日々是遊歩。見て、聞いて、感じて、それを殴り書き。

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浜松まで行ってきた。一泊二日で、自転車で。 Part.2

 気がつけば、大型連休も前半が終了。
 後半にも、どこかに行こうかと思っていますが・・・ううむ、どこにしようか?

 それを考える所から旅は始まる、と言いますが、行きたい場所が多いと、色々苦労しますね。

 では本題で、昨日の話の続きです。

 静岡で突如転がり込んだ宿は、一泊朝食付きで、かなりお手頃価格でした(連休のキャンペーン価格)。
 ただ、空調が故障していたか、暖房設定だったようで、夜中に部屋が灼熱地獄になったので一度目覚め、空調の停止と窓の開放だけをやったら再度就寝。
 次に目覚めたのは、宿の朝食時間の少し前でした。

 軽くシャワーを浴びて、朝食に向かったのが7:00。
 長距離を走る自転車乗りの朝としては、少し出遅れ気味の朝でしたが、食欲等はちゃんと復活していて、セルフサービスの朝食は、周囲の人より多量をペロリと平らげていました。

 ・・・単純な体です(^^;)。

 食後のコーヒーを時間をかけて飲みながら、今日の行動をどうするか考えます。
 勢いで飛び出してきている上に、出来るだけ遠くまで走る、ということ以外、特にプランがある訳ではないので、ここから引き返しても問題ない訳ですが・・・。

 天気予報では、翌日から天気が崩れそうでしたが、この日はまだ持ちそう。
 体も回復しているし、走れない訳ではない。
 せっかくここまで来たのだから、「走って、帰りました」だけでなく、どこか象徴的な場所を見てから帰るのも悪くないだろう、と考えて、西進再開に決定。
 宿をチェックアウトし、近くの駐車場の隅で車体を組み上げると、8:00頃、国道1号を西へと向かいました。

 本編はまたまた長文なので、裏置きします。
 興味のある皆様、【Read more】をクリックしてください。

1.当面の目標は島田市
 '11/4/30日、宿をチェックアウトし、8:00頃から二日目の行動を開始します。

 この日も朝から相変わらずの向かい風です。
 まあ、静岡県内の国道1号は、あまり起伏もない場所を走っているので、それほど強い風でもなければ、気にする必要はなさそうです。
 ただ、平坦地の悲しさで、風向きによって地獄を見ることになるのは覚悟しなければなりませんが・・・。

 とりあえず、この日の当面の目的地は、大井川にかかる世界最長の木造歩道橋、蓬莱橋と設定しました。
 島田市までは、道路の距離標識で約30kmの距離です。これなら、自転車(ロードバイク)で2時間という距離でしょう。

 午前中には目的地に到着できるな、と思い、クランクを回し始めると、体感で極わずかな距離を進んだ所で、「安倍川餅」などで有名な安倍川を渡ります。
 そこから市街地を抜け、少し郊外に入ってきたな、と思った頃、道は緩やかに登り始め、前方で道路が色々入り組んでいる様子が標識に現れはじめます。
 やがて、静岡市の中心部を迂回してきたバイパスの終端との合流地点が現れ、またまた自転車の通行帯がどこになるのか、わかり辛い場所になってきました。


11043001.jpg
そこで見つけたこの標識。

教習所で習うものの、
実際に見る機会が異様に少ない、
「その他危険」の標識。
久々に見たわ~。


 旧道か、旧路盤のような側道を走り、軽車両通行禁止の標識がないことを確認し、頃合いを見て本線に復帰します。
 軽いアップダウンを経て、山間の風景に変わったと思ったら、また道路が入り組みはじめ、頭上を走るオーバーブリッジが見えたと思ったら、その先にこれが出ました。


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宇津ノ谷トンネル。
ここは結構な交通の難所のようで、
明治、大正、昭和、平成と、
年号が変わるごとに新しくトンネルが開通している。
現在のトンネルは、平成トンネル。

11043003.jpg
ここは自歩道があるという情報を得ていたので、
安全のため、ここを徐行で通過することにする。


 橋梁もそうですが、トンネルも壁との間で逃げ場が限られる場所ですから、「道交法では自転車は車道!」とか何とか片意地張った走りでなく、柔軟な対応をして行きたいものです。
 特に、今日はガツガツと先を急ぐ訳でもありませんし・・・。

 トンネル通過中に、トンネル手前の道の駅から出てきたらしい、GIANTのロードにキャリアとサイドバッグを装備した自転車乗りが後ろについていました。
 宇津ノ谷トンネルを通過後、再度車道に復帰しようとしましたが、すぐに軽車両通行禁止のバイパスがはじまるため、タイミングを計るのがちょっと難しいです。

 と、先程から後ろに居たGIANT乗りの人が、いきなり車道に飛び出したかと思うと、そのまま軽車両通行禁止の高架に突入・・・。

 おーい!

 もしも、東海道の軽車両通行禁止のバイパスのことを知らないなら準備不足過ぎ、計画的突破なら悪質な違反行為、標識を見ていないなら前方不注意、と、とにかくどんな方向で考えても言い訳できない違反行為です。
 こういう人がいるから、自転車のマナーが云々と、色々いわれる原因になっているというのに・・・。

 今回、東海道を走っている間、物凄くたくさんの自転車乗りと抜きつ抜かれつ、すれ違いつつ走り、中にはこういう違反を平気でやっている人も見かけましたが、マジで、こういう行動はやめましょう。
 自分一人くらい、と思っても、あなたの違反行為を見る人は何百人にもなり、不快感を持つ人もほぼ同数になるのですからね(そういう波及効果を想像できないのは、単に頭が悪い証拠だ)。
 それ以前に、バイパス道路なんて、高架橋の壁高欄と盛土の遮音壁で、何も風景が見えない、無機質な道路です。
 自動車で市街地をショートカットするならともかく、自転車旅でそんな場所を走って、何が楽しいのやら・・・。


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という訳で、私はのんびり旧街道筋を行く。
周囲の建物には、昔は旅館や商店だったような、
そんな雰囲気のものも多かった。


 昨日走っていた富士山麓の道は、江戸時代に何度かあった富士山の噴火後につけられた道が多いのか、こういった「生活感」があまりない場所も多かったのですが、今日走っているのは「東海道」。
 旧道沿いには古くからの姿をそのまま残している家屋があったり、恐らく、昔は東海道を行く旅人が多く参拝したであろう不動尊への登り口などがあります。
 旧所、名跡への案内板もあちこちに現れ、本当に昔から生活と密着していた道筋なんだな~と実感できます。

 そういう道なので、現在も生活に密着した活動が普通にある・・・ま、つまりは自動車の交通量が非常に多い道になる訳ですね。
 旧道のため、黄線対面通行が基本になる区間も多いですから、自転車が走る場所は自然、狭かったりする訳ですが(^^;)、可能な限り邪魔にならないよう、出来るだけ左端を選んで走ります。

 掛川くらいまでの区間では、自歩道と車道の間に段差がなくて、縁石だけで仕切った場所が多かったので、大型車が後ろに来た時、自歩道に歩行者がいなければ、そのまま自歩道に逸れてやり過ごしたことも多くありました。
 ちなみに、この二日間でクラクションを受けたのは、道を空けたお礼と思われる、短いピッという音が一回だけ。
 東海道は自転車で走る人も多く、車が自転車慣れしているのか、慣れれば随分走りやすい場所に思えてきます。

 とはいえ、車道が狭い場所では避けようがない場所もある訳で・・・。


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そんなとき、
自転車乗り的にはちょっと残念感があるけど、
歩道改良型自転車レーンがあったので、
少し走ってみることに。

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しかし、ロードの速度だと、
1分で終了・・・って、あらら。


 一朝一夕に完全整備ってのは難しい話でしょうが、もうちょっと、こう・・・まあ、頑張っていただきたいものです(^^;)。

 そんなこんなありましたが、基本的に平坦区間なので負荷も軽く、いつの間にか藤枝市もクリア。
 やがて1号から左に島田駅方面への分岐が出たので、そちらへと入って行きます。

 蓬莱橋は、観光スポットでもあるので、案内表示があるだろう、と思って前進して行くと・・・あら?島田駅近くまで来てしまった。
 ここまで来たら西に来過ぎだとわかっていたので、一旦停止し、携帯のGPS(昨日、なぜ使わなかったのか、自分でも不思議 ^^;)で現在地を確認。
 やはり西に来過ぎていたので、少し戻り、富士山静岡空港・東名吉田IC方面への分岐があったので曲がってみます。
 が、今度は大井川にかかる車道橋に出てしまい、再度GPS観測してみたら・・・東に戻り過ぎていた・・・。

 文明の利器に頼ったところで変化なく、西に東に行ったり来たり。
 今日も今日とて盛大な迷子(本日一回目、通算四回目)になった挙句、やっと曲がり所を見つけました。


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発見しました、案内表示。


 これを見つけるまでに、どんだけ時間がかかったことか・・・。
 本当はあちこちに案内は出ていたのかもしれませんが、気付かなかったな・・・(^^;)。
 まあ、何はともあれ9:50頃、暫定目的地に到着です。

2.世界最長の木造歩道橋で大井川を渡る
 ここは「越すに越されぬ大井川」として有名な大河川、大井川。
 暫定目的地に設定していた蓬莱橋には、個人的な体感時間にして、それほど大した事もなく到着してしまいました。


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蓬莱橋の袂にあった句碑。
"しくれけり 暮るるもあはれ 大井川"

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蓬莱橋は大井川にかかる木造橋。
架橋以来、何度も流失したが、
何度も架け直されたらしい。

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木造の歩道橋としては世界一の長さで、
ギネスブックにも登録されているらしい。


 世界最長の木造歩道橋ですが、自転車も渡れます(ちなみに、渡る時には通行料100円が必要)。
 せっかくここまで来たのですから、渡って行くことにして、番小屋に100円を支払い、橋上に足を踏み入れます。
 なお、左岸の袂には、『随時敷板等を修繕しているが、通行時には足元注意』とか、『強風のため通行注意』などという注意書きが出ていて、何やら侮れない雰囲気がします。

 実際に渡ってみた感じですが・・・。
 かなりの場所で、緩んだ釘が、敷板のたわみとともに木材に擦れ、二条城の鶯張りの廊下のような、キュッキュという音を立てやがります(これが不安を煽るんだな・・・ ^^;)。
 この日はそれほど風も強くなかったので、横から煽られる感じはありませんでしたが、橋の天板がぐわんぐわんたわむ感じが何とも言えない雰囲気でした。


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全長897.4mの半分くらいで。
対岸、遠いね~。

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横を向くと、雄大な大井川の流れが。
ちなみに、橋の高さは結構あるので、
高所恐怖症の方は、かなり怖いかも。

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あと、左右の手摺の高さはこんなもの。
(目安で、大人の膝高くらい)
乗車したまま端を走ると、
完全に体が手摺の上に出る。
コケたら水面か中州まで真っ逆さまだ。


 天然鶯張りの天板に、低い手摺に、と、なかなかにスリリングな橋だったので、乗車しての徐行通過では、可能な限り真中をキープ・・・。
 チキンとか言う方、走れるものなら、乗車したまま左右どちらかの端を走ってみてくださいな。
 手摺の上に、完全に体が出た状態でコケたら、間違いなく下に落ちますし、大井川は川幅が広くて体が吹き曝しなので、突然強い横風がゴオッと来ますし・・・。


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やっと終点が見えてきた。
右岸はいきなり河岸段丘に接続している。

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右岸から左岸を振り返ってみた。
越すに越されぬ大井川を越した瞬間。


 蓬莱橋を渡り切ったら、いきなり河岸段丘に登り上げる激坂が現れます。
 この坂が、斜度はキツい、路面は継ぎはぎだらけでボコボコで、と、登るにはかなり厳しい坂です。
 インナーローで回しますが、前日の乳酸がしっかり筋肉の中に滞留しているようで、かなり厳しい・・・。

 そんな中、カラスアゲハが一頭、青光りする羽をキラキラさせながら眼前を通過し、思わず虫好きの目がそっちに向いてしまったり(笑)。
 左岸の袂と比較すると、人の数も少ない、静かな場所でした。

 で、台地の上の平原に出たら、そこは一面の茶畑!
 これぞ静岡、という見事な緑の波が広がる風景で、ちょうど刈り入れ時か何からしく、あちこちで作業をしている皆様がいらっしゃるためか、周囲にはお茶の葉の爽やかな香りが充満しています。

 台地の上の道を北上するように走って行くと、右側が大きく開けて、大井川と対岸の島田市街地が一望できる場所がありました。


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台地上から、島田市街地を一望。

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ふと振り返ると、
さっき渡った蓬莱橋が見える。


 暫定目的地をクリアしてしまったことで、のんびり旅度に磨きがかかったのか、随分お気楽気分で道を進みます。

 相変わらず、周囲は茶の葉の良い香りがしています。
 この辺りのお茶は品質も良いようで、畑の中に受賞履歴を誇らしげに掲げている農園あり、お茶と水しかないという潔すぎる自販機を出している茶葉加工場あり、と、茶所らしい?風景が続きます。
 その、あまりに良い香りをかぎ続ける道で、「お茶の郷博物館」の駐車場にある売店で、抹茶ソフトクリームの看板を見つけてしまったら・・・。


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食べたくなるでしょ。
これは期間限定販売の、
新茶パウダーをトッピングした、
新茶ソフトクリーム。


 甘味補給後、駐車場の手洗いを借りて再出発。
 この頃から、どこまで西に行けるか「攻める」モードから、旅を「楽しむ」モードに気分が転換していました。
 もう、先を急ぐとかそんなのではなく、自分が楽しめればいいじゃんか、と、そういう感覚です。


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正面の山に「茶」の字。

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給水塔にも茶の銘柄が。


 それにしても、大井川の右岸、金谷地域の皆様は、地域全体で地元名産品を推している感じですね。
 茶畑を巡るウォーキングコースも設定されているのか、地図を片手に歩いている人達を、何人か見かけました。
 日差しも暖かく、香りも良く、遠くまで見通せる見晴らしも良く、この台地の上を、なんだかグルグルと何も考えずに走り回っていたい気持ちになってきます。

 台地の北の端で県道381号線に出て、再度、国道1号方向に進みます。
 なんだかグルグルと、また道筋がわかり辛くなってきましたが・・・。


11043020.jpg
気付いたらここに出ていた。
小夜の中山、ということは・・・。
(これはトンネル手前の茶屋の脇で撮影)


 この辺り、夜泣き石と、子育て幽霊伝説?のある、あの小夜の中山、ですよね。
 確か、ここも交通の難所で、トンネルを何カ所も抜いて、道路を色々付け替えて、今の道路形状が出来上がっている・・・と、それはわかっているのですが、ここからどうやって進めば良いのか、良くわかりません。
 掛川方面、こっちからは進めない、と閉め切られたスロープと、道路本線?があるので、本線側を進んでみると、やたら車道幅員が狭いトンネルが・・・。

 ここの車道左端を通るのは危険だな、と判断し、少し戻った所で、反対側にある自歩道に入り、トンネル内もそこを通ります。


11043021.jpg
安全第一で考えたら、
こっちに避退するのが得策。


 ただし、この自歩道も、ラバーポールで仕切られているだけの、かなり怖い場所だった上に、砂や小石がたまり放題で、パンク耐性に信頼のないタイヤでは絶対に走りたくない状況でした。
 トンネルの向こうで、旧道?との交差があったので、そこからタイミングを見て車道走行に復帰。これで掛川市に入りました。

3.ひたすら平坦な掛川を進む。
 掛川市域の1号は、ひたすら平坦な道です。
 ・・・で、この日はひたすら向かい風でもあったという・・・(笑)。

 自転車で平坦地を走るときには、どうしても風の影響を無視できないですね。

 そして、ここまで走ってきた感覚で、静岡県内の道路標識、特に行き先と距離表示に、ちょっと特徴的な傾向があることに気付きます。
 いわゆる青看板の行き先方向の表示は、基本、バイパスの方向を指しており、旧道は「市街地」などの表示で示される方向になること。
 距離表示は基本、バイパス利用時のそれを示しており、実走との差が大きいこと(旧道経由だと長くなる。遠い所ほど余計に)。
 ちなみに、距離表示は旧道沿いに逸れた後にも出ますが、その際、「さっきから全然減ってねえ!」と思わされることもたまにあるので、新道区間で距離表示を見たら、+5kmほどイメージしておくとショックが少ないです(^^;)。

 ついでに、平坦&直線が多いため、自動車の運転手にはちょっとキツい区間でもあるようで、車道左端の白線には車が踏んだら振動が伝わるよう、凹凸のある形でプリントされています。
 こういう場所は、自転車で走ると、手首にガコガコと衝撃が来て、かなりキツい場所だったりします・・・。

 余計な話を挟みましたが(笑)、掛川市域を西へと進みます。
 さすがにこの辺りまで来ると、バイパスとの分岐形状も素直になり、側道への避退もスムーズに進みます。


11043022.jpg
例えば、(多分)袋井バイパスの入口など。


 分岐後の道が国道指定を外れ、県道や市道になっていることも多いですが、基本的には旧国道なので、基本的に黄線対面通行になった道が続くので、昨日のような盛大なミスコースはほとんどないでしょう。
 掛川市内に入ってからは、暫定目的地を浜松に設定して前進を続けることにします。
 やがて袋井の市街地を知らぬうちに抜けると、左前のガソリンスタンドの壁面に、「桶ヶ谷」の文字が。

 「ん?」

 と脳裏の何かが反応したのと、すぐ近くに自販機を多数並べた小さな商店があったので、ドリンク補給の休憩を兼ねて携帯のGPSで現在地をチェック。
 やはり!と、自分の直感が正しかったことを確認。

 ここは昆虫好きには外せない、桶ヶ谷沼のすぐ近くでした。
 今では国内では非常に数が少ない、ベッコウトンボの繁殖地で、ちょうど今が成虫期のはず。
 ならばちょっと寄り道、散策してみよう、と、国道1号バイパスの下を潜って、桶ヶ谷沼へと向かいました。


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沼の入口にあるビジターセンター。
桶ヶ谷沼の環境に関する展示があるらしいが、
今回は入らなかった。


 既に正午を回っていたので、ビジターセンターの裏手にあった喫茶店で昼食をとり、窓から桶ヶ谷沼方向を見ます。
 ちょうど5月の新緑が美しい時期で、水際にはベッコウトンボだけでなく、ヨツボシトンボや、止水性のサナエトンボの姿が見られることでしょう。

 ・・・しかし、そこまでのアクセスルートは、パッと見た感じでは砂利道・・・。
 ロードバイクと、ツーリングシューズで歩いて行ける場所ではなさそうです。
 どうする、無理してでも接近してみるべきか?と考えながら店を出ると・・・。

 空の色が、急激に怪しくなっていました。
 おいおい、今日一日は天気も持つんだよな、と、雨雲レーダーを確認してみると・・・愛知県の新城、豊橋あたりに、既に発達した雨雲が到達しています。

 どうやら、雨雲の東進が天気予報より早まったようです。
 散策よりも、どこかで雨をやり過ごす場所を探す方が先だ、と、西進を継続することにして、国道1号に戻ります。

4.急変した空模様の下を
 市域は既に磐田市内。
 今までほとんど平坦路だった1号は、ここに来てアップダウンが何度も繰り返されるようになります。
 雨雲の接近に伴い、風も強くなり、それがまた向かい風という、なんだか昨日のデジャヴュが・・・(悪い意味で)。

 とにかく、大型店でも駅舎でも何でもいいから、自転車ごと逃げ込めて、撤退の手段も容易な場所は・・・と考えても、そんなに都合の良い場所がある訳がなく、浜松まで行ってしまった方が良いか、と思いはじめます。

 磐田市の市街地に入った頃、ついに雨が降りはじめ、これはいかん、と、すぐ近くにあった大型店舗の軒下に避難・・・したら止んでいた(笑)。
 この後、何度かこんな事を繰り返したので、恐らくは強風で切れ切れになった雨雲が飛んできて、ごく局所的な範囲にだけ、雨を落としていたのだと思います。
 雨雲レーダーを見ても、ごく小さく、弱雨のプロットが出ているだけで、雨雲本体はまだ愛知県から静岡県へと侵攻を開始した段階でした。

 何だよ、まだ何とかなりそうじゃないか、と、前進を再開します。
 やがて、中央分離帯のような細いコンクリートの段差と、金属フェンスとで国道と県道(両者ともに車道)が分けられている、という、かなり特徴的な区間が現れます。
 ここは事前に地図で見て、「どんな道だよ」とツッコんでいたのでわかります。
 やがて道は、天竜川に至るはずです。


11043024.jpg
その通りで、天竜川に出た。
空模様は、かなりヤバい状態。

11043025.jpg
国道1号の新天竜川橋の車道は、
軽車両通行禁止。
自転車は自歩道橋を渡る事になるが、
これがまた、車が走れるほどの規模だ。

11043026.jpg
ちなみに、新天竜川橋が完成するまでは、
隣の旧橋の、
ギリギリ2車線幅員の車道を命がけで突破するか、
上下流5kmほど離れた場所にある、
別の橋を渡るしかなかったらしい。


 天竜川は、遥か上流、長野県は諏訪湖から流れてくる川です。
 昨年、糸魚川ファストランですぐ近くを通っているので、一年ぶりに同じ水系の姿を、生身の体で間近に見た事になります。
 しかも、上流端と下流端という、全く正反対の場所で(笑)。

 とか何とかやっている間にも、雨粒の落ちる頻度が上がってきており、雨雲の侵攻より早く浜松駅に到達する事を考えるべき状況になってきました。
 午前中に渡った大井川にも劣らぬ長い距離を渡る途中、前方にママチャリとMTBが走っているのが見えました。
 ほとんど車道橋級の規模のある自歩道橋なので、対向車や歩行者がなければ、追い越す事は簡単でしょう。

 で、さすがに雨が降りそうな天気の今、歩行者の姿は橋上にはない訳で。
 先にMTBにママチャリを追い越してもらい、その後、私が2台をまとめて抜けば良いか、と、速度差を考えて目論み、しばらく後ろにつきます。

 やがて、MTBが加速してママチャリを追い越したので、私もその後方から追い越しを開始・・・と、ちょっとおい、MTB、まっすぐ走れ!
 疲れているのか、何かの酔狂か、これだけ広い自歩道橋の全幅くらいの範囲をフラフラと左右に、不規則な周期で蛇行します。

 どうやって前に出るか、前に出ない方がいいのか、と思っていると、MTBの蛇行運転の原因、大まかに判明、運転者が脇見運転してやがる・・・。
 帽子と、覆面のように顔を覆ったタオルか手ぬぐいかで、何がなんだか分からなくなっている頭部が、ずっと左の旧橋側を向いています(危ないなぁ、おい)。

 ・・・しかし、そういう事なら、遠慮なく通らせてもらおうか・・・。

 左に一度大きく傾いた時を見計らい、右の欄干すれすれのラインを通り、ロードの加速で一気に横並びになり、追い越・・・そうとした時に、またも右にフラッと寄ってきます。
 まあ、予測していた事なので驚きはしませんでしたが、そのまま寄って来られたら接触しかねません。こちらは既に右の端を走っており、逃げ場もありません。
 仕方なく、相手の右バーエンドを軽く押し、こちらの存在を気付かせます。
 びくっとした様子で脇見運転をやめた相手が、バックミラーの中で、転ばなかった事を確認、そのまま通過しました。


11043027.jpg
新天竜川橋の右岸側袂。
あらら、どこかの橋のデジャヴュっぽい(笑)。

11043028.jpg
ここからは左下の県道へ、
九十九折のスロープを下る。


 新富士川橋(名前出しちゃった・・・)と比べたら、はるかに良心的な勾配と整備状況のスロープ(恐らく、車椅子利用を想定している。新富士川橋はそんなの、全く考慮されていないと思う)を下り、県道の車道に復帰しました。
 浜松駅は、このまま県道を直進し、途中で国道1号と合流した先です。
 空模様はというと、時々ぱらっと、風で飛ばされてきたらしい雨粒が落ちる時があるものの、何とかギリギリ、持ちそうです。

 浜松駅を当面の目的地に設定し、今にも崩れ落ちそうな空の下、市街地の規模が今までの都市部より大きくなり、明らかに自動車の交通量も増える中を進みます。


11043029.jpg
途中、走りながらノールック撮影。
浜松アリーナ。
傾いてるが、通り抜ける一瞬、
一枚だけの撮影だから仕方がない。


 ここまで来たら、すぐに国道1号が右から合流し、浜松駅はその先、2~3kmの距離です。
 雨雲到達前に、駅まで行く事が出来そうでした。


11043030.jpg
そして、浜松駅に到着。


 14:00頃、雨雲到達前に、何とか駅に到着。
 携帯で雨雲レーダーを確認すると、既に浜名湖まで雨雲が迫っており、やがて浜松も雨になりそうです。
 時間は少し早めですが、今日の行動はここまでとして、翌日以降、全国的に天気が崩れる予報である事から、仕切り直す事にして、輪行で関東に戻る事にしました。

5.そして帰還の道
 浜松駅の北口前で車体をバラし、輪行準備をしていると、通りかかる人の何人かが好奇の視線を向けてきます。

 中には、「パンクしたんですか?」とか声をかけてくる人もいましたが、「これから新幹線で東京まで帰るんですよ」と答えると、一瞬、目を白黒させ、ここまでどうやって来たのか、という話になります。
 当然のように車体を指差して、「これで走って来た。2日かかった」と答えると、バケモノを見る目で見られてしまいました・・・(あのさ、たかが250km程度だよ?頑張れば20時間以内で走れるよ?)。

 まあ、最近はこの、一般の皆様の「へ?」とか「げっ!」とかいう反応が楽しくなっているんですけどね(^^;)。


11043031.jpg
輪行状態・・・。
何度も迷子になった私には、
車内広告のナ○タイムが、
当てつけにしか見えない(笑)。


 輪行袋に車体を詰め込み、新幹線の時間をチェックすると、これから東京方面に向かうと、どうしても夕方に都心着になってしまうようでした。
 昨日の夕方ほど体調は悪くないですが、都内の雑踏の中で車体を担いで歩くのは避けたい所です。

 ちょっと考えた結果、新横浜まで移動し、そこからは日産スタジアムの帰りと同じルートで自走することにして、14:20発のこだまに乗車。
 そして、この日の朝、出発した静岡には、たった25分程度で到着・・・。
 新横浜までも、1時間半。

 速過ぎるぞ、新幹線!
 味気ないぞ、新幹線!

 まあしかし、普通一般の皆様であれば、効率の良い移動手段として、新幹線を利用しますわね(^^;)。
 自転車乗り的には、スタート or ゴールへのワープの手段にしか思いませんけれど・・・(自転車乗りは、非効率極まりない「自転車移動」こそが楽しみだから・・・)。


11043032.jpg
新横浜駅で輪行状態を解除。
ここからは再度自走だ。


 新横浜の到着は、15:57。
 天気の崩れはまだここまで及んでおらず、少し厚めの雲の間に、まだまだ青空が見えています。

 新幹線の座席に座っている間に、急に動きを止めた全身の筋肉が悲鳴を上げはじめ、筋肉痛の症状が出て来ていました。
 最後に回復走も兼ねようか、と、残りの約50kmをスタート。

 ・・・うわ、関東も物凄い風になってるじゃないか!
 街路樹の枝が折れんばかりに揺れ、店頭の幟がなぎ倒される勢いで強い風が吹いています。

 ・・・背中から・・・。

 初日の夕方から、色々な所で(特に、清水~静岡間では)前進を阻む壁になってくれた風が、最後の最後に後押ししてくれました。
 ・・・強力過ぎるパワーで・・・。

 とにかく、綱島街道を丸子橋まで走り、超久々に多摩サイ経由で多摩水道橋まで走る事にします。

 しかし、この二日間を走って、一番怖かったのが多摩サイってのはどうなんだかなあ・・・。
 さすがに、以前ほど無茶な無法をやらかす馬鹿野郎の姿はなくなった、というか、スポーツ自転車乗りの姿自体が減っていますが、それでも無秩序ママチャリは相変わらずの状態です。

 ほんと、問題は、この無秩序ママチャリですよね・・・。
 スポーツ自転車乗りは、自転車雑誌の啓発記事や、仲間内のコミュニティでの情報交換により、やがて無法な行為もなくなって行くものなのですが、そういう情報に触れる機会のない、一般ママチャリ乗りのこういう行為は、どうすればなくなるのか・・・。

 まあそれはさておき、多摩水道橋で狛江に渡り、そこから都道411号を北上して帰宅。
 最後の方は、回しても回しても速度が出ず、随分ヘタレたなあ・・・と思ったのですが・・・。

 自宅到着後に見てみたら、後輪ブレーキのセンターが狂い、シューがリムに接触した状態で走っていたようで・・・。

 あれ?
 輪行を解いた時のチェックでは、ちゃんとセンターに合ってたんだけどな・・・。

 まあ、とにかく大きな事故もなく、18:00頃、自宅に帰着。
 自宅への自走も含む、総走行距離、289km。

 初めての東海道方面へのアタックは、初日のルート設定に様々な反省点を残しましたが、次回以降、愛知へ、琵琶湖へ、京都へと、さらに遠くを目指したくなるには十分な道でした(愛知は、ホントに目の前だったしなあ・・・)。
 次回、どのタイミングになるかはわかりませんが、「可能な限り遠くへ」のチャレンジは、また行いたいと思います。

 ・・・しかし、東海道を盛夏期にやると、死ぬだろうな・・・(日影が少ないから・・・)。

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コメント
真夏は2泊3日がお勧め(キャノボ非推奨w
いや、大変乙かれ様でしたw
それにしても、自分も長いこと東海道を走っていますが、蓬莱橋の存在を意識したことは
これまで無かったです。
いや、大井川にあることは知っていたんですけど、まさかいつも通っている道のこんな近くに
あったとは・・・。
キャノボではなく観光で行く時は、ぜひ寄ってみたいトコロです。

ちなみに、宇津の谷峠、小夜の中山、大井川橋、新天竜川橋、すべて「真夜中」に、通った
ことがありますw
いやもう、これが怖いの何のって・・・。(^^;ゞ
小夜の中山なんて、周りはお墓だらけですしw
とはいえ、バイパスに突っ込む自転車乗りの方がはるかに寒気を覚えるのは確か。
私も富士由比バイパスで見たことありますけど、ついうっかりならまだしも、確信犯で突っ込む
人には困ったもんです。

ともかく、帰りの新幹線で「諸行無常」を感じるのは、もうある意味お約束でしょうw
次回さらに西進されるようでしたら、見所としてはやはり浜名湖が抜群です。
その先の、潮見坂もなかなかですし(ぉ、さらにまたその先で、(違う意味で)聖地と言っても
過言ではない、「キャノンボール」という名のボウリング場も拝めますw
それではまた、ロング談義でお会いいたしましょー。
2011/05/03(火) 00:35 | URL | DFR.@XRF #0WSlQOM6[ コメントの編集]
観光ライド
蓬莱橋は、多分旅モードにならなかったら寄らなかったですね。
東海道は、本当にあちこちに小さな見所が多数あるので、キャノンボールではない旅の方が楽しい気がします。
あ、でも、蓬莱橋は、渡った後のルート設定がちょっと面倒なので、ご注意を・・・。
(200円で往復してくるという手もありますが・・・)

それにしても、あの難所群を真夜中に通過ですか(^^;)。それは怖い。
宇津ノ谷トンネルくらいならともかく、小夜の中山はホントにこの道でいいのか?と思う場所が多くて、夜は通りたくないと思った場所でした。
中途半端に人里から離れているのも、夜になると、どこか不気味ですしね・・・。
(完全に離れていたら、開き直れるのですけど ^^;)

浜名湖は、次の目的地の筆頭ですね!
ウナギを食べて帰ってくる、という旅が出来れば、満足度も高そうな気がします。
2011/05/03(火) 10:25 | URL | YO-TA #-[ コメントの編集]
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Author:YO-TA
2011年7月に東京から仙台に移住。
相変わらず、デジカメ片手に、サイクリングやハイキングを楽しんでいます。
突然、突拍子もないことをやらかしますが、それはまあ、ご愛嬌という事で…。

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