日々是遊歩。見て、聞いて、感じて、それを殴り書き。

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一応、書評(もどき)。「ヒルクライマー」

 本日、出がけには雨が降っていたので、自転車は諦めて電車で出勤。

 そういえば、今後通勤車をAirframeからtikitに変えようとしていますが・・・今までの駐輪場所は、管理人がいるとはいえ、誰でも簡単に出入りできる場所なので、そんな場所にtikitを置きっぱなし、なんて、とても考えられません!
 今日はちょうど良い機会だったので、出先の施設管理担当職員さんに、「今後、折り畳み自転車での通勤を考えているが、室内に置いて良いか?」と確認をとってみました。
 (注:私は外部出向中のため、勝手な事はできない。自分の所属会社内なら、問答無用ででんと置くんだけど ^^;)

職員さん「んん~、ちょっと、そういうのはな~」
私「(汗がたらっ)いやあ、廊下の隅っことかで良いんですが」
職員さん「ダメダメ!ビルのオーナーさんに文句を言われるから、面倒だし重いだろうけど、ちゃんと中まで持って入ってね。そこまでやるならOK」
私「そうさせて頂きます(小さくガッツポーズ)」

 なんか、より「有り難い」状況になってくれました(笑)。
 そんな訳で、今後はtikitを堂々と室内置きする事にします。

 では本題です。
 今日は、例によって似合わない書評など・・・。
 今回は、高崎を往復する電車内で読んだ、こんな本です。

「ヒルクライマー」(高千穂遙著 小学館)(Amazoneへのリンク。非アフィリ)

 自転車趣味人の間では、自転車好きのSF作家として、最早知らない人はいない、とも思われる、高千穂遙さんの初の自転車レース小説です。

 題材になっているのは、自転車レースの中でもストイック度が高い(と思われる)競技である、ヒルクライム・レース。
 峠に続く、何キロにもなる坂道を登り切る最短時間を競うレース、という、自転車趣味を持つ皆様以外から見たら、「馬鹿?」とか「変態?」とか言われかねない競技でもあります。

 自転車趣味の世界は、趣向に応じた様々なジャンル(とにかく走る、メカをいじる、コレクターなんてのも・・・)に別れるのは、その他の趣味の世界と同じですが、その中に、少なからぬ割合で含まれるのが、「坂馬鹿」と呼ばれる、坂道を登るのが大好き、という人達です。
 私は、「登り坂より向かい風が好き!」という希有なタイプの人間(断っておくが、向かい風を切って、超人的に速く走れる訳ではない。普通にグイグイ減速するが、体感苦痛度は坂よりまし、というレベル)なので、坂馬鹿の皆様の世界の事は良くわかりませんが、この話を読むと、「ああ~、いるよね、こういう人達・・・」という気分にさせられるのは間違いありません。

 という長い前置きを経て、ネタバレなしの感想。

 正直、微妙かな~(^^;)。

 まあ、この感想に至ったのは、私が先に書いた通り、「坂」にあまり魅力を感じない人間である事が強く影響していると思います。
 私も普段、奥多摩などに走りに行っていますが、アレは自分が走っていて気持ちのいい場所が、結構標高の高い場所だから、という理由なので、別に峠越えが好きな訳ではありません。

 というか、日本という国の地勢を見ると、どんなに広い平野(関東平野みたいな場所)をスタートする場合であっても、100km単位で走ろうと思ったら、間に丘陵地や山地が必ず入ってきますから、嫌いだからといって、坂道を避けて通れない運命です。
 悲しいけれど、これって日本の現実なのよね~(ちなみに、世田谷区北西部にある私の自宅から奥多摩駅まで、往復120km。意外に近いのだ)。

 という訳で、私は「設定したコースに坂道があったら、仕方なく登る」タイプであり、自ら好んで登る事はないので、「よくやるねぇ、皆さん」と、ちょっと引いた目で見てしまう所があるのが、のめり込めなかった理由かも・・・。

 まあ、それ以外にも、「話の展開上、そのシーンは必要ないじゃん?」という部分があったり、「おい、お前、言行不一致だぞ。記憶力は鳥か?」というツッコミどころが結構あったりするので、純粋に「小説」として、そういう部分が気になる方も、同じような感想になるかも、です。

 まあ、個人的には、いつも走っている地域が主な舞台なので、「これは、あの店がモデルだな」とかニヤニヤできる場所も多かったのですけどね(うどんじゃなくて、カレーかな:謎)。

 裏置き部分に、ネタバレ付の感想を置いておくので、興味のある方はどうぞ、ご覧下さい。

 では、ここからはネタバレありなので、ご注意ください。

 さて。
 私がこの話を微妙だ、と感じた一番の部分は、私が坂嫌いで、一歩引いた目で見てしまう点が大きい事は、最初にも書いた通りですが。

 それ以外にも顕著に感じたのは、「こういう話に、濡れ場は不要では?」の一言に尽きます。

 というか、そこに導くプロットも、かなり強引というか。
 偶然、ちょっと顔をあわせただけの二人が、後日、偶然病院の待合室で再会し、次はいきなりデートでホテルの中って、どんなケータイ小説ですか?という展開で、意識が一瞬でスコーンと物語世界から解脱してしまいました(で、そのシーンはSKIPしました。あまりに流れにそぐわない感じがしたので・・・)。

 いやね。
 父親に対する反抗だの、かまってチャンの甘えから来る反動だの、そういう表現だというのは、私にも分かりますけど、いくら何でも「あからさま」にすぎないかと・・・。
 互いの年齢を背景に、「年齢相応に黒い部分」を利用した展開(例えば、どうせ大人は少年少女は純粋な物だ、と見ている部分を逆手に取るような感じ。現実の少年犯罪は、ほとんど"それ"だしね)だったら、ページをSKIPするほどではなかったかもしれませんが・・・。

 まあ、それ以前の話で、ストイックに坂を極めるレーサーの物語なら、その部分だけをクローズアップして、他のエッセンスは可能な限り削ぎ落としてあった方が、私としてはより「物語」にはまれるので、私の個人的感想では、一連の"アレ"関係シーンは、不要だったと思います。

 あと、自転車趣味は、確かに、はまればどんどんお金が出て行きますが、そうでない(お金をかけていないけれど、物凄く楽しんでいる)人もまた多い訳で。
 この趣味にお金がいるからと言って、女性の職業をそういう系統にしてしまうとか。
 男性の職業も、何だか結構、特殊なジャンルが多いのも、ちょっと気になります。

 それ以外の部分では、「初心者にありがちな勘違いだよね~」とか、「ああ、こういう人は確かにいるなぁ」と思わされる部分が多く、さすがに「自転車好きな作家さんが書いた本だから、視点が近いなぁ」と大納得な部分が多いです。
 (まあ、実際に走るとかなりキツいコースを、あっさり通過しているように書かれていて、ヲイヲイな部分もありますが。「そこから鶴峠を登る」とか、一言で片付けられたらねぇ・・・)
 ヒルクライムレースでの駆け引きとか、そういう部分も、実際にそのコースをレースとして走っているからこそ書ける描写だな、と思わされる部分もあり、かなりじ~っくりと(レースシーンは、2度、3度と繰り返して)読ませて頂きました。

 しかし、主人公が、(いわゆる軽度の精神症という設定を裏につけているとはいえ)自転車で走る面白さに目覚めたのに、ヒルクライム以外のレースを否定的に見ているのはどうなのかなぁ~。
 個人的には、そこにもちょっと反発を感じています。

 私自身は、レース経験は(お祭り系の)エンデューロしかないのですが、エンデューロも制限時間内に、一周でも多く周回数をこなす、という意味で、ストイックな勝負をしているレースです(まあ、そのつもり ^^;)。
 「ロードレース(=チームワーク)が苦手だから坂しかない!」ではなく、「個人で勝負するレースを色々試したけれど、俺は坂を登る時のこの感覚が、一番好きなんだ!」という展開なら、もうちょっと共感できたのになぁ~、と思わされ、ちょっと残念でした。

 という訳で、私個人の感想としては、自転車乗りの、特に坂馬鹿を自認する皆様なら、凄く共感できる所が多くある物語だと思います。
 が、純粋に「ストイックな物語」を期待すると、もっと贅肉を削ぎ落とした方が良かったと思われる部分も多々あって、共感できる部分が多いだけに、凄く残念、というのが結論的な感想になるでしょうか。

 それと蛇足で最後に。
 ある登場人物が、「今の自分から自転車で坂に登る事を奪うのは、人生の大切な物が奪われる事だ」と、これまたストイックな事を言って、せっかくの昇進(?)のチャンスを棒に振っていますが・・・。

 その後のレースシーンで、その人がいるのは「グルペット」(というか、リタイヤ予備軍)ってのは、どーなの(笑)。
 激しく言行不一致なんですけど(思わず、あんだけ啖呵きっておいて、結局は坂で楽しく遊びたいだけなんかーい!と、ページに向かって突っ込んでしまったのでした)。 

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YO-TA

Author:YO-TA
2011年7月に東京から仙台に移住。
相変わらず、デジカメ片手に、サイクリングやハイキングを楽しんでいます。
突然、突拍子もないことをやらかしますが、それはまあ、ご愛嬌という事で…。

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