日々是遊歩。見て、聞いて、感じて、それを殴り書き。

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BRM416西東京200km山中湖 参加記録

 今回のオールナイトブルベを走って思ったこと。

 実体のない幽霊やら何やらよりも、至近距離を疾走する大型トラックの方が何倍も怖い!

 真っ暗で、他に誰もいないから怖いって?
 それはつまり、「自分がヘマしない限り、安全」という事でもあるんですよ。

 とにかく、夜の山道にまつわる怪談ってのは、ほとんどが自動車の室内から外の世界を見ているからこそ、「うかがい知れない恐怖」が題材になるのです。
 むき出しの体で暗闇の中に放り込まれたら、「怖い前に寒いっちゅーねん!」となること、請け合いです。

 そんなどうでも良い与太話はそこまでにして、本題です。
 私のブルベデビュー戦、BRM416西東京200km山中湖が終了しました。
 初ブルベで、いきなりオールナイト走行。
 普通なら、200、300とクリアして、400で初のオールナイト走行、となると思いますが、デビューでいきなりってのは・・・。

 まあ本当なら、本来なら3月にBRM312青葉200km道志みちをクリアして、その後にこのブルベ、という計画だったのですが、前日に発生した東北地方太平洋沖地震のために延期が決定した結果、こちらがデビュー戦になってしまった経緯があります。
 本気でいきなり選んだ訳ではないです(^^;)。
 (それ以前に、PBP開催年だったから、1~2月開催の200kmは、早々に定員でエントリーできなくなっていた事もあるし・・・)

 初体験だからか、それとも単に私がまだまだ弱いからか、本当にタフなコースでした。
 何事も、初体験の印象は強烈な物がありますが、今回は特に初、初、初尽くしだったので、全てが強烈に残っている気がします。

 普段から長文癖のある私ですが、今回も相当に長くなると思いますので、気長にお付き合いいただければと思います。

 という訳で、今回の本文は裏置きしましたので、興味のある皆様。
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 今回のブルベ前には、不安材料は本当に色々ありました。
 本業の業界が、1~3月の年度末期間は地獄の忙しさで、特に3月は地獄の日々で、肉体的な疲労が蓄積していること。
 3月の震災以来、どうにもモチベーションが保てず、100km以上走っていなかったこと。

 他にも、数え上げればきりがありませんが、大小様々な懸念事項が色々でした。

 さらに、開催週の頭には、土日には雨の予報が出ていて、どうなる事かと気をもんでいましたが、水曜日頃から雨の予報は金曜の夜に転じ、土曜の夜以降は雨の心配はない、という予報に変化しました。

 喜んだのもつかの間、土曜日の日中は最高気温が夏日に届きそうな超高温が来るとの事・・・。
 気温差が本当に激しくなりそうで、今度は好天過ぎるという、逆方向からの心配が出てきてしまいました。

 しかし、ジタバタしても仕方がない、と覚悟を決め、当日を迎えました。


スタート地点まで
 昼間は暑いくらいだった16日土曜日ですが、夕方になると例年並程度に涼しくなってきました。
 これなら夜は冷えるな、と考えて、服装は当初の想定通り、メッシュインナーに厚手の登山用保温インナー(下手なセーターより暖かい)、長袖ジャージの三枚重ねを基本とし、極寒の時間帯には、上にアウターシェルとしてレインスーツを羽織ることにして、スタッフバッグをボトルケージに差し込みました。

 自走で自宅を出発したのは、まだ残照が西に残る18:30。
 以前、スタート地点まで試走した時は1時間半程度で着きましたが、夕方で交通量が多いことを考え、30分早めました。


11041801.jpg
暗くなった頃、多摩川を渡る。

え?どこが多摩川かって?
画像中央から下、
左右の町灯りに囲まれた範囲です。

こんな暗黒空間の中、
無灯火で突っ込んでくるママチャリ&ロードは、
自殺願望があるとしか思えない。


 そして町田市方面に向かうべく、夜の尾根幹線で、若葉台の急坂を登っていると、歩道上を行く電動アシスト付ママチャリに、涼しげに追い抜かれました・・・(何かの前兆か?w)。

 途中、甲州街道や鎌倉街道などの幹線道で渋滞が発生していた影響で、結果的に、時間の読みはぴったりになったようで、20:30頃に現着。
 ちょうど同時に到着した参加者の方(スタッフに馴染みの方も多いようで、そこそこの回数、参加している方だと思う。お名前を伺っておくべきだったか?)と、この後走るコースについて色々話しながらモスバーガーでホットコーヒーを飲んでカフェインを補給。
 今野製作所さんの駐車場にテントが立ち上がったのを見て、受付へと向かいます。

 私の受付番号は7番。とっても早い受付番でした(^^;)。
 (おかげで、第一ウェーブでスタートできました)

 本当は80人ほどがエントリーしていたようですが、実際に走るのは約50人程度だったとのこと。
 震災の影響や、悪天候の予報が出ていたことに加え、信濃と千葉で同日開催のブルベと被っていた人のうち、今年の200認定を既に取ってしまった人達が、他の開催(同じ距離は一つもなかった)を優先したり、と、そういう影響があったのかもしれません。

 スタート前の雰囲気は、全体的にユルい感じでした(笑)。
 今まで、色々な商業的なロングライドイベントに出てきましたが、他のイベントでは「ちゃんと完走できるかな、どうかな」という参加者の緊張が感じられたりする物なのですが・・・。

 まあ、既にブルベを走るレベルに達した皆様ですから、200km程度でジタバタする必要はないのでしょうけれど(笑)。

スタート~PC1
 スタート地点は、今野製作所さんの裏手にある、淡嶋神社の敷地?内の公園でした。
 受付を済ませた皆様から、流れで移動になりました。


11041802.jpg
受付中。
皆様、ブルベの夜間装備なので、
反射ベストとかなんとか、
とにかく色々光ってギラギラ(笑)。


 しばらく、公園の藤棚の下で参加者の皆様と色々喋っていると、スタッフの皆様も現れて、ブリーフィングが開始されます。
 注意点としては、

・山中湖の最低気温が、氷点下の予報になっているので、寒暖差と、未明の路面凍結に注意する事(籠坂峠の向こうには、できれば明るくなってから下って欲しいとの事)。
・江ノ電の路面区間は、レールに車輪をとられると落車必至なので、厳重注意(最悪、ホイールが壊れる。まあ、そうなっても終電には間に合うかも・・・という笑い話あり)。
・都心近郊~神奈川県内がコースなので、夜中とはいえ車が多いかもしれないので、注意する事(安全面を考えたら、昼間にはとても開催できないコースなんだとか)


 他にもあった気がしますが、私の記憶にあるのは以上でした。
 その後、10人ずつくらいのグループ単位で順次、検車が始まり、7番目だった私は第一グループで検車を受ける事に。

 「ライト、ライト、テールに、メット、ベストに、ベルは?(チーン)はいOK。では準備ができたら、スタートしてください」

 という訳で少し早いようですが、スタート。出まーす、と声をかけ、夜の町へと走り出しました。

 最初は町田市内から、神奈川県を江ノ島まで南下するコースです。
 緩やかな下り基調で、この日は強い追い風だった事もあり、最初から、意識しなくてもスピードが出てしまいます。
 何人か、本当に速い(レース同然の速度で)走り去った皆様も居ましたが、大体が25~35km/h前後の速度で走っており、信号待ち等で停車していると、徐々に大きな集団になってしまいます。

 途中、夜遊びしていたか予備校帰りかの高校生に、「うわ、キメェ!なんだよあれ、何人いるんだよ!」と指を指された(はよ帰れw)時点で、私が紛れていた集団は9人が連なっていたようです(カウントど~もねw)。
 やがて先頭の方で走り慣れた皆様が分断を図ったのか、速度がぐっと速くなったので・・・自然、分散がはじまりましたが、赤が長めの信号でまた一つになるという感じで、寄ったり散ったりが続きます。

 通常のブルベだと、25~28km/hアベレージで走る、なんて話を良く聞いていたのですが、この日は序盤から、サイコンの読みで、30km/hを下回らない速度で進む、かなり速いブルベ。
 おかげで・・・途中、23時頃に通過するか?と考えていた相模台団地付近は、10時20分頃に早々に通過。
 23時頃には、既に県道43号線を追い風に吹かれて疾走中でした・・・。

 ちなみに、県道43号線に入ってからは、なぜか私のペースに合う人がいなくて、延々続く幹線道を一人旅・・・。
 その後、突き当たりを左折して国道467号に入る頃、2~3人ほどが後ろについていましたが、信号で切れたのか、いつの間にか姿が見えなくなっていました。

 しかし・・・夜間走行の一人旅は、イメージしていたものとは異なり、とにかく退屈でした。

 普段からソロで走っている事が多いので、苦痛は感じませんが、周囲が暗いと、ホントに風景が平板に見えるというか、変化を感じません。
 時々、ストリートビューで見た中央分離帯にドデンと立つ鉄塔とか、反対車線だけトンネルの場所とか、そういう風景におお!と思うものの、それ以外は特に何の感慨もなく流れて行きます。

 それよりも想定外の事態で、この時点でも冷え込みが結構あったようで、腹冷えから腹具合がどんどん悪くなって行くのが意識されます。
 厳冬期装備はさすがに大袈裟だろうと、腹巻きを外してあったのが裏目に出たようです。
 頭の中で必死に考えて、現在装備で転用できそうなものを考えた結果・・・。 

 背中のポケットに、ジップロックに入れて丸めて突っ込んであったキューシートを、信号待ちの間にジャージの中に突っ込みます。
 この結果、私は記憶だけがコースを辿る拠り所になりました。
 が、何度もキューシートと地図(国土地理院地形図、Web上のマップサービス、Google Earthやストリートビュー等)を対比し、コースを頭に刻み込んでいましたから、「別にいいか」と考えて、さっさと先を急ぎます。


11041803.jpg
この方向に、江ノ島がある。
・・・はず。


 やがて江ノ電の路面区間の並走を終わらせ、海岸線に出ます。
 ここからは国道134号沿いに西進すればPC1です。
 PC1には、AJ西東京のスタッフの皆様が待っていてくださいました。


11041804.jpg
PC1到着は23:35頃。
当初予定より1時間も早く到着。

真ん中、前照灯をつけているのが、
私の相棒。


 当初は、移動と休憩をあわせての平均移動速度を16km/hに保てば、13時間でゴール到着という計算でいたので、実走時間が恐ろしく短かった事になります。
 これは体が絶好調・・・なのではなくて、どう考えても追い風と下り基調の路面のおかげです(^^;)。

 この先もうまく行くとは考えず、23:45頃、PC1を出発します。
 風向きは、ごく弱い向かい風で、一緒にスタートする人はいなかったので、またも一人旅がはじまりました。


PC1~PC2
 江ノ島から小田原までの海岸線は、基本的にフラットで、松の防風林の間を延々と抜ける区間が多くあります。

 基本的に退屈です(笑)。

 勾配変化がない、風景があまり変わらない、一人旅で話し相手がいない、となると、もう、レポートで書くネタをどうするなあ、という、そういう方向に思考を巡らせるしかありません。
 (シカ注意、という変な看板が、変なタイミングで出てきた事くらいかな、ネタとしては・・・)

 本当は、時々見える青い海に、きれいだね~と感動したり、遠くに見える富士の高嶺を見て、あそこまで行くんだよね~とゲンナリしたりしながら走るものなのでしょう。
 しかし、何も見えないのでは仕方がない。サイコンの表示が30km/h付近になるように、と、それだけを考えて、一定のリズムで足を回しながら前進を続けます。

 時々、海岸線から波の打ち付ける音が響いてきて、対向車線を爆音轟かせて走って行く人達がいたりするのが、変化と言えば変化。
 一人旅だと、ホントに何もありません。

 やがて、134号から国道1号に写り、有名な松並木の中を抜けて・・・いるのは周囲の気配で分かりますが、あまり感慨はなく・・・。
 できれば、晴れた昼間に再び通りたい区間になりましたね。

 酒匂川を越えてしばらく行ったら、ランドマークに設定していた、一つだけやたら背の高いマンションが見えたので、あそこで右折、と意識を集中して小田原市街地へ。
 変則直進ポイントが、本当に互い違いの不思議な交差点で、以前、東京シティサイクリングでは、同様の交差点の手前で予備知識なく「突き当たりを左折」と言われ、直進すべき所を曲がるという盛大なミスコースをしたなあ、と思い出したりします。
 淡々と前進した区間では、その間に日が変わっていた事さえ、意識されませんでした。


11041805.jpg
PC2到着は1:05頃。
そろそろ底冷えが意識されはじめた。



PC2から、延々続く一人旅
 PC2では、これからはじまる長い登りに向けて、柑橘系のジュース、スニッカーズのミニサイズを2個、補給。
 この先の携帯食料として、アンパンがなかったので、「モッチリあんドーナツ」という物を購入します。

 そして、さすがに残り少なくなったドリンクを補給しようと思いましたが・・・。
 スポーツドリンクの500mlサイズが在庫切れというハプニング(うわ)。
 1Lサイズはありますが、シングルボトルだったので、それでは持て余します。

 仕方がないのでミネラルウォーターを購入し、東京マラソンエキスポで入手したスーパーヴァームを溶き、味が薄かったので、大豆ペプチド入りの回復系サプリも溶き、何が何だかわらかない味の、怪しいドリンクを作ります。
 あとあと、味がクドく感じられて、失敗だったと思うのですが・・・。

 10分ほど休憩していると、妙に大量の参加者がドカッと同時に到着して、店の前がちょっとうるさくなりはじめたので、出発準備をして1:25分頃、そそくさと出発。
 同時に出発する人はなく、またも一人旅開始です(というか、どうも私は一人旅が性に合っている気がする ^^;)。

 ここから先は、基本的に県道720号線をトレースすれば良い区間です。
 小田原大橋交番前を左折し、鉄道のガードを潜る。うんうん、記憶のとおり、と、相変わらずキューシートが腹の中なので、記憶のとおりにトレースして行きます。
 (今思えば、コンビニで新聞でも買えば良かったのだが、どうもそこまで気が回らなかった・・・。これが初心者の限界か)

 あとは標識をちゃんと見ていれば大丈夫だろう、と考えて進みます。
 そして再び、鉄道の下を潜った・・・ところで、いや待て、こんな所はコースにないぞ、と気付きます。
 ここは五百羅漢駅からちょっと進んだ場所。本来なら、鉄道の下を潜る直前で、Y字分岐を右に行くはずの所でしたが、気付かず直進してしまったようです。

 鉄道を潜ったすぐ先の信号ですぐに引き返し、本来のコースと思われる分岐を進み、正しいコースなら、この先で鉄道橋と並走して川を渡る、と頭に思い浮かべながら進むと・・・ビンゴ!その通りでした。
 タイムロスは多分5分以内、距離も100m前後しか違っていないでしょう。
 何だか、昔、低山ハイキングをやっていた頃に、複雑な分岐をいくつも抜けて目的地に辿り着いていた、あの時に感じた不思議な爽快感が蘇ってきます。

 と、浮かれていたら、次のY字分岐(栢山駅方面に向かう所)を通過しかけて、慌てて左折するなんてヘマをやらかしました・・・(これもカウントすると、ミスコースは二回になる?)。

 そしてコースはこの先、最初こそ対面通行の道を行きましたが、そのうち、どこの農道だよ、と言いたくなるような、狭くて暗い道になって行きます。
 相変わらず前後に参加者の姿はなく、本当にコース上を走っているのか、自信がなくなりはじめた頃、前方にぼんやり明るい空間が現れ、その中に橋のアーチと思われる鉄骨の構造物が見えてきます。

 もしや、あれが新大口橋か、と思っていると、道は堤防上に登り上げ、やがて神社を左手に見ながらT字路に突き当たります。
 キューシートの指示通り、山北町方向に向かうと表示された右折の後、すぐにその橋を渡った事から、正しくコース上にいる事を確認し、前進を続けます。

 山北町の入口辺りで、時間は2:00になりました。
 相変わらず一人旅で、PC2からここまで、前にも後にも、誰も参加者の姿を見かけません。
 クネクネと登り、下りした道からは、遠くに、国道246号の高架が見えています。
 これから先に進んだ所(山北町の入口付近からだと、西の尾根向こう)で合流するはずの道路が、とても高い場所に見える事に、幾分ゲンナリしたものの、一気に急勾配で登る訳ではないから、と思い直して、相変わらず一人で前進して行きます。

 変則直進と言われていた場所が、予期せぬ急勾配の下り(しかも外灯無し)で、うぎゃああ!と恐ろしかったものの、無事に山北町の市街地に到着。
 ここで岸入口交差点を西に折れ、県道76号線を小山町方面へと向かいます。
 
 しばらくは、青梅街道や吉野街道のような、山間の幹線道という雰囲気の道を進み、一度国道246号に出てトンネルを潜ると、すぐにまた右折して県道76号線に入ります。
 再度県道に入って感じたこと。

 ・・・暗い。

 一旦明るい国道に出たからか、暗さが引き立てられている気がします。
 外灯はあるのですが、最近の電力供給がひっ迫している影響か、普段からそうだったのか、ホントに申し訳程度の範囲(大きめの交差点付近など)以外の灯りは落とされていて、ほとんどの区間は暗闇です。


11041806.jpg
真っ暗なコースの雰囲気をちょっとだけ。
暗い場所は大体、こんな感じ(谷峨駅付近)。
これでも高感度撮影のため、
外灯の下が、かなり明るくなっている。

え?どこがコースかって?
真中の外灯の下を通って、
画像奥へと右にカーブしながら続いている。
・・・はず・・・。


 国道246号が左側に、煌々と明るいナトリウム灯の光を放っているのがまた悔しい・・・(場所によっては逆光になり、道が見難くなったりもした)。
 あの国道を走るコースにしてほしかった、なんて考えながら、谷峨駅入口交差点で、再度国道246号に合流。
 そこから生土交差点までは、明るい国道沿いを走るルートです。

 最初はよっしゃー!と思いましたが・・・体のすぐ脇、50cmの所を大型トラックやトレーラーが疾走していくこと、何度も。
 風に煽られ、路肩の壁やガードレール、ゼブラ帯の境界ポールが体に迫り、シリアスに命の危険を感じる瞬間が何度も訪れます(しかし、車線が狭いので、避けようがない)。

 すんません、さっきは贅沢言いました!
 県道でいいです!
 ていうか、是非、県道を走らせて下さい!
 (この区間は、迂回路がないからしょうがないけど・・・)

 馬鹿な一人コントを演じつつ、体感時間で「ようやく」と感じるに十分経ってから、生土交差点に到着し、小山町の市街地方面へ逸れます。
 また暗い道が復活(笑)。しかし、トラックに接触しそうなほど接近して走るより、今はこの道の方が安心できます。
 後方からの車の接近も、視野が明るくなる(車のヘッドライトは、自転車のライトは比べ物にならない)ので、すぐに分かりますしね。

 小山町辺りで、走行距離はちょうどコース半分の100kmくらいになります。
 気分的にも疲れていたので、小山町役場手前のコンビニで小休止しようと止まったら、少し寒さを感じたので、レインスーツを装備します(2:45頃)。

 何も考えずに羽織ったら、反射ベストの上に着そうになり、慌てて修正・・・(まだ慣れてないもんで・・・)。
 しかし、ここでレインスーツを装備したのは、後々考えたら正しい判断でした。
 この後、明け方までの間に、物凄い勢いで周囲は冷えて行き、最終的には氷点下にまで達しましたからね・・・。

 その間に、10人くらいの参加者が、列を作って道を進んで行きました。
 すっと一人旅で、他の参加者はどこに行ったのかと思っていましたが、どうやらコースは間違っていないようです。暖かい缶コーヒーを補給し、すぐにコースに復帰します。

 その後、コースを進むと、小山町役場の先でS字の急勾配の登りが出現。
 今までも、ジリジリとした緩やかな勾配で登ってきましたが、ここから先は登りの斜度がはっきりとして、籠坂峠まで完全に登りっぱなしになるという、全コース中で最もハードな区間になります。


地獄の登りっぱなし、20km
 コンビニ停止中に抜けて行った参加者を追いかけようと、小山町役場付近からK394を進みますが・・・ここから先は本当に凄かった・・・。

 小山町役場から先、市街地の先に突然現れるS字急勾配を抜けたら、あとはもう、ずっと登り。
 これまでの区間は、多少、下りや平坦の区間もあり、足休めができたのですが、ここから先はそんな場所はほとんどありません。

 しかも、外灯もほとんど設置されていない、暗闇のど真ん中です。
 水平面がどこなのか、そもそも平坦な場所があるのかさえ分からず、自分がまっすぐ走っているのか、ユラユラ左右にふらついているのかさえ、白線が見えなければ分からないという状態です。

 ちなみに、小山町役場付近の標高が約270mで、籠坂峠が約1,010m読み間違い。実際は約1,110mです(両者、国土地理院地形図の読みで判断)。
 標高差、約740m正しくは、840mですね、を一気登りって、おいおい、高尾山(約600m)を軽く超えてるよ(^^;)。
 実数を意識したら、また嫌になってきたんですけど・・・。

 とにかく、暗闇の中を、ライトの明かりだけを頼りに進み、K151に折れる交差点周辺だけは、さすがに明るくなっているものの、それ以外は本当に申し訳程度に街灯がついているか、自販機の「売切」の赤いランプが、遠くからでもやたらと目立つ風景の中を進みます。
 再び現れた国道246号との交差を過ぎてしばらく行くと、ゴルフ場のコースの間を縫うように、深い樹林の間の道を行くのですが・・・。

 遥か前方に、赤い光がぽつん。
 後方、バックミラーの中に、ほのかな白い光がぽつん。

 つまり、それが前後の参加者だと分かります。
 はあ、随分直線が続くんだな、と思い、激坂、というほどでもない勾配の坂を進んで行きます。

 10分経過しても、前後の光はそのまま。
 20分が経過しても、前後の光はそのまま。
 30分が経過しても・・・って、いい加減に変化してくれや!

 延々と、本当に延々と、暗闇という言葉の表現がそのまま当てはまる細い道を、まっすぐ、まっすぐ登って行くだけ・・・。
 前に見えるテールランプとの距離がほとんど縮まない反面、後ろの参加者も全然追いついて来ない。
 周囲はうっそうとした樹林で、全く見通しは利かず、霧も出てきたのか、ライトの前をごく小さな粒子が光を反射して飛んでいます。

 つまり、とにかく変化がなくて、ド退屈!
 しかし、道は一定斜度でずっと登っているので、拷問!

 少し変化を出そうかと、装着しているライトを全部ONにして、フルバーストで照らしてみますが、深い闇の中、手元がちょっと明るくなるだけで、遠くは全く見えません・・・。


11041807.jpg
この日の前照灯装備。
Owleye 3W、LD20、EL-520(1,800cd)に、
SG-305を追加した4灯体制。
(EL-520はLD20の下に吊り下げ装着)

これでも全然、
闇に太刀打ちできなかった。


 少し救いになったのは、あまりに暗い空間のため、目の暗順応が相当に進んだらしく、ライトを少なく(EL-520の1,800cdタイプ一つに)しても、10m先くらいまでは視認できるようになっていた事でしょうか?
 細かい部分はともかく、遠くの稜線と空の境目くらいは見えるようにもなっています。

 しかし、風景はほとんど変わらず、終点は見えず。
 時々、車が轟音(普通のエンジン音でも、静かなのでとにかく響く)をたてて追い越して行くと、遥か前方の遥か高所にある九十九折を、聞き覚えのある轟音とヘッドライトの明かりが通過して行きます。
 つまり、最悪、そこまで登る必要があるという事です。

 ホントに、この区間では、何度もDNFの三文字が脳裏を横切りました。

 キツい。
 ひたすらにキツい!

 途中、妙に明るいライトを縦に3つ並べた高速移動体が接近してくるので、何かと思ったらUターンしてきた参加者でした。
 「大丈夫ですか?」と声をかけたら、何やら合図らしいものを返された気がしますが、これも暗闇でよく見えず。
 今思えば、DNFした方だったのでしょうか?それとも、まさかこの区間をオカワリ登坂・・・(そっちの方が信じられん!)。

 とにかく、しんどい、辛い、もうやめたい、と、後ろ向きな思考が次々と出てきます。
 体調もそれに応じて悪くなっていったようで、もうここまで延々、坂を上がってきた両足の筋肉がビキビキと悲鳴を上げはじめ・・・やがて両足のハムストリングが硬直開始。

 私の体は、ハムストがつるとホントにクランクを回せなくなり、坂道の途中で推進力をいきなり失ってコケるので、ヤバい、と緊急停止。
 後ろに迫っていた参加者が、長い長い時間をかけて迫ってきて、「お疲れでーす」の声とともに、ノロノロと追い抜いて行きます。

 この時は、本気でDNFしようかと思いましたが・・・ふと空を見上げたら、空のほんの一画だけ、霧が晴れて星が見えています。
 ライトを完全に落としてみると、暗順応しまくった目に、星座を繋ぐのさえ面倒なほどの数の星が見えます。
 ブルベのナイトライドでは、怖いくらいに満天の星空の下を走る、という話を聞いた事がありましたが、その一端に触れた感じでしょうか・・・。

 それを見て、今までDNF(did not finish:リタイア)しかなかった頭の中に、新たにSOC(sense of coherence)という三文字が浮かんできます。
 首尾一貫感覚と訳されるそれは、私の理解では(間違いかも知れませんが)目的達成のために必要な手段を駆使し、一歩でも、半歩でもいいから前に進むこと。

 脳の中で、何かのスイッチが切り替わった気がしました。
 DNFしても、夜明けまでまだ何時間も、電車の運行が開始されるまで、こんな暗闇の中で待たなければならないのです。
 その苦痛と、先に進む苦痛、どっちがマシでしょうか?

 時間はまだ3:30頃。残り時間は十分過ぎる。
 今はクランクを回すのも無理な体ですが・・・少なくとも、歩くことならできる。
 ライトをもう一度点け、路面(路肩)の位置が分かるようにし、無様でも何でもいいや、と開き直って、しばらくは押し歩きです。
 道路の左右で、時々ガサガサと音がしますが、もうこの時は、「タヌキでもキツネでも、最悪(足柄に近いので)ツキノワでもいいから、出てこいや!」という気分でした。

 押し歩いている間、ごく近くに、川が流れている水音がしました。
 満月に近い月明かりの中を透かしてみましたが、水面は見えませんでした。
 しかし、川が近い場所ということで、押し歩いていた区間は、須走集落のすぐ下にあるS字の登りの直下辺りだったと思います。

 しばらく歩くと、ちょうどS字カーブの下辺りで筋肉の硬直が徐々に和らいできたので、再びサドルにまたがり、乗車で前進を再開します。


氷点下の峠を越えて、山中湖へ
 須走の集落に何軒かコンビニがある事は、事前に調べてありました。
 長い長いダラダラ登りは、最後に大きなS時のつづら折りを越えたら斜度も和らぎ、須走集落の中心を抜ける道になります。

 最初に見つけたコンビニに自主停車。
 同じように止まっていた、ご夫婦で参加されているらしい方と言葉を交わし、この先、峠までは勾配も大した事はないから、と聞き、随分救われた気分になります。

 コンビニ前で補給のために買ってあったあんドーナツをかじりますが・・・空腹を感じている反面、固形の食物は受け付けなくなっており、ふた口ほど齧ったら嫌になったので、背中のポケットに戻します。
 かわりに、峠の途中でヘタったら補給しようと思っていた、ここのコンビニで買ったゼリーパックをチューチュー吸っておきます(これを腹に入れるのも苦しかった)。

 ここでの停車は、体調を考えたら絶対に必要だったとはいえ、ちょっと長過ぎたでしょうか?
 低温下の休憩は、休憩にならない、とブリーフィングで聞いていました(あ、これも重要な教訓!)が、レインスーツを通して冷えが体に忍び込み、今までの登りで体に感じていた熱気は、全部吹っ飛んでしまいました。

 顎がガチガチ言いはじめたのを抑え切れないまま、まだゆるゆると登る道の前進を再開します。
 次のコンビニ止まっていたAJ西東京のスタッフの皆様から、「頑張れ」の声援を受け、思わず手を降り返し、そんなリアクションを返せる自分に、何だかんだでまだ余裕あるじゃん、と思い直して、須走交差点へ。

 ここからは、籠坂峠への緩やかな勾配を登って行く事になります。

 緩やかとはいえ、ここまでずっとずっと坂を登ってきた体にはこたえます。
 少し白みはじめ、黒から濃い藍色に変わってきた空の、遠く前方を伺うと、空に向かって突き上げる、巨大な白いものの存在が感じられます。
 (見える、のではなく、はっきりしないけれど、確かにそこにある、と知覚できる感じ。不思議な感覚だった)
 あれが富士山だな、こんなに近くまで来たか、という実感が湧いてきます。

 坂を登っているうちに、周囲は急速に明るくなり、濃い藍色が紫に。
 紫が赤紫に転じた後、空は薄く朝焼けの赤がかかった、独特のオレンジ色に変わって行きました。

 最初のヘアピンを抜ける頃、今度は完全に視覚として捉える事ができた、白い峰の姿が視界に入ります。
 霊峰、と呼ばれる理由も良くわかる、堂々とした存在感を四方に飛ばす、真っ白な富士山。ここまで来たぞ、と、そんな思いが沸き上がって来ます。

 途中、スタッフの方に写真(多分、最悪にヘロヘロな姿w)を撮られたりしつつ、ストリートビューで見たままの道を、今までとは打って変わっての爽快な気分でひたすら登ると、急な右カーブの先に、これまた急な左ヘアピンがあります。
 事前の予習で、これを越えると間もなく峠だ、という事が分かっているので、ビキビキに疲労した足でも、思わず力が沸き上がって、最後の数百メートルをクリアしました。


11041808.jpg
やっと籠坂峠を越えた。
ここに到着したのが5:07頃。
既に周囲は、ライトがいらないほど明るい。


 ついに来た!
 小山町役場から約2時間、暗闇の中、約20kmをずっとずっと登りっぱなしという、地獄の拷問のようなセクションをクリアです。
 ここから先は、山伏峠を除けば下り基調。経過時間は、当初想定を完全に下回っています。

 写真を撮ったら、即座に山中湖までの下りにかかります。

 山中湖は、ブリーフィングで聞いた話では、この日('11/04/17)の未明の最低気温は氷点下(-2℃)という厳しい冷え込みが予報されていました。
 実際、私が通過時点でも、途中の温度計は-1℃を指していましたし・・・。

 下りで急激に冷えた足が硬直しないよう、時々、回し切ってしまうほどの軽々のギアで足を回しながらダウンヒル開始。
 顔が寒さで硬直し、耳がキーンと痛くなるのを感じながら、下り坂をグングン進んで行きます。

 いくつ目かのカーブを曲がると、数メートル先に、茶色い動物が3頭ほど。
 ・・・えっと、その細身の体と、頭の角は・・・。

 鹿ぁ!!

 キツネやタヌキや、ツキノワは出ろと念じたけど、お前が出ろとは念じてねえ!
 っつーか、小田原の手前で見た看板の効力が、ここで発現するなぁ!

 咄嗟にブレーキをかけようと思いましたが、反射的に、急ブレーキでジャックナイフに入りそう・・・と躊躇った次の瞬間、さすがに野生の草食獣の反射神経。
 目が合った、雄らしい立派な角の個体がピィッと鳴くと、全ての個体が警戒反応で尻の白い毛を全開にして、あっという間に山の斜面へと消えて行きました。

 いやあ、こんな所で「鹿ぴょん落車」なんて、シャレにならない所でしたね(^^;)。
 ヘタすりゃ、前輪のホイールとフォークを持って行かれる所だったし・・・。
 しかし、伝説の人になり損ねた気もします(←待て!)。

 山中湖畔のPC3到着は、多分5:15頃。
 寒かったのと、とにかく空腹だったので、カップ麺と、コーラのミニボトルを購入して補給します。
 コンビニに併設された無料休憩所内には、到着していた参加者の姿が10人ほど。既に出発した皆様もいるでしょうから、私は真中から少し後ろのポジションかな、と当たりを付けます。

 休憩所の中は、風が当たらないだけでも暖かく、私にはとても過ごしやすい場所でしたが、そうでもない皆様も多いようで、じっと座って震えている方の姿もありました。

 それにしても、あれだけ登りに苦しんだのに、PC3でさえ到着想定時刻を上回った速さだったとは(当初想定は、5:40頃到着で、6:00までにスタートすれば、最後まで行けると考えていた)。
 カップ麺を食べ、トイレを借りた後、5:40頃にPC3を出発。
 何となく、ウイニングランの気分で、山中湖の周回を開始しました。


11041809.jpg
山中湖の朝焼けの風景は、とても美しかった。
ここに来る前にDNFしないで良かった。

11041810.jpg
山中湖には何度か来ているが、
湖岸でここまではっきり富士山が見えたのは初めて。

やはり霊峰、フォトジュニックな山だ。



朝冷えの中、道志みちの下り
 山中湖を周回した後は、下界に戻るべく道志みちに入ります。
 ここから先は、通った事が多いルートなので、ミスコースの心配はまずありません。
 時間にも余裕があるので、普段、個人で走っているときと同じ感覚で走れば、十分間に合いそうでした。


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キコキコと登ってきた山伏峠。
ここから長い長い下り坂がはじまる。
(キツい登り返しもあるけどね・・・)


 山伏峠に向かうまでの間に、LOOK乗りの人にあっという間に抜かれます。
 この時点で、私の体はもう、登りで踏めない状態になっており、あんなに力を残している人が信じられない気分です。

 山伏峠までは、それでも最後の最後に急勾配区間がある以外、それほど苦しまずに登坂終了。
 トンネルを抜け、いよいよ道志みちの下りにかかります。

 最初のヘアピンまでは勾配はそれほどでもないものの、そこから先は急な逆落としの道がはじまります。
 ブレーキを握らなかったら、あっという間に50km/hまで到達してしまう道は、下りに慣れていない人には恐怖の道でしょう。

 徹夜明けの体でしたが、身を切る冷気と高速で後ろに飛んで行く風景の恐怖に、意識が強制覚醒され、あっという間に道を進んで行きます。
 確か道の駅どうしを過ぎた時と、道志村役場前を通過する時に時計を見ましたが・・・その間、10分程度だったような?

 時々、思い出したような登り返しがありますが、ほとんど下りのその道を、時間の貯金を溜めるがごとく、高速で進んで行きます。


11041812.jpg
でも、途中で桜ポイントがあったので、
停車して数分間、お花見。
ここに来て、観光になってきた(笑)。


 しかし、余裕を持てたのは、両国橋まででした。
 そこから先、キツい登り返しがはじまると、レインスーツの中に体の熱気がこもり、徐々に苦しくなりはじめます。

 私の体は熱に弱く、それ故に、走行風の恩恵がほとんどないヒルクライムが大の苦手で、まだしも向かい風の方がマシに感じる体質ですが、その影響が徐々に響きはじめます。
 ベンチレーションとファスナーを解放しますが、それでも事態はあまり変わらず。
 とにかく、頑張って進もうと、それだけを考えて、神奈川区間のアップダウンをこなします。

 それでも、今度の青葉でPC3になるコンビニの位置を再確認するとか、そういう余計な事もちゃんとやっているのですから、まあ、まだ余裕はあったのでしょう。

 twitterのログから判断すると、青山交差点には8時前に到着していたはず。
 そこを右折して、尾根を越えた向こうのPC4へと向かいますが・・・この坂がきつい!

 走行距離にして、170km以上。
 東京都、神奈川県、静岡県に山梨県まで抜けて、再び神奈川県に戻ってきている体に、容赦ない鞭が振るわれている気分です。

 しかも、私は体温上昇で死ぬほど苦しくなっているというのに・・・。

 道志みちの途中から、もうインナーローでも何でも、全部使ってしまえ~という気分で走っていましたが、ここでは二度目の押し歩きをしたくなりました。
 幸いにして、最後の最後の心の心棒が残っている間に道は下りに転じ、コンビニの看板が見えてきました。

 最後の最後に、予想以上に苦しんで、PC4に到着。
 8:10頃でしょう(画像も撮っていないので、今は正確な時間、不明)。


PC4~ゴールへ
 PC4でグレープフルーツジュースと、須走で齧りかけたモッチリあんドーナツを食べようとしますが・・・もっちりドーナツは既に乾いて、カチコチになっていました・・・。

 ジュースで流し込んで補給終了。
 暑くなっていたので、レインスーツを脱ぎます。

 アウターシェルの中で蒸れたジャージからは、湯気が上がっていました。
 これは・・・寒いだろうな、と覚悟して、PC4を出発。

 案の定、最初の下りの走行風で汗が冷え、顎がガチガチ音を立てるほどの寒さに震える結果になりました・・・。
 (ウェアが乾くまで、しばし冷凍地獄を味わった)

 新小倉橋までは、嫌らしいアップダウンが続きます。次の青葉では、ここを往復走るのですから、キツい道になりそうです。
 新小倉橋の、微妙に登る嫌らしい勾配を登り、急激に登る高雄方面行きスロープを登ると・・・。

 既に限界を超えていた足の筋肉が、悲鳴を上げまくってくれました・・・。

 スロープを登り切った先の交差点で、あちこちがつった足を休めるべく、歩道に避退。屈伸運動をしたり、アキレス腱を伸ばしたりしながら足つり対策になりそうな物がないか、所持品を漁ると・・・。

 トップチューブに装着していたトライバッグの中に、メイタンチャージの黒を発見!
 随分前に放り込んでおいたまま、忘れていた物でした(賞味期限内でした。一応チェックw)。

 ここで梅エキスとカフェインを補給できるのは大きい!
 黒いパッケージが、輝いて見えました・・・。

 補給しながら、ここから先をどう走るか、もはや色んな味が混ざって何が何だか分からない味になっているドリンクを飲み、頭を冷やして考えます。

 PC4を出発したのが、8:20頃。制限時間は、11:30。
 残る距離は、久々に腹から引っ張り出したキューシートを見ると、20kmを切っています。

 あとはいつものペースで走っても、問題なく時間には間に合うでしょう。
 しかし、この先は市街地走行が主体であり、状況の変化に応じて走行難易度がコロコロ変化する、走る側には難しい道でもあります。
 また、コースも町田街道をずっと進むルートになっており、そろそろ人が活発に動く時間帯にもなっている事から、車通りも多くなってきています。

 対して、こちらは徹夜で180km以上を走ってきて、集中も切れかけ、筋力も限界、そろそろ睡魔到来も考えないとヤバい、という状態です。
 もはや、タイムアタックなど出来る体のコンディションでもなければ、自分にそんな経験値がある訳でもありません。
 それに、下手を打ってゴールできなければ、それこそ、不名誉な記録だけしか残りません・・・。

 ならばやる事は一つ。
 安全第一に徹する事。

 そう方針を転換し、絶対に無理はしない事を胸に刻んで前進再開。
 大戸交差点を、Uターンするように大きく回り込んで、町田街道に入り、キューシートの最終セクションに入ります。

 ・・・最後の最後に向かい風が・・・(泣)。

 登り坂より向かい風の方がマシ、と常々言っている私ですが、決して「向かい風が好きではない」のです。
 両者を比較したら幾分か楽だけど、どっちも辛い事には変わらん、というのが実態ですから、この向かい風はキツかった・・・。

 序盤、あれほど背中を押してくれた風が、最後に障害になるって、どういう事なのよ、と、皮肉な展開に悶えつつ、何度も走った事のある町田街道を直進します。
 さすがに見覚えのある場所が多いので、ここまで来たら、あとどれくらいでゴールだ、という距離感も分かってきて、足取りも軽く・・・いや、逆にゲンナリしてきます(^^;)。
 (だって、それだけの距離を、風に押し戻されながら走るんだからね・・・)

 それでも、いつも尾根幹線へと折れる小山交差点を過ぎ、Y字分岐を抜けて、舗装されたばかりの新しいアスファルト区間(今野製作所さんの前辺りは、舗装を直したばかりだった)に来たら、確実にゴールが近い事が意識されてきます。

 ほどなくして、右前方に、見慣れた反射ベストを装着した皆様の固まっている場所が見えてきます。
 蛍光イエローや蛍光オレンジのベストは、遠くからも視認性が高く、こういう時には目的地を確実に示してくれる、嬉しいサインになってくれます。

 最後、交差点を二段階右折の形でクリアし、今野製作所さんの駐車場へ。

 ゴール、9:23。
 走行時間、11時間23分で完走しました。

 当初目標からの短縮時間、1時間37分。
 苦手な登りが異常に長かったのと、初めてのオールナイトランと考えたら、自己採点では上出来だと思います。


完走、そして・・・
 ゴール後、レシートと時間のチェックを受け、メダルの要否を問われます。

 もちろん、OUI/YESにチェックし、千円を払って終了!
 テントで振る舞われたコーラを頂きます(体にしみ込むぅ・・・)。

 初めてのブルベは、本当に苦しくて、何度もやめたいと思うほどハードでしたが、終わってみれば楽しく、達成感のあるチャレンジでした。
 今回のコースは、歴戦のランドヌールが、「200kmとは思えない疲労感!」と何度も繰り返していたのが、とても印象に残っています。

 というか、これを走った後だと、沖縄本島一周が、とても楽なハードルに思えてきてしまいます。
 初めてのブルベは、それくらい、キツくて、しかし達成感のある物でした。

 ゴールの余韻に浸りながら、スタッフの皆様と雑談を交わし、秋の200kmにもエントリーしている事(キツいぞ、と脅された)。
 そして、次回は青葉の200だという話をすると、「青葉?」と、その場が一瞬、凍ったような間が・・・。
 へ?と思って話を聞くと、「青葉のキツさは別格だから、覚悟した方がいいよ。DNFは早目にね」という、とんでもないアドバイスが・・・。

 ・・・を~い、次回、大丈夫なんかな・・・。
 ていうか、日程通りだったら、「別格」がデビュー戦だった可能性があるとは・・・。

 どうやら、私のランドヌールの第一歩はうまく踏み出せましたが、その後がどうなるか、まだまだ予断できない日々になりそうです・・・。


 という所で、あまりに長くなったので、一旦筆を置きましょう。

 最後に。
 今回のブルベを主催してくださった、AJ西東京のスタッフの皆様。
 夜中早朝に関わらず、対応してくださったPCに設定されていたコンビニの皆様。
 そして、お疲れです、頑張りましょう、と声を掛け合った、多数の参加者の皆様。

 本当にありがとうございました。

 また、どこかのブルベでお会いしましょう!


※ちなみに、私は次回、「BRM312改め528青葉200km道志みち」に参加予定です。

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プロフィール

YO-TA

Author:YO-TA
2011年7月に東京から仙台に移住。
相変わらず、デジカメ片手に、サイクリングやハイキングを楽しんでいます。
突然、突拍子もないことをやらかしますが、それはまあ、ご愛嬌という事で…。

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