日々是遊歩。見て、聞いて、感じて、それを殴り書き。

05月≪ 2017年06月 ≫07月

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その先にまだ道がある 39th 東京→糸魚川ファストラン

 輪行経験の蓄積が最も出易いのは、自転車を組み上げた後、輪行袋を手際良く収納できるか否か、と、その部分にあると思います。

 ・・・え?私ですか?
 この、カリフラワーみたいな物体、何だろ?
 (現地でパパッと畳んだら、無理に押し込んでも収納袋に入り切らなかった・・・。折り目線を入れて欲しい・・・:泣)

 では本題です。
 5月22日の土曜日に、久々のサイクルイベント、東京→糸魚川ファストランに参加してきました。
 たった一日で、東京都八王子市の高尾山口から、新潟県糸魚川市のホテル糸魚川までの291.6kmを、一気に走り通そうという、ロングライドイベントです。

 で、よく勘違いされますが、このイベントはレースではありません。
 時間を計って、順位付けもしますが、それは副次的なものであり、ちゃんと交通ルールを守り、安全に完走する事が第一の目的になる、サイクリングイベントです。
 また、参加する際には、チーム単位での参加が義務づけられている(サポート専属スタッフの配置も可)ため、一般のサイクリストにはちょっと敷居が高い大会にもなっているようです。
 ま、300kmも走る訳ですから、無節操に参加者を募ると、トラブルもリタイア者も非常に多くなり、運営側のキャパを越える可能性がありますから、これはあって然るべきハードルでしょう(ある程度のことは、チームで対応してね、ということですね)。

 そんなイベントに、私は今回、mixiのコミュニティ、「自転車で遠くへ行きたい」の参加者で構成される、PedalFar!チームの末席に加えていただき、参加する機会を得られました。
 あ、ちなみに、私はmixi内では「zzyzx(ザイザックス)」という名前で登録しています(corratecへのパーツ供給メーカーから取った)。
 プロフィールの画像がブログと同じですので、まあ、ご興味があれば、アチラの日記も参照して下さい(こちらと違い、あっさりしてますw)。

 ついでに言えば、今回初参加の私は、最初の説明会から参加してイベントの雰囲気全体を見てみましたが・・・。
 このイベント、本来は某大学OB会の交流イベントだったものを、ご好意によって一般の皆様にも参加の機会を作った、という物じゃないかなあ、と感じられる部分が多々あります(運営スタッフは、某大学関係者中心のボランティアだという所も考えると、特に)。

 つまり、本来的に、その大学のOB会以外の人間はビジターであり、お邪魔させていただいている身分だ、と考えたら・・・。
 イベント中、参加者が取るべき行動は、自ずとわかると思いますが・・・ねぇ。

 ま、難しい(いや、本当は難しいはずもない)話はさておき、第39回大会となった2010年の東京→糸魚川ファストランは、ここ数年には見られない好天、好コンディションに恵まれ、408人もの完走者を出したそうです。
 私も何とか完走し、リザルトは以下の通り(まあ、自慢できる物ではありません ^^;)。
 詳細な記録は裏置きしますので、例によって長文ですが、興味のある皆様は、Read Moreをクリックして下さい。

走行距離:291.6km
走行時間:14:35:09
順位:365位/408人完走中

 しかし、途中区間で見事すぎる減速傾向が見られる結果になっていて・・・。
 来年、また参加する機会があるなら、リベンジかけたい気分です。

 というわけで、本題の詳細記録に入ります。

 今回のイベントは、走行する距離が距離だけに、事前準備として、3月以降、週末にはなるべく1日で長距離を走る事を意識してきました。
 その間に、過去に使用していたパールイズミの3Dパッド付レーパンが体に合わなくなり、変なスレから皮膚に炎症が発生するようになり。
 フィット感を上げるため、ワンサイズ小さい物を試してみましたが、結果は同じ。

 という訳で、本番はまだしも体に合っている、パッド付インナー+サイクルパンツという、通勤装備での走行になってしまいました。

 まあ、尻が痛くなったら、ダンシングの時間を長くするか、とか何とか開き直って、21日23時頃、自走で自宅を出発。
 数キロ走った所で、後輪がパカーンと音をたて、何かを跳ね上げる衝撃が伝わってきました。
 慌てて停止し、ハンドルまわりで落下しそうな物をチェックしましたが、異常なし。
 タイヤとホイールは大丈夫かと、降車して横に回り込むと・・・。

 チェーンステーに装着してあるはずの、サイコンのセンサーがない・・・。
 正確には、台座しか残っていない・・・。

 さっき跳ね上げたのはこれかー!!!!


10052501.jpg
暗闇の中、必死で探してセンサー回収。
しかし、見事にジョイント部で折れていた。
スタート前段階で、いきなりメカトラ!


 これから先、長旅が待っているというのに、速度も距離も計測不能なんて、どんなハプニングなんだと。
 一旦帰宅して、小径車のサイコンを移植しようかと思いましたが、時間的にかなりシビアになりそうです。
 しかし、速度と走行距離なら、ステムに装着したnuvi 205のトリップログでも代用がきくからいいか、と開き直って走行再開。
 途中、24hマクドナルドで出走前補給を済ませて、スタート地点である高尾山口駅へと向かいました。


10052502.jpg
スタート地点で、チームの皆様に合流。
3時〜4時くらいの間に出走する皆様と、
お見送りの方にご挨拶できた。


 高尾山口駅前は、この時間になぜこんなに沢山の、と言いたくなるほどの自転車乗りが集まっていました。
 この日は、天気予報では好天となっており、絶好のサイクリング日和になりそうです。
 集合時間が丑三つ時である事を除けば、ね・・・。
 まあ、こんなに賑やかな場所に、安らかに眠る魂の皆様が寄ってくるとは思えませんけど(^^;)。

 チームの皆様とは、実はこれが初対面。
 自転車の世界では結構な有名人の方もいらっしゃるのですが、皆様、とてもフレンドリーに接して下さり、緊張がほぐれました。
 受付を済ませ、荷物を預けたり、色々雑談をしたりしているうちに、スタート時間が迫ってきます。

 私は今回が初参加で、完走目標時間は15時間と設定しています。
 普段、個人で200kmを走る時は、大体12時間ほど時間をかけているので、実は300kmで15時間は、多少、ハードルが高そうな数字だったりします。
 走行時間はなかなか縮められないけれど、休憩時間を最小限にすれば達成できない目標ではない、と考えて、スタート位置につきます。

 私のスタートは、3:15分。先頭スタートから第4番目のグループです。
 駅のロータリー出口の信号が青になったと同時に、20台ほどの集団がスタート。
 291.6kmの旅がはじまりました。

 最初は東京都と神奈川県との都県境でもある大垂水峠へと向かいます。
 脚力のある参加者が数名、先行して行きましたが、私はそのまま、メイン集団?の中程をキープ。
 要所要所に外灯があるとはいえ、まだまだ暗い峠道は、参加者がそれぞれに装着している強力なライトで照らされる範囲だけ、昼のように明るくなっています。

 しばらくはそのまま大人しく、集団の中を進んでいましたが、峠の後半、人家が切れて坂の勾配がきつくなり始める所で、先頭側の2名ほどが先行するようになります。
 ついて行ける、と判断した私は、車列の横に出て、先行する二人につく事に。同様に、車列から飛び出した人が私の前に入り、先行集団は4人になりました。

 峠の頂上には、この時先行した4人の3番手で到着し、相模湖側の下りにかかりましたが・・・タイトコーナーの多い下りは苦手なんですよね(^^;)。
 先行する2人の姿はあっという間に小さくなり、かといって後続の方よりは下り慣れていたのか、後ろは千切ってしまい。
 この段階で、早々に一人旅になってしまいました。

 しばらくは相模湖畔を一人で、時折、先行スタート組で落ちて来ている方を追い越しながら走ります。
 脚の合う人は・・・と探してみましたが、脚が合う=ほぼ同速度で移動しているなら、そんなに簡単に追いつける訳もない事に気付き、開き直って一人旅を楽しむ事に。

 上野原辺りで背後(東)の空が白んできて、四方津辺りで、そろそろライトは要らなくなるかな、と思いはじめた頃。
 「追いつきました!」
 と声をかけられ、振り返れば、同じチームのRafaelさんの姿が。
 5分後のスタートだったはずですが、もう追いつかれてしまいました。
 「頑張っていますね」
 「ここまで、千切れてずっと一人旅です」
 「じゃ、前、曵きますよ!」
 という有難い申し出を受け、後ろにつかせて頂きましたが・・・数分で実力差を理解。Rafaelさんの方が、私よりずっと速い(後に、JCRCを走るほどの脚力の持ち主と判明。そりゃ、実力差があり過ぎだ ^^;)。
 あまり私に合わせていただくのも悪いので、先に行ってくれ、と何度か声をかけてみましたが、有難い事に、ずっと前を曵いて下さいました。

 大月辺りで、完全に周囲は明るくなり、ライトは不要になりました。
 相変わらず、曵いていただいている状態ですが、ぼちぼち私は、自分の装備を後悔し始める事になります。

 スタート地点が寒かったので、普通の夏用アンダーの上に薄手の保温性ロングスリーブアンダーを着用し、ジャージ、ウインドベストまで着込んでいる状態。
 日が当たりはじめ、気温がグングン上がってくると、はっきりと暑さを感じはじめてきました。
 で、暑い=私の体のパフォーマンスは極端に落ちる傾向にあります。
 笹子駅付近の長い登りに差し掛かると、私はRafaelさんについて行けず、千切れてしまい・・・。ここまで曵いていただいたのに、お返しする事もできず・・・。

 その後、明らかに熱で苦しくなりはじめたので、道が広がっている所で一旦停止し、過剰な装備を脱ぎ捨てます。
 この時、一旦脱いだジャージをサドルに引っ掛けたら、フサァという感じでなく、ベシャッという感じの音がします。
 ???と思って絞ってみたら・・・ポタポタと滴が落ちる・・・。
 水分とミネラル、どんだけ無駄にしてんだってーの!

 とにかく、装備を薄着に換装し、UVカバーを腕に装着して走行再開。
 笹子峠に続く、見た目以上に厳しいヘアピンの登りをクリアしたら、第一チェックポイントの笹子CPでした。


10052503.jpg
笹子CP、午前6時頃。
この段階で、後続スタートの皆様にかなり追いつかれた。


 第一CPなのに、既に息は上がって、喉はカラカラ。
 ボトルに補給したスポーツドリンクを、蓋をせずにそのまま一気飲みするなど、どんだけ汗を無駄にかいたかがわかるような状態でした。

 笹子CPでは、後発グループのチームメイトの皆様(もう追いつかれた)にご挨拶し、10分ほど休憩したらスタート。
 最初の難関だという、新笹子トンネルに突入します。
 新笹子トンネルは、2〜3kmほど続く、直線のトンネル。国内有数の幹線道である国道20号という事もあり、トンネル通過中、何台かの大型トラックに抜かれます。
 その、抜かれる瞬間だけ、ふいご効果で強烈な向かい風になるのが嫌らしく、彼方に見える光のリング=出口を早く潜りたくなります。
 この段階で、長いトンネルは嫌だ、と思わされましたが・・・まあ、この時感じた程度の怖さは、まだまだ甘かった(^^;)。

 トンネルを抜けると、甲府盆地までの豪快なダウンヒルゾーン。
 長い下りだから、冷えるかもよ、と笹子CPで他の参加者に聞いていましたが、そんな事は気にせず、自分なりの最高速で下って行きます(結構、抜かれましたけど ^^;)。
 あっという間にフラットゾーンに到達し、ここからは信号運が試される区間。
 なぜか2秒ほどしか赤にならない信号(赤だと思って止まり、足をついたら青になっていた。なんだ、あの怪しい信号は ^^;)もあったりして、信号ごとに停車したり、うまくすり抜けたりしている間に、周囲の顔触れは結構コロコロ変わって行きます。

 市街地の中心地に入ってくると、軽車両通行禁止の立体が随所に現れますが、私は標識を確認し、通行禁止の場所は、先行者が違反して突っ切ろうが、側道へと避退。
 私の後ろについていた多くの参加者は、その動きに従って下さいました。
 ・・・が、それでも一部の、変な連中は突っ切って行く訳で・・・。
 しかし、立体を越えた先で、そんなに前後せず合流してしまう事が多かった事を考えたら、違反常習者の皆様には、その行動にどんな意味があるのかと問いかけたくなってしまいます。

 そんな事はさておき、信号ごとに詰まったり切れたりしながら走っているうち、私はいつの間にか、超高速集団の中に紛れてしまっていました。
 ふと気がつくと、巡航速度が手元の機材計測で40km/h付近になっています。おかげで、信号も青に当たる率が非常に高くなり、グイグイ距離を稼いで行けます。
 おお、これはすぐに韮崎まで連れて行ってもらえるか!とか思いましたが・・・その前に、私の体がついて行かない・・・。

 先行する人のリアスプロケは、どう見ても11-23Tくらいの小さな物で、恐らくフロントはノーマルクランク。コンパクトクランク×12-27Tが常用の私が追随するには、機材も体力も全然足りません。
 後続の人に、先に行って、と何度か合図を出しますが、出て行かない・・・。
 では、と左に寄せて速度を落とそうとすると、「いいから行って行って!」と突つかれ、途中下車を許してくれそうにない状態。全然良くねーよ!と、思いましたが、どうやら後ろの人もやっと張り付いている状態のようで、ここで私を抜いて前につく、なんて脚はないようです。

 かといって、このまま引きずり回されていたら、こちらも持たない、という訳で、左前方にコンビニが見えたので、そこに迷わず避退!途中下車強行!
 しばらく、自分の心臓の音しか聞こえない・・・。
 (そして同じ車列から、何人かが同様に強行下車してきた。キツかったもんなあ・・・)

 コンビニで息を整え、気分転換に軽く補給してから再度前進。
 ちなみに、また一人旅になっていました(^^;)。


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まあ、おかげで南アの展望を楽しめた。
こんなの撮ってる間に走らんかい!
と言われそうだが(^^;)。


 やがて道は釜無川沿いになり、右に七里岩の断崖、左に川の流れを見ながら走るようになります。
 この先で川と崖の間が狭まり、対岸に渡れば第二チェックポイントの韮崎CPですが・・・さすがに「七里岩」というだけあってこの断崖は非常に長い。うんざりするほど長い(実際、富士見峠の登り開始のヘアピン辺りまで続いているからね)。
 まだ朝も早い(この時点でまだ午前8時頃)ために車通りは少なく、河川沿いの道なので、そこそこ走り易い環境なのですが・・・。
 景色が単調なので、見ていて飽き易い&先程の超高速引きずり回しのダメージが足にきていて、ピキピキ攣りはじめています。

 ていうか、実際、右のハムストリングがビキッと攣ってしまい、まともにペダリングができなくなったりしつつ、転がり込むように韮崎CPへ。
 ビンディングを外そうとして、今度は左のふくらはぎがピッキリいきました・・・。


10052505.jpg
何だか足が攣った痛みの印象が強い韮崎CP。
まるのやさんは、改装してこんな外観になっていた。

ところで、まるのやさんって、雑貨屋さんでいいの?
(えらく色々な物が置いてあった気が・・・)


 韮崎CPにいた頃が、最も足の痙攣がキツかったくらいの時間帯でした。
 おにぎりといなり寿司、バナナの補給食フルコースを頂き、軽くストレッチ。
 このCPで、PedalFar!チームのボスこと、Bluedragonさん(お分かりの方は、あの方とお分かりかと・・・)にご挨拶できました。
 確か、同じ時間帯にスタートしていたはずですが、私の方が先行して走っていたようです。


10052506.jpg
ここから、ダラダラとした登りを経て、
富士見峠に向かう。
韮崎CPから、既に登りはじめが見えている。


 この韮崎CPの段階で、スタートからの走行距離が約100km。
 ずいぶん長く走っている気がしますが、まだ時間は朝8時過ぎ。
 そして、コースはまだ200km残っているという、なかなかの拷問っぷりです。

 韮崎の先は、二つの峠を越える山岳コースで、ここから先、ゴールまで、走行ルートは本州を縦に分断する断層、「糸魚川ー静岡構造線」に沿って走る形になります。
 次のCPまでは、ダラダラと長く緩やかな坂を富士見峠まで登り、諏訪湖の南岸を抜けて、このファストランのコース中の最高標高地点である塩尻峠を越えるルートです。

 ちなみに、諏訪湖を過ぎる辺りで、私の自宅からの自走距離が200kmを越えます。
 そこから先、第三チェックポイントの塩尻CPを越えると、私には未知の距離領域に到達する形になります。
 登りが苦手&もう脚がピキピキ気味の私は、色々な意味で関門になりそうなこのセクションを、無理せずゆっくり走って行く事にします。


10052507.jpg
道の駅、はくしゅう。
韮崎CPのトイレがわかり辛かったので、
ここで用を足した。


 左手に、まだ雪を残した南アの稜線を見ながら、ゆる〜く登る(時々下る)道を進みます。
 緩い勾配が続くのかと思いきや、場所によっては登坂車線が切られているなど、侮れない勾配の坂も現れたりします。

 右手には、相変わらず続く七里岩の断崖。
 八ヶ岳から落ちた火山灰性降下物が堆積し、形成された岩盤を断層が割り、その線に沿って川が流れ、岩が削られてできたという七里岩の段丘は、この先、富士見峠の登りが本格化するヘアピンまでずっと、並走しています。

 途中、ニホンジカがロードキル被害を受けている横を通ったりもしましたが、総じて平和で走り易い道筋を進んで行きます。
 それにしても、ニホンジカって・・・(^^;)。
 東京近郊では、タヌキやハクビシンなどのロードキル被害の現場を見ることはありますが、こんな大型の動物が被害に遭っているとは、山深い場所に来たなあ、と実感できます。

 ていうか、自動車の方は大丈夫だったのか?
 かなり酷く凹むと思うんだけど・・・。


10052508.jpg
そして、やがて道は長野県に入る。
ルートは、西進から北上に切り替わる。


 自走で、ついに山梨県をまともに横断。ここからは長野県の中部〜北部を縦断する旅です。
 国道20号の、ずーっとジリジリユルユル登っている道がヘアピンカーブに行き当たると、富士見峠への登りが本格的になって行きます。

 長い坂のセクションでは、所々、各チームのサポート隊の皆様が車を止め、道行く参加者に声援を送って下さるポイントがあったりします。
 同じチームのメンバーはもちろん、他のチームのメンバーも分け隔てなく声援を送って下さるので、走っているこちらとしては、とても力づけられます。

 しかし、富士見峠の登りは嫌らしい。
 重めのギアでダンシングで回して登るには長く、シッティングでクルクル回すには軽すぎる、何となく絶妙な感じで嫌味な勾配が続きます。
 もちろん、登り坂なので、長く走っていればダメージが足に蓄積して行きます。
 もっと回せば、もっと速く登れる気がするのですが・・・まだ体力を温存しておきたい気持ちが先行します。
 今思えば、この先、まだまだ自分にとっては未知の距離が残っている、と考えると、それが無意識のうちにブレーキになっていたように感じます。

 そして私の体は別の部分。具体的には尻の、座骨の辺りがピンチになってきました。
 通勤用の、パッド付インナー+サイクルパンツによる防護効果だけでは不十分だろうとは思っていましたが、まさか、まだ行程を半分も行かないうちにコレが来るとは・・・。

 徐々に酷くなって行く圧迫痛に耐えながら、相変わらずユルユルと峠の交差点を目指して登って行きます。
 長いながい登りがいい加減に嫌になってきた頃、道路が少し広くなった所に止まった、ロジャースさん?のサポート隊の方から、「コーラどうですか?プリンもありますよ!」と声がかかります。

 迷わず停車して、コーラを頂きました。
 染み渡るように美味いコーラでした。

 そして、「峠までもうすぐだから!」の声と、他のチームのサポート隊の皆様の声援に元気づけられ、富士見峠までの最後の登りをクリア。
 しばらくは諏訪湖までの下りですが、私は十分痛めつけられた尻を休めるため、クランクの上に立って下って行きます。
 「重心低くしないと危ないよー!」と、追い越しざまに声をかけられましたが、それより今は、尻の圧迫解消の方が先!

 諏訪湖の南で、ここまでずっと走ってきた国道20号とは一旦別れ、諏訪大社方面に進みます。当初予定では、諏訪大社前の参道を進むのが正規コースになっていましたが、新しく諏訪湖方面に直接向かう道が開通していたので、そのまま直進。
 高速をくぐる所の交差点を右折するのですが・・・。

 参加者の皆さん、ここ、二段階右折だってば・・・(信号無視でしゃーっと抜けて行く人達、非常に多かった。私の周りだけと思いたい)。

 諏訪湖の入口のコンビニで、空になりかけていたドリンクを補給。
 先着していたcorratec乗りの方と、corratecのロードの特性についてあれこれ談義。
 私の乗るR.T. Carbon(カーボン)と、その方の乗るR.T. Corones(アルミ)の味付けの違いを色々話し合い、「代理店は、モデルチェンジ前の無節操な値引きをヤメロ!」という部分で共通見解が得られました(笑)。
 (実際、40%引きとか、普通にやるからね、グローブライドさんってば・・・)

 ちなみに、ここでアクエリアスの1リットルボトルを買い、サイクルボトルに補給した残りを一気飲みしたら、腹がザブザブになって苦しくなったのは内緒です。
 (おかげで、ここから先、峠越えが苦しかったこと・・・)


10052509.jpg
諏訪湖を越えて、塩尻峠を登る。
標高は高いが、勾配はそれほどでもない。


 諏訪湖の南岸を経て、岡谷市街地を抜けると再び20号に合流し、いよいよ塩尻峠を越えます(ショートカットには回らなかった)。

 塩尻峠は難所と言われる事が多いですが、ショートカットルートに入らなければ、勾配もそれほどでもなく、軽段ギアを回しているうちにどんどん登って行けると思います。
 東京近郊の、急勾配で有名な峠(鶴峠とか風張峠とか)を越えた経験のある人なら、そんなに手強い場所だとは感じないと思います。
 (実際、坂嫌いな私が、そんなに難所だとは思わなかったくらいだ)

 しかしこの峠、蛇行する道の先に、参加者の姿がずらーっと繋がっているのは、ある意味壮観でした。


10052510.jpg
この市境表示が最高地点付近。
ここを越えたら、あとは下り。


 塩尻峠を過ぎたら、あとは塩尻CPまで一気に下ります。
 高速道路のように広い幅の道を一気に下って行けます。
 で、長野道を渡ったら、その先にチェックポイントである小坂田公園があるので、減速準備。
 誘導員の方が、ここから駐車場に入れ、と案内しているので、それに従ってスロープを下りると、駐車場いっぱいに参加者&サポートカーが広がっていて、とても賑やかな状態でした。
 時間は正午頃。当初の想定タイムスケジュールで、15時間で完走するプランにほぼ整合していました。

 タイムカードを打刻後、PedalFar!のフラッグを目印に、サポートカーを見付けます。
 先着していた、にえちゃんさんと、サポートのたすくさんと雑談。ここで飲んだコーラも美味しかった!
 オフィシャルのおにぎりとバナナで補給し、サポートのチームメイトがいるという安心感から、すごく居心地が良いので15分ほど休憩。頃合いを見て、出発する事にします。

 次のチェックポイントまでの区間は、ファストランのコース中、最もインターバルの長い区間になります。
 今までは、およそ50〜60kmごとに設定されていたチェックポイントですが、塩尻から白馬までは約80kmあり、また、途中は例年、向かい風に苦しむ事もあるという場所です。

 そして、ここから先は、私にとって未知の距離。
 自宅からの走行距離は200kmを上回り、次の白馬村のチェックポイント辺りで、走行距離は300kmに到達します。
 未知の距離を走るのは、体に未知の変調が生じたりする事もあるため、何となく慎重に・・・なるかと思ったのですが、実際にはさほど構えることなく、24時間内連続走行距離の最高記録を更新していました。


10052511.jpg
そして、国道20号が終わる。
ここからは19号を北上する。

で、ここの交差点も、
2段階右折を無視して突破して行くチームが・・・。
あんたら、めっちゃカッコ悪いぞ?


 24時間内連続走行距離を更新したのは良いですが、ここから先、国道19号の市街地区間は、様々な意味で消耗させられる区間でした。

 まず、19号区間南端部は道幅が狭くて、自転車が走るのにあまり適さない道であること。
 そして、周囲の自動車、特に紅葉年代のドライバーが、全国に悪名高い「松本走り」で走るため、他の都市では当たり前の、路上の一般常識が通用しない時があること!
 (信号青と同時に、直進車より先に右折車が猛スピードで突っ込んで来る。横断中の歩行者がいてもお構い無しだし、右左折時にウインカーが出ていないこともザラ。事故りたいなら、単独で壁か岩に突っ込んでくれと言いたい)

 松本を訪れる観光客の、少なからぬ数がこの「松本走り」に辟易し、こんな野蛮な田舎町、二度と行くか!とぶちギレる、なんていう話があるのもわかる気がしました(だから、リニアを呼んでも観光業界は活性化はしないぞ>長野県。どうせみんな素通りするんだから、まっすぐ敷かせろ)。

 ちなみに、私がここを走行中、ごく近くで2件の事故が発生し、私自身も、「松本走り」の爺さんに危険な思いをさせられました。
 また、残念なことに、同じチームのメンバーが事故で負傷し、リタイヤするという事態にもなりました(負傷したメンバーの、一刻も早い快癒を願っています)。
 来年以降も走るとしたら、この区間を迂回するルートを開拓したい気分です。

 とにかく、自分の集中力が切れたのか、それとも周囲の環境が悪いのか。
 この市街地走行は、とっても苦痛度の高い時間帯でした。

 この時点で走行時間も10時間近くなっており、暑さと疲労もあって、精神的にも響いてきます。
 それでも市街地を抜け、川沿いの区間になり、池田町に入ると、北アが視界に入ってきて、ずいぶん遠くまで走ってきたぞ、と実感させられます。


10052512.jpg
そして、標識にも糸魚川の文字が出る。
まだ90km近くあるが・・・。


 例年は、向かい風に苦しむという場所も、今年はほぼ無風か、緩やかな追い風を受ける、かなり良好なコンディションの区間となっていました。

 しかし、池田町内は、あまり風景に代わり映えのない一直線の平坦路で、精神的に響く物があるのも事実です。
 実際、精神的にかなりキツい時間帯を迎えていた私には、ググッとブレーキがかかった区間になりました・・・。

 この辺りで時間は14時頃。暑さもピークをむかえ、弱気になった心に、リタイヤの四文字がじわじわと浮かんできたりします。

 そんな時に思い浮かんだのが、なぜか事前説明会でのひとコマ。
 「今年は、参加希望者が多かったので、抽選になりました」
 つまり、今年は走りたくても、走れなかった人達がいるんだよなあ・・・。

 そういう皆様から見れば、今、私がこのコース上にいる事自体、とても羨ましいことに違いありません。
 そして、そんな皆様に対し、「なんか、暑いし、疲れたからリタイヤしちゃいました」で、格好がつくのだろうか・・・。
 何だかそんな事をとりとめもなく考えながら、ズルズルと前進して行きます。

 その気持ちが上向いたのが、大町の市街地に折れる交差点を曲がった瞬間。
 すぐ目の前にある、鉄道を越えるオーバーブリッジを見上げたら、そのさらに向こうに、北アの山がドーン!とそびえ立っていました。

 正直、圧倒される風景でしたね・・・。
 主催者は、この風景を見せたくて、このコースを設定したんじゃないかと思うくらい、感動させられる風景でした。
 (ただし、これは現地で肉眼で見るから感動できると思う。写真に撮っても、あの雄大な景色は、表現できない)


10052513.jpg
ともあれ、大町から見た北アはこんな感じだった。
少しモヤっていたが、それでも十分きれいだった。


 北アの雄大な景観に触発されて、再度クランクを踏む足に力が戻ります。
 大町市街地を抜け、糸魚川街道(ついに、糸魚川の名がついた道路に出たよ!)の長い直線区間を抜けると、仁科三湖へと至ります。

 仁科三湖の周囲も、非常に景観が美しく、萎えかけた心を立ち直らせてくれました。


10052514.jpg
仁科三湖の南端、木崎湖は、
湖岸(東岸)の際を通った。
きれいな場所だから湖岸に下りた方が良い、
と聞いていたからであって、
手前の坂に怖じ気づいたからではない(はず)。

10052515.jpg
東岸の道も木漏れ日が優しく、
とてもきれいな道だったが、
すぐに糸魚川街道に合流してしまう。
西岸を通った方が良かったかもしれない。


 木崎湖の湖面を渡って来る風は涼しくて、火照った体にとても心地よく感じられました。
 涼感をチャージしたあとは、青木湖に向かって、最後のまとまった坂を登ります。
 所々工事で片側通行になっていて、走り難い部分もありましたが、沿道の住民の方?の声援に元気をもらいながら走ります。

 青木湖を見下ろせる場所に至ると、上りの勾配は和らぎ、徐々に下りへと転じて行きます。
 トンネルをいくつか抜け、信号交差点を抜けると、あとは白馬村へと下り基調の道を進むだけ。

 いい加減、痛くなり過ぎて痺れている尻を回復させるため、ここもクランクの上に立って、慣性だけで走ります。
 「体を低くしないと危ないよー!」って、わかってまんがな(^^;)。

 道路の脇を流れる川の流れが、先程の青木湖までは南向きだったのが、白馬村に入ると北向きになります。
 大町までの間、大きく南に回り込んでから日本海に向かっていた川の流れが、直接、日本海に向かうようになったためです。
 つまり、ここから先、地形は日本海に向かって標高を落として行く形になっています。

 そんな地形の変化に応じて、道も順調に糸魚川へと下る、下り基調に転じて行きます。
 下り基調とはいえ、幾度か繰り返されるアップダウンをグイグイ越え、白馬村の中心地へ向かいます。
 道路脇にある融雪装置のノズルが、ガコガコと嫌らしい振動を伝えて来るので、後ろに自動車がいないときは、少し車線の中寄りを走行。コンクリート舗装の区間とアスファルト舗装の区間が交互に現れ、徐々に住居や商店が密集した地域に入って行きます。

 白馬駅前は道路工事で片側通行になっており、交通整理のガードマンの誘導で自歩道を徐行通過。
 一旦、糸魚川街道を外れ、最終チェックポイント、白馬CPに到着しました。


10052516.jpg
白馬CPからは、
北アがきれいに見えていた。


 白馬CPへの到着時間は、16:10。
 ここからの道は下り基調であることを考えたら・・目標時間の15時間(18時にゴール)を、余裕で下回れるんじゃないか、と、そんな欲が出てきてしまいます。
 しかし、この先は多くの方から「初参加の人は、できるだけ一人旅は避けろ!」と何度も念を押された、トンネル優占区間。

 10分ほど休憩後、反射ベストを身に着け、十人ほどのチームが出発するのに合わせて、コバンザメで出発したのですが・・・。
 そのチームは、再度糸魚川街道に出た所で、何かお目当ての店でもあるのか、コースを離れてどこかに行ってしまいました・・・。

 で、先行する人が一人いたので、その後ろについて行こうとしたのですが、この人がまた、メチャクチャに速くて、とてもついて行けない!
 結局ここでも一人旅がはじまってしまいました。

 まあ、それならそれで、覚悟を決めるか、と開き直りつつ、道の脇を流れる姫川を見下ろしますが・・・。
 雪解けシーズンだからなのか、それとも地形的に急峻だからか、山岳地を流れる川としては、水は澄んでいる感じではなく、懸濁質か気泡かで薄緑色に濁り、流れはどう見ても関東の川のそれより荒々しい感じです。
 対岸は、植物があまり生えていない切り立った崖も多く、風景も全体的に荒々しさがあります。

 さすが、巨大断層帯&豪雪地帯。自然の造形も、その厳しさを反映しています。

 そんな場所を走って行くと、最初の小さなスノーシェッド登場。
 テールランプと、シートステーのFibre Flareは白馬CPを出る段階で点灯済み。このスノーシェッドを抜ける間に、ベストの背中のLEDもON。
 これだけビカビカ光らせていれば、後ろから見難いとか、そんなクレームを受けることはないでしょう。
 それに、長いトンネルと言えば、朝一番に新笹子トンネルを通ってきていますから、その感覚があれば、一人旅でも何とかなるかもしれません。

 そんな事を考えながら走っていると、自転車百哩走大王さんの二人組が追い越して行ったので、慌てて追いかけてその後ろに入らせていただきます。
 最後のトンネル区間は、このお二方にくっついて行くことにします。
 反射ベスト&とにかく色々光らせている私が殿なら、自動車へのアピールでお役に立てるでしょうから・・・なんて、今思えば、ずいぶん自分に都合の良い言い訳を考えていたものです(^^;)。

 ほどなくして、前方にトンネルが見えてきました。
 ここからは新潟県との県境を越え、糸魚川市街地近くに至るまで、トンネルとスノーシェッドが連続する、最後の難関区間に突入です。

 しかしまあ、この区間の凄さは、新笹子トンネルで感じた恐怖なんて一発で吹っ飛ぶほどのインパクトがありました。

 トンネルはあまりに延長が長いため、出口はまったく見えない闇の中。
 ふと、前方に小さな光が見え、出口か、と思ったらそれは対向車のヘッドライトで、車が通過したら再び闇。
 バックミラーに、小さな光の点が見えたかと思うと、それは轟音とともに接近してきて車のシルエットを形作り、自転車に風と排気ガスを叩き付けながら追い越して行きます。

 路面のアスファルトは、所々にクラックや表面剥離、大きな穴や、速度抑制用のグルービング(縦横とも)に至るまで、様々な形の障害がトラップのように点在しており、下り基調で速度が出ている時には、下手に避けるより、転ばないよう祈りながら突っ込むしかない場所もありました。

 トンネルを出ても、そこはアクリルチューブを被った橋梁の上だったり、スノーシェッドを被った道路だったりして、いわゆる外の世界に出た、という開放感のある場所がほとんどありません。

 一つひとつのトンネルが長いため、その中を走っていると、頭上で換気のためのジェットファンが、クァーーンと甲高い音だったり、グァングァングァングァンという耳障りな回転音だったり、とにかく色々と激しい音をたてて回転しているのもわかります。
 そして全体的に埃っぽく、走っているうちに鼻の奥や喉がだんだんザラザラとした変な感じになっていきます。
 喉の奥にたまったイガイガを吹き飛ばそうと咳をすると、痰ではなく、痰が乾燥して固形物になったような何かが直接、喉から剥離して飛び出します(通常、米粒〜豆粒大だったが、500円玉大の物が飛んで行くときもあった。まあ、喉がすっきりしたのでよしとするけど・・・)。

 そんなヤバい感じの何かが、肺の中まで到達していないのか、かなり心配になります。
 何度かトンネルとスノーシェッドを抜けると、道の駅小谷の前を通過。
 ここに19時までに到達できないライダーは足切りになりますが、私はまったく問題なくクリア。
 続けてまた、長いトンネルを何度か抜けると、トンネル出口の先の標識に、「新潟県」の文字が・・・。

 ついに、最後の県境を越えました。

 でも、その先も再び、トンネルとスノーシェッドが連続する区間。
 新潟県に入ったら、周囲の風景の中に真新しい崩落痕が増えて、よりいっそう荒々しさが増している気がします。
 まあ、それもそのはずで、イベント終了後に調べてみた所、長野と新潟の県境付近は、平成7年と8年に、14名もの死者を出す土石流が発生した場所だったようです(自然の力、恐るべし)。

 延々続くスノーシェッドの柱の間から外の風景を伺うと、あちこちの山肌に、真新しい崩落痕がついています。
 さすがは断層地帯を形成する急峻な崖。冬は雪崩、夏は落石が当たり前に発生するでしょうから、道路がこんな風になるのも仕方がありません(逆に、覆いがない方が危なくて走れない)。

 それにしても、トンネルやスノーシェッドの中は道幅も十分でなく、自転車には逃げ場がないので、後方から来る車が十分な余裕を持って追い越してくれることを願うのみなのですが・・・。
 私が後方にアピールするように、色々なライトと反射ベストを装着して発見し易かったためか、この区間では特に嫌らしい幅寄せやクラクションを喰らうこともなく、大きくセンターラインをまたぎ越すようにして追い越して行ってくれることもありました。

 何度、暗黒空間を越えたか分からなくなった頃、久々に出た地上で、「袴岩」という岩が道路の左に見えます。
 事前に何度も地図を読み込んだ結果、袴岩が見えたらスノーシェッドやトンネルの区間は終わる、という認識があったので、心の中で「やったー!」と歓喜の叫びを上げたい気分でした。

 しかし、その先にも何個かスノーシェッドがあり、いい加減、うんざりしてきた所で、道は姫川を渡り、右岸へ。
 そこからは最後の最後、ホテル糸魚川まで市街地走行です。

 フラットな道を、もう疲労で回そうと思ってもそんなに回せない足で進んで行くと、前方にコース誘導員の方が見えました。
 左折せよ、の合図に従って左折すると、そこがゴールのホテル糸魚川でした。


10052517.jpg
到着したゴール地点。
チーム内では鈍足組だった。
皆さん、速い!


 丑三つ時に集まった高尾山口。
 服装選択を間違え、早朝の段階で熱バテ寸前だった笹子。
 100km走っても、まだ200kmある、と、気が遠くなっていた韮崎。
 自宅から200kmを越えて、この先は未知の距離だと意気込んでいた塩尻。
 目標時間を大幅に下回れそうだ、と気合いを入れ直した白馬。
 そして、目標到着時刻の18時を前倒しにして、17時45分頃に無事、ゴールしました。
 完走した喜びよりも、これで心置きなく休める、という喜びの方が多いくらいの、厳しい道のりでした。

 その日はそのままホテルに宿泊するため、部屋に入り、鏡で顔を見たら・・・。

 汗の塩が結晶して、白いザラザラの粉になっているわ、トンネル&スノーシェッド帯で被った埃なのか、何か黒ずんだ粉がべっとりとついている場所もあり。
 とにかく、これが自分の顔とは思えないほど、酷い汚れっぷりでした・・・。

<ここから下、5/27日加筆>
 すぐにホテルの大浴場に体を洗いに行きましたが、皆、考えることは同じようで、浴場には洗い場の順番待ち大行列ができています。
 順番が回ってきたので洗い場に座り、頭からシャワーを浴びたら、塩辛いお湯が落ちて来るという・・・(汗かき過ぎ ^^;)。
 髪がそんな状態でしたから、体の方も、一度目だけでは泡立たずに、二度洗いしないとダメだったとか、とにかく凄い汚れ方でした。

 その後、オフィシャルから配られた夕食用の弁当を食べたものの、300kmを走ってきた後の腹が、それだけで収まるはずもありません。
 チームの走行中のメンバーが全員ゴールし、風呂に入ってから、PedalFar!チームの糸魚川の夜恒例となっている(らしい)焼肉へと出かけました。

 で、焼肉屋さんに着いたら・・・。

 「ご注文は?」
 「このメニューの肉、全部」

 ・・・何という豪快な注文(^^;)。
 チームメンバーの大食いっぷりは様々な機会に聞いており、焼肉屋ではページ単位で注文する、なんて話も聞いていましたが、さすがにそれは、誇張されたネタ話だとばかり思っていました。
 まさか本当だったとは(^^;)。
 (ちなみに、さすがにこんな注文をするグループはそうはいないようで、店の人に「去年も来たでしょ?」と言われてしまったようです)

 その後は、焼いて、食って、皿を下げて、ドリンク頼んで、ユッケ混ぜて、と、とにかく目の前にある様々なものを片付ける作業に没頭。
 焼いても、食っても、次々出て来る肉肉肉肉・・・・。

 それでも、さすがに300kmを走り抜いてきたメンバー×6人×2卓。
 しばらくすると、運ばれて来る肉の皿は減り、店員さんが「これで最後です」と、筋焼きだったか何だったか(もう、「肉」としか認識できなかった)を置いて行きます。
 食べ切れるかどうか、と、そればかり心配していましたが、案外、食べられるものですね・・・。

 と考えていたら、隣のテーブルから上がった声。

 「2周目行きますか!」

 どんなエンデューロですかっ!
 (注:2周目=またメニューの最初からオーダーすること。さすがに私は無理っ! ^^;)

 まあ、その後は持久力がある人だけ、短縮コースでの2周目に入り、ラストオーダーで「デザート全部」のオーダーが飛び、これも全部平らげてお開きになりました。

 で、さらにその後、宿で一波乱(他チーム襲撃未遂、とだけ書いておこう ^^;)あり、なんというか、修学旅行の夜を思い出させる雰囲気でしたが、「もう寝るぞっ!」というかけ声で、就寝。
 次に気付いたら、朝になっていました(ホント、5〜6時間を一瞬に感じるくらいの深い眠りだった)。

 翌朝は風が強く、窓から外を見た人は皆、「今日が本番でなくてよかった〜」とつぶやきます。
 で、私が風呂に入っている間に、チームアスペンさんの恒例、朝の振舞いアイスがあったようで、食いそびれてしまいました(くそう!)。

 その後、糸魚川は昨日とはうって変わっての荒天に見舞われ、北陸線の特急が全面運休。糸白線も運転見合わせという、陸の孤島状態に。
 まあ、こうなったら今日中に東京に着けばいいかぁ、と開き直って、各駅停車で直江津。直江津から北越線で長野に出て、長野新幹線経由で帰ってきました。


10052518.jpg
長野新幹線内の輪行風景。
スキー板を置くスペースが、
ロードの輪行袋を置くのにぴったりだった。


 東京に着いたら、あいにくの雨。
 しかし、輪行袋を都内の電車に乗せる気にはならなかったので、東京駅で車体を組み上げ、日曜の雨の予報を見越して持ってきていたレイン装備に着替えて、国道20号を大手町から三宅坂、四谷、新宿と進み、自走で帰宅。

 そういえば、昨日はこの20号の終点まで走ったんだな、と、いかにも東京という風景の中を走りながら、凄く不思議な気分になりました。
 この道をずーっと走って行けば、調布、府中を越えて高尾山口に至り、いくつもの峠を越えて、諏訪湖の向こうまで続いていることは、自分で走って確かめてきた事実であり、その距離を具体的にイメージできるようになっているところが、どうやら今までの私の感覚とは違っているようでした。

 そんなこんなで、私の初めての「東京→糸魚川ファストラン」のチャレンジは終わりました。
 コース上の走行距離は291.6km。自宅からの走行距離は、約330km。
 24時間以内の走行距離のレコードを塗り替えてきました。
 (ちなみに、nuvi 205の記録は、白馬CPから5kmの地点でバッテリー切れで止まっていた)

 で、300kmも走った先で、何を感じて、どんな風景を見たか、と、東京に戻ってきたら、多くの知り合いに聞かれました。

 ・・・・・ん、別に、特別なことはないなぁ・・・・・。

 ただ、ひたすらに疲れ、それがとても楽しかった、と、それを実感しているだけです。
 それに、300km走っても、その先にはまだ道が続いていました。
 ただゴール地点が300km離れた場所だった、というだけで、ゴールがあと10km向こうでも、もしかしたら100km向こうでも、走って行ったような気がします。

 うーむ、この感じ、文字や言葉で伝えるのが、凄く難しいですね・・・。
 もしかしたら、これが「距離感が壊れた」とか、「距離の壁を突破した」という状態なのでしょうか?

 とはいえ、そんな事を問われても、恐らく誰にも答えようがないですよね(^^;)。
 (私の内面変化・・・と言うべき問題ですし)

 ま、何にしても、今、私の頭にあるのは、今度の週末、晴れたらどこに走りに行こうか、と、それだけです。
 ・・・その前に、サイコンのセンサー、取り寄せないとなぁ・・・(泣)。

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プロフィール

YO-TA

Author:YO-TA
2011年7月に東京から仙台に移住。
相変わらず、デジカメ片手に、サイクリングやハイキングを楽しんでいます。
突然、突拍子もないことをやらかしますが、それはまあ、ご愛嬌という事で…。

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