日々是遊歩。見て、聞いて、感じて、それを殴り書き。

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再びの南の旅路「ツール・ド・おきなわ2010」本島一周サイクリング参加記録 Part.2

前回のあらすじ
 雨の予報が出ていたツール・ド・おきなわの初日。
 しかし、私は今年これまで、イベントごとは晴続きのため、「天候は回復する」と楽観視して沖縄入りした。
 しかし、初日の走行途中段階から雨に降られ、ずぶ濡れの体で奥やんばるの里に到着したが、暖かい食事のおかげで復活。降り止まぬ雨の中、やんばるの森に向けて出発する。


 という訳で、レポートは初日午後、あらゆる意味で、今年の本島一周&やんばるセンチュリーのメインイベントタイムに突入です。
 道はいよいよ、やんばるの森へと進んでいき、天気は見事なまでに荒天化の一途。

 そんな道のりを進む参加者達は、どんな気持ちでクランクを回しているのか・・・。

 本文は非常に長くなったので、裏置きしました。
 画像も多くて重いのですが、興味のある皆様はRead Moreをクリックしてください。

 奥やんばるの里で昼食をとり、せっかく回復した体温を保持するためと、相変わらず降り続く雨に備えてレインウェアを装着後、午後の出走準備をはじめます。
 午前中に保冷ボトルに入れていたスポーツドリンクは飲み干してしまったため、新たにドリンクを入手しようと思いましたが、ふと思いつき、持っていたメイタンチャージ(黒)×2本をボトルにドボドボ注ぎ、水で溶いて即席のエネルギードリンクとしました。

 この、メイタンチャージ(黒)は、梅エキスに加えてカフェインが配合されており、レースなどの後半まで集中力を持続させる効果を狙っているとの事(もちろん、ドーピング対象外品)。
 この日のような、過酷な天気の過酷な道を走る時には、きっと効果を発揮してくれるだろう、と期待しての準備でした。

 それにしても、今年、この昼食地点で感じたことは、何だか静かだったな、という事でした。
 昨年は、周囲の森からオオシマゼミの声がうるさいほど聞こえ、参加者達の談笑の声が、それこそ広場いっぱいに響いていたのですが・・・。


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何だか、がらんとした雰囲気。
去年はもっと沢山、自転車が並んでいた気が・・・。


 今年はオオシマゼミの声は遠くからかすかに聞こえる程度であり、参加者の談笑の声は屋根の下限定。
 天候がすぐれないと、どうやらイベント全体の雰囲気も、ちょっと下向きになってしまうのでしょうか?

 それを象徴するかのように、この日、奥やんばるの里ではリタイヤを決意した人たちが続出し、一度では回収車に乗りきれなかったので、バスの到着待ちができてしまうほどの行列になっていたのだとか・・・。
 自転車運搬用のトラックも、すぐにいっぱいになったので、ピストン輸送が行われたようです。
 (いや、私はその現場を見ていないので、聞いた話&ブログの報告で読んだ限りなんですが・・・ ^^;)

 その原因は、もちろんこの日の悪天候。
 雨もそうですが、低温であった事も影響しているでしょう。

 奥やんばるの里のこの日の気温は、気象庁のアメダス観測所のデータによると、正午にやっと20度に届いたくらいです。昨年の開催日の正午の気温は23度だったので、単純に3℃の低下。
 そして風速は、昨年が3~5m/sだったのに対し、今年は5~7m/sと強い風が来ていたようです。
 風速は、1m/s上がれば体感温度は1℃下がる、と登山・ハイキング系の世界では言われていますし、さらには雨で濡れた衣服を着ていたら、水が蒸発する時に体温が奪われますから、体感ではもっと寒くなるでしょう。

 まあ、相当乱暴な計算ですが、この時の奥やんばるの里で感じた気温は、最悪の条件であれば、昨年比で体感気温が10℃近く下がっていてもおかしくない状況だったと思います(単純計算で、関東地方では秋深まった季節の感覚)。

 沖縄県外からの参加者は、ツール・ド・おきなわ=最後の夏を感じる場所、という認識の人が多い(少なくとも、私はその通り ^^;)ですから、この寒さは想定外だったことでしょう。
 昼食時、周囲を見回すと、寒い、と両手を脇に差し込んでガタガタ震えている方もいましたし、唇が紫色に変色している方もいました。
 私は温かい食事を頂いた後、すぐにレインスーツを着込んだため、体から発散する熱気をうまく衣服内に閉じ込めることができたようで、そこまで寒さは感じませんでしたが・・・。
 (今となっては、朝にレインスーツを手荷物から抜いて携帯したことが、どんだけ名判断だったかと思わされる)

 準備よし、と判断した私は、正午頃、奥やんばるの里の北側出口を抜けて本島東岸の道へと進みます。
 昨年、「チバリョー」の表示が出ていた道路情報表示版には、「雨天走行。速度落とせ。スリップ注意。」という感じの表示が出ていました。


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やんばるの最初の坂を登る。
去年は参加者が列を作っていたが、
今年はその姿はまばら。


 去年はこの坂、ずらーっと並ぶ参加者に圧倒されながら登った覚えがあるのですが・・・今年はずいぶん寂しい状況でした。
 ちなみに、最初の坂は、斜度はそれほどでもないので、軽段ギアをクルクル回していれば、いつの間にか登り切ってしまうレベルの坂です。
 まあ、長さはそれなりにあるので、持久力が要求されるのは確かですが・・・。


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登った先を下って行くと、海岸線に出る。


 やがて道は海岸段丘の縁の方を通るようになり、谷を越える橋の上からは海が見下ろせるようになったりもします。
 しかし、同時にここでは海から吹き付ける風も強くなり、車体が横風に煽られ、制御が難しくなってきます。
 特に、砂浜近くを走る時は、上から雨。横から風が叩き付ける、なかなか苦行の道になっていました。


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雨は時間が経つにつれて強くなり、
カメラを出すと、すぐにレンズに雨滴がつくようになる。

そして、やんばる走行中は、
前後に全く参加者の姿が見えず、
全く一人で走っている状態の時も多かった。


 道は海岸段丘の縁の部分と、伊江、楚洲のような河口の砂浜地帯を交互に通過するアップダウンになり、伊江と楚洲ではそれぞれ、川を渡る、結構スパンの長い橋を渡るのですが、海から吹き付ける風が容赦なく車体を押し倒そうと大暴れしてくれます。
 自転車用の、体のラインに沿った縫製のレインスーツだったから良かったものの、登山用のゆったりした物を流用していたら、煽られて危険だったでしょう。

 それに加え、雨は全くやむ気配がありません。
 午前中は降ったりやんだり、という天気でしたが、午後になると、土砂降りになったり小降りになったり、という一段進んでしまった感じの天気になり、状況は確実な悪化の道を辿っている気がします。
 土砂降りの度合いも、何だかどんどん悪くなっているようで、路面のウェット加減がどんどん悪くなっていきます。
 さらに、道路脇の水路が詰まって路面にザバザバと水があふれている場所が何カ所もあり、路面は川に近い状況になってきました。


10111905.jpg
どんだけ酷く降ったかの証拠。
道路脇の水路が所々で落ち葉で詰まり、
こんな風に水が溜まって溢れ出していた。

なお、水面=水平面と考えて頂くと、
このやんばる路の登りの斜度がどの程度か、
大体わかって頂けるのでは?


 深い森の中、前後に誰の姿も見えない道を、叩き付ける雨と、路面を流れる水に逆らって、10km/h前後でフウフウ言いながら登って、下って・・・。
 それを何度も繰り返し、川のように水が流れる道路を、たった一人で走っているような気分になってきます。

 去年は、このやんばるを走っている間、前後には必ず人が居て、一緒に苦しんでフウフウ言いながら走っていた記憶がありますが、今年は本当に参加者をポツリポツリとしか見かけません。
 私は走行中、奥でのリタイヤ続出の事実を知らなかったので、参加者の中では先行しているのか、あるいは極端に遅れているかのどちらか判断がつかず、戸惑っていました。
 まあ、一応時間を確認すると、去年の走行時とほぼ同じスケジュールだったので、回収は回避できると思っていましたが・・・。

 そうそう、雨が降ってくれた事でひとつ、ありがたいことがあったとすれば、路面を流れる水の方向で、今走っている場所の勾配をすぐに理解できた、ということでしょうか。

 やんばるの森は、なだらかなドームが折り重なったような形状の地形であるため、急斜面と緩斜面が繰り返し出てくるところが多くあります。
 おかげで、長く続く急斜面を登ったあとの緩斜面が、平坦路や緩い下りに錯覚してしまう事もあったりするのですが、この日は水が流れている方向で、「あ、まだ上ってる」「ここから下りに入った」という判断ができたので、無駄に足を使う事が少なかったように思います。

 とはいえ、ヒトの体力は有限。
 長く走っていれば、その分、疲労はたまり、エネルギーは枯渇していきます。
 何度目かの急な坂道をノロノロ登っていると、森の中に突然、「日替りランチ」という「どピンク」な幟が現れました。
 その先に見えるテントから、「休憩いかがですか~!」という声がかかっています。

 沿道のホテルが、私設エイド?を張ってくれているようでした。


10111906.jpg
迷わず飛び込んだ、私設?エイドの、
アダ・ガーデンホテル沖縄さん。

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この垂れ幕に偽りなし!
凄く助かりました!


 さきほど、カレー2杯に豚汁たっぷり一杯を平らげてきているはずですが、何度も登って、下ってを繰り返しているうちにまた空腹になって来ていたので、このエイドには本当に助けられました。
 バナナとミカンを貪るように食べ、黒砂糖をバリバリと口に放り込みます。
 黒砂糖は、折からの湿気でドロドロに溶けてしまっていましたが、それでもこれで力が復活しました!

 息が整ったら、再び急な坂道に取り付き、先に進みます。
 路面はもう、完全に水が浮いて、対向車が通ると、シャーッという水切り音とともに、ド派手な飛沫が飛んでくるような状況です。
 通りかかる車は、スタッフのサポートカー(ハザードを出していたら、間違いなくそれだった)か、恐らくは翌日のレース部門の下見の車でしょう。

 まあ、同じ自転車乗りの皆様なら、本島一周&やんばるセンチュリー組が走っていても、「よくやるなあ」程度の感想だったと思います。
 が・・・時々、地元の配送業者さんなどの車が通る事もある訳で・・・。
 そういう、自転車趣味とは縁がない皆様からみれば、こんな雨の中、やんばるの道をゼエハア言いながら走っている自転車乗りを見て、何と思った事でしょうか?
 (多分、余程の物好きか、罰ゲーム実行中とかなんとか、思われているんだろうなあ・・・ ^^;)

 そんな、どうでもいい事を考えながら、体温で曇るアイウェアを指で拭って視界を確保しつつ、長い登りを終わらせました。
 そろそろ距離的に、安波集落方向に向かう長い下りが出てくるはずです。
 下りでは体が冷えるので、坂の頂点で放熱のため開いていた前ジッパーと、脇のベンチレーションのジッパーを閉じ、ダウンヒルに備えます。

 しかし・・・。

 下り坂に差し掛かり、スピードが乗り始めたそのタイミングで、雨が急に勢いを増して、大粒の雨が派手な音を立てて路面上に叩きつけるようになります。
 そんな中を、勢い良くダウンヒルで駆け抜けていく訳ですから・・・。

 いっ・・・痛い痛い痛い痛い!

 雨粒が、まるでエアガンから撃ち出されたBB弾のような勢いで顔面で弾けます。
 不摂生でついている余分な頬肉が、雨水の衝突でぷるぷる震えるのが分かるほどの衝撃を顔面に連打で撃ち付けられ、背中でも、ヘルメットの上でも、パシパシと派手な音を立てて雨粒が暴れており、まるで全身を温泉の打たせ湯に預けているような、そんな感覚にもなってきます。

 視界も、路面からの跳ね上がりで煙って悪くなっており、撥水コート付きのアイウェア(SWANS SOU)をしていた事を幸運に思わざるを得ません。
 前輪が巻き上げる水が足に、体に当って不快だったりしますが、前にも後ろにも車や自転車は居なかったので、そのままの速度を維持して坂を下り切り、安波共同売店へと滑り込みました。


10111908.jpg
安波売店前の東屋から撮影。
雨、風ともに強く、
はっきり言って、嵐というべき天候。


 売店前の東屋で、数人の参加者が休憩中。
 「お疲れさまでーす」と声をかけながら屋根の下に避難すると、自然と周囲の皆様との間に、天気に対する愚痴めいた会話が飛び交いはじめます。

 皆さん、疲れて憔悴し切っている様子なのに、なぜか顔は笑っている・・・。
 事情を知らない人が見たら、気持ち悪い人達の集団に思ってしまう事でしょう。

 「酷い雨ですねえ~」
 「いや~、全く。もう、なんか逆に楽しくなってきましたよ~!

 そう、この時点で参加者の皆様は、もう笑うしかない、という状況を通り越して、逆に楽しくなってきているという、とっても危ないテンションに至っているのでした(^^;)。
 まあ、こんな悪天候の中、こんな過酷な道を走り続ける事を選択している人達ですから、やはり一般の皆様とはどこかチャンネルが狂っています(良い意味で、ね ^^;)。

 叩き付ける雨は弱まる事はなく、東屋の屋根からは滝のように水が滴り落ち、路面はほぼ全体が水たまり、という状況で、通過していく参加者の車体が、シャーシャーと水切り音を立てています。
 過去、雨天の本島一周サイクリングの参加レポートを読んだ事がありましたが、ここまで酷い天気だったという記録はなかったように思います。
 恐らく、今年の、ここまでの悪天候の中のサイクリングは、後々まで伝説になりそうな気がします。

 と、そういう事を考えると、その現場に自分が居合わせている事が、何だか楽しくなってくる・・・。
 自転車乗りのM気質、ここに極まれり、という所でしょうか?
 (よいこのみなさんは、まねしちゃいけませんよ!)

 しばらく休憩し、スポーツドリンクを補給し、余剰水分を放流してから先に進む事にします。


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安波売店の先、台地上の耕作地帯。
見渡す限り、霧に包まれており、
この雨はもう、どうにもならないレベルで
降っている事が分かる。

・・・あ、こんな所に自販機、あったの?
(道路の左側、赤い自販機がある・・・)


 道を先に進むと、雨はさらに酷くなっていきます。
 この頃、沖縄本島中南部に、大雨洪水警報が出されていたと、後になって知りました。

 ・・・ちょっと、過酷すぎますがな(^^;)>北風と太陽。

 それでも、主催者側は中止をコールせず、参加者達は足を止めない。
 全く、何なんでしょうか、自転車乗りという人種の壊れっぷりは(笑)。


10111910.jpg
耕作地帯を抜けると、
再び深い森の中になる。

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いい加減、このアップダウンにも飽きてくる。
それにしても、よく降る雨だ。
安波売店から先、路面はほとんどの場所が、
これと同じくらいにウェットな路面だった。


 沖縄の人いわく、この時期にここまで雨が降るのは珍しい、との事です。
 しかも、スコールのように、ザッと降ってザッと上がるような雨でなく、一日中、しとしとしとしと降っているのも珍しいとの事。

 沖縄でもまれに見る悪天候の中で、やんばるの森をサイクリング。
 どんだけ強烈な雨男・雨女さんが参加していたんでしょうか?

 途中、斜面崩落防止のコンクリート上を、雨水が滝のように流れ落ちているような場所を何度も抜けて、約一時間。
 高江売店に到着しました。


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高江売店も、ずぶ濡れの参加者でいっぱいだった。
いや、去年と比較すると、その姿はまばらだったが。

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さて皆さん、高江売店といえば・・・。
ついに、一年越しのミッションを完遂するとき!


 ・・・と、ミッション達成報告をしたい所なのですが・・・。

 この日の寒さの中、アイスなんて食えますかいな!

 いくら何でも、そこまで体を張る気はありませんぞ、私は(^^;)。

 このとき、私の体のコンディションもなかなか素晴らしい状況で、求めているのは自販機のホットドリンク。
 ホットの缶コーヒーと缶ココアを続けざまに飲んで、体の内側から暖める方に忙しく、とてもアイスを食べられる状況ではありませんでした。

 そんな訳で、ミッションはさらに一年、持ち越します(笑)。
 来年、晴のジンクスイヤーに、またここを訪れますので、その時はよろしくお願いします>高江売店の皆様。


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休憩後、高江売店を出発。
下り基調の道を東浜へと向かう。

雨の強さは、恐らくこの頃がこの日最強レベル。
どれだけ素早く撮影してもレンズが濡れ、
もはや何を撮ったか分からなくなるほどの土砂降りだった。

10111915.jpg
それでも慶佐次のヒルギ林は、
何とか撮影してみた。
ピンぼけにしか写らなかったが・・・。


 そうそう、私も去年は何となく通過してしまう事が多かったのですが、この本島一周&やんばるセンチュリーのコースは、後からよくよく地図を眺めてみると、色んな見所や観光名所のすぐそばを通っている事に気付かされます。
 慶佐次のヒルギ林は、沖縄本島内でも最大規模のマングローブ林で、慶佐次川の河口、10haほどの範囲を覆い尽くしており、国の天然記念物指定を受けている場所だったりします。

 私は昨年、ここを通っているはずなのですが、なんと、その存在に気付いたのは、東京に戻って、昨年のレポートを書いている時でした。
 いや、もう、悶絶しましたよ・・・なんてもったいない事をしたんだ、と。

 距離と、道の険しさばかりに気を取られ、そういう見所の多くを見逃していたとは、本当に不覚でした。
 まあ、その不覚を取り返すために、今年も迷わずエントリーしてしまったんですけどね(^^;)。


10111916.jpg
道をさらに進み、
有銘湾の南岸に出た。

この先、"トラップ"が待っているため、
一旦自主停車して足を休める。


 有銘湾の南岸側の道を進むと、ロックシェッドを潜る辺りで再び名護市に入り、その先に急な坂道が現れます。
 実はその坂、とんでもない、"トラップ"としか思えない状況が待っています。

 東村辺りからここまで、あまり起伏のないフラットな道を、高江からの下り基調の勢いのまま走ってくる参加者も多いのですが、有銘の先、天仁屋地区に現れる坂は、「まだこんな場所があったのか!」と思わされるほどの急坂です。

 いや、別に斜度が急な事は、トラップではありません。
 ここの坂がなぜ恐ろしいかと言うと・・・。

 急な勾配の坂を、かなりの距離に渡って登ります。
 ここまで、下り基調~平坦路だと、調子に乗って走ってきた人は、恐らく、考えなしにぶっ飛ばした事を確実に後悔するでしょう。

 そりゃもう、今まで快調に飛ばしてきたのが嘘だと思うくらい、足が回らなくなるほどの斜度で、長い長い坂がクネクネと、曲がりくねりながら続いていますから。
 そして、ある程度まで登った先に見えてくる左カーブ(左側が壁で、先を見通せない)で、道の斜度が急に緩やかになっているように見えるので、多くの方が、そこで坂は終わりだと思うでしょう。

 これが、もう、とんでもないトラップ!

 その左カーブを曲がると、その先に広がる見通しの良い景色の中で、さらに急勾配の登りが、右カーブを描いて待ち受けているのです。

 この景色を見たら、最初の左カーブで坂は終わりだ、と思っていた皆さんの心は折れます。
 確実に、ボッキリと折られます。

 私は今年、備えていたのでそのまま登っていけましたが、かなりの数の参加者がこのトラップにやられ、もはや乗車を諦め、押して歩いていました・・・。

 トラップの坂を登り切ると、中程度のアップダウンを何度か繰り返してカヌチャリゾート入口を過ぎると、やっと最終CP、久志支所に続く平坦路になります。
 海岸沿いの防風林や切り通しを何度か抜けて、右手に手作り感が何とも言えない良い味を出している巨大なシーサー像を見た先で、右折せよ、の案内が出れば、そこが名護市役所久志支所です。


10111917.jpg
初日最後のCP、久志支所。
雨は休みなく降っている。


 高江~久志間は、恐らくこの日、最も雨が強い時間帯でした。
 どれほどの雨かと言うと、単に土砂降りの雨、というよりも、シャワーの水をそのままぶっかけられていた、という感じのレベルです。


10111918.jpg
おかげで午前中、
大宜味村ではドロドロだったフレームが、
見事にきれいに洗われてしまった。
これを見れば、どれだけ凄い雨だったか、
お分かりいただけるのではないだろうか?


 久志支所の到着時間は16:30頃。
 ここまで、物凄い悪天候の中を、何度も急な坂を登り、そして下ってきたために、時間と体力と、そして何よりブレーキシューの残りが非常に心配でしたが、どうやら最後まで行けそうです。

 最後の峠越え、本島東岸から西岸への横断に備えてバナナとミカンと黒砂糖をバクバク食べ、メイタンチャージを溶いたドリンクを飲みます。
 この、メイタンチャージ(黒)のドリンク、やんばる走行中、何度か足がピクピクと来ていた時にひと口、ふた口程度グイッと飲むと、しばらくしたらピクピクが治まるくらいによく効きました。
 それに、最後の最後まで、急な下り坂を下る際に、何の不安もなくラインを攻めて行けたので、集中力持続効果もなかなかの物です。

 この日は低温で、あまり喉も乾かなかったので、この段階でまだボトルの半分ほども残っていましたので、最後までこれで行くぞ、と気合いを入れて、久志支所を出発しました。


10111919.jpg
最後の峠越えの途中で。
滝のように流れ落ちてくる雨水。


 久志支所から大浦湾沿いを西に進むと、最後に本島一周とやんばるセンチュリーライドのコースが別れます。
 本島一周は、大浦湾沿いを進み、名護横断道路経由で喜瀬に向かい、やんばるセンチュリーライドは県道18号沿いに東江原トンネルを抜け、名護中央公園経由で名護市街地へと抜けるルートになります。

 ところで、やんばるセンチュリーライドの皆さん、この分岐の先すぐに、そこそこの規模のマングローブ林があったのですが、それにはお気付きになったでしょうか・・・?

 私は本島一周組だったので、国道331号をそのまま直進し、何年も建設中のまま放置されているバイパス?の下を潜って、急な坂を名護横断道路へと登り上げます。
 途中、止まっていたスタッフの車から、「最後の登りー!」と声がかかりましたが・・・この先、まだ3kmほど登りっぱなしなんで、その言葉をかけるにはまだ早いです、多分(^^;)。

 と、いうわけで、名護横断道路に入り、あとは嫌らしいほど長い緩い坂を登って行きます。
 この、名護横断道路の坂は、自分の頭上を高圧線が横切る場所で終わる、と、去年の段階でわかっていたものの、今年の、悪天候に痛めつけられた体には長い長い登りに感じられました。

 さすがに嫌になってきた頃に、道路の左手に高圧線の鉄塔が見え、そこから道路の上を通過する架線が見えてきました。

 ・・・あそこで終わる、今度こそ終わる!

 最後の気力を振り絞って坂をクリア。
 ベンチレーションを閉じて、最後のダウンヒルで名護湾へと向かいます。

 しかし、この下りがとんでもなく恐ろしかった・・・。

 地形的に、名護湾からまともに風が吹き込む谷になっているためか、海が近付けば近付くほど強風が吹き荒れ、それが入り組んだ地形の中で巻かれ、前後左右、あらゆる方向から叩き付けてきます。
 特に、途中に2~3カ所ある橋の上では、遮るものが何もない体に、その風が容赦なく叩き付けてくるので、ハンドルを取られないよう、しっかり保持していないと恐怖を感じるくらいでした。

 最後に大いに冷や汗をかかされましたが、道の斜度はやがてなだらかになり、国道58号に突き当たりました。
 本島横断終了、あとは喜瀬までほぼ平坦な道を行くだけです。


10111920.jpg
今年の名護湾の夕暮れ。
去年のような、
ご褒美の夕焼けは見られなかった・・・。


 あとは簡単な道のりだ、と安心し、信号待ちで後から追いついてきた参加者に、「いやあ、風が強かったですね」と声をかけてみたら・・・。

 「Sorry, I can't speak Japanese.」

 どんなオチやねん!

 というわけで、この日の最後にご一緒したのは、台湾か韓国から参加されている方でした(^^;)。
 日本語がわからないとの事だったので、カタコトの英語で何とか意思疎通を図ろうとしましたが、なかなかうまく行かず。

 「Which way next?」
 「Left.」
 「OK」

 結局、まともに意思疎通できたのは、このやり取りだけでした・・・。
 あかんなあ、私の英語能力・・・(^^;)。

 その方は、私が夕暮れの写真を撮っている間に先に行ってしまったのですが、許田IC付近で道がわからないのか、左に寄せて止まっている姿が見えたので・・・。
 いっちょ、国際貢献だ!と、追い越し様に声をかけました。

 「Please follow me!」
 「OK!」

 すぐに反応して後ろについたので、後はチラチラとミラーを見ながら、速すぎないよう注意しながら先導し、無事にゴールの喜瀬ビーチパレスに到着。

 「Thank you!」
 「My pleasure!」

 最後に手を上げて挨拶を交わし、この日の走行は土砂降りの雨の中で終了。
 最後の最後の区間の走行中に、また雨が強くなっていました。

 去年も同じルートを走っているので、走り切れる距離である事はわかっていましたが、これほど荒れた天気の中を走る事になるとは、全くの想定外。
 それでも、最後までトラブルなく走り切れた事は、これから先の自信に・・・繋がるのかどうか、実際にはかなり微妙な所でしょうねえ・・・。

(続く)

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コメント
えむえむっ
 何というか、初日だけでお腹一杯ですね(;゜ロ゜)

 体調どうですか?しっかり休養してください。
2010/11/20(土) 13:32 | URL | 神子秋沙 #14YBgAoY[ コメントの編集]
もう、逆に楽しくて(^^;)
初日だけでも色々ありましたが、まだ一日残っているんですよね(^^;)。
本当に盛りだくさんです、このイベントは。

>  体調どうですか?しっかり休養してください。

おかげさまで、特に変調ありません。
涼しかったとはいえ、やはり沖縄の暖かさでは、雨に濡れても平気でした。
2010/11/20(土) 23:03 | URL | YO-TA #-[ コメントの編集]
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プロフィール

YO-TA

Author:YO-TA
2011年7月に東京から仙台に移住。
相変わらず、デジカメ片手に、サイクリングやハイキングを楽しんでいます。
突然、突拍子もないことをやらかしますが、それはまあ、ご愛嬌という事で…。

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