8月・・・のはずですが、ここしばらく、仙台は秋のような低温と、梅雨のようなジメジメした天気が続いていました。
そりゃもう、
「低温注意報」なんて言葉を聞くくらいにね・・・。
今年は、海岸地域の水田地帯が津波被害で軒並み、作付けできない状態になっているのに、稲の生育期にこんな低温続きになるとは、秋の収穫がどうなるのか、この段階でかなり心配なんですが・・・。
まあ、今週半ばくらいからは、徐々に夏の暑さが戻って来ているので、これから夏本番となってくれる事を期待したいですが・・・。
(でも、暑くなり過ぎるのもなあ・・・)
では本題です。
仙台で生活を初めて、約一ヶ月が経ち、いい加減、この町の地理にも慣れてきました。
杜の都というだけあって、
仙台には立派な街路樹のある道筋が多い。
これは定禅寺通り。
そして、仙台は旧暦の七夕にあたるこの時期には、有名な仙台七夕祭が開かれています。
仙台の七夕祭りは、とても大々的なお祭りである事は全国的にも知られている通りです。
仙台七夕祭の飾り。
様々な企業、団体、個人が作っている。
この飾り、結構大きな物で、アーケードの天井近くから、大人の胸の高さまであります。
つまり、普通に歩いていても、下に伸びた簾状の飾り(吹流しというらしい)をかき分けないと通れない訳ですね。
タイミング悪く後ろから呼び止められると、前を向いた瞬間にバサッと顔にかかって、「うおわっ」となる事も・・・。
・・・というか、狙ってそういう悪戯を仕掛ける事も出来そうな・・・(^^;)。
ちなみに、飾りが多く掲げられた一番町やクリスロードなどのアーケード街は、この祭りの期間中は人でごった返すので、よそ見をして歩くのはちょっと危険だったりするので、注意しましょう・・・。
七夕飾りは、様々な企業、団体、個人が出展しており、その意匠に、出展者のイメージカラーなどがあしらわれる事が多いらしいです。
わかり易いのが、
携帯電話の各社の飾りか?
これはdocomo。
企業ロゴの色である赤が基調の飾り。
AUはやはりオレンジ。
これは仙台駅内に飾られている物。
SoftBankはやっぱり白か・・・。
その他にも、色々な物があります。
例えば・・・
茶葉系清涼飲料で有名な伊藤園は、
鮮やかな緑色(仙台駅)。
コカコーラはやっぱり赤色(仙台駅)。
近年の傾向か、
アニメキャラをあしらった物もある。
個人的に面白かったのが、
某メガネ屋さんの飾り。
吹流しの先端部分。
ちゃんと3m離れて見るべきですか?(笑)
今年は、東日本大震災の直後だけに、復興を祈願して作られた飾りも多くありました。
今年の祭りのテーマも、
「復興と鎮魂」であり、それにちなんだ飾りも多くあります。
会場で短冊に願いやメッセージを書いて、飾りに吊るす事が出来る場所なども用意されており、あの大災害を乗り越えよう、という願いや決意を新たにする皆様も多かったのかもしれません。
南三陸歌津中学校避難所の皆様が作ったという飾り。
小さくても、存在感があった。
会場で折鶴を集めるイベントも行われていたようだ。
願い事やメッセージが書かれた短冊は、
ボードなどに張り出されている。
物凄い数になっていた。
なお、この七夕飾りは、地区ごとなどの単位でコンテスト等が行われ、それぞれの趣旨に応じて受賞した物が飾られていたりもします。
個人部門の金賞を受賞していた飾りの一つ。
華やかな雰囲気が印象的。
同じく金賞の受賞作。
折紙細工の細かさと数が凄い。
こちらは銀賞を受賞していた飾りの一つ。
どこかの幼稚園の園児達が作った飾りらしいが、
その割に、シックな色合いで落ち着いた雰囲気だ。
「絆 特別賞」の受賞作。
仙台市内の小学校の児童80,000人が作った折鶴を、
教師や父兄が飾りに仕立てた作品で、
「星に願いを。」という題が付けられている。
薄紫色の折鶴が白く輝いて見える不思議な雰囲気の作品で、
一番町とクリスロードが交差する、
最も人が集まるポイントに飾られていた。
もともと、仙台の七夕祭りがこれほど大規模になったのは、地元FM局の放送で聞いた話では、江戸時代の飢饉の際に、厄払いと鎮魂を目的に、出来るだけ豪華で盛大な祭りを催して、明るい雰囲気でお盆に死者の霊を迎えよう、と考えた事がそもそもの由来なのだとか。
という事は、今、お盆を前に、これだけ盛大な祭りを催しているのは、ある意味で、祭りがはじまった当初の心を反映したもの、とも言えるのかもしれません。
大災害の傷跡も深いうちに、こんなに賑やかにするのは不謹慎だ、という声も(私の個人的な感覚では、多くは被災地の外から)聞こえてきますが、お盆を前にして、「こちらの世界は、もうこんなに元気になったよ。だから安心して帰っていいよ」と、死者の魂に告げるためにも、賑やかな祭りを行うのは悪い事ではないと思います。
もとより、日本全国、あちこちで行われている夏祭り自体が、お盆を前にした禊や鎮魂を目的としたものだ、という解釈もあるそうですから、できるだけ盛大に先祖の霊を迎えるのは、間違った事ではないでしょう。
アーケード街以外にも、店舗やビルの入口に飾りを掲げている場所も多く、この時期、仙台は町全体が七夕一色になっています。
こういうお祭りを景気に、地元の皆様がもう一度、力を合わせて、復興への道を歩き続けることができるのであれば、意義のある祭りになるでしょう。
アーケード街に幾重にも連なる七夕飾り。
来年、もっと元気になった町で、
もっと盛大な祭りになる事を祈念して。
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