば、と思い出し、反射ベスト(Nathan LEDサイクリストベスト使用)の背中に一カ所、ついているポケットに突っ込んでみました。
 常々、この、一つだけついているポケットが余っていた訳ですが、今回、ここに500mlのペットボトルを突っ込んでみたら、ちょうど首まで収まり、運搬手段としてとても安定していました。
 これから熱くなるシーズンに向けて、炎天下ブルベなどで、車体のボトルケージ以外にも飲み物を格納できる場所を確保できたのは、ちょっと収穫だったかもしれません。

 さて、食事も、ドリンク補充も終わったので、出発しようと車体の所に戻り、ロック(セーフマンロック)を外そうと、いつも鍵を入れているサイクルパンツ(普段から、ポケットの数が増えて、色々身に付けて歩けるという理由で、レーパンの上に重ね履きしている)のポケットに手を突っ込むと・・・。

 小銭がチャリン、以上。

 ・・・あれ?
 ・・・鍵は・・・。

 サアッと背筋に冷たい物が走りました。
 そういえば、今回は止まる場所も少ないから、ロックする事もないだろう、と、朝、出発する時に宿の部屋の金庫に放り込んで来たのでした・・・。

 うぎゃああぁぁぁぁ!
 何やってんだ、オレはぁぁぁぁ!


 セーフマンロックは、構造上、鍵がなくてもワイヤーを伸ばしてロックをかける事が可能なロックです。
 その手軽さ故に、食事程度の時間くらい、車体を離れる時は、これでフレームと柵やガードレールを縛ってロックしておくのが、いつもの習慣なのですが・・・。

 鍵を持っていないのに、ロックしてしまうなんて、何やってんだよ!

 という、とんでもないピンチが訪れていますが、これ以降の詳細は裏置きします。
 興味のある皆様は、以下のRead moreをクリックして下さい。

1.想定外のハプニング
 さあ困った。
 鍵があるのは、遥か彼方の八戸市か、もっと彼方の、仙台の自宅(予備)。

 簡素な構造で取扱も簡単とはいえ、一応、セキュリティー製品なので、素手で壊せるような物ではなく、手持ちの携帯工具でバラせるような物でもありません。
 ワイヤーは鍵を開く時にすぐ引き抜けるよう、浅めにセットしてあったので、引っこ抜けないか試してみましたが・・・そんなヤワな物だったら、案外良く売れてる隠れた良品の位置を占めたりしません。

 朝も、コンタクトを流しかけたり、シューズを履かずに出発しようとしたり、浮かれまくって普段では考えられないミスを連発しましたが、ここでまた、とんでもないミスをやらかしてしまうとは・・・。
 時計を見ると、既に停止時間が30分を過ぎており、焦りで気分がジリジリとしてきます。

 こういう時にするべき事は・・・。


12060402.jpg
頭を冷やそう。
という訳で、
ここの名物のソフトクリームを食す。

画像右下をよく見ると、
ワイヤーロックしてしまった車体がある(^^;)。


 んな事やっとる場合か!

 というツッコミが盛大に飛んで来た気がしますが(笑)、焦って気分が落ち着かない時こそ、何か食べ物を口にしたり、水を飲んだりして一息つく、という行動は、実は登山・ハイキングの現場では、遭難を防ぐための対処の一つとして実施される事もあります。
 こんな時でも美味いと感じるソフトクリームをペロペロ舐めながら、車体の前に座り込んで善後策を考えます(我ながら、シュールな絵面だったと思う)。

 ソフトクリームを食べ終わり、よし、と行動を再開します。

 解決策は簡単な話で、要するに、このロックをぶっ壊すか、ワイヤーを切断すれば良い訳です。
 ただし、さすがにセキュリティ用品だけあって、スイスアーミーナイフのブレード程度で切れるような物ではありません。

 という訳で・・・ここから先は、セキュリティ上問題があるので詳細は伏せますが、無事、コースへの復帰を果たしました。
 停車時間、40分以上という、想定外の長時間停止。
 そして、この経験をもとに、今後の教訓として刻み込みます。

 ブルベでは、ロックは簡易な物であっても、鍵を持ち歩いていないとセットできないタイプの物を使用する!

 横着して、いちいち鍵を取り出さなくてもセットできるロックを使っていたのが失敗の原因ですから、その横着を封じてしまえば、二度とこんな間抜けな失敗はしなくなるでしょう。
 東京時代からの長い付き合いだったロックを犠牲に、尊い?教訓を得ました・・・。

 さあ、タイムロスを取り返しましょう。
 下り基調の奥入瀬渓流の残りを、一気に走り抜けます。
 幸いにして、標高が低くなってくると、渓流は道から遠くなる区間も多くなり、それほど「写真撮りたい!観察したい!」というポイントが出て来なくなったのも幸いしました。


12060403.jpg
それでも、
木漏れ日の風景をちゃんと撮ってるあたり、
我ながら何というか・・・。


 そういえば、この木漏れ日の風景で少し困った事があったのは、この地面の斑紋パターンが、アスファルトの凹凸と見分けがつかなくなる時があり、思わぬ所で思わぬガタガタに車体が突っ込んでしまう事があった事でしょうか?
 一応、日影でもコントラストが強調されるピンクレンズ装備でしたが、それでも見えない時は見えない物です。
 あまり調子に乗って、スピードを出し過ぎないような注意は必要でしょう。

 とにかく、半ば想定内だった写真撮影によるタイムロスに、想定外の失敗による大幅なタイムロスを挟んで、コースは奥入瀬渓流を離れ、再び国道103号へ。
 ここから、蔦温泉、谷地温泉などを経て睡蓮沼から傘松峠へと向かう、第二の山岳地帯へと突入です。

 そして、この山岳地帯は、奥入瀬渓流とは違う形で、自然の美しさと、それを上回る厳しさ(笑)を体に刻み込んでくれたのでした・・・。

2.第二の山岳。季節を遡って進む道へ。
 奥入瀬渓流沿いの道は、国道102号と103号の交差点で終了。
 ここから先の長い登りに備えて、下りで体を冷やさないように装備していたウインドベストを外しました。

 石ヶ戸休憩所で長々と停止している間に、目の前を相当数の参加者が通り過ぎて行ったので、既にポジションは最後尾近い所でしょう。
 まあ、時間はまだ残っていますから、PC2でタイムアウトにならないように、と、それだけは注意して前進を再開します。


12060404.jpg
さあ、ヒルクライムスタート!
酸ヶ湯温泉までは、約20kmの道のり。
傘松峠は、それより少し手前。


 簡単に20kmと書きましたが、もちろん、その20kmは平坦地の20kmではなく、標高差800m、平均斜度5%前後という道のりを経た先までの20kmです。
 走行時間も、平坦地なら1時間とちょっと・・・と見積もれるそれも、最低でも2時間程度は見ないといけないでしょう。

 時計はもうすぐ正午。PC2のクローズは15時過ぎ(15:08)。
 酸ヶ湯温泉はPC2より手前で、PC2までは30km強ありますから、時間的にはちょっとギリギリになりそうです。
 ううむ・・・やはり間抜けロックのハプニングが効いてるなあ・・・。


12060405.jpg
そんな事をやっているうちに、
道の左を流れていた、
砂防堰堤と床固めだらけの川を渡り、
本格的な山岳区間に突入。

12060406.jpg
いきなり急勾配の道が始まる。
GarminのGPSデータを公開している皆様によると、
どうやら勾配10%の区間が、
普通に何度も出て来ていたらしい。


 食後すぐだからなのか、坂がきついからなのか、それともその相乗効果なのか、さっきの画像の橋を渡ったその直後から、強烈な坂に喘ぐ事になりました。
 周囲は相変わらず、エゾハルゼミの大合唱が続いており、自分の荒い息と、チャラチャラと鳴るチェーンの音以外は、ほとんど何の音も聞こえません。

 時々、思い出したように、数台くらいの単位で固まった自動車の車列が通り過ぎますが、それ以上の事はない、全く喧噪から隔絶された世界が広がっていました。


12060407.jpg
周囲の林相にも少し変化が。
今まではブナが主体だったが、
ここに来てカツラも多く見られるようになった。


 カツラの木の下を通る時は、シナモンの甘い匂いがする・・・とは、後夜祭で現地のコーディネイター様に聞かせて頂いた話ですが、この時の私は、鼻水ずるずるの息ゼエゼエで、とても嗅覚を動員させる事ができる状態ではありませんでした(^^;)。
 しかし、そんな状態でも、温泉の硫化水素の臭いだけは、しっかり感じ取れるのは、やはりそれが命に関わる有害物質だから、でしょうか?


12060408.jpg
臭いなあ、と思ったら、
最初の温泉、蔦温泉に来ていた。


 まあ、くっさ~、と言っていられるうちは安全域濃度ですから、慌てず騒がず通過します(空気中の硫化水素が致死濃度になると、嗅覚が麻痺して何も臭いを感じなくなる)。
 まだこの時は標高もそれほどではなく、風の通らない林内は、暑さを感じるくらいでした。


12060409.jpg
蔦温泉付近の細流。
奥入瀬を見た後だが、
澄んだ水がきれいだった。

ちなみに、硫黄臭がしたので、
温泉混じりなのかもしれない。

12060410.jpg
険しい道の途中、
先行する人に追いついた。
どれ程の深さの森なのか、
この画像で感じて頂けるだろうか?


 今までの山岳路と同じか、それ以上に濃い緑の中、右に、左にクネクネ曲がる急勾配を、ただ黙々と登って行きます。
 時折現れる対向車の運転手が、呆れたような顔をしているのを見てニンマリしてしまい、追い越して行く車から子供の声で、「がんばって~!」という声援が聞こえて、妙に力が湧いたり。

 先行する人に、「お疲れさまでーす、頑張りましょう!」と声をかけて先に立ち、ヘアピンが連続する九十九折を抜けて行きます。


12060411.jpg
鬱蒼とした森はまだまだ続き、
幾重にも折り重なった木々の枝で、
路面は薄暗い影の中になる。

12060412.jpg
でも、その影の中に、
こんな縦クラックがいくつも隠れている。
何だか凄いトラップだぞ、これ。


 道路の崖側の路肩に、ほぼ崖の上端の線に平行になるように、こんなクラックが何本も走っています。
 この下の地面が緩んで来ているのか、それとも単にアスファルトの伸び縮みの方向がそうだっただけなのか・・・。

 まあ、どっちにしてもロードのタイヤには、かなり嫌らしい存在である事は間違いありません。
 登りで、あまりスピードが出ていないからまだ良い物の、下りに転じた時には要注意だな、と、疲れた頭に情報を追加します。


12060413.jpg
蔦トンネルに到着。
このトンネル付近から、
トンネルを抜けた先の仙人橋までは、
つかの間の下り坂。


 時折、10%越えの急勾配が普通に出てくる登りの途中に現れる、つかの間の下り坂。
 そして、トンネルの先には、もう出口が見えています。

 それが、軽く油断を呼んだようです・・・。

 この蔦トンネルは、そんなに延長も長くないトンネルで、路肩も広めだったため、ま、いいか、と前照灯をつけずに進入しました。
 下り坂のトンネルで、徐々にスピードが出て行きますが、路肩部には染みだした地下水か、雪解け水か、とにかく水がたまっている場所が多く、ピシャピシャと後輪が水を跳ね上げているのを感じます。
 自動車の通行帯の方には、あまり水はないようなのと、後続に車の姿はなかったので、そちらに進路を移そう、と、右に体重移動した瞬間。

 ガガガガガ、と、前後輪から異常としか思えない振動が伝わって来ます。
 路肩と自動車の通行帯の間に舗装の継目があり、そこに走っていた縦クラックに車輪がはまってしまった!
 と気付いた時には、車体が右にグワン、と傾いていました。

 何をどうしたのか、自分でも良くわかりませんが、次の瞬間、車体がポン、と跳ねて車輪の異常振動が消え、トン、という衝撃とともに、自動車通交代の上にラインを変更していました。
 右足の甲に、痺れるような痛みが走り、右足の内側のくるぶしに、チェーンの油がべったりと着いています。
 無意識のうちに右足を跳ね上げ、その反動で車体が跳ねてクラックから飛び出したようでした。

 助かった、と思うとともに、全身から冷や汗が吹き出します。
 今のは、ちゃんと前照灯を使っていれば防げたこと。なんて初歩的なミスを犯したのやら・・・。

 トンネルを出たところで車体を止め、気を紛らせる意味も兼ねて、メイタンチャージ(黒)を補給。
 カフェインが集中力を回復させてくれると良いのですが・・・。


12060414.jpg
仙人橋までは下り基調。
たら~っと流して流れを見下ろす。
今気付いたが、
左の河岸に残雪がある。


 しばし川の流れを見て気を落ち着かせてから、対岸へと目を向けると・・・相変わらずの坂が続いています。
 やれやれ、まだ登るのか、と、うんざりしつつも、前進を再開します。


12060415.jpg
やっと8キロほど来たらしい・・・。


 勾配が多少緩くなるか、インナーローでもやっと回せるか、というレベルまで急になるか、という事を繰り返し、足を休めたり回復させたりするタイミングを図れぬまま、道はどんどん高所へと登って行きます。
 気がつけば、周囲の樹林はブナほぼ一種のみになっていました。


12060416.jpg
ブナの、
幾分か若木で占められた樹林の中を行く。

12060417.jpg
左右の林内の地面には、
まだ融け残る雪があった。


 途中にあった標識によると、ここはブナの二次林(一度、伐採された土地に、再び発生した森林)だという事です。
 明治~大正時代、この地域は牛馬の放牧のために、日陰を作るために最低限の樹木を残してほぼ、全域が伐採されたようですが、牧畜が行われなくなってから数十年の歳月を経て、わずかに残っていたブナが、これだけの森林になったのだとか。

 という事は、午前中に抜けて来た、発荷峠の下の牧場地帯も、あのまま管理がされなくなったら、いずれこのようなブナ林に戻る、という事でしょうか?
 それとも、様々な外来種の侵入を許して、荒れ果ててしまうのでしょうか・・・。
 (このブナ林が回復をはじめた数十年前には、外来種問題はそれほど深刻ではなかったからね・・・)


12060418.jpg
このブナの二次林帯あたりから、
登りがかなり厳しくなった。
先程の画像の中に捉えていた先行者は、
遥か前方に去ってしまった・・・。

12060419.jpg
おお、久しぶりじゃないかオニギリ。
(ヘタれて手ぶれしまくり・・・)
一人旅常習者には、
これがないと道を間違っていないか、
不安になる時があるんだよ。


 いつになったらこの坂は終わるんだ、と、半ば絶望的な気分でそんな事を考えます(私は登りが嫌い。とことん嫌い。自転車乗りは皆、坂が好き、とか言ってる人達を信じちゃいけません!)。
 蔦トンネル付近の、わずかな平坦&下りを除いて、ホンっっっっっっとに登りっぱなしで、足を休める場所もタイミングもない、厳しい道。
 ギア比は34×27でも、やっと前に進んでいるレベルで、サイコン表示は一桁が普通になってきています。

 奥入瀬渓流の下から、峠に向かって登り始めてから約1時間。
 時間は13時に近付いて来ています。
 PC2の制限時間を考えると・・・私の脚では、傘松峠を13:30までには通過しないと、タイムアウトが見えてくるという厳しい状況です。


12060420.jpg
そんなとき、
木々の間から八甲田連山の姿が見えた。
どうやら、
意外に近い場所まで来ているようだ。


 おお、こんなに近くまで来ているのか!・・・と単純に喜ぶのはまだ早い。

 上の画像を撮ったのは、谷地温泉の近く。
 傘松峠までは、まだ5kmほども残っています。

 現在のサイコンの速度表示。
 頑張って12km/h。普通に走って8km/h。
 残り30分以内に傘松峠を越えないとヤバくなってくると言うのに、かなり厳しい状況である事は間違いありません。

 そしてこの先、道は斜度+九十九折のカーブの出現により、ライン取りによってはとんでもない急勾配を登らされる事になります。

 具体的には、左ヘアピンカーブの時。
 もちろん、こういう時は後ろを見て、何も来ていなければ、少しでも勾配が緩い、アウト側のラインを選んで走るのですが、何の巡り合わせなのか、そういう時に限って自動車が背後から迫って来ていて、アウト側に膨らめない、という時が多くあります。
 (実は少なかったかもしれないが、強烈に印象に残るので、妙に何度もそうなった気がする)

 瞬間的な最大斜度が、どれくらいだったのかはわかりませんが、後ろ座り気味にポジションをとって登っていたとき、前輪が浮かんでコンコン路面を叩いていたので、15%くらいはあったんじゃないかな・・・?
 パンパンに張って来た足に、さらに負担をかけるように、無理矢理のダンシングで対応せざるを得ない時もありました(インナーローなのに・・・)。

 とにかく苦しくなって、路肩に車体を止めて、メイタンチャージ(黒)を追加投入。
 そのわずかな間に、規則正しいペダリングの音が響いて来て、Bikefriday tikitにまたがったまるよさんが、「お疲れさまです!」の声を残して、坂の上へと去って行きました。

 車輪の慣性モーメントが小さく、ロードよりもギア比が軽段側になる小径車ならではの、イーブンペースの軽快な登坂。
 ・・・私も、小径車でブルベを走ってみようかな・・・(危険!死亡フラグだぞ、多分これは)。


12060423.jpg
それはともかく、
この区間はとにかく苦しくて、
雪解け水が流れる路面ばかり見ていた気がする。

12060421.jpg
だが、顔を上げると、
素晴らしい景観が待っていたりする。

12060422.jpg
気がつけば、道の先に、
覆い被さるような地形はなくなっていた。
そしていつの間にか、
エゾハルゼミの声もまばらになって来ている。


 空を遮る物が少ない。
 それは峠に至る、最後の尾根に登り上げた事を表すサインでもありました。

3.そして天上の道へ
 ここからしばらく、睡蓮沼を越えるくらいまでは、勾配は幾分か緩やかになり、1時間ぶりにアウターギアを使う事ができました。
 速度は二桁以上が普通になり、耳の中には久々に、風切り音が響きます。


12060424.jpg
気がつけば、
森林限界ギリギリの標高に到達していた。
視界を遮る物が少なくなり、
遥か遠くまでを見渡す事ができる。

12060425.jpg
自分より高い位置にあるのは、
寒冷地でも育つ針葉樹と、
八甲田連山だけになっている。


 見渡す限り、背の低い灌木のような木々と、雪に薙ぎ倒された若木の群れ。
 これ以上の高所には、年間を通しての寒冷な気候と、積雪の重量により、大きな樹木はほとんど生育できないことが、周囲の景色からも感じられます。
 まだ白い雪を抱く八甲田連山は、頂上部にはほとんど、樹木らしい物の姿は見当たりませんでした。

 こんな景色の中を、たった一人で走る、この言いようのない「圧倒的な孤独感の中で感じる、心の底から沸き上がってくる高揚感」

 よく、「一人旅は寂しくないか?」とか、「怖くないか?」と言われますが、こういう場所に来たら、私はむしろ孤独でいたいと思う性質です。
 これは恐らく、実際にこんな場所を一人で走ったことがある人でなければ、理解してもらえない感覚でしょう。

 ・・・が、睡蓮沼あたりで観光客がわさっとたむろしていて、そんな感覚に水を差してくれます。
 そして、折角の眺望ポイントですが、この時はもう、時間の方が気になって、車体を降りて沼を見に行くとか、そんな余裕はありませんでした。


12060426.jpg
それでも、足下のこれには気付いた。
牛タン・・・じゃなかった、
「ベゴのベロ」こと、ミズバショウの花。

12060427.jpg
睡蓮沼から少し行った先、
雪解けで現れた地面が湿地になり、
そこにミズバショウが群生していた。
画像中の白い点々が、全てミズバショウ。


 2ヶ月前、宮城200では七ヶ宿の峠で見たミズバショウが、今は青森の傘松峠で満開を迎えていました。
 つまり、現在のここの気候は、2ヶ月前の南東北の山間部にやっと追いついたくらいだ、という事です。
 緯度と標高、どちらも随分高い場所に来ていることを実感させられる瞬間でした。

 そういえば、後夜祭で、この辺りの雪壁に、「BRM602十和田 ファイト!」という感じの文字が掘られていた、という話を聞いたのですが、気付いたり、画像に収めたりした方、いらっしゃったでしょうか?
 結構、大きな字だったそうなのですが・・・。
 (私は気付けなかった・・・観察系としては屈辱・・・)


12060428.jpg
先程の、ミズバショウの湿地を上から見下ろす。
下の道路は、さっきまで走っていた道。


 睡蓮沼を越えた先の九十九折を抜ければ、あとほんの少しで傘松峠だ、という事は、事前に地図上のペーパーロケーションで何度も確かめてありました。
 時間は、まあ何とかタイムアウトは逃れられそうな時間で、周囲の景観を楽しむ余裕も復活しました。

 この日、到達する最高点近くで、視界が開けた場所を探し、つかの間、停車して周囲の景色に目を向けます。
 白い残雪の中に、モコモコと木々の緑が立ち上がり、さらに遠くへと目を向けると、沸き上がって来た白い雲を背景に、鬱蒼とした樹林が山々を埋め尽くして、目の届く限り遠くまで繋がっていました。

 この中に一筋、穿たれた道筋を辿り、ここまでやって来たから、今のこの景色を目にすることができました。
 今の季節だからこそ、最高の景観を楽しめた、と、そんな気がしました。

 今年は青森も例年にない大雪だったそうで、それで残雪も普段よりかなり多く残っていたらしいのですが、おかげでこの白い地面が、高所から低所を見下ろした時に、最高のアクセントになって、木々や湿地を浮かび上がらせてくれます。
 自然の景観美は、その日、その時、その瞬間にその場にいた人にだけ、見ることが許された物だ、と、どこかの旅行サイトで見た言葉にあった記憶がありますが、本当に、奇跡的なタイミングで得られた一期一会だと思います。

 来年、またここに来ることがあれば、その時はまた違う風景が待っていてくれるのでしょうか?
 それとも、風雨を叩き付ける、厳しい歓待で出迎えてくれるのでしょうか?


12060429.jpg
そして、ついにコースの最高点、
傘松峠に到着。


 奥入瀬渓流出口から登り続けること、1時間47分。
 何とか、PC2タイムアウトは逃れられそうです。

 さあ、ここからは長い下り基調。
 標高1,000mからのダウンヒルに備え、ウインドベストを装備し直し、酸ヶ湯温泉~八甲田スキー場方面へと、一気に下り始めました。



(その4に続く)


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コメント
No title
先日はお世話になり有難うございました。懇親会で隣に座りました“どすこい恵子”でございます。
YO-TAさんの写真を見て、あらためて素晴らしいコースだったんだなぁと思いました。でも私にはそんな時間の余裕もなかったので、目に焼き付けて来たつもりですが「へっ?!こんなとこあったの?」と驚いています。
私も夏場は背中のポッケにドリンク入れます。コンビニにある冷凍ドリンクはおススメですよ。体温で融かしてくれますから。

もしかしたら、そろそろPC2にいた変な女二人が出てくるんですか?
キャー、コワッ!!!
2012/06/07(木) 09:29 | URL | Kei #-[ コメントの編集]
Re:
Keiさん、コメントありがとうございます。
後夜祭では色々、楽しいお話をありがとうございました。

いやあ、今回のコースは、見どころ、撮りどころがいっぱいありすぎて、逆に前に進めず困りました(^^;)。
でも、本当に最高のコースでしたよね!
来年も開催されるなら、エントリーしたいと思います。

冷凍ドリンクは、一度、ジャージのポケットに入れた時、
冷えすぎて腰痛が出てしまったことがありまして・・・(^^;)。
少し体から離れるベストのポケットなら大丈夫なのか、今年の夏に実験です。

ああ・・・ええと・・・PC2の皆様・・・。
そうですね、そろそろ登場して頂くタイミングですね。
まあ、ありのまま、見たままで・・・(^^;)。
(いや、決して悪く書こうとは思っていませんので、ご安心ください)
2012/06/07(木) 12:40 | URL | YO-TA #GY0.Hv3k[ コメントの編集]
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プロフィール

YO-TA

Author:YO-TA
2011年7月に東京から仙台に移住。
相変わらず、デジカメ片手に、サイクリングやハイキングを楽しんでいます。
突然、突拍子もないことをやらかしますが、それはまあ、ご愛嬌という事で…。

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